• カテゴリー別アーカイブ 食べ物・飲み物
  • v237 第1回 大たまねぎ焼き大会を開催

    ■第1回 大たまねぎ焼き大会を開催

    特大のたまねぎ
    特大のたまねぎ

    北見といえば、なぜか「焼肉の町」ということになっているのですが、日本一のたまねぎの生産地であり、肉よりたまねぎの方が北見らしいのです。郊外に出れば、そのほとんどはたまねぎ畑で、行けども行けどもたまねぎばっかりなのであります。なんでこんなに作るのかというくらい、たまねぎばっかりなのです。

    個人的にはこの「たまねぎばっかり作るのは問題だ」と思っています。将来、きっとバチが当たります。野菜の大量生産は機械化と農薬が欠かせません。経済的な競争力ばかりを問題にしていると、大地からのしっぺ返しで人間はひどい目に遭うことでしょう。

    農薬を使わずに済むように観察し、虫を殺さず、コツコツと手間ひまかけていろんな工夫をし、病気で全滅しないように複数の野菜を作り、多くの人が関わりを持って、狭い範囲で流通させる方が良い、ような気がしています。あっ、

    重い。この話重い。

    そ、そんなことはさておき、せっかく北見はたまねぎがたくさんあるのだから、たくさん食べようという流れなのであります。

    いや、・・・すいません、ウソです。
    友人が一人、長いこと入院していたのですが、退院することが出来、また、別の友人に子どもが生まれたことで、お祝いに何かやろうということになったのです。

    ところが退院した友人が魚介類がダメ、集まる友人の一人が肉が苦手、ということで、
    「じゃたまねぎ焼こう」と考えたのでありました。

    そうすると不思議ですね、何と、無料で大量のたまねぎが手に入ることになったのです。それは、私の親戚がたまねぎ農家の手伝いをしているからこそ入手出来る、売り物にならない規格外の「ぱねぇ巨大たまねぎ」でした。

    最初の写真では分からないかも知れませんが、一個の直径は12cmほどあります。実物を手にすると本当にでかいです。ソフトボールくらいあります。

    特大たまねぎ
    左・巨大たまねぎ、右・市販のたまねぎ

    さて、3月も終わりの31日の日曜日。その日はやってきました。またしても我が家の畑の部分を使ってのイベントです。まだ雪が残り、気温も4度程度で寒すぎず、虫もいない、地面がドロドロになる前のベストな環境となりました。

    大たまねぎ焼き大会
    なんとなく沈うつに見えますが、盛り上がっています。
    ドクター(左上)、ネズミ男(右上)、へーか(左下)、焼きそばマイスター(右下)

    退院して元気になったその友人は、ちょっと変わっています。音楽が大好きで、いまだにボストンとジャーニーばかり聴いています。そしてギターが大好きで、何度かコンサートもしています。そして店も何もない山奥に104歳のおばあちゃんに怒られながら生活しています。

    あだ名が「へーか」といいます。
    ビザンチン帝国(東ローマ帝国)の黄金期を創り出した皇帝ユスチニアヌス1世と、顔が瓜二つだったので、皇帝ならぬ陛下とあだ名がついたのです。それは高校の歴史の教科書に出ていました。

    ユスチニアヌス大帝
    ユスチニアヌス大帝。4世紀から15世紀にかけて、
    1100年栄えたビザンチン帝国の黄金期の大帝。

    その変なおじさんは、会場に来るなりテンションが上がりっ放しでした。、
    ↓こんな感じ。

    へーか
    イナカのプレスリーでっす!!

    全然似てないって?
    そうかなぁ、これでどう。

    ユスチニアヌス大帝とへーか
    (笑)

    さて、肝心のたまねぎですが、くし形に切ったり、輪切りにしたり、アミの上はたまねぎだらけ。美味しい焼肉のタレで食べ続けました。
    たまねぎはすぐに焦げるので、結構焦げを食べます。焦げないうちに食べると生だったり、タイミングが難しいのでした。
    氷点下の寒さと違って、4度程度の気温はじわじわと寒さを増してきます。前日から仕込んでいた暖かい濃厚なたまねぎのスープを飲み、これでもかこれでもか、とたまねぎを食すのでした。
    そしてまたたまねぎをアミにどっさり乗せると、
    「ああ、もう無理」
    と焼きそばマイスターが言いました。そして、ついに鉄板が登場。

    焼きそば
    ついに、秋の収穫祭に続く恒例の焼きそば

    焼きソバージュを振り乱し(ソバージュじゃねーわ)、じゅーじゅー焼いていると、何とへーかがアイーンを始めました。

    へーかのアイーン
    アイーン

    そしてまさかの古武道の突きのポーズ。

    へーかのせいやっ
    せいやっ!!

