• タグ別アーカイブ: 丸瀬布
  • v342 天からのプレゼント

    ■天からのプレゼント

    丸瀬布

    「天からのプレゼント?」何言うとんの、もう。特に偉いこと何もしとらんし、茹でたトウキビを半分に割って相手に少ない方を渡すなどという極悪なことをしてて何で神様的な人がプレゼントくれるんですか。ねぇ。

    それは、その日、しばらく行ってなかった丸瀬布(まるせっぷ)の高原へ、気まぐれで行った時のことです。8月26日の日曜日。天気は曇りがちな適温。コンビニのセイコーマートで弁当を買って、途中の生田原(いくたはら)の誰もいない寂びれた公園で早めの昼ご飯を食べました。たまたま陽がさしてのどかな気分。

    生田原の公園
    11時07分

    ここのところの悪天候で、公園の地面はびしょびしょでした。

    さて、目的地の大平高原(たいへいこうげん)は、我が家から約100km。車でのんびり2時間です。以前鹿の群れに会った道から行きました。

    今年の4月20日に見た鹿の群れ

    この日は何も出てきませんでした。先週は畑の作物を食い荒らす鹿ちゃんにハラハラしましたが、まあ、そうそう出くわすものではありません。
    昼に温泉「山彦の湯」でひとっ風呂(2時間!!)浴びて、いよいよ高原へ向かいます。360度何もないただただ広大な風景(牧場です)が広がっています。(最初の写真がその途中の風景。一部に陽が差して美しい)
    そして霧のような雨が降り、晴れたり曇ったりで不思議な色になっていました。

    丸瀬布
    14時32分

    しばらく走ると広い空間に出ました。
    「あれ? 虹? 角度的に、随分低いな」
    「虹っぽいが、えーと、あれが右端とすると・・・」

    虹

    低い角度で左方向に伸びてます。
    「するってぇと、左の方にあるんじゃないか」

    虹

    ほーらあったあった、薄いなぁ。

    虹
    14時37分

    わかりますかね、虹が低くかかっています。
    「薄いなぁ、濃くなるのを待とう」
    別になんの用事もないし、ボケッと待つことにしました。贅沢な時間です。

    丸瀬布大平高原
    虹の反対側の風景。こっち側は雨模様。

    「ちょっと濃くなったかも」(たった1分ほど)

    虹
    14時38分
    虹
    14時38分

    でも繋がってないのです。もうちょっと待とう。
    しかし10分ほどで薄くなり、このまま消えそうなので、帰ることにしました。虹を背に車を10メートルほど走らせつつ、ただ、こんな機会があるだろうか? いや、あるはずがない、と・・・
    未練がましく振り返ると、またなんとなく濃くなって来た感じがして引き返し、もう少し待つことにしました。それから少しずつ濃くなって来たのです。約30分後・・・

    虹
    15時06分

    おー、来たんじゃないのー!! これー、いいんじゃないのー!!

    虹
    15時07分

    来たーーーーっ!! 繋がったしーっ!! なんか手前に来てるしーっ!!
    「すげーわ」

    この時、背中の方で野生の何かがギャーと叫ぶ声がし、思わず振り向きました。遠くからの声で、どこに何がいるのかわかりません。なんだろうと思う間も無く、手前に目に飛び込んできた黒い塊に気づき、思わず「あっ」と叫んでしまいました。

    そいつは私が生まれて初めて見る野生のヤツでした。冬にはやたらと足跡はあるのに姿を見せないヤツです。
    ヤツらは警戒心が強く、ほんっとに姿を見ることができないのです。そいつが目の前にいるではありませんか。

    野ウサギ
    15時09分。一度どうしても見てみたかった野生のウサギがっ。

    おー、野ウサギじゃー、初めて見たー、ウヒョーッ!!
    虹が満開です。虹も撮らなきゃ消えちゃうよ、いや、ウサギを撮らなきゃ逃げちゃうよ、きゃー、困ったぞこりゃー。

    距離にして30メートルほどのところで、車で待っていたカミさんが、「やったー」みたいな叫び声をあげています。虹を見てのことかと思ったら、なんと、ラジオで14時開始のファイターズの試合を中継していて、2回の裏に鶴岡選手が先制の2点タイムリーを放ち(15時10分)、やったーやったー、と叫んでいたのです。

