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  • v293 北見市郊外の常呂川の「けあらし」

    ■北見市郊外の常呂川の「けあらし」

    北見市端野町
    北見市端野町、常呂(ところ)川 12/18 クリックで拡大

    12月18日、午前9時。我が家から20分弱、約10kmの近距離。氷点下17度。細い橋の上に停車し、車の窓を開けて撮影。常呂川の水から「けあらし」が出ていました。

    寒そうでしょ。

    ところが、午後3時には気温が急上昇。5度になっていました。うーん。
    おしまい。

    手抜き過ぎるので少し用語解説。
    「けあらし」とは。
    北海道・留萌(るもい)地方で使われ始めた方言らしい。放射冷却で冷え込んだ早朝に海面で発生する霧のこと。この写真は川なので、正確には「けあらし」ではないのかも。

    気温と海水温の温度差が15度以上で発生する。(気温が氷点下15度前後)
    漢字で「気嵐」または「毛嵐」と書く。「嵐」と書くのに大抵は風のない快晴の早朝に見られる現象。

    気象用語では「蒸気霧」(じょうきぎり)という。「けあらし」は海面の霧であるのに対して、「蒸気霧」は海や川や湖沼など、水面に発生する霧のことをいう。

    てことは今回のタイトルは明らかに間違いで、正確には「北見市郊外の常呂川の蒸気霧」なのでした。でも風情がないので訂正せず、北海道っぽく「けあらし」と書いておきます。


  • v202 引越しと食料自給

    ■引越しと食料自給

    朝焼け
    5月3日早朝、レンタカーでの移動中に北見付近で撮った「朝日と朝焼け」

    去る5月3日、一身上の都合で、札幌から実家のある北見へ引越しました。
    やはり、一番の問題は我が国の食料自給率が低すぎることなのであります。

    日本全体では4割程度しか自給出来ていない。輸入に頼りすぎてる上に、輸入品の安全性を、ロバのように信じて食べてて良いんですかいっ、ていうか、食べるしか選択肢がないんですね。
    ま、どのみち大量生産ですし、現代の歪んだ農業に明日はないのであります。(何言ってんだ…)

    さて、実家にはそこそこの庭があります。そこで出来るだけ農薬を使わず、いろんな野菜を作ってみようではないか、安全な野菜を食べようではないかと、いう気概で引越したのでした。
    そんな苦しい理屈付けを引越し理由にしておきます。(本当は貧乏が極まっ…)

    しかし、大変大きな問題があるのでした。それは、私が畑仕事も農作業もやったことがない、延々30年ろくに運動もせず、デスクワークをやってきた人間であるということ。
    メタボリックだし、ヒザも悪いし、腰も悪いし、肩も痛いし、手も腱鞘炎っぽいし、背中も首も痛いのであります。

    しかし食うためなら仕方がない・・・、ではなく、農業のあり方に一石を投じるということで、この身を捧げてみようと思ったり思わなかったりしたのです。

    それで、とりあえずは、そこそこ広い感じのする庭の開墾を開始しました。

    荒れ地を耕作
    雑草だらけの庭の一部を掘り起こし開始(5/15)
    開墾
    約5m×7mの地をひととおり開墾(5/18)
    土壌改良に精を出す筆者
    さらに苦土石灰(くどせっかい)を土に混ぜ込み、アルカリの土壌に改良(5/21)
    畝作り
    元肥(もとひ)を入れるため深いラインを刻みました

    堆肥の入れ方などは、作る野菜によって全然違うのですが、そこはそれ、未経験ですし、植物なんて基本的に同じ、と割り切って、全体的にはこんな形で良いだろう、的に開始しました。

    とか言いつつ、一応は調べたのです。

    ■コンパニオンプランツ研究

    実は私、虫が苦手です。クモとかダンゴムシとか勘弁してもらいたい。そんな私が畑仕事など出来るでしょうか。いいえ、出来る訳がありません。

    ならば、害虫などを発生させなければ良いのです(クモは益虫ですが…)。作物と一緒にハーブを植えると、害虫が寄り付かないらしいことを小耳に挟みました。
    また、作物同士も相性の善し悪しがあるのだそうで、気をつければ病気や害虫の発生などを防ぐ事が出来るのです。それがコンパニオンプランツと言うらしいのです。

    ここは自分にとっては真剣に取り組むべき、最大の仕事であると感じました。気持ち悪い虫だけは発生させてはなりません。
    いろいろと調べて、その相関図を作ってみました。

    野菜の相関図
    ふざけてないですよ。↑クリックで拡大(別窓)
    野菜の地図
    宝の地図みたいになってますが、野菜の地図です

    こうして、無農薬、いずれは自然農法を会得し、人類を救う技術の拡散に貢献出来ればと思ったり思わなかったりするのでした。

    ■畑を作る

    そうしてその相関図や野菜の地図を元に、種を買い、苗を買い、種から苗を作るポットを買い、キュウリネットを買い、土を冷やさない・水分を保つ「マルチ」を買い、何だかんだで約1万円も買い込んでしまいました。

    1万円あったら野菜が余るほど買えるっちゅうのっ!! とは言わないでっ!!

