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  • v125 ブルートレイン/愉快な札幌54:魚っす!!

    ■ブルートレイン

    ブルートレイン
    夜行特急「いなほ」の寝台車で秋田へ

    遠い昔(およそ35年くらい前だっただろうか)に乗ったことのある寝台列車。ブルートレインと言うと異様にカッコイイ感じであります。

    つい数日前、父方の祖母が他界(93歳の大往生)。急きょ、秋田(北部)へ向かうこととなりました。そのカッコイイブルートレインで。でもカッコイイからブルートレインにしたのではありません。

    インターネットの「乗り換え案内」の検索で調べてみると、これがまた実にアレなんです。

    札幌から飛行機を利用して向かう場合、比較的良さそうな経路は、秋田か青森か岩手に飛び、列車で向かうことです。約6時間、3万円未満で済みます。
    ところがそれらの便は時間帯が合わなかったり、飛んでいなかったりで乗れません。空港はたくさんあるのに使えません。

    可能な路線は、新千歳から仙台空港へ行き、列車を乗り継ぐルートで、約8時間、3万8千円でした。仙台? 何という無駄な経路でしょう。
    他のルートはというと、千歳から羽田へ飛び、羽田から秋田の大館能代空港へ飛び、バスで15分。全行程約13時間もかかり、飛行機を乗り継ぐので6万円もかかってしまいます。非常にバカバカしいルートです。
    ほかにも「中部国際空港(愛知)」などを連絡すれば目的地へ到着できるのですが、ま、何と言いますか、無茶苦茶です。

    結局、ブルートレインしか選択肢がなかったのです。往復約16時間、3万4千円でした。交通網は輸送量の多い東京を中心に組まれており、東京からなら直行便あり、新幹線ありで、遅くとも4時間台で着いてしまいます。

    こっ、これが地方切り捨てかっ。(違う)
    こっ、これが地域格差かっ。(かな)
    こっ、これが一極集中型社会かっ。(だな、これだな)

    とは言え、札幌だって北海道の一極集中の構図。便利なんだか不便なんだか。いいんだか悪いんだか。どうしたらいいんだか。

    さて、ブルートレインはどうだったかと言えば、それはもう、狭いし暗いし全然快適とは言えませんでした。でも何か特別なものは感じました。単に非日常ということもありますが、独特の揺れと、単調なガタンゴトンの音によって、意外に良く眠れたのです。
    1区画に4つのベッド(上段・下段2つずつ)があり、3人の他人の寝息が聞こえて、気になる人にはちょっときついのかなと思いつつ、しかし、それはガタンゴトンの音によって緩和されてしまうのです。

    私は多分不眠症だと思うのですが、不思議と良く眠れたので、良い商品アイディアをここに提供したいと思います。

    音と映像と揺れがあなたを快適な眠りに誘う、夜行急行列車「はまなす」ブルートレインベッド!!(お求めやすい価格で快眠を)
    あるいは
    音と映像と揺れがあなたを快適な眠りに誘う、寝台特急列車「北斗星」ブルートレインベッド!!(一段上の睡眠を)
    あるいは
    音と映像と揺れがあなたを快適な眠りに誘う、寝台特急列車「カシオペア」ブルートレインベッド!!(最高級の眠り、もう独裁者気分)

    これは、部屋の中に寝台車を再現。映像はどうせ寝るので不要ですが、一応列車が走っている感じを出すために、窓部分に実際の映像を流します。時々止まる駅の発車ベルの音やアナウンス音も流します。そして独特の揺れを作り出し、ブルートレインを部屋で再現するのです。

    誰か作って。(丸投げ)

    それはともかく、大往生の祖母をこの目に焼き付け、トンボ帰りでまたブルートレインに乗って帰ってきました。

    ところで、秋田には多くの親戚が集まったワケですが、やはり問題は言語にありまして、こっちの言うことは100%通じ、あっち(地元の人)の言葉は3割程度しか理解出来ません。絶対に聞き取れませんし、聞き取れても言葉(単語)が全然違います。だから会話が非常に難しいのです。それはまるでフランス語でありました。

    お葬式の準備中に、進行表のようなものがあり、それをのぞいてみてガッテンしました。

    「仏式」

    なるほど、フランス式か。(こんなオチでいいのかっ)

     

    ■第54回 愉快な札幌大発見:魚っす!!

    魚っす!!