    高原での美しい虹、野ウサギ登場、ファイターズ先制タイムリーのトリプル。
    なんか倍率的には1000倍、1万倍、2倍くらいで、2000万点ゲットです。1日で2000万点はないわー。(笑)
    いや、もっとかなー。1億点かなー。(笑)

    それはともかく。
    「ウサギー、ウサギがいるー!!」と私が叫びましたが、全く伝わらず、とにかくもうシャッター切りまくり体制に入りました。虹とウサギ。ウサギは逃げませんでした。動くと目立つからなのかもしれません。5メートルくらいまでじわじわ近づき、それ以上は強いストレスをかけてしまうと思って離れました。

    野ウサギ
    15時17分。最接近。じっと動かない。

    何か良い行いでもしたのかな自分。良いプレゼントをもらいました。
    この広い空間を独占させてもらいました。

    楽しい。(笑)


  • v291 北海道の風景―丸瀬布

    ■北海道の風景―丸瀬布(まるせっぷ)

    丸瀬布の大平高原
    9/22 丸瀬布 (クリックで拡大)

    今年、北海道を直撃した3つの台風の被害は、かなり大きかったのだなと、ニュースにならなかった地域を走って思うのでした。どこへ行っても倒木だらけ、橋壊れまくりです。

    この丸瀬布でも道路閉鎖がありました。夏の雨の日に行った時のことです。町から有名な温泉へ向かう11kmほどの幹線道路が封鎖されていました。その時に回り道があることを初めて知ったのです。22kmと倍の距離ですが、なんだか思いもしないところに抜け道があって、どう見ても、この道の方が厳しいのに閉鎖されていなかったのです。

    丸瀬布に「広大なイメージ」は無く、山間を抜ける町という印象でした。
    その回り道は、細く狭くクネクネとした山道(峠ですらない)で、抜けられるのか分からないような不安になる道路でした。やがて標高の高いてっぺんの方へ出ると、そこには360度見晴らせる広い高原があったのです。(雨でしたが障害物がないのは分かる)
    「なんじゃこりゃあ」でした。

    それからしばらく経ったこの日は、幹線道路はすでに開通していたのですが、その高原を通って温泉へと向かいました。天気が良く、その高原の写真が撮りたかったのです。
    下の写真だと分かりにくいかも知れませんが、一応、南側を180度分、分割して撮った写真を繋げてみたものです。

    丸瀬布の大平高原牧場
    まわりが全部こんな感じ。中と右の2本の道は90度です。(クリックで拡大)

    このあたりの道の行けるところは行ってみて、何かいい写真は撮れないか、ポイントを探しました。しかし、ここにいて感動している割には、カメラを覗くと特別な感じがしないのでした。
    「なんだこの伝わらない感じはっ!!」
    「なんかすごい雲とか、チンダル現象とか起きれば良いのだがっ!!」。

    丸瀬布の大平高原牧場
    特別何も起きない。伝わらない

    広いのに、なんか違う。

    丸瀬布の大平高原牧場
    農作業してる

    めちゃめちゃ広い空間なのですが、写真にすると違う。しばらくボーッと眺めていました。するとキリギリスの鳴き声があっちこっちからしていることに気づいたのでした。

    丸瀬布の大平高原牧場
    キリギリスがたくさん鳴いている

    鳴き声のするところへ行ってみると…。

    丸瀬布の大平高原牧場のキリギリス
    いたいた。なんかメカっぽい

    おー、キリギリス君、おまえは逃げないのか、と指を近づけたら、鳴きながら指を蹴って噛んできました。(笑)
    人間に慣れてないのか、逃げない凶暴なキリギリスでありました。

    しかしまぁ、生き物って精巧に良く出来ていますよね。スゴ過ぎますね。

    おしまい。(なんだこの終わり方)


  • v266 いきもの万歳(留辺蘂-丸瀬布、丸立峠)

    ■いきもの万歳(笑)

    モンキチョウ
    昆虫がいて人もいる…

    6月21日(土)、久々に丸瀬布のマウレ温泉へ行きました。お湯に入った瞬間に体がヌルヌルになる脅威のヌルヌル温泉。
    今回は、じわじわとヌルヌルになりました。(笑)