    これは壮大な計画のスタートなのです。ていうか永年的な自給自足の。(北海道では冬は野菜が作れないところがネック)

    家庭菜園
    ついに畝(うね)を作り、種をまき、苗を植え始めたのです(6/6)

    これってきっと、「家庭菜園」って言って、今流行ってるような気がしますね。
    ……。

    ま、流行を追っかけてる訳ではありません。一応。最終的には種や苗を買わずに、とれた種を利用して食べ続けることであります。


  • v063 車を運転することについて/猫看護

    ■車を運転することについて

    高速バス
    またまた高速バスに乗り実家へ

    この連休は実家のある北見へ、今年7回目の帰省をしました。脳やら血やら心臓やら、すっかりガタのきた両親と、ガタのきた家、ガタガタの庭。どんな人にも物にもガタはきますからしょうがないんですが、ただ見ているただけというのもつらい。何か自分にできそうなことはないだろうか、と考えました。

    自分にできそうなことで、これだけはイヤでしなかったことがありました。車の運転です。しかし、この先必ず必要とされるに違いない。人間を運ぶくらいのことはイヤでもやろう、と思いました。大げさではなく、決死の思いで。

    それは遠い昔。小学校で見せられたビデオ(当時は映写機だったかも知れない)が衝撃的で、すっかり運転恐怖症となりました。――ある普通の青年が子どもを轢き殺してしまいます。何てことをしてしまったのだと、その被害家族へ泣きながら謝罪をする青年の姿が映し出されます。「息子を返せっ」と泣きながら叫ぶ母親、見舞いの花もたたき落とされ、罵声を浴び、修羅場と化します。重く物悲しいBGM。うなだれる青年の周囲は暗闇となり、スポットライトの中で精神的にもがき苦しむ様が描かれます。その後の労働はその償いをするための労働であり、賃金はほとんど相手の補償に回されるのでした。事故を起こしたばっかりに重たい十字架を背負い、好きなこともできず一生を棒に振る、という超リアルホラーストーリーであります。

    おかげで車には絶対に乗りたくないと思うのでした。文部省だか交通省だか警視庁だか知りませんが、よくもまああんなザラザラしたものを小さい時分に見せてくれたものだと…。

    しかしながら、北海道は車社会。車がないと不便でしょうがありません。免許はいずれ必要となることが予想されました。それでもあのホラーイメージが頭から離れません。
    高校の時に、排気ガスをまき散らす自動車がなんとなく許せず、私は自動車が電気化するまでは免許はとらないつもりでした。これは車を嫌がる気持ちがあったからなのか、もともとエコ(地球環境保護)の非常に高い意識が心を支配していたからなのかは自分でもわかりません。後者かな。(微笑)

    高校卒業後は東京へ行ったので、もう一生車とは縁がないものだと思ったものです。しかし25歳くらいの時に免許を取るための時間が発生しました。失業して一旦実家へ帰った時のことです。特にやることもなく、家でぼーっとしていました。その時親に「ヒマだったら免許でも取りに行け」と言われ、将来何かの役に立つこともあるだろうと、普通免許を取得したのです。
    北海道での免許取得は本当にラクです。路上へ出ても対向車が来ませんでしたし、信号機は2~3か所でしたし、教習員はとなりのシートで寝息をたてていました。おおらかですね。

    それはともかく、運転をしていると、もしここで子どもが飛び出して来たら絶対に止まれない、などと考えてしまいます。そして一生を棒に振るのでイヤだなと思うのです。もう洗脳ですねこれは。

    ところが若かりし頃のある日、後続車にピッタリ着かれ、追い越しを掛けられた時、カチンという音が鳴ってスイッチが入ったことがわかりました。自分が【一生を棒に振る < 何となく競いたくなる】というとても危険なドライバーに変身してしまうことがわかったのです。

