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  • 研究所通信v492 あけおめ(ふるっ)

    あけましておめでとうございますと言いたげなこの写真は、今年の初日の出の写真です。朝4時50分に出発した時、氷点下16度でした。

    場所は北見から約60kmの、網走の濤沸湖(とうふつこ)というオホーツク海と接するようにある湖で、この時期はいつも白鳥がたくさんぷかぷか浮いています。そして20〜30km先にある斜里岳の上から見事に日が昇る絶好の場所でした。

    白鳥ぷかぷか。すぐ近くまで来るので、白鳥の写真もたくさん撮ってしまいました。

    白鳥さんはシベリアがあまりに寒いので、暖かいこの辺りに飛んでくるんだよなぁ、とこの日の寒さに震えながら思うのでした。が、実は白鳥は寒さ克服のために南下しているのではなく、シベリアでは餌場が凍ってしまって食べ物がないため、全部が凍らないところまで南下してくるんだそうです。

    ためになったねー。

    やっぱ、新鮮な魚を食べてスクスクと育って欲しいもんですな。とか思っていたら、何と何と、白鳥は水草や藻を食べるのであって、魚は食わないみたいです。いや、ひょっとしたらちょっとは食べるのかもしれませんが、ほぼ植物を食べているようです。虫も食べるようです。

    ためになったねー。

    日の出前は雲がじわじわと迫っていて、斜里岳付近だけが晴れているという奇跡的な風景となりました。

    それにしても、毎年のことではありますが、12月下旬には氷点下20度前後まで冷え込み、「やっぱ冬はさびーなー」と口にしてしまいます。本日1月5日は、氷点下23度まで下がりましたが、お出かけした1月3日に陸別を通過した時、朝8時で氷点下28度、少し前は30度に到達していたらしく、北見とは10度も違うのか、上には上がいるな、あ、下には下か、下には下がいるなと思いました。

    今朝洗濯したジーンズを試しに外に出したところ、独り立ちできるくらいになっていました。(笑)

  • v317 お散歩観察会 濤沸湖

    ■お散歩観察会 濤沸湖

    白鳥
    白鳥の湖「濤沸湖」(とうふつこ) (12/2)

    網走市に「濤沸湖水鳥・湿地センター」なる施設があります。のっけから眠くなるかも知れませんが、一応、こんな施設です。

    ・・・
    人と自然を結ぶための拠点として環境省が設置し、地方自治体などが管理運営している施設です。濤沸湖周辺の自然、歴史、文化、利用に関する展示や映像、解説を通して、湿地の重要性を知り、自然を楽しむための情報を提供しています。
    ・・・

    ぐーぐー・・・。寝てる? ちょっと内容がカッチカチで、最悪の「つかみ」になってしまいましたね。
    この土曜日に、センターが企画している月1回の「お散歩観察会」に参加してみました。
    観察会では、濤沸湖周辺の野生生物や昆虫や植物を、解説してもらいながらお散歩をするというものです。参加費は無料。

    小学生や小さい子ども連れや、超望遠レンズの一眼レフカメラ持参のおじさんたちもおりました。(あ自分もだわ)

    この時期はちょうど白鳥やタンチョウなども飛来する時期にあたり、また年中オオワシやオジロワシも観察できるとあって、野鳥好きの方にはたまらない企画なんだろうと思います。

    地図
    わが家から約55km、約1時間。(クリックで拡大。斜里岳の位置も分かります)

    せっかくなので、その施設と参加者のいる風景をどうぞ。

    濤沸湖水鳥・湿地センター
    これが施設になります。
    野鳥観察舎
    施設の向かいにこの「2005年11月8日濤沸湖ラムサール条約登録湿地認定、濤沸湖白鳥公園野鳥観察舎」がありまして、超絶に寒い日などはここから観察するんだそうです。今回はここは使用しませんでした。たった氷点下5度でしたので。
    観察会
    どこからともなく参加者が集まり、いつのまにか10人を越えていました。
    施設の中にいろいろな展示があり、この湖に生息する生物や、今の時期に見られる野鳥などの説明をしてくれました。
    そして外へ出る前に、必要な人には双眼鏡を無料で貸してくれます。
    鳥の標本
    ここに生息する野鳥の剥製かな
    昆虫の標本
    昆虫の標本。ほかに植物も含めた、観察できる自然を収めたビデオが流れていたり、
    歴史的なパネル系もいろいろとありました。
    観察会
    施設の横は湖です。わずかにオホーツク海とつながっている汽水湖。
    この写真にはたまたま白鳥が映ってませんが、40羽ほど見えていました。

