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  • v256 高すぎるハードル

    ■高すぎるハードル

    ガーン、ショック
    (笑)

    前回からの続きです。

    10月4日にラインのIDをゲットし、作品をアップし、申請まで漕ぎ着けたものの、フォントのチョイスのミスに気付きました。

    絵に合わせて、残念そうな文字、嬉しそうな文字などを選んでいくのですが、イメージが合えば相乗効果があります。
    書体の著作権問題も当初アタマにありました。ただ、思い込みによって使っても良い書体と良くない書体を真逆に認識していて、調べもせずに突進していたのでした。
    誰のミスでもない。(←ちょっと渋いセリフ)
    どこにも当たりようがない。
    自分が悪い。むきーっ。

    10月5日(日)
    やっと完了したスタンプの申請を取り消し、マイページから削除しました。
    「ミスに気がついて良かったのだ」
    と自分に言い聞かせて、スタンプを作り直す作業にかかりました。

    「ハマっている」書体を変更するときは涙を流しました。(涙はウソ)
    和文はもちろん、同時に、英語版とスペイン語版を作成していたため、欧文書体も著作権関係を調べました。
    書体を変えてみたらむしろ良かったりして、流れる涙も止まるのでした。

    次のスタンプでは、文字は安全な手描きにします。
    (えっ、次のスタンプ?)
    (まだやるの?)
    (うるさいなー、もうアイディアがあるんだよ)
    (どうせ売れないよ)
    (しらねーよ)

    なんかココロの声がうるさいですが、猫スタンプの話に戻ります。
    外国語バージョンについては、このスタンプの話を教えてくれた知り合いが語学に長けた方で、英語もスペイン語も訳をお願いしました。
    実際のところニュアンスが難しく、外国人の感覚を理解して言葉を持ってくることが自分にはできないことを痛感させられました。
    その方は外国で働いていた強みで、ひと味違った日常会話の表現で、深い味わいをかもし出してくれました。
    本当に感謝しています。日本語直訳の私では無理でした。

    スタンプ日本語英語スペイン語
    左から日本語版、英語版、スペイン語版
    こういうのが40個ですからね、気が遠くなりますよやってて。

    「どうもすいませんでした」は、言葉は丁寧でも、見ての通り怒っています。
    英語で「I’m sorry」の線上で、もっとスゴい謝り方にしたら面白いと考え、
    「I am many so too sorry」
    というのを自分で考えてみたのですが、tooはこの場合muchですね、という基本的な指摘を受けつつも、気持ちはわかるけれど、適切な英語とは言い難く、日常会話に近づけるならと、「・・・my bad!」と訳してくれたわけです。
    逆に訳すと「悪かったな」とストレートな表現になっています。丁寧にするからこそ面白いという思いが強い自分では、その方向性は無しでした。
    でも作ってみないと分からないもので、出来上がってみると、なんとなく英語圏の人にはこの方が無理なく理解できそうな感じがしてきました。なるほど、わかりやすい。
    (やっぱりこういうことは一人でやっちゃダメだな)
    また、これと同じような意味で「かたじけない」というのがありまして、英訳は「すいません」に近いものだと思っていました。

    スタンプ日本語英語スペイン語
    日本語、英語、スペイン語

    ところが、「I’m so grateful」(有り難い)の言葉を提示され、思わす「へぇ~」と感心してしまいました。「ありがとう」の意味あいが強まりました。
    この方がポジティブですしね。
    日本人はありがとうは照れくさく、すまないねと言う感覚、ですかね。

    他にも
    「わかりました」と「了解です」の違い。
    「ちわ」と「もしもし」
    「で?」と「なぬ」
    「でかした」と「えらい」
    「またね」と「ばいばい」と「スタスタ(去る音)」の違い
    同類の言葉が意外に重なっていたのです。微妙な違いは難しいです。

    自分一人だったら、自動翻訳を使って、極めて日本語的な直訳英語を使い、何の疑問もなく満足していたことでしょう。

    ほかにも擬音や日本語特有の言葉はやっかいでした。
    「そー」(物陰から覗く)、「スタスタ」、「どや」にはピッタリ来る英語がありません。調べてみるとコミックの世界でも擬音が訳せず苦労しているみたいでした。

    日本語はヨコ組みタテ組自由自在ですが、英語はヨコ組みじゃないと無理があります。猫の絵の多くは正方形に近く、スタンプのスペースは少し横長であるため、文字はタテ組がピッタリ来ます。それを英語版にすると、かなり無理が生じてきます。