    からのギター弾きポーズ。

    ユスチニアヌス大帝とネズミ男
    後ろにはネズミ男

    どうでもいい感じになってきましたが、本当のことなので仕方ありません。
    それはさておき、この「大たまねぎ焼き大会」は、お祝いイベントなのです。ということで、ここで豪華な手作りケーキが登場です。ドクターの妻が作ったというドク妻ケーキ。

    ケーキ
    チーズケーキに生クリームとたっぷりのイチゴ。
    甘すぎずとてもおいしい。
    ケーキ切り分け
    切り分ける焼きそばマイスターの手に包帯。
    「やけどしちゃったのよ」とのこと

    へーかも負けていません。

    へーか
    左手首に注目

    彼もまた左手首に包帯を巻いていました。くじいたんだそうです。
    どうでもいいですが、早く治るといいですね。

    たまねぎに飽きて、たまご閉じにしてケチャップで食べたりしたくだりは省略します。

    最後に、たまねぎの効能について調べてみました。すごいです。
    たまねぎの成分のひとつ「ケルセチン」は、万病に効く薬のようなものみたいです。

    ・花粉症・アレルギーの炎症を緩和(常時食べて体質改善)
    ・抗酸化作用(活性酸素を防ぐ)
    ・抗がん作用
    ・ボケ防止(脳細胞伝達物質を強化)
    ・肝臓・胃腸などでの脂肪吸収抑制(ダイエット効果)
    ・血糖値の低下作用
    ・血栓溶解作用
    ・調理で加熱すると、血液をさらさらにし、動脈硬化を防ぐ
    ・加熱調理すると解毒代謝が促進され体内の有害物質を排泄
    ・玉ねぎの含硫アミノ酸は、コレラ菌を死滅させる力さえ持っている
    ・硫化アリルがビタミンB1の吸収力を高め、新陳代謝を活発にし疲労回復を促す。
    ・近年では、ぜん息や花粉症などを抑える薬として使われている

    糖尿病、高血圧、癌、脳血栓、心筋梗塞、動脈硬化、胃弱、食欲不振、風邪、扁桃炎、下痢止め、便秘、出血、痛風、筋肉疲労回復、精力減退、精神不安、不眠症、アレルギー体質の改善、神経痛、 虫下し、やけど、虫刺されなどに良い。

    読むのも面倒くさいですね。もうほとんど万病薬です。
    適量を適切に摂取しましょう。
    しじみやレモンみたいに何100個分とか、意味ないと思いますし、適量を適切に。
    おしまい。


  • v236 キレキレの北見焼き肉まつり

    ■キレキレの北見焼き肉まつり

    北見焼肉まつり
    人間だらけ

    今年に入ってから、庭で焼肉集会を開催したり、シカ肉を喰らったりとやたらに肉づいています。そしてこの2月8日、北見市の名物ともなった「北見厳寒の焼き肉まつり」に参加してみました。

    北見の特徴である「ぱねぇ寒さ」の一番ぱねぇ時期は、流氷がやって来るこの2月であります。凍えながら外で焼肉をするこの企画、誰が考えたのかバカであります。(笑)
    そんなバカな企画が好きな私は、いつか参加してみたいものだとは思っていました。

    シカ肉を食べて飲んで記憶を失ったあの日、落とした携帯を取りに駅へ向かいました。駅と言えば、そこには焼き肉まつりのチケットを売っている「北見観光協会」があり、思わず立ち寄って、そのチケットを買ってしまったのでした。肉の連鎖ですね。

    北見焼肉まつりのチケット
    焼き肉まつりチケット1500円。右に抽選券が。
    (ミツバチハッチはただの磁石です)

    どうやら1500人くらいの規模らしく、10日も前なのに、抽選券のナンバリングを見るとすでに900枚近く売れていたと思われ、少し遅れると売り切れていたかも知れません。
    とにかく寒いので完全防備で来るように言われました。それとケムリでモウモウになり臭いがつくので高価な服装はやめた方が良いとのアドバイスも。