    この日はたまたま客が少なく、1時間半もの間貸し切り状態で、広い広い露天風呂で、ずーーーーっとぼーーーーーっとする贅沢な時間が持てました。しかもこのマウレ山荘は高級な感じがあって、贅沢感倍増でした。

    で、今回の目的は、実は写真だったのです。
    北見から丸瀬布に向かう場合、ルートは2つあるのですが、マウレの温泉は丸瀬布から12kmほど南下するので、第3のルートが出現するのです。

    マップ
    Cルートは林道

    グーグルの「北見-マウレ間」 のルート検索では、ABの2ルートしか出てきません。
    でも距離的にはかなり短縮できるCルートがあるのです。山深く人気(ひとけ)のまったくないこのルートは。写真撮影のことを考えても魅力いっぱいなのです。

    ただし、Cルートは冬季閉鎖されるような林道なので、軽自動車でひょこひょこ行って大丈夫なのか、という不安はありました。

    国道から林道へ入る入り口にはこんな看板があります。

    看板
    立派な看板ではないですか

    ここには「3km先 冬季通行止」と書かれています。6月20日は冬季ではないはずですよね。それにこんなに立派な看板が「いらっしゃいませ」的に誘導しているのですから、大丈夫でしょう。
    で、すぐ近くに、こんな標識があります。

    道路標識
    ん、何だって・・・

    「この先の 1070 道道 上武利丸瀬布線(かみむりいまるせっぷせん)は 通行できません。」と書かれています。簡単に見逃してしまいそうなこの標識。言ってることの重大性と薄い存在感のハーモニーが、心を揺さぶります。

    「なんじゃろ? このプチ通行できない感は」

    まあ、まかり間違って閉鎖されているとしても、写真を撮りに来たと思えば良いのだし、開通していればラッキーなのです。この段階では五分五分。

    マウレへの道
    道路脇には紫の花が、歓迎してくれています

    良い道路ではないですか。ずんずん進んでみよう。

    マウレへの道
    ちょっと怖い感じになってくる

    道路は林道にしてはしっかりしています。ていうか普通の道路より状態がいい。

    マウレへの道
    何と晴れ間が出てきました

    こりゃあクマもいると思いますよ。それにしても道路が素晴らしい。晴れ間も出てきてなかなか快適なのです。しかも1台、対向車が来たのです。白い乗用車なのでした。
    やっぱり閉鎖されてはいないと思うのでした。

    マウレへの道
    どんどん進む

    もちろんこの写真も目的の一つであり、何と言うこともない風景かも知れませんが、結構いい感じじゃないかと思うのでした。

    マウレへの道
    フィトンチットで溢れています

    道路の状態も文句なし、残雪ももちろんなく、土砂崩れもなく、何の問題もありません。閉鎖する理由がない。閉鎖する方がどうかしてい・・・・・あっ!

    マウレへの道
    こっ、これはっ!!
    道路閉鎖
    出ました、毎度おなじみの風景

    道路が二手に分かれていることにも驚きましたが、両方ともガッツリゲートで閉鎖されていました。

    「6月は冬季かよっ!!」

    仕方なく、ここでモンキチョウの写真(冒頭の写真)を撮ったりして、くつろぎました。あの白い対向車は、多分引き返したのでしょうね。

    ここからマウレまではこの道路なら目と鼻の先、25kmほどなのですが、いったん留辺蘂(るべしべ)まで引き返して、丸瀬布経由で行くと80kmほどになります。
    とにかくもうあわてても仕方がないので、この道路を自転車並みのスピードで、ゆっくりゆっくり自然を堪能しながら車を走らせていました。

    あるカーブを回ったところに何かが突っ立っていました。

    シカとばったり
    いわゆるばったり鉢合わせ

    「うわー、なんだ」
    何かの妖精のような雰囲気でした。メスの子鹿のようです。とてもゆっくり車を走らせていたので、ゆっくり止まり、シカも「ありゃ、何だこれ」みたいな顔をして動きませんでした。

    シカとばったり
    多分、驚いている

    そりゃこの道路人がほとんどこないのですから、動物にとっては楽園かも知れません。
    少しすると、シカは慌てたように逃げていきました。
    あまりにも間近で、ちょっと感動。