    まったくもってすんなりとはいかないのです。1回1回立ち止まる。
    すべてにおいて、でんでん虫の歩みです。ウミウシの歩みです。
    全然サクサクと進まない。

    サクサクとは進まないけれど、トイレタイムを惜しんで、集中し続けて、出来上がったものを見て、ほんの少しでも直した方が良ければやり直して、何案か作って比較してより良い方をチョイスして、ロードローラーのように前進するのであります。

    ハードルをメリメリ、グシャグシャと乗り越えていくのです。
    翻訳も大変だったと思います。付き合わせてしまって「かたじけない」。

    10月6日、日本語版完成。
    10月8日、英語版完成。
    10月12日、スペイン語版完成。

    この10月12日、3セットまとめて申請しました。
    一度やっているのでここは「すんなり」。
    30分くらいで申請は終わりました。

    そこで発生したスタンプのID番号が、
    112951
    112954
    112958
    でした。

    連続していないんです。ひとつ申請した後、次の申請をする間に3~4作品が申請されていることが分かります。サクサクやったんですよ。
    10月4日申請の番号が108412でしたので、この8日間で4539作品が申請されていました。1日に換算すると567。恐ろしい数字です。

    毎日600近い数の作品が申請されていることがわかります。

    申請された作品がチェックされて、返事が来るまでに1~3か月かかるといわれています。12月頃に承認されれば嬉しいな。と思っていたら、なんと17日後の10月29日に返事がありました。やけに早い。

    「リジェクトされました」(日本語版)
    「リジェクトされました」(英語版)
    「リジェクトされました」(スペイン語版)

    ガーン、ショック
    まだまだ続く、高いハードル

    ガーンガーンガーン。マジですかー、なんでですかー。(叫び)
    ばーーったれっがーー!!(涙)
    リジェクトとは、不合格のこと。

    それぞれ、ほぼ同じような「3つの理由」が書かれていました。

    まずひとつ目。
    「絵が同じだから、販売国の指定をやり直せ」
    日本語版は日本に限定、スペイン語版はスペインに限定しなささい。
    英語版は、販売国から日本とスペインを外しなさい。

    おーそれでやり直せば良いのだな。全部を全世界で売りたかったのに。外国で「漢字やひらがなが面白い」って買うかも知れないじゃないか。日本でスペイン語のスタンプ買う人いるかも知れないじゃないか、ルールなら仕方ないけど解せないな。まあ仕方ない。

    次。
    同じ絵でセリフだけ変えるのは反則ですよ。どっちか削除するか、両方削除して新たに別のスタンプをアップしなさい。
    これでした。

    リジェクトされたスタンプ
    同じ絵で「こんにちは」と「さようなら」。(これは英語版)
    同じ絵だから面白いのに、分かってくれないかー
    それにまったく同じにならないように工夫したのに、くやしいです

    しかたなく、「地獄で会おうぜベイビー」(さようなら)を泣く泣く削除して、別のストックと差し替えました。

    次。
    ひとつのデータの背面(透明部分)に汚れのような白い点々が残っている。
    クリーンにして出し直せ。でした。まあ簡単に直せました。

    ということで3つともあっさりクリア、その日のうちに再申請をしました。
    ここからどのくらいかかるんだろう・・・。

    今度連絡が来る時は承認され、販売開始になり、日本のみならず世界でも売れまくり、ウハウハ状態となり、うーん、そうだなー、大好きなレバ刺しはもう食べられない世の中になっちゃったから「砂肝」 を食べつつ、北海道の地酒(日本酒も焼酎も)を飲み、タピオカココナッツミルクをガブガブ飲み、ココナッツチップスを食いまくれるようにしたいものです。

    ワケわかんないだろう。わははは。
    (躁鬱病でなければ良いのだが)

    そして実はこの審査待ちをしてる間に、もうワンセットのスタンプが急ピッチで進んでいたのです。水彩ではありません。猫でもありません。

    猫水彩同様、そう簡単には出来ない、ヒマじゃないと出来ない、「肩に力入りまくり」の作品です。それは・・・
    (なんだこの続きの予感は)


  • v255 多すぎるハードル

    ■多すぎるハードル

    猫のデカの絵
    この絵にどんなセリフを付けますか

    またまたまたまた前回からの続きです。

    今回は、例えるなら、100メートル走だと聞いて、その速度を保って1000メートル走らされるような話です。(この例え、マジでしんどいですね)
    今回は記録的な意味で書くので、本当はつまらない話なんですが、ウソをついてでも愉快に読みやすくなるように頑張ります。(ウソ)

