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    ■りんごの気持ち

    りんご
    真っ赤なりんご(10/20)

    知っていますか? 北の果て、極寒の地・北見にりんご園があることを。私は知りませんでした。それが北海道新聞の記事になっていたことから発覚。しかも我が家からかなり近いこともわかりました。
    それだったら行くしかない。

    リンゴ園への道
    りんご園までの道はこんな感じ。(後日撮影。11/10)

    車で走っているとエゾリスが砂利道を横切って行きました。リス・キツネ・シカの方が人より多い道路。「観光果樹園」と書かれた看板が見え、その先にりんご園はありました。我が家から5~6分程度。

    「うーん、近い」

    その日は天気も良く、新聞に載った翌日の土曜日ということもあって、人間がたくさん来ていました。車が15台くらい、30人前後。
    そりゃもうお祭り騒ぎですよ。村人総出ですよ。テレビも無ぇ電気も無ぇ大自然の中、人間だらけですよ。でも果樹園は広くて、みんな木の陰になって数人しかいないみたいになってますけどね、見た目には。

    リンゴの木
    ひとつの木に100個くらいなってます。人、いたんですが、見えませんね。(10/20)

    「北見にこんなりんご園があったとは!!」
    新聞で見るのと違って、実際に見ると「ああ本当だったんだな」と実感するのでした。

    その日は新聞で話題になっていた「紅つがる」と、他にいろいろある中から適当に「旭」というりんごの2種類を買って帰りました。
    紅つがるはすぐ売れてしまうそうで、買った時には残りわずかでした。それはそれで、りんごが特別好きでもない私(好きじゃないんかいっ!!)にもまあまあ美味しいと感じたりんごでした。まあまあですよ。
    ところが、「旭」の方が柔らかくて、梨のような、いや梨とは全然違うなぁ、何だろう、ネットで調べると「フカフカした食感」とあり、なるほど確かに「フカフカしてるといえばそんな気もする」という感じの食感で、私にはとびきり美味しかったのです。

    というのも、私はどちらかと言うと果物は全般に「食べるのが面倒で嫌い」なのです(嫌いなんかいっ!!)。種が残ったり、皮が残ったり、芯が残ったり、汁が垂れたり、食べていてイライラするのです。いくら美味くてもメロンだってスイカだってグレープフルーツだって自分から進んで食べませんよ。

    しかしこのりんご、「めんどくささ」より「食感」が勝ってしまって、その日から「毎日りんごを1個ずつ食べている」くらいなのです。

    味というよりは、やはり「食感」が良いからなんです。
    「何だかものすごく食べやすくて、小腹がすいたときにジャストフィット」
    「味だって酸味もあってりんごっぽいし、甘すぎずジャストフィット」

    かつてない「りんごが食いたい状態」が続き、もう販売も最後かという日曜日に、3度目の足を運びました。

    リンゴの直売所
    りんご直売所(11/10)

    どんよりとしてるのは天気のせいですよ。

    リンゴ
    こんな感じで売っていて、試食もさせてくれます。

    私はいわゆる「少し傷んでいる外品(撥ね品)・5kg600円の旭」を10kg買いました。その時にちょいと、地方発送をしているか聞いてみたところ、びっくりする応えが返ってきたのです。

    「地方発送してますよ」
    「そうですか、それだったら旭を4kgくらい送っちゃおうかな」
    「あのですね」
    「はい」
    「実はこの前、あるお客様が送った先の内地(道外)の人から電話がありましてね」
    「はい」
    「ものすごい怒られたんですよ」
    「えっ!」
    「おまえのところはこんなボケたりんごを売ってるのかって」
    「ええっ!!」
    「こんな悪くなりかけのヤツ送ってきやがって、と怒られて」
    「えええっ!!!」
    「そういう品種だと言っても分かってもらえなくて・・・」
    「なるほど」
    「とにかくすごい剣幕で20分くらい延々と怒られました」
    「ええええええっ!!!!!!」
    「だから、そのへんのこと分かっていない人にはですね、あらかじめ・・・」
    「ええ、それは言いますけど、美味しいのに何でですかね」
    「従来のりんごじゃないと受け付けない人がいるのかも知れませんね」

    「じゃあ4kg旭の発送をお願いします」
    「内地ですか」(ビクビク)
    「はい。親戚なので言っておきますよ」
    「ええあの、ちゃんと伝えていただくと助かります」(ビクビク)
    「トラウマになってますね」(笑)

    この会話、こんなふうに聞こえました。

    「じゃあ4kg旭の発送をお願いします」
    「内地ですか」(マジかよ、クレームきたらヤベーわ)
    「はい。親戚なので言っておきますよ」
    「ええあの、ちゃんと伝えていただくと助かります」(旭じゃないヤツにしてくれよ)
    「トラウマになってますね」(笑)

    あ、これは想像です。

    ところで、旭以外にも「つがる」「レッドゴールド」「王林」を食べてみたのですが、やはり私はこう思いました。
    「食べるの面倒だなー。堅いし、途中で飽きるわ」
    普通のりんご。普通の人はこれが普通なので、旭は普通じゃないのかも知れません。
    売り手は難しいですね。

    りんごは何にも言わないけれど、りんごの気持ちは良く分かる。
    「ぜいたく言ってんじゃないよ」

    ちなみに、旭は英語名が「マッキントッシュ」なんだそうです。
    そうか、普通じゃない方か。うちもマックだしそういうことか。