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  • v026 「ふるさと銀河線」廃線

    ■「ふるさと銀河線」廃線

    ふるさと銀河線

    正月休みは実家の北見へ帰りました。以前から気になっていた今年4月20日で廃線になる鉄道の「ふるさと銀河線」に乗ることにしました。廃線区間の北見から池田までの32駅、これを妻と2人で往復すると1万3640円もかかります。予算の関係で泣く泣く半分程度のところまでを往復することにしました。

    行ったところは陸別という町ですが、これが「日本一寒い町」という肩書きがついています。駅前には氷点下40度まで計れる大きな温度計の塔がありました。陸別は冬期の最低気温の平均が日本一なんだそうです。

    日本で記録した最低気温は1902年の氷点下41度、陸別ではなく旭川だそうですが、実は陸別周辺で氷点下40度を越えて、計測不能なんてこともあるらしいので、非公式にはやっぱり陸別が日本一かも知れません。

    私が昔経験した氷点下39.5度は、やはりふるさと銀河線(当時は池北線〈ちほくせん〉と言った)の置戸〈おけと〉という町でした。鼻で息を吸うとくっついてしまうので、口でしか呼吸できなかったのを覚えています。置戸と陸別は直線距離なら30km程度しかありません。やっぱり置戸も相当寒い土地だったのです。

    私が乗った銀河線は1月2日の午前9時20分発の1両編成。どうやら鉄道ファンが全国から来ていて、朝だと言うのに改札には長い行列ができていました。驚いたのは乗ってから。ところどころにある踏切や陸橋などにも三脚を立てて列車を撮影している人をたくさん見かけたことです。それと、駅の看板や標識などの写真を撮るため、ひと駅乗っては降りて次の列車を待つという、おそろしく根性のある鉄道ファンを見たことです。
    3分の2くらいは屋根もない無人駅です。2~3時間、何もない吹きっさらしの無人駅で待機するしかないはずなんです。この日はせいぜい氷点下4~5度でしたけど、つらいですよね。鉄道マニア恐るべし。

    池北線は昔、通学で乗っていました。当時、何もない風景には特に感じるものはありませんでしたが、今回乗ってみて、何もない山の中を走る列車も悪くないなぁ、なくなるのは本当にもったいないと思いました。利用者が少なく採算があわないから廃線になるのですが、魅力がないわけではなく、乗りたい人が全国にいるのではないかと思えます。もう少し工夫できなかったのかなと残念に思います。残してほしかった。

    PS
    陸別では民家近くの山の斜面に野生の鹿(つがい)を見ました。残念ながら立派な角を持ったオスは写真には写せませんでした。発見した時は釘付けになりました。美しいと思いました。


  • v024 砂箱

    ■砂箱

    砂箱

    札幌の中心地の何か所もの交差点に「砂箱」なるものが設置されています。基本的に横断歩道の両端にあります。文字どおり砂が入った箱で、砂は3キロくらいに分けられ袋詰めされています。

    路面が凍結して滑りやすくなっている時に、通りかかった人が危険だと思えば砂をまいてすべりにくくするのです。転倒事故が多発していることから考え出されました。

    その砂箱に、今年からちょっとした異変がありました。札幌市が砂箱に広告主の募集を始めたのです。いまはどこでも財政難ですから、民間協力という形で少しでも支出を抑制しようとしています。

    広告主は、6万円程度の砂箱を買い取ります。砂箱に自社のロゴやコピーなどを印刷して広告媒体として使えるというものですが、買った砂箱は札幌市に寄贈する形をとるのです。中に入れる砂は市が点検し補充をします。

    箱は劣化するため、美観を損ねるという理由で、5年程度で破棄されます。設置期間は12月から3月の冬期のみ。寄贈という形をとりながら、設置と撤去、夏場の保管は広告主が負います。

    我が研究所もどうしようか考えてしまいました。5年間6万円で札幌の中心地に広告を打てるのです。設置場所にもよりますが悪くない話です。単純に面白いと思うのです。まだ募集は続いています。