    猫神様のお告げで、猫水彩をスタンプにする日々が続きました。スタンプ作成に取りかかったのが9月1日。セリフがマッチしないとか、絵が気に食わなくなって描き直すとか、ひと通り42個セット(スタンプは40個、表紙が1個、トークルーム用のアイコンというのを1個)が完成したのが10月3日。

    40個のスタンプ作成は、本当にしんどく、こんなにしんどいのに毎日数100の新作が申請されているという話です。どんだけ粘り強い人だらけなんですかねっ。

    10月4日(土)
    いよいよラインのIDを取得し、一気に申請までやり切ることを目指します。

    まず、ガラケーにラインのアプリをダウンロードするための作業。
    PCの画面のQRコードを携帯で読み取り、携帯から指示通りに空メールを送ります。
    「必殺!! 空メーーール!!」と叫び、ポチッと「送信」。
    (携帯はカミさんのなので、慣れているカミさんが操作)(カミさん=Kとする)

    すぐに登録画面のURLが来る。はず。
    ところが全然こない。
    ボケーっと待つものの、ちっとも来ない。
    K「おかしいなー」
    「どうなってんだ」
    K「あ、ひょっとして、迷惑メールブロックのせいかな?」
    (登録してないパソコンからのメールをブロックする設定になっていた)

    それを直して再び、
    「必殺!! 空メーーール!!」と叫び、ポチッと「送信」。

    ・・・しーん・・・
    寝ても覚めてもこないんです。(途方に暮れる)
    K「ドメインの設定が違うっぽいことが書かれている」
    「よく分からんが、それかっ、それなのかっ」
    それを直して、三たび
    「今度こそどうじゃ、えーーーい」
    「必殺!! 空メーーール!!」と叫び、ポチッと「送信」 。

    ・・・んーーし・・・
    来ないんですよね。(遠い目)
    はぁ~、何だろうかねぇ。やらしてもらえないのかなぁスタンプ。
    K「あ、URL付きのメールをブロックする設定になっている」
    「ていうかやっぱダメなのかな・・・」(しょんぼり)
    K「いや、大丈夫」

    四たび
    「必殺!! 空メーーール!!」と叫び、ポチッと「送信」。

    ・・・んっ
    来ました来ました、登録画面のURLが。
    来たんですよ。3度失敗してもね。
    とにかくよくやったよ!!(涙)
    (空メールを打って、返送メールもらっただけなんですけどね)
    そしてIDとパスワードを登録しました。
    あとは全部パソコンでの作業。

    孤独な闘いが始まります。

    とにかくラインのアプリが必要なので、探しておいたサイトへGO。
    「必殺ダウンローーーーーード!!!」。
    ・・・これ前も落としたけど良いのかな、まあいいや。
    「で、そのアプリはどこにあるんだい?」
    「前回もアプリが見つからなかったんですけど」
    とPCに語りかけるワタス。

    ダウンロードフォルダにもないし、アプリケーションフォルダにもないし、デスクトップにもないし、どこにもない。
    「あのー、やっぱりどこにもないんですが」
    とPCに語りかけるワタス。

    どうすればいいのかわからず、ひたすらネットで調べる。

    30分、1時間・・・。

    うーん、なんでちょいちょいアップルストアが開くんだろう。
    登録してから無料のアプリを落とせって?
    アプリはアップルストアからじゃなくても、もう落としてるし。どういう意味。
    わからんから登録する。何でもやってみる。
    「あーまた、クレジットカードの登録か。ヤバくないのかな。もういいや、登録」
    無料ダウンロードしろってか。ラインのアプリならすでに2回も落としてますけどね。
    そのアプリはどこにも見つからずナゾだらけ。まー、やりますか。
    「必殺、ダウンローーーーーード!!」
    3回目ですよ。
    で、やっぱりアプリが見つからない。立ち上がっても来ない。
    どこかに3つのアプリが眠ってるんでしょうかね。
    永遠の眠りですよ。

    そして、なんだろこのiTuneがちょいちょい開くんだけど。
    使った事ねーし。どこをどうするか全然わからんし。
    それらしいものがどこにもない。
    ムカムカムカムカムカムカムカムカ

    2時間、2時間半・・・。
    イライライライライライライライライライライラ

    ネット検索で「うまくいかない」や「失敗」などで調べまくりました。
    どうもこういうことらしい。
    「Mac版の最新のバージョンは欠陥だらけ」
    怒りのコメントがゾロゾロ。
    「エラーが出て起動しない」
    「アプリが予期しない理由で終了しました」
    「まったく使えないよー」