    そしてまたゆっくり車を走らせていたら・・・

    リス
    車の前をちょろちょろと横切る小動物

    ちょろちょろと走って、その位置で止まりました。

    リス
    「歩行者優先だかんな」と言っているリス

    シマがあるからシマリス? よく分かりませんがとても小さいリスでした。それから少しすると、前で何か動いています。

    キタキツネ
    画面の真中
    キタキツネ
    キタキツネじゃないですか

    キツネが近づいてきました。きっと誰かがエサをやったのでしょうね。人に寄ってくる動物はある意味可哀想です。何か問題が起きれば、人間は「駆除」に動きますから。人に近づくな、と思いました。でも、何ていうか・・・

    キタキツネ

    完全に犬ですよね、こうなると。
    仮になついていても、エキノコックスという恐ろしい寄生虫がいるので決して触ってはいけません。

    こんな感じで、シカ2頭、キツネ3匹、リス2匹に遭遇。道路閉鎖はこんな楽しい時間をくれました。クマちゃんだけは勘弁ですが、でもまあ、クマちゃんが人間を寄せ付けない役割を果たしているとすれば、自然にとっては絶対必要な存在なのかもですね。

    風景も美しいのでした。

    山の風景
    山の風景

    何気なくそこにある風景が、何だかすごい。

    まだ、終わりませんよ。
    このあとマウレの温泉に入り、帰りにもうひとつ気になっている峠へ向かいました。一度、閉鎖されていることを知らずに行った「丸立(まるたつ)峠」。→以前書いた記事

    もしかして、ここもまだ閉鎖されているのか、それを確かめに。

    道路閉鎖
    閉鎖されていました

    6月は冬季なんですかね。そういえば前回も6月だったようです。
    せっかくここまで来たので、左の「十三の滝登口」へ向かいました。

    十三の滝への道
    ある意味ここもまた怖い空間ではあります

    8kmほど進んだところでギブアップしました。延々こんな感じの道が続いていて、途中二股があり、看板もなく、勘で右へと進みました。車は草に埋もれていくような感じになっていきました。Uターンも難しく、ここで車が故障したらオシマイだと思いました。

    Uターンできるスペースを見つけて引き返しました。その帰り道に突然現れた「なんじゃこりゃ」な風景・・・

    引き返した道からの風景
    身震いするような風景

    「なんじゃこりゃ」
    秘境感がスゴい。実際に見ると圧倒されます。車から降りたら、すぐ車に戻りたくなりました。威圧感がスゴい。
    えらいもんを見てしまった。
    後で調べたら「奇城岩」と言うそうです。知名度ゼロかも。

    さらに、リス2匹、シカ2匹が現れて、「ちきゅう万歳」的な1日になりました。
    走行距離310km。
    この日の熟睡ぶりといったら、不眠症の人に分けてあげたいくらい深い眠りでした。


  • v262 丸瀬布、やまびこ

    ■丸瀬布、やまびこ

    丸瀬布の凍った山彦の滝
    これは何だ

    1月15日、またまたカミさんが言うのです。
    「丸瀬布のツアーに行きたい」
    「なんでまた」
    「氷瀑(ひょうばく)なんだよ。ライトアップのナイトツアーだよ」
    「何言ってんの」
    「ツアーで、“やまびこ温泉”にも入れて1200円という安さだよ」
    温泉ならまあ毎日入ってもいいけどな、と思う。
    「食事も付いてるよ」

    てなわけで、うさんくさい安さと熱意に負けて、翌16日そのツアーの予約を入れて、17日に丸瀬布(まるせっぷ)へと向かったわけです。ホワイトアウトで遭難しそうな雪が舞う中の峠越え。そして新聞記事になってしまいました。

    その翌日の北海道新聞です。一番読みやすい三面記事面(第一社会面)のほぼど真ん中に、大きな写真入りの記事が載っています。

    北海道新聞
    「暴風雪 動けない」の方ではないです。
    その下の「カラフルな写真」の方の記事(笑)

    「ああ、よりによってこんな目立つところにに載っちゃったかー」
    私のフルネームとコメント、年齢も出ていました。

    思えば、真っ暗になる17時に「40人ほどを乗せたマイクロバス」が、「やまびこ温泉」の施設から出発する際、NHKラジオと北海道新聞の取材記者が同乗していたのでした。