    最近になって急に気温が下がってきました。雪も毎日のように降っています。これからは最高気温が氷点下の日が続くと思われます。道内ではすでに氷点下20度を記録している町も出てきました。ついに来たな、という感じです。

    もちろん路面はすでに凍結しております。


  • v006 ラベンダーの花束 その2/市電その後(回答)

    ■ラベンダーの花束 その2(富良野まで行かずとも札幌にミニ富良野あり。ミニでもないけど)

    ラベンダー

    ラベンダーと言えば富良野が有名です。過去に一度、稚内から2日かけて自転車で行ったことがありました。
    そこは想像以上に美しく、広く、居心地のいい場所でした。美しい風景の中にいる自分は、自分で自分が見えないのをいいことに、美しい風景の一部として容認するのですが、一緒に行った筋骨隆々のオヤジがその場にそぐわなかったのがちょっとした汚点ではありました。

    その富良野は、札幌から高速バスで2時間半。微妙に遠く、ホイホイ行く気持ちにはなれません。ところが、札幌市内に「ミニ富良野」とも言うべき場所があるのです。ラベンダーを観賞できるのはもちろんのこと、色とりどりの季節の草花が観賞できます。さらには無料でラベンダー摘み体験ができる(今年は7月23日、年に1度だけ)というのです。
    それは市内バスで1時間程度のところにある「国営滝野すずらん丘陵公園」というところです。(車なら30分)

    行きました。総面積は約400ヘクタール。ピンとこない? 1ヘクタールは100×100メートル。それが400個。20個×20個だから、2キロ四方の面積ですね。実際に行ってみると本当に広い。全体の約半分の面積に草花が植えられているそうで、月ごとにいろんな花が咲くようです。(冬はスキーができます)

    さて、目的のラベンダー摘みへ行くと、そこには長い行列が。年に1度だから仕方ないのか。200人、300人、もっとか…。しかし、とても広いので人間でいっぱいだという感じはしませんでした。案の定というか、摘むためのはさみが少ないため、なかなか前に進めません。摘んでもいいラベンダー畑の半分以上はガラ空きなのに、はさみがないばっかりにずーっと待たされます。

    はっ、この非効率的な景色は、…路面電車のデジャブ!! ああ、とことん非効率、とことんノンビリ。数少ない帰りのバスの時間が迫る中、行列はなかなか前に進まないのでした。でも広い大地はイライラをなくしてくれるのです。

    摘んだラベンダーの花束はドライフラワーにして、今も部屋でさわやかな香りを放っています。

     

    ■市電のその後…言い訳と真の理由

    8月2日。市電の後払い制が非効率なので、前乗り・前払いにした方がいいのではないかと、札幌市のホームページから出したメールの返事が来ました。

    「…中乗り・前降り、料金後払いとしておりますが、この方式は、冬季間に特に厳しい寒さが続くことや、風雨が強いときなどの悪天候をふまえ、停留所のお客様にできるだけ早くご乗車いただけるよう考慮したものであります。」
    ああ、そうなのか、と一瞬うなずいてしまいました。いやいや違うやろ。待ち時間でお金を用意する分サクサク乗れますって。トータル、ドアが開いている時間が減りまんがな。それに屋根だけの始発駅で、降りる客をずーっと待ってる方がサムイやろっ(つっこみは関西弁に限りますな)。

    「現在の停留所の形状ではお客様の動線確保が難しく…」
    ああ、そうなのか、と一瞬うなずいてしまいました。いやいや違うやろ。むしろ真ん中のドアから乗る場合、どっち側に列を作っていいのか迷いますやろ。実際、わては困ったで。みんな並んでるようで並んでへんし、真ん中あたりに散ってるだけや。(つっこみは関西弁に限りますな)

    「…料金箱等の改修費用も多額となるため、導入することが困難な状況です。」
    これですがなこれ。財政危機。コレなら納得。なるほど市電が存在しているだけありがたいことでございます。
    降り口で人が詰まる市電は、ひとつの風物詩として捉えるしかなさそうです。