    な、だから言っただろ。自分のせいじゃないって。
    空気に話しかけるワタス。

    そして
    「古いバージョンに変えたら使える」と書かれていて。そのURLのリンク先に飛んでみると、ラインの古いバージョンのアプリが落とせるようになってました。
    これだっ、必殺ダウンローーードっ!! アプリ4度目ですよ落とすの。

    おおっ、これはっ・・・
    ちゃんとダウンロードのフォルダに落ちたぞ。
    当たり前のこのことが意味わからん感じになるよ。前のは何だったんだ。

    ここまで、ただ単にラインのアプリをダウンロードした、というだけの内容でしたよ。

    さ、
    「すかさずアプリのアイコンを必殺ダブルクリック!!!」
    おーーーー、立ち上がりました。
    携帯番号やら、ちょっと忘れたけど、いろいろ何か記入したらラインの画面がきました。(記憶が曖昧)
    とにかく撃破撃破。わっはっはっ。
    3時間経過していました。

    今回なげーです。付いて来てね。
    (失敗したくだりを書かなきゃ早いんですけどね)
    (でもこのできない感じ、伝わりますかね。疲れるんですよね)

    これで相手さえいればラインが出来るようになりました。
    実際に使えば感覚もつかめます。

    次のハードルは、肝心のクリエイター登録。
    「LINE Creators Market」というホームページへ行き、登録申請。パソコンのメールで送信、そのメールアドレスにメールが届き、指定のURLに飛びます。そこで何かやったらまたメールが来ました。

    登録完了
    せっかくの画像なのに文字だらけ。今回の研究所通信、文字だらけ。

    いよいよログインか。
    携帯のメールアドレス(←このためにガラケーでの登録が必要だったのです)とパスワードを記入。
    そして必殺の「ログインっ」。

    すんなり。

    おー、やりましたやりました。ハードルクリアしました。
    スマホ買わなくて済んだよ。買えないけど。
    やっとこれでスタンプの申請が出来そう。

    さあ、サクサクいくぞー。

    次、スタンプの登録をします。
    クリエイター名とコピーライト、スタンプ説明文の日本語と英語、ちゃんと用意してますよ。ほれどうだっ。
    「文字数オーバー」
    「ぎゃー」(半分にしないとならない誤算)
    聞いてないよ。これまた時間がかかり、イライラ。

    で、やっとできて、それを保存。よしよし。次に作品をアップ。
    ん?
    んん?
    んーー。
    操作が出来ないぞ。
    「アップできないんですけど」とPCに語りかけるワタス。

    Q&Aを読む。どうやらブラウザのバージョンが推奨より低いようだ。
    safariのバージョンが、OSの関係で今がこのPCでの最大のバージョン。
    つーことは、これは・・・

    「新しいコンピュータを買え」ということになりますね。

    ふぃ~・・・

    OSが古いからブラウザのバージョンが足りないんだと。
    しゅーりょー。(ヨダレだらだら)

    ウチひしがれました。徒労ですか。そうですか。コーヒーでも飲みますかね。
    美しい夕日ですよ。(昼だろ)

    コーヒー
    コーヒーブレイクっていうかハートブレイク?

    どんだけ高いハードルなんでしょう。
    途方に暮れつつ、何気に、Q&Aをぼーっと見てました。
    はっ、safari以外のブラウザが使えるかも知れない。

    ■ Mac
    ・Chrome 最新版
    ・Firefox 最新版
    ・Safari 最新版

    Firefoxは知ってるぞ。最新バージョン使えるかな。
    ダメ元で落としてみました。やるだけやってみる。

    Firefox必殺ダウンローーーーードっ。
    おっ、これはっ、使える。
    なんか山越えに失敗と思っていたらトンネル発見、みたいな。

    どれどれ、ログインっ、おおー、成功、ああ、よかった。
    でも、さっきsafariで入れた情報が消えてる。
    良い事と悪い事が交代でやってきます。

    また全部記入し直し。イライラ。

    そしていよいよ作品のアップ。
    「おお、出来るぞ。ポチッと、おーー、やりましたやりました」
    「ファイヤーーーフォーーーーッックス」げらげら
    やっちゃいましたねぇ。(ハイテンション)

    そしてリクエスト(申請)も完了。大成功です。うまくいきました。
    最後まであきらめたらイカンですね。
    よく「思えば願いは叶う」とか、「絶対最後まで諦めるな」とか、
    バカヤローって思いますけど、その通りじゃないですか。
    だからもう世の中も、みんな洗脳されちゃってあきらめないものだから、10万とか20万もの作品がアップされてるんですかね。(卑屈)