    『やっぱり車には乗ってはいかん』と強く思うのでした。だから私には運転をするということに対して、かなり強力なストッパーがかかっているのです。

    さて、長くなってしまいましたが、そういう絶対に運転をしたくない気持ちを押し殺して、実家の車を借りて、近所をぐるぐる練習をしたのです。10年ぶりくらいの運転です。そういえば昔、東京で運転した時に、あまりの方向音痴でいつまでも目的地に着けなかったっけな、とか、一通を豪快に逆走したっけな、とか、青梅街道をまっすぐ乗ってたのに最後は行き止まりだったっけな、とか、夜にライトをつけ忘れて走ったっけな、とか、あり得ない体験が数々思い出されるのでした。
    練習した近所といえば、それはそれはのどかな場所で、道路に人はほとんどいませんでしたし、車もほとんど通りませんでした。それでも誰かが飛び出してくるような、すごくイヤな感覚はずっとつきまとうのでした。

    車の運転、かえって迷惑だろうか…。

     

    ■その後の猫看護報告

    猫のミュウ
    異様に大きな右目と、まだ縫合の糸を取ることができない左目。
    その顔は「ラピュタ」に出てくるロボット兵のようです。

    みゅうちゃん(メス)を預かったのは確か8月7日。かれこれ5~6週間になります。当初は両目が見えず、眼球の腫れがひどいために両目のまぶたを縫っていました。現在のところ、抜糸できたのは右目だけですが、どうやら両目が見える可能性が高まってきました。左目の抜糸はおそらく近々です。

    抜糸できた右目はまあまあきれいになってきたのですが、まだ眼圧が高いようで、異様に大きく見えます。片目が大きくて、片目が縫合してあって小さく見えるので、天空の城ラピュタの「ロボット兵」みたいになってます。

    食欲は旺盛で、450グラムだった体重は950グラムに膨張。いや成長。胸の奇形と、前足の湾曲があるものの、運動能力も高まり、50センチくらいの高さのところにはジャンプして乗ることができます。しっぽを振って走るので犬みたいです。

    カラーを外しても自分で目を傷つける様子がないので、先週半ばからカラーなしで、我が研究所に放し飼いしています。ケージが寝床とトイレで、ケージのドアは開けっ放し。眠い時やトイレの時は自宅に帰るように自分からケージに入ります。ネコは賢い動物です。


  • v045 高速バスと高速道路

    ■高速バスと高速道路

    長距離高速バスの運転席
    長距離高速バスの運転席

    北海道名物のひとつである「直線道路」は、ところによってはまるで滑走路のようです。15年ほど前に帰省した時、普段ほとんど乗らない車を運転することになりました。その道は交通量がほとんどなく、ところどころに長い直線があります。周囲は畑やら荒れ地やらで、広くて圧迫感がないのでスピード感が麻痺してついつい制限速度(60km/h)を越えてしまいます。

    それでも久々の運転ですし、軽自動車なので100km/hを出すと車体が振動し、ちょっと気持ち悪いため80km/hくらいで走っていました。(ギリギリセーフですかね)

    その時のこと、うしろにポツンと見えていた乗用車がみるみるうちに近づいて、あっという間に私の車を抜き去っていきました。一瞬でしたがその車の助手席には“ネギや大根が入った買い物袋”が見え、その奥で運転していた人が普通のオバサンだったのです。それはまたあっという間に点になり視界から消えました。

    「えーっ、おいおいおばさんかよっ、何だよ今のスピードはよーっ」

    日常の買い物の帰りだったんでしょう。自転車のカゴに買い物袋を入れて帰るような感覚で、時速120キロを軽く越えるようなスピードで抜いていったわけです。おばさんターボ。買い物ドリフト。シケインで80キロ。みたいな。

    そう言えば昔(30年くらい前か)、高速道路は北海道には必要がない、という話をしていたような記憶があります。なぜなら一般道が高速道路と変わらないからでした。完全に違法ですが、それを捕まえる警察はせこい、程度に思っていました。

    先週また高速バスを利用しました。(昨日ですけど)
    たまたまうしろに座った2人のサラリーマン(上司と部下)客のおしゃべりが聞こえてきました。

    「何時間かかるんだ」
    「5時間半ですかね」
    「んー、まあ、早いよな」
    「そうですね、高速が出来たのはやっぱ大きいですよ」
    「ビールでも飲んで寝ていくか」(カシュッという音2つ)
    「トイレも付いてますよ」
    「悪くないなぁ、ガッハッハッ」(ガッハッハッ、は脚色)

    そうなんです。高速道路は非常に重宝がられているんです。時速120キロも140キロも出して走るのは飽くまで個人の乗用車であり、バスという公共の交通車両はどうやっても交通ルールは守らねばならないわけです。それを時速60キロ程度でちんたら走っていては長距離バスを利用する気にはなれません。

    JR鉄道が次々と赤字線を切り捨て、客の多い幹線を中心に快適さを売りにしているために運賃が安くならない中、この高速バスはJRよりも格段に安く、スピードもほとんど変わらないか、むしろ早く目的地に到着します。(雪の日はちょっと厳しいですが)