    山彦温泉
    遠軽町町営のやまびこ温泉

    このイベントは「山彦(やまびこ)の滝ナイトツアー」といい、「滝の夜間観察会」とか「厳冬の山彦の滝観察会」とか「厳冬山彦の滝 ライトアップ観察会」とか「山彦の滝ナイトツアー・観察会」とか「ライトアップした滝の夜間観察会」とか、どれが正式名称か分からないほどいろんな呼ばれ方をしています。
    ちなみに、滝が凍るなどして出来るものをヒョウバクと言いまして、「闇夜に浮かぶ巨大な氷瀑を観察」と言えば、それがイベント名に聞こえたりもします。

    毎年1~3月、月2回開催、という感じです。
    今年この日が最初だったようで、30人ほどの参加者がいました。スタッフを入れると約50名でライトアップを楽しむことになります。
    しかし、山奥ですし、街灯もなく、なんともまあ怖い場所です。

    実は、このイベントの前に、昼間の滝を見ようと早めに到着して、現地へと向かったのです。事前情報として少し写真。

    滝へ向かう道
    どんどん山奥へと進む

    雪がふわふわに積もっていてハンドルを取られます。ここで動けなくなったら悲惨です。非力な軽自動車では結構心配です。そして出ました、毎度おなじみの「通行止」。

    滝へ向かう道
    はいまたお会いしましたね、の情景
    夏場は開通しているみたいです。(なんかスゴそうな道)
    イベントのバスはここを入っていきます。

    こういう場所です。

    で、17時(すでに真っ暗です)、やまびこ温泉前からバスが出まして、バスの中で普通のおじさん(町職員?)がマイクを持ってしゃべり出しました。
    「えー、みなさん、・・・ご参加・・・ありがとうございます」

    あまり流暢ではない語りが好印象でした。昔の町の様子やら、たまたま私が5~6才の頃に丸瀬布に住んでいたこともあり、興味深い話が聞けました。
    滝については、東を向いていることが特徴で、しかも真東ということが非常に珍しく、日本ではここしかない、と力説していました。そのことが「ご利益がある」理由となっていて、成田不動尊(不動明王)が祀られ、毎年7月28日には滝まつり(例祭)が行われているのだそうです。
    氷柱の出来方や、今年の特徴など、滝のいろいろな情報を聞くことで、面白みも増していきました。

    いよいよ通行止めラインも突破。

    バス
    やがて滝の近くの駐車場に到着。乗車時間は15分くらい。

    ここから滝まで200m歩きます。山を登ります。
    まず目に飛び込んできたのは、たいまつの炎。先頭と中間と最後尾の人(お客さん)が持ちます。(持ちたい人いるー? と希望者に渡されてました)

    滝までの道
    ヤグラの中で燃えているたいまつになる炎と、道に沿って点いている電球の光

    これはもうワクワクする風景です。子どもはすごく喜ぶと思います。帰りには特別な滑り台がありますし、昔ながらの過保護ではない普通の遊びがここにあります。(笑)

    滝までの道
    奥へと進みます
    滝までの道
    なんかかっこいいです
    滝までの道
    もう少し

    「うわー、ななな、なんじゃこりゃあ」
    「なんじゃこりゃあよぉー」

    やまびこの道、氷瀑
    ヒョウバクです
    やまびこの滝、氷瀑
    高さ28メートル

    もうふざけているとしか思えないほどの氷の柱。こんなの初めて見ました。この柱の中を水が流れているんだそうです。
    後で調べてみたら、この滝の水量は少なく、夏場は薄いカーテンのようになって、滝の裏側からの景色もまた美しいようです。

    今回の氷の出来方が、いつもと違って、柱の裏側に氷が落下し、通り抜けできませんでした。珍しいことだそうです。

    合格祈願
    これ、何だと思いますか

    昔、この辺に蒸気機関車(雨宮21号)が走っていて、材木の運搬に使われていたそうで、その時に機関車の滑り止めに使われていた砂をこのようにお祈りをしてパワーを込めまして、受験生のための「滑り止め」のお守りとして受験生たちに配っているらしいです。多分、「町」が学校に無料で配っているのかなと思います。
    ここでも欲しい人に配っていたのかな、私興味がなかったので写真を撮っていてそのへんのことはよく分かりませんでした。