    なんとスタンプID「10万8412」ですよ。すげー数。
    こうして、あとは承認されるのを待つだけとなりました。

    ところが、私が、こんなにうまくいくわけ、ないじゃないですか。ね。
    ぐったりしながら完成したスタンプを見ていて、イヤな予感がしたんですよ。
    「ああ・・・」
    「ああ、やっぱり」
    「やっぱりそうか・・・」
    なんと、あろうことか、気をつけていたつもりだった「フォント」のチョイスが、勘違いで、使用するとあとで問題になるフォントだったのです。

    よりによってネットのコメントで「これはやめておいた方がいい」と名指しされてる書体でした。著作権問題が発生しそうでした。
    以前に購入したものだったので、買ったんだから大丈夫と思い込んでいました。

    「な・ん・て・こ・と・だ」

    ガーン、ショック
    全部やり直しじゃねーか

    使っている書体をほぼ全部変えなければいけない。
    「作り直しだよおっかさん」(古過ぎ)

    つづく。


  • v254 はがれるウロコ

    ■はがれるウロコ

    猫のデカの絵
    わかったんです。この描き方は良くないんです。

    またまた前回からの続きです。
    白の絵の具のナゾが解ける前のこと。絵がなんとなく描けちゃうものだから、早く数を揃えたくて、こー(両手をパーで親指を上に目の当たりから前に出す)なって、どんどん描いてしまっていました。

    描き溜めた猫の絵を使って、仕上りの感じをつかむため、いくつかのスタンプを試作してみました。絵とセリフのマッチングは結構難しく、かなり悩んで、何度もやり直し。

    試作スタンプ
    試作スタンプ
    試作スタンプ
    特にこの「ふーん」の絵を見ていたら、ふと、
    「やけに油絵っぽいな」
    と思いました。全部そうなんですが、白を盛るように使っている。これでは白が減るわけだ。

    何かが間違っている。と今更ながらに、水彩画の描き方の動画を探しました。世の中には親切な人がたくさんいるんですね。わかりやすく解説をしながら、実際に作品を描いていく動画を10本以上見ました。3時間くらい。ひたすらじーっと見ました。

    目からウロコが落ちて、部屋はウロコだらけになりました。(ウソ)
    夕方から見ていたので気がつくと真っ暗で、薄気味悪い人になってました。(ホント)

    なぜ白い絵の具が減っていったのか―
    水彩は白で重ねても白くならないからでした。修正のために白を使ってもなかなか白くならず、無理矢理白を重ねて使っていた。
    水をたっぷり使わずに、白と混ぜて作った色を使って描いていた。
    さらに、白い猫の輪郭を白で描こうとすると、白を盛るように使っていた。
    全部大間違いなのでした。なるほど油絵っぽくなるわけです。
    (ていうか水彩っぽくない)

    そして色を重ねるほど濁っていく。
    書き加えるほどに鮮やかさが消えて行くのです。

    水彩の極意
    「白い部分は紙の白を活かす」(ウロコがポロリ)
    「いくら重ねても明るくならない」(ポロリ)
    「明るい部分から描く」
    「人間の脳が補正してくれるから、細かい部分は描かずに極力省く」(ポロリ)

    まるで水墨画のような世界でありました。描き込まず、間で表現してしまうのです。
    「えー、ちょっとちょっと、それで終わりなの」
    「おー、ちゃんと見えるもんなんだな」

    で、薄いんです。色が。めちゃ水使ってバチャバチャ。それがなんだかそれっぽく見えてくるという、匠(たくみ)の世界でした。
    「ここはね、こんなもんで良いんですよ」
    「描かない。描いちゃダメですよ。簡単でしょ」
    「サーッと、ホラ、これでね、十分なんです」
    水彩の師匠は涼しい顔で描いていました。
    「わー、本当だ、簡単じゃねーか。・・・なわけないだろ」
    と思いながら、どことなくコツはわかりました。

    描いちゃダメなんです。描いちゃ。
    虫さされと同じ、掻いちゃダメ。(歳とって増々おやじGAG)

    ということで実践!!