    ダジャレの国・北海道。
    それより左の店うまそう。

     


  • v090 イルミネーション電車/愉快な札幌20:親不孝

    ■イルミネーション電車

    イルミネーション電車

    路面電車はJR札幌駅の南側を、ちょっと縦長に、山手線みたいに大きくぐるりと回っています。が、なぜかちょっとの距離を残してつながっていません。

    「何かあったんすか?」

    といいたくなるような、視力検査の「右上が開いてるマーク」っぽい路線の形です。しかもJRからも微妙に遠くて、位置的に中途半端。8.4kmを約45分かけてガタンゴトンとゆっくり走り、電車の降り口ではその狭さも手伝って、よく支払いの客で人だかりとなっています。動いた、と思ったら信号待ちだったりして舌打ちもしばしば。

    そんな遅くて不便でイライラが募る市電ですが、これは「風情」(ふぜい)と言って、現代社会の効率至上主義の対極にある、一種のあじわい世界なのであります。さまざまなことが些細なことのように感じられる空間、と思えばこれもまた人間社会には必要不可欠な存在と言えましょう。イライラしてはいけませんね。いけませんよイライラは。舌打ちなどもってのほかです。

    そのノスタルジックな市電をデコレーションして走らせようとしている人たちがいることを知ったのは、1月のあるテレビの特集ででした。
    去年の4月に開校したばかりの“札幌市立大学”のデザイン学部の学生が飾り付けをしていました。山と森と動物をモチーフに、250メートル・1万数千個の発光ダイオードを電車のボディにはり巡らし、点滅させるのです。
    目的は市民や観光客を楽しませよう、新しい風物詩にしよう、というもので、札幌市と企業と大学生と市民とが、ボランティア作業協力で実現にこぎつけたんだそうです。冬の期間(1月中旬から2か月ほど)、雪の季節に光の電車を走らせることから“”と名付けていました。

    それは確かに一度見てみたいと思っていましたから、路面電車の通りを歩くときはずっと気にしていました。しかし、それは1両だけなのでそう簡単ではありせんでした。黒い猫が前を横切る確率より低いかも、です。

    ある日図書館へ行くために路面電車を利用することになりました。まだ明るい夕方、ちょうど電車が来ていて、猛然とダッシュして乗り込んだその電車がそれでした。乗ってしばらくしてから気付きました。
    車内にも仕掛けがありましたが、やはり夜にならないと効果はありません。

    ずっと見たいと思っていた電車は、まず内側から息を切らして見ることになりました。でもやっぱりこれは外側から見てナンボです。で、降りた後に見たのですが、明るいとパッとしません。汚いくらいです。(んなこたーない)
    ラッキーなんだかアンラッキーなんだか。

    イルミネーション電車
    こんな感じです。パッとしません。

    その後やっと一度だけ、夜に見ることができました。やはり住んでいると1回くらいは遭遇するもんなんですね。それはやっぱりそれなりに綺麗でした。ちょうどカメラも持っていて、あわてて撮りましたっ。ばっちり撮ったー、と思ったら、シャッタースピードが遅過ぎて、超手ブレで見るも無惨な写真となってしまいました。
    なんだかものすごく速い電車に思えたくらい、一瞬で通り過ぎていきました。

    イルミネーション電車
    夜に走ってる電車は撮れねぇです。

    イルミネーションも良いのですが、ループにするのが先じゃないかなぁ、なんて、つい効率優先の風情のない考えが頭をヨギルのでした。

     

    ■第20回 愉快な札幌大発見:「親不孝」を逆さまにして「親孝行」

    親孝行

    我が家から遠い場所にある居酒屋です。「親不孝」を逆さまにして「おやこうこう」と読ませているわけですが、何と言うか、ものすごくしつこいくらいに看板があり、「もういいよ」って思わせてくれます。まだ入ったことはありません。
    できるものなら「まずい」って文字を逆さまに…。

    第20回の節目の割には愉快でも大発見でもないですね。すいません。


  • v076 運転免許証更新/札幌ダジャレ10:鳥羽一郎

    ■運転免許更新

    雪の札幌

    車の運転をすると、人を轢き殺して一生を棒に振る妄想にかられるので、出来る限り運転をしない私ですが、さすがに北海道という土地では車が必要だと感じることは多いです。

    東京の地下鉄に慣れてしまうと札幌と言えども不便に感じます。目的地に対し、駅まで歩く距離、駅から歩く距離が長く感じ、地下鉄に積極的に乗る気になれません。待ち時間も微妙に長く、いろんな面で時間的なロスを感じます。
    バス停はあちこちにありますので、主要な交通機関はバスということになりますが、バスはよほど土地に慣れないとわからないものです。しかもバスは大抵1路線1時間に2本程度で、待っている間にカップヌードルが10個くらいできあがります(同時に作れば3分か…)。
    どっちにしてもタイムロスは避けられません。どうせタイムロスが大きいのならと、結局は私の場合は自転車をフル活用するわけです。