    この↑写真の観察地点は一般の人も入れるところです、
    観察会は普段一般の人が入れない湖のヘリを歩いていきます。と言っても50メートル程度の距離でした。ただ、少し歩くだけでもいろんな話が聞けて、なかなか面白いと感じました。

    観察会
    まずは設置されている木道に脚立をかけて、特別に湖畔に下ります。

    木道の高さは1メートル程度なので、ちょいワルおやじや悪ガキなら、ビョっと飛び降りて入れてしまいます。でも入っちゃダメですよ。
    というのも、夏場に植物を食べてもらうためにポニーをこのスペースに飼っていて、そのポニーの糞があちらこちらに転がっているため、知らずに入るとフンづけます。
    さらにっ

    観察会
    地面の薄いムラサキがかったものは何か

    この白っぽい斑点のようなものは「白鳥のフン」。以前は白鳥にお菓子的なエサを与える観光客の影響で、ゲリ便だったんだそうです。餌やりを禁止したらゲリはなくなったんだそうです。そもそも白鳥は湖底の水草を食べるので、食べ物はふんだんにあって、エサを与える必要などないんだそうです。でも以前もらった白鳥は、人に寄ってくるそうです。

    白鳥
    左の2羽は湖底の水草を食べています。この湖は浅いんです。
    右の1羽はまだ白くない「子どもの白鳥」です。生まれはシベリアだとか。
    子どもなのに飛んで来るんですよ。すごいですね。

    もちろんここには他の鳥のフンもあり、万が一鳥インフルエンザウイルスが混入している場合を考えると、やはり勝手に入るのはよろしくないみたいです。この観察会でも最後にはクツのウラはアルコール消毒をしました。

    白鳥のクチバシに黒い模様があるのですが、これが個体によって違いがあって、特徴のある白鳥にはセンターの職員が「名前」をつけていると言っていました。その個体は明確に分かるため、今年もヤツが来た、とか、どこそこの湖にもいた、とか、マニアックな楽しみ方をしているようです。

    白鳥
    くちばしの黒い模様が同じ白鳥はいない ここで突発的にクイズです。白鳥の体重は何kgでしょうか。 ネコは4kg前後ですね。ネコよりでかい白鳥ですが、 さて、空を飛び、長距離を飛ぶ白鳥はいったい・・・答えは後で。
    白鳥
    時々空を飛んでくる白鳥。美しいですね。

    さて、ここ濤沸湖周辺ではオオワシやオジロワシもいます。センターの職員は湖のまわりの山(というか崖というか)を見回して、400m先くらいか、遠くを見つめ、言いました。
    「いたっ!!」(視力8.0かっ!!)

    そして、持って来た高性能望遠鏡を設置して、そこに焦点を合わせました。職員はおばちゃんです。(失礼)
    その方向を見て、何となく白く光る点があったので、私はそのあたりを撮りました。

    オオワシがいる
    ここに2羽のオオワシがいます。
    300mmレンズ目一杯寄ってこのくらい。
    最初は1羽でした。後から1羽飛んできてハッキリ分かりました。

    普通は「これじゃ見えねぇわ」ってなりますよね。
    望遠鏡をのぞくと、すごくカッコいいオオワシがいました。
    でも望遠鏡なので、写真には撮れません。一応、自分の撮った写真を拡大してみますと・・・。

    オオワシ
    おおお、おるおるおるおる。(クリックで、図鑑にジャンプ)

    キャー、カッコいい、すごーい。
    いや望遠鏡で見たらパキッと明瞭に見えて感動しました。
    なお、おばさん(失礼)が言うには、
    「ワシさんは人間が近づくと逃げますから、追わないで、見させてもらうという気持ちで見てくださいね」と、人間の自然への過剰な介入をやめてほしいという気持ちがよくあらわれていて共感しました。
    外国からもここでオオワシが見られることを知って、時々来るようです。そしてとっても感激して帰っていくんだそうです。そんな場所が家からたった55kmと近距離でラッキーだなぁと思いました。

    観察会
    地面はフンだらけ。
    そして氷点下5度は、実は本当にめちゃめちゃ寒かったです。
    カメラを持つ手がかじかんでいました。
    白鳥
    まったりする白鳥、そして
    白鳥
    これな

    白鳥が、あと1メートルも高く飛んでくれたら、バックに斜里岳が収まって、バッチリだったのに。うーん残念。
    しかし楽しい観察会でした。子どもの質問がまたほのぼのとしていました。

    次はタンチョウが見たいっ。

    最後にクイズ(白鳥の体重は?)の答えは、10キロ前後、でした。ネコ2~3匹分。重いですよね。3000~4000kmも移動するわけですから。