    このお守りの砂は今のところ100%の効果があるそうです。誰もスベってないと。
    何と言っても「真東向きで御利益がある滝で合格祈願パワーを込めた」超強力なお守りなのです。お笑い芸人にも必須の砂ですね。

    さて、いよいよライトアップするのですが、全部見せるのもアレですし、赤とミックスだけ。こんな感じです。

    やまびこの滝、ライトアップ
    実際より写真の方が色が出ている
    やまびこの滝、ライトアップ
    カラフルですが、実際はもう少し地味に感じました

    で、個人的な感想としては、ライトアップはまあまあキレイとは思いますが、やらなくても良いかも、が正直なところです。でも、これが印象に残ってまた見に来る人もいると思いますし、生の色も両方見ることが出来るので、目くじら立ててダメっていうほどでもありません。

    ライトアップがひと通り終わり、主催者の感謝の言葉で拍手が起こりました。
    もふもふもふもふ・・・
    (みんな手袋をしているのでパチパチパチではなく、音がもふもふもふ)

    やまびこの滝、氷瀑
    ウラの横側から撮影

    やっぱ色はなくてもこの形状、この迫力、自然は自然に見るのが美しいです。
    (普通の電球の光も自然じゃないけど)

    で、なぜ新聞に名前が出ちゃったのか。最初にバスに乗る時に取材陣がいることは分かっていました。それで、大したコメントも出来ないし、避けるようにはしていました。避けて避けていたら、ウラのウラはオモテみたいな感じで、となりに記者がいたわけです。

    「あっちゃー」

    声もかけやすかったんでしょう。昔からよく道聞かれますし。
    どうですか、と速攻で感想を聞かれてしまい、ついひと言ふた言答えてしまい、別に悪いことしてるわけじゃ無し、名前を聞かれて答えたという次第。

    そして、カミさんにはラジオもやってきました。声をかけやすかったのでしょう。夫婦で両側からコメントを求められるという、「なんだこの状況」みたいになってました。

    しばらくヒョウバクを眺め、あまり寒さも感じず、十分に楽しみました。
    「本日はありがとうございましたぁー」と主催者の声。
    盛大なる拍手。
    もふもふもふもふもふもふもふもふ・・・

    さて、引き返します。
    帰り道。最後のお楽しみは滑り台。

    滑り台
    この袋がソリになります。前方の暗闇に向かって滑ります。

    最後の20メートルほどですが、ワイルドな滑り台(ただのスロープ)を、尻に農協の肥料袋を敷いて、滑り降ります。希望者なら誰でも。私も滑りましたが、顔に雪が当たりまくり、呼吸困難となり、到着するととたんに顔が冷たさで痛くなりました。アイスを一気に10個くらい食べて頭が痛くなったような、恐ろしい罰ゲームのような痛み。
    子どもは喜んで何回も滑ってました。結構なスピードです。合格祈願の砂の効果はありません。

    帰りに温泉に浸かり、肌がすべすべになって、すべすべの道路にも滑らず(合格祈願を見た滑り止め効果か)、暴風雪警報の中、無事帰宅しました。

    付け足し。
    このツアーは遠軽町が主催なので格安。現場では甘酒やコーヒーも振舞われてこの値段。夏場もとても面白そうなイベントをやっているようです。自然や昆虫などが好きな人、子どもには特に良い企画だなぁと思いました。

    付け足し2。
    このやまびこ温泉には宿泊施設がなく、夜は9時まで。約2kmのところにマウレ山荘(v249の記事の最後の方に書きました)があり、ちょっと贅沢な宿泊となかなかスゴい温泉で、仕事にクタクタに疲れボロボロになった心をリフレッシュできます。食事も評判が高いです。

    地図
    位置関係。丸瀬布IC・やまびこ温泉間9.4km、やまびこ温泉・やまびこの滝間6.5km。

    付け足し3
    やまびこの滝から先500メートルのところに、もうひとつ滝があり、そちらもエキサイティングらしいのですが、夏場に歩きでしか行けません。冬はとっても危険。
    鹿が多く現れることから「鹿鳴(ろくめい)の滝」と言われています。

    付け足し4。
    北海道の観光協会や、記事中の当事者等からはお菓子やワイロや機密費などはもらっていません。(笑)