    その自転車も冬になると使えません。今年、街で初の積雪が記録された日に、たまたま自転車に乗っていたのですが、チェーンが固まってしまいました。よしもと新喜劇の内場勝則の「いーーーーっ!!」みたくなりました。松尾伴内の「ええっ!!!!」みたくなりました。

    バスについては、冬場に長時間突っ立っていると凍死してしまうので、気ままな「ぶらり散歩」もままなりません。バスに乗ればメガネが曇って、カップヌードルの湯気かっ、みたいな状態がこれまた長く続きますし(曇ったままずっと付けていると結構恥ずかしい)、メガネを拭くにも手袋を脱いで(こちらでは「脱ぐ」と言います)、重装備の中、拭くものを取り出して、揺れているバスで拭くのはなかなかに面倒な作業です。仕方なしにメガネは外して手に持っていたりします。

    市町村間の移動となると、もともと採算が合わない路線が多かった北海道は、国鉄民営化によって、鉄道網がズタズタになりました。バスも本数が少ない。自転車ではほぼ無理。となれば車しかないのです。

    運転はしたくなくても免許の必要性は感じます。そんなわけで先月、行ってきました、5年ぶりの免許更新。(やっと本題に)

    さて、免許更新の際、講習を受けさせられたり、ビデオを見せられたりします。それがこの札幌では、やはりこの地方特有の「雪道に関するお話」が中心となっていて、これはこれでなかなか面白いものでした。
    昔小学校の時に無理矢理見せられた「飛び出してきた子どもを跳ねて生涯を棒に振るという精神的恐怖を植え付ける情緒的なストーリー」とは違い、統計や科学的な実験映像に終始していて、面白いくらいでした。

    道路の半分を凍結させてブレーキを踏んだ時の車のスピンの様子とか、雪で視界がいかに悪くなるかといった映像など…。

    何よりも感心したのが教官の話術でした。警察特有の「威圧感のあるベテラン刑事風の顔」なのですが、とても丁寧で優しい口調で話し出します。

    「みなさんは優良ドライバー、素晴らしいことです」
    「事故起こしたらね、下手したら3日も4日もつらい講習を受けないといけんのです」
    「北海道の死亡事故の9割以上は、見通しの良い直線道路での正面衝突なんですよ」

    そして時々しゃべり方がマギー司郎になります。

    「こないだ事故のあったあそこね、うまい漬け物が売ってんですよ」
    「あ、親戚の店の宣伝じゃないからね」
    「そういや、みなさんの中にね、免許もらって住所確認するのはいいんだけど…」
    「確認しながら部屋から出て行く時にドアに頭ぶつける人いるんだよね」

    こんな話で油断をさせておいて、ラスト5分はみのもんた。

    「今まで話したことは全部忘れてもらって結構です。漬け物の話も」
    「今日はこれだけ覚えて帰ってちょーだい」
    「夜のコンビニ周辺の事故が多発してます。コンビニに来る人の動きはこう…」
    「ここが死角になって、ほとんどドライバーから見えません」
    「みなさんのような優良ドライバーの事故も多い、気をつけてくださいね」

    まあ、優良ドライバーというのは、暗に普段車に乗らない人が多く含まれるわけで、それには触れずに「優良」の心をくすぐり、仕舞いに釘を刺すところなんざ、憎い構成でありました。そして見事なエンディング。

    「ハイ、きっかり30分。ドアに気をつけて」

    ベテラン刑事風の人相と話の巧みさに、面白い映画を一本観てきたような、得した気分になった免許更新でした。

     

    ■札幌のダジャレ的世界の発見 第10回・鮭トバ・イチロー

    札幌にいると、小さな店から公共機関に至るまで、やけに“ダジャレもの”を目にすることが多いので始めたこの企画。もう10回目を迎えました。
    今回は札幌というわけでもないんですが、道東の白糠(しらぬか)町で製造している「鮭トバ」の商品ネーミング。「鮭トバ」とは、鮭の身を干した酒の肴に最適の食べ物です。

    「鮭とばイチロー」

    鳥羽一郎のダジャレと思われます。とは言っても、私は鳥羽一郎をよく知りません。それから何でカタカナでイチローなのか分かりません。あのイチローであるならば、なぜ野球?
    もしこの商品が全国展開されているとしたら、北海道のダジャレのセンスも輸出していることになり、身も凍る思いです。

