v234 鹿を喰らう

■鹿を喰らう

鹿肉パーティ
この怪しげな集会はいったい

北海道に住むと、「鹿を撃つ人の知り合い」から鹿肉をもらったからあげるよ、とか、一緒に食べよう、なんてことはよくある話です。
それが来ました。小学校時代の友達から、一緒に食べようというお誘いが。
しかも今回は「刺身も食える」という話でした。

「鹿の刺身とは、さすがに珍しい。初めて聞いたかも。刺身となると酒を飲まないわけにはいかないなぁ。しかし、酒を飲むとなると車では行けないなぁ。次の日仕事もあるから、泊まるわけにもいかないなぁ」

そこで、車で迎えに来てもらって、帰りはJRの汽車(北海道では電車とは言いません)を利用することにしました。

1月27日(日)、午後4時に友達が車で我が家に迎えに来ました。そして我が家から西へ25kmの隣町・留辺蘂(るべしべ)へと向かいました。

最近、痛風のような手足の先の違和感があるため、酒は焼酎、それもお湯で割って体に負担をかけないようにしていました。芋焼酎はお湯で割るともったいないので、いつもの麦焼酎の「いいちこ」を持っていきました。

鹿肉
じゃじゃーん!! シカにしては脂が乗っています(これは刺身用の肉じゃありません)

この「鹿肉バラ」は、あばらの周辺部位で、鹿肉の中ではかなり美味いところらしいです。赤身に脂身がもれなく付いてくる逸品であります。
(鹿肉って脂身が少ないパサパサのイメージでしたが、これは違いました)
細かくカットされていて、この切り方もコツがあるんだとか。

そしてなにげにあと2人友達も来ていて、なにげに鹿児島の芋の地焼酎を持ってきていました。

『ああ、めちゃくちゃ美味そうな酒』

この心の声は見透かされてしまい、
「美味いぞ、いいから飲め飲め。どんどん飲め」
と言う言葉に抵抗する術もなく、痛風になってもいいじゃないか、的なノリでいただいてしまいました。普段酒をセーブしていたのでいきなり酔いが回ってきました。
「あー、酒がうますぎるー!!」

鹿肉
じゅーじゅー

そして肉をプレートに豆乳。いや投入。
もう見るからに美味そうですね。美味いです。まるでラム肉のような味で、濃厚でいてしつこくもなく、大自然が育んだ・・・グルメ番組かっ!!
こういう時の「ジューシー」とか「味に深み」とか、表現的にもう何かうんざりですよね。だからこうしましょう。

食わなきゃ分からない味。いやー、美味かったわ。(なんじゃろ)

さぁ、そして来ましたよ、鹿肉の刺身!!

鹿肉
背ロースです。“さし”が入ってます

もう馬過ぎ。

 

馬じゃねーし。

 

シカ過ぎ。いや美味過ぎ。

 

しょうが醤油で食べました。
これ東京の良いとこで食べたら何万円もしそうです。
部位は「背骨の脇あたり」とか言ってました。今度シカが倒れていたらその背骨沿いの肉を切り取って、て、できんわ。無理無理。

そして酒がすすむのなんので、だんだん記憶が飛ぶエリアに入ってきました。

 

NG写真
なんかこんなピンボケの写真が
NG写真
何を撮ったのか
NG写真
なんだこれは
NG写真
駅か
NG写真
駅の中の横断歩道橋の上から
NG写真
汽車が来てます
NG写真
汽車のドアか?
NG写真
根性で写真撮ってます。温度差でレンズがあきらかに曇っている

翌日、写真を見てびっくりでした。汽車に乗った記憶もなく。
二日酔いながらも、良い酒だったので気分は悪くありませんでした。しかし異常に疲れていて、ぐったりとして、この通信を書くまでの気力が戻るまでに3日かかったのです。
実は鹿肉を食べた日とその前日、雪かきに次ぐ雪かきでクタクタだったのでした。

それはともかく、そのグッタリしていた月曜日の午前、駅から電話が来ました。
「携帯電話を落としませんでしたか」
「あっ」
「どんなヤツか言ってもらえますか」
「白い2つ折り、今時ピッチ使ってます」
「携帯の番号は」
「えー、070の・・・」
「どうやらあなたのものですね」
「はい、すいません」
「一応、個人情報になりますが、拝見させてもらいました」
「全然オーケーです」
「それで“自宅”というリストに電話してみた次第です」
「ああ、本当にすいません」
「こちらこそ、リストを見てすいません」
「いえいえ面倒かけてすいません」
「ほんと、個人情報、すいません」
「いえいえ面倒かけてすいません」
「ほんと、個人情報、すいません」
「すいません」
「すいません」

と最後は両者、すいませんの嵐となっていました。
飲んだら忘れ物落とし物に注意しませう。


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