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  • 研究所通信v519 回顧録 宝物掘り

    林の中で美しい青虫がお出迎え

    昔小1から小5まで住んでいた滝上町濁川(当時は人口1000人程度かな、今は100人ちょいらしい)という町で、自分の宝物を箱に詰めて、割と大きな川の崖っぷちに埋めました。もう知り合いもほぼいなくなり、時々は訪れて空気を吸って帰るのですが、宝物を埋めた場所の記憶が曖昧で、あれから半世紀が過ぎてしまいました。町の様子は一変しています。ただ川は昔と同じように流れています。

    赤丸のところが滝上町濁川のあたり

    2つ下の弟が宝物を埋める時一緒にいたとのことで、弟はなんとなくの場所は覚えているようで(私の記憶よりは具体性があり、私の記憶とは100〜200mずれている)、こちらにきた時に一緒にその「濁川」へ行ってみたのです。2024年6月24日。

    線で囲ったあたりの範囲に埋めたはず

    多分ここではないかという場所に行ってみたものの、崖っぷちで危険でもあり、川へ続く道は通行禁止となっていました。その先へ行って場所の確認をしようと思いましたが、雨が降っていたこともあり諦めました。

    濁川は現在の住まいから約120km。往復240km、ちょっと行ってくるわ〜という距離ではなく、意を決していくことになります。約3か月後の9月23日、元気なナオヒロ君を連れてチャレンジしてみました。ナオヒロ君は金属探知機まで用意してくれて、絶対に見つけようと意気込んで行きました。

    この左側が崖で下に川が流れています。
    下の方まで降りたところ(左手前に崖)
    弟がこの洞窟を記憶していた。左側が崖

    早速崖を登ります。

    転げ落ちても死なないナオヒロ君の勇姿
    わかりにくいですが下を見下ろしたところ

    この辺りの10m四方くらいの範囲だろうと思われました。との木かわからないけれども、木の根元に埋めた記憶があります。ただ木も成長しますから、下手すると倒れて新たに木が生えている可能性もあります。大雨で全部流れた可能性もあります。地形も変わっているかもしれない。

    木の根元をガシガシやるナオヒロくん
    下から見るとこんな感じ、多分この辺りのはず
    ここは似ているけれどちょっと離れたところ。多分違う。

    1時間近く探しましたが、どうもそれっぽいものは出てきません。確か金属の箱に、少なくとも大きめの黄色い虫メガネは入れた記憶があります。そのほかのものは記憶から消えました。ひょっとしたら当時世界中の子供に大人気だった「怪獣パン」(いや人気だったかどうかは知らんけど)の「おまけのプラスチックの怪獣」も入れたかもしれません。とても貴重です。ひょっとしたら夏祭りのくじ引きのハズレでもらった「小さい雑なプラスチックの車」も入っているかもしれません。だとしたら死ぬほど欲しい。それがもし入っているならまた探してみたいと、これ書きながら思いが強くなっています。(もし鉛筆や消しゴムだったらふざけんなと自分に言いたい)

    金属探知機が反応したところには空き缶が埋まっていたり、ゴミばかり。

    ナオヒロくん、よく頑張ってくれました

    ということで、残念ながら見つかりませんでした。この場所ではないのか、流されてしまったのか、わかりません。まだ残っていることを願うばかりです。

    メシにしよう。
    帰り道道、当てにしていたレストランが行く先々で全部休業中。食べるところがない。仕方なく濁川から30km先の大きい町の紋別で食べることにしました。

    何度か行ったことのある「cafe plus A」というカフェ。ケーキなども美味しい。ここには私がとても気に入っているカレーライスがあるのです。1970年〜80年頃、函館までの長距離列車に乗った時に、その食堂車で食べたカレーライスが、驚くほどマズかったのですが、なんというか妙なスパイスの香りだけの具のないカレー、高級感のない銀の皿、旅のテンションが一気にしぼむ味のカレー、そんなヤバいカレーが、ここでですねっ!! なんとですねっ!! 味わうことができるのですよっ!! ただし・・・

    とっても美味いんですよ。残念ですね、美味いんですよ。当時食堂車で食べたカレーのスパイスの香りがほんのり記憶を呼び覚ますかのようにするのですよ。ああ、今食堂車に乗っている、と感じる味。あのマズいカレーの味が奥底にある。「すごく美味しいすげぇマズいと感じた風味の残り香がするカレー」です。実に美味い。

    ということで、宝物探しは失敗に終わりましたが、いつかまた探すかもしれません。見つかった時にはまたここでカレーを食べようと思います。