    「この度は、市営交通に関心を寄せられ、ご意見を賜りましたことを感謝申し上げます。」
    いえいえどういたしまして。返事が来ただけでも十分でございます。


  • v003 目指せ札幌上級者、交通網を制覇する

    ■目指せ札幌上級者、交通網を制覇する

    札幌交通網制覇

    札幌には非常に複雑な交通料金システムがあります。路面電車と地下鉄とバス間の乗り継ぎ割引というものです。
    このシステムがあることは昨日今日引っ越してきたようなイナカ者には絶対にわかりません。なぜなら、その案内は見つけられないし、あっても一見では理解しにくいものです。

    簡単に言うと、電車やバス、地下鉄を乗り継ぐと80円か100円おトクである、ということだけなんですが、

    http://www.city.sapporo.jp/st/ryoukin.html#tikanori(リンク切れ)

    ↑このホームページの「電車・バスに乗り継ぐ場合」を見て理解できる人がどのくらいいるでしょうか。しかもその活用方法がわかりにくい、というか私には何だかほとんどよくわからないです。

    とにかくトクをするということで、一度、試しに[バス→地下鉄]の乗り継ぎ券を買ってみました。まずバス内に説明などがないので、降りるとき運転手さんに尋ねるしかありません。もちろん私のうしろには降りる人がズラリと並んでいる状況です。
    「このあと地下鉄に乗りたいんですが」
    こう言ったあとにものすごい不安感が押し寄せてきます。もしかすると「勝手に乗れば」とか、単に「あっちですよ」とか言われるかもしれない、と、心配になるのです。本当です。
    実際は「あ、はい、乗り継ぎね、120円です」と券を売ってくれました。

    しかし目的地を告げてもいないのに、なぜ120円であるのかが理解できず、「まあいいか」という感覚でした。
    いったい目的地でどう精算するのか、「金額が足りないよ」なんて言われたらどう説明すればいいのか、と、心配になったものです。本当です。なんせ、そのチケットの存在自体が不明瞭な空気なんですから。
    地下鉄を出るときに駅員さんに聞いて、不足していた数10円を渡して外に出たのでした。結果として80円安く地下鉄に乗れたのですが、なんだか釈然としません。(降りるときに精算する形で切符を買わせる、というのがやり方として何かおかしいような…)

    まるで札幌市民しか知らないウラルール。
    札幌上級者はもっと何か知っているのではないか、何か隠しているのではないか、と私はにらんでいます…。(きっと何かある)
    そう考える私はおかしいのか?(そんなはずはないと思うが…)

    さて、以下がそのシステムの説明です。私なりにわかりやすく書いてみたつもりです。ヒマがあったら読んでみてください。

    ・・・・・

    例えば、バスを降りた後に地下鉄を利用する場合、まずバスを降りるときに運転手さんに声をかけて、地下鉄乗り継ぎ券を買います。これが120円。
    (どこまで行くかは問題にせず、とにかく120円)

    とりあえずそのチケットで地下鉄の改札を通れます。
    地下鉄1区間(初乗りですね)は200円、1.5区間と2区間というのがあって240円、3区間なら280円、4区間で310円、5区間で340円、6区間で360円です。

    これで、1区間で降りるときはそのチケットで降りられるので80円トクします。(自動改札を通れるかどうかは未確認)
    1.5区間で降りるときは20円を足せばオーケー。
    つまり140円で240円区間が乗れるので100円トクをするわけです。
    降りるときに窓口で20円を払うか、精算機(未確認)で払うのでしょう。
    もしくは地下鉄に乗るときに窓口でチケットを見せ、プラス20円を払えば目的地までのチケットが買えると思われます。(未確認)
    (いや、料金が1.5区間と2区間が同じだから、それは無理か…。わからん)
    2区間(240円)の時は40円足せばいいので160円となり80円のトク。
    3区間(280円)なら80円を足せばいいので200円となり80円のトク。
    4区間(310円)は110円足せばいいので230円となり80円のトク。
    …と、まあ6区間まで80円トクをする計算になるようです。