    鮭トバの作り方を調べてみたら、1日濃いめの塩水につけて、日陰で干しただけの食べ物のようです。(こんなに簡単に作れるのだろうか…)

    ついでに「鳥羽一郎」も調べてみました。
    三重県鳥羽市、漁師の家に生まれる。荒波にもまれ潮風に鍛えられ育つ。歌手を夢見る。10代は心身を鍛えるため遠洋漁船の船員を5年間勤め、船上で船村徹氏の作品「なみだ船」などを愛唱。弟(演歌歌手の山川豊)は先に歌手を目指して上京。弟に触発され27歳の時にカツオを片手に上京。(マジか)
    船村徹氏の弟子となり、3年間修行。芸名は出身地に因む。「兄弟船」でデビュー。
    船村徹って誰? カツオは左手に持っていたのか? マイクが右か?

    鮭とばイチローと茶~ぶー
    寝起きの茶~ぶーです。「鮭という魚」だけに「酒の肴」に最適です。
    (座布団1000枚没収?)

  • v045 高速バスと高速道路

    ■高速バスと高速道路

    長距離高速バスの運転席
    長距離高速バスの運転席

    北海道名物のひとつである「直線道路」は、ところによってはまるで滑走路のようです。15年ほど前に帰省した時、普段ほとんど乗らない車を運転することになりました。その道は交通量がほとんどなく、ところどころに長い直線があります。周囲は畑やら荒れ地やらで、広くて圧迫感がないのでスピード感が麻痺してついつい制限速度(60km/h)を越えてしまいます。

    それでも久々の運転ですし、軽自動車なので100km/hを出すと車体が振動し、ちょっと気持ち悪いため80km/hくらいで走っていました。(ギリギリセーフですかね)

    その時のこと、うしろにポツンと見えていた乗用車がみるみるうちに近づいて、あっという間に私の車を抜き去っていきました。一瞬でしたがその車の助手席には“ネギや大根が入った買い物袋”が見え、その奥で運転していた人が普通のオバサンだったのです。それはまたあっという間に点になり視界から消えました。

    「えーっ、おいおいおばさんかよっ、何だよ今のスピードはよーっ」

    日常の買い物の帰りだったんでしょう。自転車のカゴに買い物袋を入れて帰るような感覚で、時速120キロを軽く越えるようなスピードで抜いていったわけです。おばさんターボ。買い物ドリフト。シケインで80キロ。みたいな。

    そう言えば昔(30年くらい前か)、高速道路は北海道には必要がない、という話をしていたような記憶があります。なぜなら一般道が高速道路と変わらないからでした。完全に違法ですが、それを捕まえる警察はせこい、程度に思っていました。

    先週また高速バスを利用しました。(昨日ですけど)
    たまたまうしろに座った2人のサラリーマン(上司と部下)客のおしゃべりが聞こえてきました。

    「何時間かかるんだ」
    「5時間半ですかね」
    「んー、まあ、早いよな」
    「そうですね、高速が出来たのはやっぱ大きいですよ」
    「ビールでも飲んで寝ていくか」(カシュッという音2つ)
    「トイレも付いてますよ」
    「悪くないなぁ、ガッハッハッ」(ガッハッハッ、は脚色)

    そうなんです。高速道路は非常に重宝がられているんです。時速120キロも140キロも出して走るのは飽くまで個人の乗用車であり、バスという公共の交通車両はどうやっても交通ルールは守らねばならないわけです。それを時速60キロ程度でちんたら走っていては長距離バスを利用する気にはなれません。

    JR鉄道が次々と赤字線を切り捨て、客の多い幹線を中心に快適さを売りにしているために運賃が安くならない中、この高速バスはJRよりも格段に安く、スピードもほとんど変わらないか、むしろ早く目的地に到着します。(雪の日はちょっと厳しいですが)

    北海道において高速道路の需要はかなり高いものであることを実感しています。

    ・・・

    余計な話。

    将来高速料金を無料にすると言われていた時期がありましたね。でも道路公団は赤字体質で、なおかつ天下りの退職金などに大金が消えていき、けしからんということで道路公団は「民営化」されてしまいました。しかし道路公団は赤字ではなかったようです。

