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  • v094 札幌のイメージと実際/愉快な札幌24:あじと

    ■札幌のイメージと実際

    大通公園

    札幌という街は、住んでみたい街No.1なんだそうです。ところが、国保料、市民税、交通の便、自然環境など、現実の住みやすさを数値化すると、ベスト100にも入らないんだそうです。

    イメージは良くても、住みやすいわけではないという結果。確かに山道をうろついたらクマに食い殺されたり、冬の夜中に酔いつぶれたら凍死したりするので、そりゃあ実際に住むとなれば敬遠するかも知れませんね。

    あ、違う違う。いや、クマとか凍死ってのはめったにないことでして、私、個人的には夏は涼しいし、自転車の移動は気持いいし、たくさんの花が道路脇に咲いていたり、緑が多かったり、空間が広く感じたり、物価もやや安いし、うまいもんいっぱいあるし、そこそこ何でもあるし、冬は冬で雪はキレイだし、ナベはうまいし、UFOも出るし、これといった不満はありません…。

    ただ札幌は“中途半端に交通の便が悪い”んです。どこに行くにも「歩き」ではしんどい。健康のことを考えたら、1時間や2時間歩いた方がいいんですが、ヒザや腰が痛くなって、ぶっ倒れてしまったら、凍死するかクマに食われてしまいます。

    地下鉄の路線は3本と意外に少なく、市電もまた中途半端な感じで、バスは便利な方ですが、路線を覚えるとか、慣れるまでには時間がかかります。便利と言ってもなかなか来ないです。結局はマイカーということになってしまいます。車がないと不便だというのは確かに思います。でもネコも杓子も車に乗れば、地球環境は悪化の一途。電気をコマメに消してみたところで、ガソリンを消費すれば帳消しですよっ。人をはねても人生終了ですし。
    そういうわけで自転車が一番良いのですが、この前、ちょっと店に入って出てくるまでに、タイヤに画ビヨ(画鋲)を打たれてパンクさせられましたよっ。画ビヨを刺した者は怒らないから出てきなさい。画ビヨの刑で許してあげます。(怒ってるじゃん)

    交通の便の悪さの話に戻ります。自転車はパンクさせられるので不便です(怒ってる)。

    札幌の地下鉄は1本のレールをゴムタイヤで挟む、モノレールのような構造で、昔、これが世界でも珍しい地下鉄ということで、かっちょええなぁー、とか思っていたものですが、実はこのゴムタイヤ方式が発展を阻害しているようなのです。

    規格が合わないためにJRとの乗り入れができず、空港からダイレクトに繁華街に入れないのです。乗り換えでもまた結構歩かされてしまいます。

    当初、画期的と言われたゴムタイヤの地下鉄は静かで快適と言われていましたが、例えば、夏場は札幌と言えどもそこそこ暑いわけで、暑いのに冷房車両がないから窓を開けることになり、全然静かじゃないんです。むしろうるさい。
    ゴムタイヤは摩耗が早く、保守の費用もかさみ、今やデメリットだらけ。路線の延長も通常の地下鉄よりも費用がかかるらしく、なかなか手をつけにくいようです。地下鉄をほんの少し延ばすだけで、便利になる場所は結構あると聞きいてますが、その財源が「地方の自治体」にあるわけがない、そういう国なんですねぇ。国会議員宿舎には何千億円もかけられるというのに。1本5000円の水も税金でゴクゴク飲めるというのに。

    先進的なゴムタイヤの地下鉄は、かっちょえかったのに、先々を見通すことができないかっちょ悪さで締めくくられようとしております。

    我が家の場合、最寄りの地下鉄までは北に徒歩10分(東西線)、東に15分(東豊線)、北東に15分(南北線)、路面電車には北に10分、西に10分、北東方向の繁華街まで歩いて10分、札幌駅までは40分、長距離バス乗り場まで35分、と、すべてにおいて中途半端な位置にあり「不便極まりない」のですが、この話をすると妻がこう言います。

    「バカモン、10分くらい歩け」と。

    無精すぎる、と。

     

    ■第24回 愉快な札幌大発見:公開秘密結社「あじと」

    あじと

    民家改造シリーズです。この何の変哲もない家が「あじと」という飲食店です。2階は屋根裏部屋のようになっていて、斜めの少し圧迫した空間がまた、アジトっぽさを演出しているようでした。これも我が家から歩いてすぐのところにあります。


  • v090 イルミネーション電車/愉快な札幌20:親不孝

    ■イルミネーション電車

    イルミネーション電車

    路面電車はJR札幌駅の南側を、ちょっと縦長に、山手線みたいに大きくぐるりと回っています。が、なぜかちょっとの距離を残してつながっていません。

    「何かあったんすか?」

    といいたくなるような、視力検査の「右上が開いてるマーク」っぽい路線の形です。しかもJRからも微妙に遠くて、位置的に中途半端。8.4kmを約45分かけてガタンゴトンとゆっくり走り、電車の降り口ではその狭さも手伝って、よく支払いの客で人だかりとなっています。動いた、と思ったら信号待ちだったりして舌打ちもしばしば。

    そんな遅くて不便でイライラが募る市電ですが、これは「風情」(ふぜい)と言って、現代社会の効率至上主義の対極にある、一種のあじわい世界なのであります。さまざまなことが些細なことのように感じられる空間、と思えばこれもまた人間社会には必要不可欠な存在と言えましょう。イライラしてはいけませんね。いけませんよイライラは。舌打ちなどもってのほかです。