    ビフォーアフター
    左:始めた頃(ふんだんに白を使っている)  右:改めて描いた(白は使ってない)

    白はできるだけ使わず、紙の色を活かす。
    白は紙の色を活かす。白は紙の色を活かす。白は紙の色を活かす。
    と念じて描きます。

    猫水彩画
    ほとんど白は使っていません

    それじゃあと、白くないクロちゃんにトライしてたら、なんかうまく描けません。その時に、取り返しのつかない状況になりました。黒くし過ぎて濃淡が付けられない。
    「真っ黒になっちゃった。失敗失敗」
    水彩は薄くはできない。こりゃダメだ、と、あきらめ半分で黒く塗り過ぎたところに水だけ付けた筆で黒を拭い取ってみたら、筆が絵の具を吸い取って色が取れてきました。
    「なんちゅう卑劣なやり方だ、こんな描き方していいのか」
    「おおおおおお、これは修正が効く、卑怯くさいぜ」
    これを「姑息な引き算技法」と名付けました。ワタスが開発しますた。(ゲラゲラ)

    猫水彩画

    そして茶~ぶーにトライ。茶~ぶーは長毛なのですごく難しいんです。まあとにかく動画の成果を出すべく、白は使わずに、光の加減を見て描くのでした。

    猫水彩画
    これ白をまったく使っていません

    この白を極力使わない「当たり前の水彩の描き方」を始めた時にはすでに40個近い絵が出来ていたこともあって、スタンプのほとんどが「何も知らずにヘラヘラと白を使いまくって描いた絵」を使うことになりました。というのも、なんか描けてるし、せっかく描いたヤツで使えるなら、白がどうのこうのというのもアレかなと、いう感じがしまして…。
    (というか実際、集中力が必要で、2個3個描くだけで結構疲れる。また1か月はかかってしまう)

    ふと、何となくひと息ついた私の目の前には、買い足した大きめのチューブが3本転がっていました。そしてその3本のチューブが口を揃えてこう言いました。
    「ちゃんと使えよ」と。

    白の絵の具
    アタマも真っ白に

    オチがバッチリ決まりましたけど、まだ終わりじゃないですよ。

    小学生からの衝撃のハガキが届いてから、猫水彩が始まり、半月でスタンプの話が来て、それから約1か月経過していました。スタンプにするには「セリフ」を入れて42個(実質は40個)を完成させないといけません。

    この話を持ちかけてくれた人に見せたところ、外国人に受けるような気がすると言い、英語版とスペイン語版も作ろうということになりました。
    120個のスタンプを作ることになります。
    いったいいつ完成するのでしょうか。
    しかもまだスマホのIDが取得できるかどうかもわからないのです。

    つづく。


  • v253 猫水彩からの、スタンプ

    ■猫水彩からの、スタンプ

    スマホではない
    自分が持っているのは、残念ながらスマホではない。携帯でもない。
    まさかのピッチ。

    またしても前回からの続きです。
    8月29日、それは突然の、知り合いからのメールでした。
    「LINEのスタンプをやってみたらどうですか」

    とにかく私はガラケーですらないピッチですから、その世界のことをまったく知らなかったのです。よく耳にする「ライン」とはスマートフォンの中だけの世界だったんですね。で、スマホってみんな言ってますけど、スマ「フォ」 ですよね。関係ないけど。
    ラインって、SNSの一種だというではありませんか。知らんけど。

    そしてラインってアプリケーションなんですね。ていうかソフトって言ってくれないと、今日52歳のおじさんはわかりませんがな。(!)
    ええ、それほど嬉しくもない誕生日でしたよ、今日は。そういえば。
    52ですけどこの辺では若者ですよ。学生さんかい、てなもんですよ。
    「スマフォ」なんて言う若者なんていないけどね。
    話がトッ散らかってすいません。

    メールというかチャットみたいにして、絵のやり取りも楽しむのですね。そしてその絵のことをスタンプというのだ、ということがわかりました。
    やっと少し現代人に近づきました。

    ラインのスタンプの使い方
    なるほどこうやって使うのね。

    スタンプをやる、というのは、この絵を作って売る、ということでした。
    絵にセリフを入れても良いみたいです。(むしろそっちが主流)

    ちょうど猫水彩を開始したところです。これ、やらない手はない。
    リアルな猫の水彩画をスタンプにするというのは、おそらく誰もやらないのではないか、なぜなら面白くないから、とチラッとアタマをかすめつつ、少しは猫好きのニーズがあるかも知れない。うまいセリフを入れれば、案外使えるかも知れない。いや誰もやりそうもないからこそ、目立つかも知れない。

    これは猫神のお告げみたいなものだから、これでやるしかない。というか、これでしかやる気が起きないのでした。ニーズがどうとか、ターゲットがどうとかいう話じゃないわけです。

    とにかくいっちょうやるかっ!!!!
    ちょうど生活も破綻しているしな。(笑)←笑ってる場合ではない

    腎不全に苦しむ茶~ぶーへの一種の願掛けであると同時に、将来の生活基盤のひとつにもなりうる。ならなくても絵やイラストを描くことで自分を救うかも知れない。やるしかないぞこれはっ!!