    毎年1兆円の黒字があり、将来「一斉無料解放」するための積立金が13兆円もたまっていたそうです。

    難しい話なので平易に書きますが、もともと国からの50兆円ばかりの高速道路建設の借入金があり、これを返済するための積立をしていて、30~40年後に相殺する形で「全国の高速道路を一斉無料解放する予定」であったようです。この毎年積み立てていたお金が「赤字」であると解釈されたわけです。

    民営化などしなくても、天下りなどをやめさせ、無駄な使い方をやめさせれば、もっと早く無料化できたと思われます。

    民営化で少しは料金は安くなるかも知れません。サービスも良くなるでしょう。しかし無料化されることは「永久に」なくなりました。毎年の黒字の1兆円は株主に配当される。そこに外資の影がつきまといます。郵政も同じく黒字でした。その株主が気になります。どうでもいいことかも知れませんが、個人的にはムカつく話なので書いておきます。

    気になる方は勝手に調べてください。


  • v030 札幌市の苦悩

    ■札幌市の苦悩

    除雪

    今年は例年よりも雪が多くて、札幌市が除雪に大変苦労していると、連日のようにニュースになっています。問題は2つあり、ひとつは財源不足、もうひとつは雪の捨て場所です。

    通常は10センチの積雪で除雪車が出動するらしいのですが、財源不足のため出動回数を減らさねばなりません。しかしそれが原因で事故が多発したら取り返しがつきません。とりあえず特定の地域で出動基準を15センチにして影響がどのくらい出るか実験中です。

    歩道が両側にある場合、除雪は片側だけにしたり、お金のかかるロードヒーティングの何か所かを節約のため止めたりと、苦肉の策で財政難を乗り切ろうとしています。

    しかし節約の涙ぐましい努力も、例年以上の大量の積雪によって、大自然にあざ笑われている格好になっています。
    除雪した雪は路肩に高々と積み上げられ、うちの近所では車道と歩道の間に高さ3メートルくらいの雪の壁ができています。交差点は視界が悪くなり、事故の原因になるので、その雪を時々トラックで郊外へ運び出さねばなりません。

    雪を積んだトラックが渋滞して除雪効率が非常に悪いと報じられてもいます。雪は昼夜関係なく降るので、業者の方が徹夜で作業することが多く、その苦労の割には「除雪がなってない」と住民から苦情が寄せられる始末で、いくつかの業者はやめてしまったりしているそうです。また多くの重機が老朽化していて、金銭的にも割りが合わない現実もあります。そんな中で雪の捨て場は早くもいっぱいになりかけています。いったいどうなるのだろう…。

    他国の雪の多い都市ではどんな対策をしているのか、ということに関して、テレビの報道番組が面白い情報を流していました。
    意外ですが、カナダやロシア、中国、ヨーロッパなどの主要都市の降雪量はせいぜい年間2mにも満たないくらいのものなんだそうです。札幌の平均年間降雪量は6m30cmで、これは世界に例を見ない豪雪の100万人都市だったのです(もうすぐ200万人)。つまり、いいアイディアをマネしようにもマネる都市が世界にはありません。お金もなく頭を抱える札幌市…。

    除雪の問題は、ビルや家屋が立ち並ぶ広範なエリアに、雪を捨てるスペースがないということに尽きます。(もともと道路が広く作られているのは雪対策だと思われますが、想定外の雪が降るとお手上げ状態)
    4年前に大変なことが起こっていました。今年、その大変なことが再現されてしまうかも知れないというので、警戒されています。
    大変なことというのは、なんと真冬の洪水。 ((;゚Д゚)

    河川に雪を投げ捨てることは条例で禁止されていますが、捨てる場所がないために、やむを得ず捨てている住民がかなりいます。この川への投棄が大問題なのです。
    川の表面は凍っていて、捨てられた雪が氷の上に積み上がっていきます。真冬でも暖かい日は、気温が3度、5度と上がります。たまたま天候が悪いと雪ではなく雨になります。雨で増水するだけでなく、暖かな気温で雪が解け水量が倍増し、さらにさらに、河川に氷がある分だけかさ上げされ、水位が上がりやすくなるわけです。
    焼酎のロックを頼むと、焼酎が少ないのに氷のせいで溢れんばかりになっているのと同じですね。(てへっ)

    雪の捨て場所がいっぱいになってしまうと、もう手の打ちようがありません。積雪を電気エネルギーに変える発明でもすればみんなから感謝され、自分は大金持ちとなり、市の税収アップに貢献でき、ひいては北海道の景気までも底上げできるのですが、それができたら苦労はしないですね。

    実は真冬よりは春先の河川増水の方が危険です。都市部とは言え、自然とともに生きていることを実感するのでした。