v123 鹿騒動のウラ話/愉快な札幌52:KY

■鹿騒動のウラ話

北海斎場
鹿が迷い込んだ場所。

つい最近、全国ニュースになった札幌での鹿騒動を覚えていますか。場所は豊平区の中央区寄り、ウチから行くとススキノを通って札幌ドームヘ行く国道沿いで、アスファルトとコンクリートだらけの鹿が出るはずのない場所なんです。

おそらく豊平川の上流から川沿いに降りてきて、川から街へ入ったのだろうと推測できます。見つかった鹿は、コの字型のコーナーに追い込まれ、ネットで逃げ道を塞がれました。それが夜中のことだったようで、一晩、監視を付けて、朝に捕獲する手順だったようです。

しかし間抜けなことに、ネットと壁の隙間から鹿に逃げられました。鹿は交通量が決して少なくない国道(写真の右側の道路)を渡り、隣の白石区の、あるマンションに入り込みました。そのマンションの1階の廊下で捕獲されたのです。

立派な角は人間にとって危険なのでノコギリで切られました。暴れた際に割れた窓ガラスで傷がついたようで血が出ていました。とことん可哀想でした。

捕獲に苦労した一番の理由は、法的に住宅街で麻酔銃が打てなかったことです。力づくで取り押さえるシカ方法がなかったわけです。

で、結局はストレスに極度に弱い鹿は、その後ストレスで死んでしまいました。食用にはならなかったようです。

さて、この先はニュースでは分からない情報です。

まず、この鹿が迷い込んだ場所はなんと、

避難場所

「市民の緊急避難場所」でありました。鹿はちゃんと字が読めたんですね。避難していたんですねぇ。

さらには、そこは斎場(葬儀場)の敷地内で、入口にはこんな文字が。

北海斎場

「お気軽にお入り下さい」なんて書かれていました。お気軽に入ったわけですよ、鹿くんは。やっぱり頭のいい鹿だったんですね。
鹿は結局は死んでしまいましたが、この斎場の脇にはこんな看板もありました。

北海動物霊園

「動物霊園」。
死んだ後のことまで気を使っていたんですね。
そんなエゾシカ騒動のウラ話でした。

北海道のエゾシカは年々増殖しているらしく、40万頭にもなっているそうで、鹿の食べ物が不足して、木の幹まで食べているんだそうです。さらには人里まで降りてくるわけです。農産物の被害も年間30億円にもなり、車との衝突事故なども去年は700件を越えているんだそうです。

一番良いのは食用に適度に捕獲することだと思うんですが、それはそれで、実際にやってはいるものの、税金を使って処理しているため、ひっ迫した財政ではなかなかうまくいかないらしいのです。販売価格も高くなってしまったり…。

最終的には民間業者に捕獲・加工・販売をさせるだろうと思われるのですが、肉の味や柔らかさなど鹿の年齢や部位によっていろいろと違うために、安定的な供給ができないという問題があるようです。

そうなると牛のように囲って養鹿(?)するしかありません。自然発生を抑える目的から外れてしまいます。ただ、自然資源(食用)として捉えていることは確かで、どのような形で鹿肉が出回ってくるか、少し楽しみなことではあります。鹿肉は美味いです。

 

■第52回 愉快な札幌大発見:空気が読めてないビル

KYビル

へっへっへ。


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