    とまあ、やる気が悲愴感をかもし出していますね我ながら。

    で、調べていると、このラインのスタンプ作りが、小学生や主婦やタレントまでもが、上手いヘタにかかわらず、「味のある絵」でトライしており、なかなかに厳しい審査や1セット42個も画像を作らねばならない高いハードルを越えて、1日500セットとか大量の申請があり、すでに10万とか20万ものセットが承認され、販売されているっぽいのでした。

    審査だけで1~3か月かかるとか言われています。

    ラインのスタンプって、
    誰も言ってないけれど、みんなかすかな希望の副収入狙いですよね。



    ですよね、はは。

    手負いの熊がゴロゴロいて、ものすごい競争になっちゃってる感じ。
    きびしいなぁー。

    ま、勝ち負け関係なしで、さあ、やるぞ、おーー!!
    なになに・・・
    スマホ使ってないとダメなの?
    しゅーりょーー!!(負けたーっ)

    スマホの所持が大前提で、自分には参加資格がなく、撃沈しました。
    ハードルたけー。
    スマホ持てるほどのおカネもなし、ラインを楽しむ相手もなし、やっぱ無理かと思っていたら、一筋の光が・・・。

    「スマホがなくてもスタンプの販売は出来るらしい」情報がありました。
    携帯でラインが出来るのでアプリをダウンロードして、そこでIDを取得、PCでもアプリをダウンロードして、携帯で取得したIDを使ってクリエイター登録をする。PCでもラインも出来るし、スタンプの管理も出来る、というもの。
    それで、1時間ほどいろいろやってみました。

    「ピッチはダメ。家族の使ってるガラケーを使えばいい」
    「手始めにコンピュータ(Mac)にアプリをダウンロード!!」
    「えっ、アップルストアに登録しろ? えっ、クレジットカード番号?」
    「やだなコレ大丈夫かな」
    「えっ、iTunesが何だって、何だコレ、どういう状態?」
    「イライライライラ、意味わからん」
    「えっ、何この怒りのコメントの数々。画面が出ないとか、バグがどうとか・・・」
    「わっかんねぇーーー」

    できませんでした。しゅーりょー!!(負けた負けた)

    しかし、なんか未練たっぷりになってしまい、こうなったらピッチ並みに安いスマホはないかと、ドコモショップへ行って聞いてみました。(考えてみれば、問題はPC側だったので、スマホは必要ないのでした)

    ドコモショップ
    ここに行きました

    「やすいスマホはねーがー?」
    「まースマホ本体はともかく、最低月々1万円くらいはかかりますねぇ・・・」
    「マジっすか。月々2000円以下ってのは無理ですか」(笑)
    「そーーー、です、ねーー」

    またしても撃沈。スマホはあきらめました。
    しかし、ケータイとPCがあればできると書いてあるのだから、それを信じて、先行してスタンプ42個(実質40個)作ろうじゃないか!!

    モノが出来ちゃえばさらに必死になって、自分、何とかするだろう。
    スマホがなくてもできると書いてあるんだからね。

    と重大なところを先送りにして、スタンプ作りが始まったのです。
    とにかく絵を書き続ける理由付けにちょうどいい感じでしたし、出来ないとわかった時のダメージが大きそうで、絵を描くモチベーションが下がると思ったのでした。

    で、やる気MAXを保ちながら、ひたすら猫の絵を描き続けました。
    黙々と。黙々と。

    毎日毎日描きました。作品がどんどん出来ていきます。なんとなく描けています。
    白の絵の具ばかりを何度か買い足しました。
    「んー、なんだろなー、白が減る描き方って、おかしいのかなー」
    そもそも水彩の事などよく知らないわけで、いっぱい描いてしまってから、遅まきながらちゃんと調べようと思いました。
    ネットには何でも落ちてます。便利過ぎます。水彩画の描き方を教えてくれる動画が山ほどありました。
    そして目からウロコが剥がれ落ちていくのでありました。

    つづく。


  • v252 衝撃のハガキからの、猫水彩

    ■衝撃のハガキからの、猫水彩

    猫の絵の練習
    最初の練習作(8/16)
    上:ちゃめぞう、クロちゃん 下:びっくりちゃん、茶~ぶー
    白い紙に白いトラッシュは難しくて

    大丈夫か、自分。(前回からの続きです)

    オマエに絵が描けるのか?