    この祭りの最大の「売り」は寒さであります。当日、開催時間ちょうどの18時に駅前の温度計を撮りました。(会場はすぐ近く)

    北見焼肉まつりの日
    しょぼっ。氷点下3.9度。しょぼい

    しょぼしょぼの気温でありました。いや寒いですよ確かに。しかし、この地の寒さは氷点下20度前後で本領発揮なんですよ。10度も行かないとは残念。
    「あーあ、こんなに暖かくなっちまって」
    歩いていて汗が出ましたよ。本当に。

    到着すると、まず「肉・ホルモン・キムチ・タマネギ」のセットを渡され、適当に場所を探して食べろということでした。しかし「北見にこんなに人がいたのか」というほど混み混みでした。(最初の写真)

    「ここあいていますか?」
    「あ、来るんですよ」(ガクッ)
    「ここ良いですか?」
    「来るんですよ」(ピキッ)
    「あのー、ここ」
    「ダメ、来るの」(カチッ)

    「席ないじゃん」(ピキッ)
    「全然ないよ」(ピキピキッ)
    「あー全部埋まってるよ」(ピキッ)

    血管が切れそうです。

    北見焼肉まつり
    これは帰り際に撮った写真です。
    こういう長い椅子があって、向かい合わせになり、真ん中に七輪を置く形になります。

    椅子がまったく空いてない中、コンテナ(椅子)を車座に置いて、真ん中に七輪を置いている人たちが何組かいました。↓こんな感じ。

    北見焼肉まつり
    車座で楽しむ人たち

    しかしその椅子(コンテナ)すら余っていませんでした。
    手に肉セットを持ちながらうろうろすること10分、血管が切れそうになりながら、決断しました。

    「椅子なしでいいっ」(ピキッ)

    そして火の入った七輪をもらい、雪の上に直接座っていたら、係員のおじさんが「ダンボールいらんかね」と置いていきました。
    何となく落ち着き、飲み放題の酒を片手に、肉を焼きます。

    北見焼肉まつり
    左、ラム肉・サガリ・豚肩ロースのセット(全部うまい)
    中、ホルモン(うまい)
    右上、タマネギ(うまい)、その下、キムチ(まあまあ)
    肉や海産物の追加は有料、焼酎飲み放題
    北見焼肉まつり
    タマネギうまっ!!

    会場にはステージがあって、女性の司会がいました。
    「みなさーん、寒いですかぁー!!」
    「寒いーっ!!」(という声)
    「良かったですねー、寒くて」(笑)

    予定調和なのかな。この日はそんなに寒くなかったが・・・。
    いや、寒いですよ確かに。でも、七輪に置いた肉が凍るぐらいでないと。(笑)

    食べ始めるとすぐに「肉の提供団体からのご厚意による肉抽選会」が始まりました。
    (企画の「お楽しみ抽選会」ではない)
    当たった肉がすぐ食べられるような配慮で、なんと4割の確率で当たります。

    まずはその肉。「下ひと桁」の抽選です。
    私らのチケットは「0878」「0879」。
    ステージの司会が抽選箱から数字を拾って読み上げます。

    「では、いきますよー、ひとつ目はーっ、ゼロですーっ」
    「あ、ハズレたけど、ここでウンを使っちゃいけない」
    「次、いきますよー、6でーす」
    「当たらんけどさ、当たるから」

    そしてまた別の産地の「肉」を賭けての抽選が。
    「いいですかー、下ひと桁、2番でーす」
    「ほーら当たらない・・・」
    「次、6ばーんっ」
    「・・・」

    手持ちは8と9、出たのは0と2と3と6。スゴい確率で当たらない。(笑)
    でも当たる感じがあったんですよ。だからあとで行われる「本チャン」の抽選会で当たるのかな、と感じました。
    とりあえず一旦「肉抽選会」は終わりました。

    ステージに歌い手さんが出てきました。釧路出身の演歌の歌姫・五十嵐由佳歌謡ショーです。氷点下4度程度の空気じゃ、ノドやられませんよっ、すごいですねー。

    北見焼肉まつり
    これが五十嵐由佳だ。(だれ?)
    しかもなんて涼しげな衣装

    そして、聞き覚えのある曲が流れます。
    「うわー、涙の連絡船だー、みやこはるみじゃん」
    「うわー、ひばりの曲だー」
    「うわーうわー」(決して喜んではいない)