    同様に、地下鉄を降りてからバスを利用するとき、あらかじめ地下鉄に乗る前に、バス料金分120円(どこまで行くかは問題にせず、とにかく120円)を加えた乗り継ぎ券を買うようです。
    (地下鉄の改札口を出る前に窓口で「このあとバスに乗ります」と言っても買えるようです。なーんかアバウトな気がするなー)
    するとバス1区間の場合、本来200円かかる区間ですが、120円で乗ることができます。バス2区間というくくりでは、降りるときに20円か30円を足せばいいようです。
    まあ、どうやっても80円トクをするということのようです。

    地下鉄から路面電車を利用するときは、地下鉄のチケットを買うときに「路面電車に乗り継ぎできるチケット」を地下鉄料金に90円を足して買います。
    もしくは地下鉄の改札口を出る前に、路面電車に乗ると申し出れば、90円で路面電車の乗車券が買えるのです。
    170円の路面電車に90円で乗れるので、やっぱり80円トクします。

    バスを降りて路面電車を利用するときはこのサービスはありません。


  • v002 市電の不可解

    ■市電(路面電車)の不可解

    路面電車

    札幌には風情ある路面電車が走っています。電車のボディは広告だらけで風情と言えるかどうかは別として、どことなくいい感じではあります。
    客も多いのですが、廃止の話もあり経営状況は良くないようです。車体もボロボロです。

    そんな路面電車にひとつ大いなる疑問があります。路面電車の料金は一律170円。中ほどのドアから乗り、前のドアから降ります。何が問題かって、“一律料金にもかかわらず後払い”だということなんです。
    多くのお客さんが降りる駅では、確実に出口ドア付近で人が詰まり、長時間ストップします。170円という料金はおつりが必要になったり、複雑な料金システム(次号で説明)があるのでサクサクと進まないのです。

    終点の「すすきの」で何度か降りたことがあるのですが、本当に糞詰まり状態で(人を糞に例えてはいかん?)、小さい車両なのに全員降りるのに5分くらいかかってしまいます。特に終点では乗り込む人が並んで待っていますが、全員降りるのにひどく時間がかかるので、ずーっと待っているんです。冬だったら寒いっしょ!!
    とにかく交通機関でこれほど非効率的な風景はあまり見たことがありません。

    みんなそれがわかっているので、路面電車は一番前の方から席が埋まっていきます。うしろの席が空いていても前の方で立っています。前の方が早く降りられますから。
    何度乗っても降車時には糞詰まっていて(人を糞に例えてはまずい?)、車内で「何でこんなことになっとるの?」とイライラしてしまいます。

    そーです。イライラしてはいかんのが北海道なのです。
    ハイ解決。

    って、これで解決ってのも気持ちが悪い。
    何で前払いにしないのかなと、とても疑問に思うので、札幌市交通局にネットで意見を投書してしまいました。
    「頼むから前乗り前払いにしてくでー」と。だってこんな非効率なことってありませんよ。

    市電の非効率と言えば、降りる客の中には時々運転手に話しかけ、道を聞いたりしますと、親切にも(多分仕方なく)対応したりしてます(何度か遭遇しました)。のんびり感漂う市電なので声をかけやすいのでしょう。
    で、私が見た限りの市電の駅は、ほとんどが信号機(横断歩道)の手前くらいにあるので、目の前の信号が青になっているときに、降りる客が
    「1万円札しかないんですけど…」とか
    「あのー、このへんのアレ知りませんか…」と客がなかなか降りなかったりすると信号機が赤に変わってしまい、あーもーせっかく青だったのに、とイライラします。

    いけません。イライラしてはいけません。北海道なのですからね。

     

    ■おまけ情報その1

    市電は山手線のように環状になっています。しかし惜しいかな、ちょっと切れているのです。わずか400メートルほどの距離をつなぐことで環状になるのですが、このちょっとをつなぐのががなかなか難しいようです。
    とことん非効率。