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  • v274 名探偵が謎の解明に乗り出す

    ■名探偵が謎の解明に乗り出す

    見たことのない風景
    昨年、氷点下15度の深夜、酔って道に迷い、撮影した1枚の写真

    ずっと気になっていたのであります。あの日(前号)、なぜ道に迷い、どこを歩いていたのか。その手がかりとなる1枚の写真。この建物は何だろう。壁に書かれている「TN-111」を検索しても分からない・・・。

    推理は比較的簡単。
    ★スタートした店から歩いていける範囲、せいぜい3~4km以内にこの建物がある。
    ★ローソンに立ち寄ってタクシーを呼んでもらっている。つまりローソンが近い。
    ★ローソンのカウンターは出入り口から入って左側にある。
    ★記憶の片隅には、深い山々が見え、民家すらない郊外を通った。

    この町は、4車線の国道と石北本線の鉄道が平行する分厚い壁が北と南を分断しています。会場(謎の仮装大会)と我が家は北に存在し、その距離は1.5kmほどしかありません。この距離でなぜ迷子になってしまったのか。

    猫
    わからないにゃー

    会場から南に向かえば国道と鉄道が阻むため、南へ向かうことはあり得ない。
    迷うとしたら、西か東へ行き過ぎるパターンしかない。

    暮れに、車で町へ出たついでに、この謎の建物を探すべく、のろのろうろうろと車を走らせ探してみました。ローソンを見つければその近辺にこの建物があるはず。

    まずは東方向。
    さっそく1km以内にローソンがありました。しかし近すぎるし、カウンターの位置が違う。近辺に民家も多い。ということで、やはりこの近辺にはあの建物はありませんでした。そして東方向にはもうローソンが見つかりませんでした。
    探す作業もさっそく逆からやっちまったようです。

    次は西方向。
    西へと向かうと、途中で曲がってくる4車線の国道が邪魔をします。その手前を北へ向かうとローソンが2~3店あります。近所には自然公園もあります。

    ただ、これらも近すぎるのです。迷うほどの距離ではない。
    まさかこんな近くで迷うだろうか。

    ひとつのローソンのカウンターの位置が記憶と合致しました。この近くであの建物を探しました。あっちこっち、のろのろ、うろうろと車を走らせました。でも見つかりません。
    「やっぱり違う」

    猫
    わからないにゃー

    その日はあきらめました。

    あけましておめでとうございます。
    1月1日、ヒマつぶしにドライブしました。そして、やはり迷った道と建物が気になり、再度探したのです。

    東にはない。西にもない。北は自宅エリア。
    あり得ないが南かもしれない。国道と鉄道を越えた南側には大きな川(常呂川=ところがわ)が流れています。その川沿いを4~5km東から、目を皿にして探しました。

    「いやー、こんなところまで来ないし、南側に来るはずがないんだよ」
    すると名探偵のカミさんが言いました。
    「ありえない方向へ行ってる可能性はある」

    そして駅の真裏のよく知っている道路を通過。
    「うーん、この陸橋は渡るはずがない。渡る前に場所が分かる」
    探偵「確かにこれはあり得ないね」

    「ここは特徴的な五差路を渡らないとならないから渡る前に分かる」
    「ここには何度も買い物に来てるし、見れば場所が分かる」
    探偵「うーん、そうだなー、あり得ないな。でも暗い深夜だから・・・」

    突き当たりを右へ行けば国道。仕方なしに左へ曲がった時でした。
    探偵「あっ、あの形っ」
    「あっ、あれはめちゃめちゃ似ている。あ、書いてある文字も同じだ」

    ガスタンク
    googleのストリートビューのキャプチャ画像です。
    自分が撮った写真と同じアングルでキャプチャしました。

    なんということでしょう。あり得ない場所に建物がありました。
    当時、この画像の向こう側(北)から歩いて来て、見慣れない建物に不安になり、振り向いてこのアングルから建物を撮影したと思われます。

    ここからローソンを探します。
    南へ進むと常呂川に突き当たりました。川の向こうの山しか見えない風景となり、記憶と合致しました。ここはかつてこの通信で書いた「南丘森林公園」(v250)の山でした。

    探偵「来たことあるじゃん」

    まあ深夜の2時過ぎにここに来ても分かるはずはないのです。酔ってたし。
    それからローラー作戦のようにローソンを探し、発見。やはり近所にありました。家から3km、会場(店)から1.5km。完全な真逆。ほぼ180度の等距離。見事なまでの正反対の位置でした。

    トータル推理はこうです。
    探偵曰く。
    まず、店を出る時点で北側の道に出たつもりが南側に出ていて、結果、東に向かったつもりが西へ向かった。大きめの通りを国道とは分からずに横断。いつもなら分かる風景が交通量もほとんど無く、深夜のため暗過ぎて見えず、しかも氷点下15度の寒さと泥酔で視野が狭くなり、北へ向かっている錯覚のまま南へ歩く。
    見慣れた風景も暗さと酔いで気づかず通過。
    変な建物があり、なんだこの見たこともない建物は、と撮影。
    そこからさらに南へ進み、何となく歩いていったら川沿いに突き当たり(しかし川は見えない)、山が立ちふさがるような光景を見る。ゾッとするような山道と勘違い。かなり心細くなり、民家のある方へ引き返す。
    右折左折を繰り返しているうちにローソンを発見。飛んで火にいる夏の虫のようにローソンへ駆け込む。(笑)
    何も買わずにタクシーに乗ったため、ローソンの領収書などの手がかりをも残せなかったのが現場発見を遅らせたのである。