    そのノスタルジックな市電をデコレーションして走らせようとしている人たちがいることを知ったのは、1月のあるテレビの特集ででした。
    去年の4月に開校したばかりの“札幌市立大学”のデザイン学部の学生が飾り付けをしていました。山と森と動物をモチーフに、250メートル・1万数千個の発光ダイオードを電車のボディにはり巡らし、点滅させるのです。
    目的は市民や観光客を楽しませよう、新しい風物詩にしよう、というもので、札幌市と企業と大学生と市民とが、ボランティア作業協力で実現にこぎつけたんだそうです。冬の期間(1月中旬から2か月ほど)、雪の季節に光の電車を走らせることから“”と名付けていました。

    それは確かに一度見てみたいと思っていましたから、路面電車の通りを歩くときはずっと気にしていました。しかし、それは1両だけなのでそう簡単ではありせんでした。黒い猫が前を横切る確率より低いかも、です。

    ある日図書館へ行くために路面電車を利用することになりました。まだ明るい夕方、ちょうど電車が来ていて、猛然とダッシュして乗り込んだその電車がそれでした。乗ってしばらくしてから気付きました。
    車内にも仕掛けがありましたが、やはり夜にならないと効果はありません。

    ずっと見たいと思っていた電車は、まず内側から息を切らして見ることになりました。でもやっぱりこれは外側から見てナンボです。で、降りた後に見たのですが、明るいとパッとしません。汚いくらいです。(んなこたーない)
    ラッキーなんだかアンラッキーなんだか。

    イルミネーション電車
    こんな感じです。パッとしません。

    その後やっと一度だけ、夜に見ることができました。やはり住んでいると1回くらいは遭遇するもんなんですね。それはやっぱりそれなりに綺麗でした。ちょうどカメラも持っていて、あわてて撮りましたっ。ばっちり撮ったー、と思ったら、シャッタースピードが遅過ぎて、超手ブレで見るも無惨な写真となってしまいました。
    なんだかものすごく速い電車に思えたくらい、一瞬で通り過ぎていきました。

    イルミネーション電車
    夜に走ってる電車は撮れねぇです。

    イルミネーションも良いのですが、ループにするのが先じゃないかなぁ、なんて、つい効率優先の風情のない考えが頭をヨギルのでした。

     

    ■第20回 愉快な札幌大発見:「親不孝」を逆さまにして「親孝行」

    親孝行

    我が家から遠い場所にある居酒屋です。「親不孝」を逆さまにして「おやこうこう」と読ませているわけですが、何と言うか、ものすごくしつこいくらいに看板があり、「もういいよ」って思わせてくれます。まだ入ったことはありません。
    できるものなら「まずい」って文字を逆さまに…。

    第20回の節目の割には愉快でも大発見でもないですね。すいません。


  • v002 市電の不可解

    ■市電(路面電車)の不可解

    路面電車

    札幌には風情ある路面電車が走っています。電車のボディは広告だらけで風情と言えるかどうかは別として、どことなくいい感じではあります。
    客も多いのですが、廃止の話もあり経営状況は良くないようです。車体もボロボロです。

    そんな路面電車にひとつ大いなる疑問があります。路面電車の料金は一律170円。中ほどのドアから乗り、前のドアから降ります。何が問題かって、“一律料金にもかかわらず後払い”だということなんです。
    多くのお客さんが降りる駅では、確実に出口ドア付近で人が詰まり、長時間ストップします。170円という料金はおつりが必要になったり、複雑な料金システム(次号で説明)があるのでサクサクと進まないのです。

    終点の「すすきの」で何度か降りたことがあるのですが、本当に糞詰まり状態で(人を糞に例えてはいかん?)、小さい車両なのに全員降りるのに5分くらいかかってしまいます。特に終点では乗り込む人が並んで待っていますが、全員降りるのにひどく時間がかかるので、ずーっと待っているんです。冬だったら寒いっしょ!!
    とにかく交通機関でこれほど非効率的な風景はあまり見たことがありません。

    みんなそれがわかっているので、路面電車は一番前の方から席が埋まっていきます。うしろの席が空いていても前の方で立っています。前の方が早く降りられますから。
    何度乗っても降車時には糞詰まっていて(人を糞に例えてはまずい?)、車内で「何でこんなことになっとるの?」とイライラしてしまいます。

    そーです。イライラしてはいかんのが北海道なのです。
    ハイ解決。

    って、これで解決ってのも気持ちが悪い。
    何で前払いにしないのかなと、とても疑問に思うので、札幌市交通局にネットで意見を投書してしまいました。
    「頼むから前乗り前払いにしてくでー」と。だってこんな非効率なことってありませんよ。

    市電の非効率と言えば、降りる客の中には時々運転手に話しかけ、道を聞いたりしますと、親切にも(多分仕方なく)対応したりしてます(何度か遭遇しました)。のんびり感漂う市電なので声をかけやすいのでしょう。
    で、私が見た限りの市電の駅は、ほとんどが信号機(横断歩道)の手前くらいにあるので、目の前の信号が青になっているときに、降りる客が
    「1万円札しかないんですけど…」とか
    「あのー、このへんのアレ知りませんか…」と客がなかなか降りなかったりすると信号機が赤に変わってしまい、あーもーせっかく青だったのに、とイライラします。

    いけません。イライラしてはいけません。北海道なのですからね。

     

    ■おまけ情報その1

    市電は山手線のように環状になっています。しかし惜しいかな、ちょっと切れているのです。わずか400メートルほどの距離をつなぐことで環状になるのですが、このちょっとをつなぐのががなかなか難しいようです。
    とことん非効率。