    北海道において高速道路の需要はかなり高いものであることを実感しています。

    ・・・

    余計な話。

    将来高速料金を無料にすると言われていた時期がありましたね。でも道路公団は赤字体質で、なおかつ天下りの退職金などに大金が消えていき、けしからんということで道路公団は「民営化」されてしまいました。しかし道路公団は赤字ではなかったようです。

    毎年1兆円の黒字があり、将来「一斉無料解放」するための積立金が13兆円もたまっていたそうです。

    難しい話なので平易に書きますが、もともと国からの50兆円ばかりの高速道路建設の借入金があり、これを返済するための積立をしていて、30~40年後に相殺する形で「全国の高速道路を一斉無料解放する予定」であったようです。この毎年積み立てていたお金が「赤字」であると解釈されたわけです。

    民営化などしなくても、天下りなどをやめさせ、無駄な使い方をやめさせれば、もっと早く無料化できたと思われます。

    民営化で少しは料金は安くなるかも知れません。サービスも良くなるでしょう。しかし無料化されることは「永久に」なくなりました。毎年の黒字の1兆円は株主に配当される。そこに外資の影がつきまといます。郵政も同じく黒字でした。その株主が気になります。どうでもいいことかも知れませんが、個人的にはムカつく話なので書いておきます。

    気になる方は勝手に調べてください。


  • v043 春の楽しみ、ふき

    ■春の楽しみ、ふき

    北見・富里ダム
    北見・富里ダム。バンガローがいくつかあります。キャンプもできます。
    ただし水とトイレくらいしかないです。

    前回つくしの話題でしたが、今回は「ふきのとう」の話です。本当は、順番的には「ふきのとう」の方が「つくし」よりずっと先に生えます。順番が逆になったのは場所が違うからです。

    写真は北見市郊外の上仁頃(かみにころ)の奥、富里ダムの周辺です。
    5月5日でしたが、まだ雪が残り、氷が張っていました。北見は寒いです。今年は特に寒かったようで、札幌ではつくしが生えていましたが、北見では影も形もなく、まだ、ふきのとうが育ちつつある頃でした。しかし成長が早くて、一気に出てきます。

    ふきのとう狩り
    黄緑色の葉っぱがふきのとうです。一面に生えていました

    ふきのとうは独特の苦みがあり、お子様は食べると泣くか死にます。(ウソかも)
    大人にはそれなりのうまみが感じられ、春の楽しみのひとつとなっています。飲み屋さんでよく天ぷらで出てきたりします。

    しかしこのふきのとうの「旬」が非常に短い。
    雪がとけてすぐくらいの時期で、土から頭が少し出たつぼみのものが香りが強くうまいのです。成長して花(?)が咲いてしまうとあまり良くありません。本当にすぐ成長しますので、つぼみのふきのとうは貴重なものです。

    またしても収穫し、食べます。

    ↑開いているのは採りません。   またまた大漁にゲットです。↑

     

    さて、このふきのとうは天ぷらにしたり、つぼみごとも細切れにして油で炒めて砂糖とミソであえたり(フキミソ)すると、いい酒の肴になったりします。

    さてさて、このふきのとうは「ふきの親」であります。ふきのとうは成長しても「ふき」にはならず、ふきのとうの生えている根のところから、あの「ふき」が生えてきます。

    ↑ふきのとうの根元からふきが生えます。 ふきは茎だけを採取し、葉は捨てます。↑

     

    まだふきはほとんどなく、あっても出たばかりで小さいものでした。しかし、この時期の、この小さなふきがまたうまーーいのです。
    葉っぱは捨てていくので、ふきを採ったあとの現場は、さしずめ「ふきのとうの子だけ大量虐殺した現場」のようになります。人間は何てひどいことをしやがる、みたいになります。でも気にせず収穫し、感謝しながらおいしく食べましょう。

    ↑まだ時期が早いのでこれしか採れませんでした。 茹でてから皮をむきます。↑

     

    このさっと茹でて皮をむいた「ふき」を水にさらし、ミソをつけて2時間くらい置くといわゆるミソ漬けになります。シャキシャキしてうまいです。ふきには薬効もあるらしいですよ。科学的な根拠は怪しいものですが。
    みそ汁の具にしてもおいしいです。あまりに茎の赤いものはマズいですよ。

    ↑忍び寄る白い影。 皮をむくとこんな感じになります。↑

     

    ↑ミソにつけて置きます。 適当な大きさに切って食べます。↑

     

    ふきのとうも、ふきも、ミソとの相性が抜群です。この春はぜひお試しください。ってあんた内地じゃもう30度だってよっ。
    次はそろそろ桜の季節ですね。ってもう散ってる頃ね。日本ってほんっっとに縦に長いですね。