    温かいコーヒーの一杯でも買っていたら、時間と○○(町名)店の正確な表示が手に入っていたのに。

    しかしまぁ、自分でもまさかの道を歩いていたことに驚愕したのでありました。
    事件は解決し、心に平和が戻ってきました。次は気をつけよう。

    皆さん人生の道は誤らないで下さいね。


  • v234 鹿を喰らう

    ■鹿を喰らう

    鹿肉パーティ
    この怪しげな集会はいったい

    北海道に住むと、「鹿を撃つ人の知り合い」から鹿肉をもらったからあげるよ、とか、一緒に食べよう、なんてことはよくある話です。
    それが来ました。小学校時代の友達から、一緒に食べようというお誘いが。
    しかも今回は「刺身も食える」という話でした。

    「鹿の刺身とは、さすがに珍しい。初めて聞いたかも。刺身となると酒を飲まないわけにはいかないなぁ。しかし、酒を飲むとなると車では行けないなぁ。次の日仕事もあるから、泊まるわけにもいかないなぁ」

    そこで、車で迎えに来てもらって、帰りはJRの汽車(北海道では電車とは言いません)を利用することにしました。

    1月27日(日)、午後4時に友達が車で我が家に迎えに来ました。そして我が家から西へ25kmの隣町・留辺蘂(るべしべ)へと向かいました。

    最近、痛風のような手足の先の違和感があるため、酒は焼酎、それもお湯で割って体に負担をかけないようにしていました。芋焼酎はお湯で割るともったいないので、いつもの麦焼酎の「いいちこ」を持っていきました。

    鹿肉
    じゃじゃーん!! シカにしては脂が乗っています(これは刺身用の肉じゃありません)

    この「鹿肉バラ」は、あばらの周辺部位で、鹿肉の中ではかなり美味いところらしいです。赤身に脂身がもれなく付いてくる逸品であります。
    (鹿肉って脂身が少ないパサパサのイメージでしたが、これは違いました)
    細かくカットされていて、この切り方もコツがあるんだとか。

    そしてなにげにあと2人友達も来ていて、なにげに鹿児島の芋の地焼酎を持ってきていました。

    『ああ、めちゃくちゃ美味そうな酒』

    この心の声は見透かされてしまい、
    「美味いぞ、いいから飲め飲め。どんどん飲め」
    と言う言葉に抵抗する術もなく、痛風になってもいいじゃないか、的なノリでいただいてしまいました。普段酒をセーブしていたのでいきなり酔いが回ってきました。
    「あー、酒がうますぎるー!!」

    鹿肉
    じゅーじゅー

    そして肉をプレートに豆乳。いや投入。
    もう見るからに美味そうですね。美味いです。まるでラム肉のような味で、濃厚でいてしつこくもなく、大自然が育んだ・・・グルメ番組かっ!!
    こういう時の「ジューシー」とか「味に深み」とか、表現的にもう何かうんざりですよね。だからこうしましょう。

    食わなきゃ分からない味。いやー、美味かったわ。(なんじゃろ)

    さぁ、そして来ましたよ、鹿肉の刺身!!

    鹿肉
    背ロースです。“さし”が入ってます

    もう馬過ぎ。

     

    馬じゃねーし。

     

    シカ過ぎ。いや美味過ぎ。

     

    しょうが醤油で食べました。
    これ東京の良いとこで食べたら何万円もしそうです。
    部位は「背骨の脇あたり」とか言ってました。今度シカが倒れていたらその背骨沿いの肉を切り取って、て、できんわ。無理無理。

    そして酒がすすむのなんので、だんだん記憶が飛ぶエリアに入ってきました。

     

    NG写真
    なんかこんなピンボケの写真が
    NG写真
    何を撮ったのか
    NG写真
    なんだこれは
    NG写真
    駅か
    NG写真
    駅の中の横断歩道橋の上から
    NG写真
    汽車が来てます
    NG写真
    汽車のドアか?
    NG写真
    根性で写真撮ってます。温度差でレンズがあきらかに曇っている

    翌日、写真を見てびっくりでした。汽車に乗った記憶もなく。
    二日酔いながらも、良い酒だったので気分は悪くありませんでした。しかし異常に疲れていて、ぐったりとして、この通信を書くまでの気力が戻るまでに3日かかったのです。
    実は鹿肉を食べた日とその前日、雪かきに次ぐ雪かきでクタクタだったのでした。

    それはともかく、そのグッタリしていた月曜日の午前、駅から電話が来ました。
    「携帯電話を落としませんでしたか」
    「あっ」
    「どんなヤツか言ってもらえますか」
    「白い2つ折り、今時ピッチ使ってます」
    「携帯の番号は」
    「えー、070の・・・」
    「どうやらあなたのものですね」
    「はい、すいません」
    「一応、個人情報になりますが、拝見させてもらいました」
    「全然オーケーです」
    「それで“自宅”というリストに電話してみた次第です」
    「ああ、本当にすいません」
    「こちらこそ、リストを見てすいません」
    「いえいえ面倒かけてすいません」
    「ほんと、個人情報、すいません」
    「いえいえ面倒かけてすいません」
    「ほんと、個人情報、すいません」
    「すいません」
    「すいません」

    と最後は両者、すいませんの嵐となっていました。
    飲んだら忘れ物落とし物に注意しませう。