    8月16日。100均に買い物へ行きました。水彩絵の具12色セット100円。平筆と面相筆の4本セットが100円。いやーもうキチガイじみた低価格。とっても助かります。水差しは空き缶で十分。パレットもチラシの裏で十分。

    ということで道具は揃いました。税込216円なり。

    ハガキにするので、ベコベコにならないような厚手の白い紙がベストです。うーん、白いのはないけど、補強用のザラザラのグレーの厚紙がありました。

    「まずは練習だ」

    ということで薄っぺらい白い紙にちょっと描いてみた最初のヤツが上の写真です。

    猫の写真を見て描くのですが、試し描きというか、ウォーミングアップということで許して下さい。でも、適度にヘタ。いや、むしろ上手いのか。んなこたーない。(笑)

    さて、練習は終わりです。(本当に練習はこれで全部です。はははは)

    不安てんこ盛り状態で本チャンです。

    気合いを入れて、ハガキサイズに4つほど描きました。

    おやおや、なんかそれっぽく描けてるぞ。

    そのうちの2つ。

    猫の絵
    茶~ぶーとクロちゃん。1個に30分くらい

    「何で描けるんだろ」と思う自分。(マジ)

    あの小学生のハガキの絵のマネでもないし、オリジナル手描き感たっぷり。もうこれでいいやと、この2通にコメント書いて、別々の日に投函しました。2倍返しですね。

    ところで・・・

    猫のハガキ
    それにしてもこのイラストは小学生レベルじゃない
    小学生が出す味じゃねえ、と思ってた自分

    この小学生(りょう君と言います)からのハガキの真相を知ったのは、8月13日でした。りょう君のお母さんへ「アンタの子は天才かっ」とメールを出したら、返事に「猫じゃらししか描いてないってさ」と書かれてました。

    何と、ハガキは市販品で、プロが描いたイラストのプリントだったのです。でもよくこんなウチの猫事情を知ってるかのような構成の絵を見つけたものです。

    ある意味そこが天才。

    ただ、お母さん曰く、動物好きのりょう君は観察が好きで、絵は結構上手いよと。その後、りょう君からまたハガキが届きました。鉛筆画付きでした。

    小学生の象の絵
    うめーな。届いたハガキの一部

    上手いです。ホントに上手いですよ。そして私もちょっと安堵の表情。(笑)

    これは上達しますよ。(と、ついに上から目線)

    いや、私が小学生相手に優越感に浸るという話しじゃないですよ。

    なかなか上手いと思います。

    さて、とにかくこの話は先につながっていくんです。

    13日に真相を知っても、16日に絵の具を買いに行きました。あっちが市販品ならこっちも市販品でいいじゃないか、とは思わなかったのです。りょう君がわざわざ書いてくれたハガキの返事はしないと人間としてアレですし、書くなら気持ちを込めなければということで、絵を描こうという気持ちに火は付いていたのです。(←ここ大事)

    そして、ちょうど「茶~ぶー」の腎不全の時でしたから(泣)、その時に通ってた動物病院のアイドル猫の「カービー」を撮った写真があり、感謝のハガキでも出そうと思って描いてみました。迷惑かも知れないし特別上手くはないけど、こういうのは気持ちだからとプレゼントしました。(手渡し)

    猫のカービーの絵
    猫のカービー8/20

    しかしちょっと描きながら気になっていることがありました。白い絵の具の減りがメチャクチャ早いのです。すぐに白の絵の具だけ2本買い足しました。水彩ってこんなに白を使うのかなと、少し違和感がありました。

    猫の写真は2000枚以上あり、気に入っている写真をピックアップして、水彩画を描いていました。この流れ上、絵の対象が必ず猫であり、それ以外描こうなどという気持ちはまったくなく、考えもしていないのでした。

    これはもう「猫水彩」というジャンルへの挑戦ですね。

    猫の絵

    カービーを描いてから1週間くらい。でもやっぱり何かがおかしいんです。

    何かおかしい、というのは、デッサンの狂いのことではありません。とにかく白絵の具ばかりがどんどん無くなるのです。そして油絵っぽい。すごく変な感じがしていました。

    このタイミングで、8月29日、突然、知り合いからメールが来ました。

    「LINEのスタンプをやってみたらどうですか」と。

    ラインのスタンプをやる、という呪文のようなコトバ。

    ラインのスタンプをやる、て何。

    意味がわかりませんでした。

    つづく。