    日本だし、こういう時の相場は演歌なのですかね。(汗)
    寒空の下の空気と演歌を感じて、しばらくご歓談下さい。

     

    北見焼肉まつり
    炭火を持って回り、七輪に足してくれる係員
    北見焼肉まつり
    おでんとかそばとか甘酒、もつ鍋も売っていて、行列ができていました
    北見焼肉まつり
    ライトで照らしながら食う人
    北見焼肉まつり
    すごい炎をあげていた隣のグループ
    北見焼肉まつり
    とにかく大にぎわい
    北見焼肉まつり
    私の陣取った場所は駐車場の真横。車の人も結構多い。

     

    さあ、そうこうしているうちに歌が終わり、今度は本チャンの抽選会が始まりました。

    「ここで当たるんだよ」
    「なんで」
    「なんでって、当たる時って当たるじゃん」
    「そうかなー、下ひと桁じゃないよ、1500分の2」
    「当たるから見てな」

    「次は“本格麦焼酎”です。いいですかー。はっぴゃくななじゅう・・・」
    「きたきた」
    「はちばんです」
    「ほーら当たった。酒だーっ!! うもーっ!!」

    この時は本当に当たるなぁって思ったんです。

    北見焼肉まつり
    見事、麦焼酎ゲットです。賞品の中では一番欲しいものでした。もと取った。 あ、雪降ってますね。記憶があいまい。

    気温、氷点下4.5度。さすがに2時間近く座っていたら寒かったですが、抽選も当たってホクホクでした。

    最初気持ちはキレキレでしたが、最後はまあまあハッピーエンド。
    来年、参加したい方は早めの予約(チケット購入)と、早めの場所取り必須です。
    (入場者数は決まってるのに席が足りないって変だけど)


  • v234 鹿を喰らう

    ■鹿を喰らう

    鹿肉パーティ
    この怪しげな集会はいったい

    北海道に住むと、「鹿を撃つ人の知り合い」から鹿肉をもらったからあげるよ、とか、一緒に食べよう、なんてことはよくある話です。
    それが来ました。小学校時代の友達から、一緒に食べようというお誘いが。
    しかも今回は「刺身も食える」という話でした。

    「鹿の刺身とは、さすがに珍しい。初めて聞いたかも。刺身となると酒を飲まないわけにはいかないなぁ。しかし、酒を飲むとなると車では行けないなぁ。次の日仕事もあるから、泊まるわけにもいかないなぁ」

    そこで、車で迎えに来てもらって、帰りはJRの汽車(北海道では電車とは言いません)を利用することにしました。

    1月27日(日)、午後4時に友達が車で我が家に迎えに来ました。そして我が家から西へ25kmの隣町・留辺蘂(るべしべ)へと向かいました。

    最近、痛風のような手足の先の違和感があるため、酒は焼酎、それもお湯で割って体に負担をかけないようにしていました。芋焼酎はお湯で割るともったいないので、いつもの麦焼酎の「いいちこ」を持っていきました。

    鹿肉
    じゃじゃーん!! シカにしては脂が乗っています(これは刺身用の肉じゃありません)

    この「鹿肉バラ」は、あばらの周辺部位で、鹿肉の中ではかなり美味いところらしいです。赤身に脂身がもれなく付いてくる逸品であります。
    (鹿肉って脂身が少ないパサパサのイメージでしたが、これは違いました)
    細かくカットされていて、この切り方もコツがあるんだとか。

    そしてなにげにあと2人友達も来ていて、なにげに鹿児島の芋の地焼酎を持ってきていました。

    『ああ、めちゃくちゃ美味そうな酒』

    この心の声は見透かされてしまい、
    「美味いぞ、いいから飲め飲め。どんどん飲め」
    と言う言葉に抵抗する術もなく、痛風になってもいいじゃないか、的なノリでいただいてしまいました。普段酒をセーブしていたのでいきなり酔いが回ってきました。
    「あー、酒がうますぎるー!!」

    鹿肉
    じゅーじゅー

    そして肉をプレートに豆乳。いや投入。
    もう見るからに美味そうですね。美味いです。まるでラム肉のような味で、濃厚でいてしつこくもなく、大自然が育んだ・・・グルメ番組かっ!!
    こういう時の「ジューシー」とか「味に深み」とか、表現的にもう何かうんざりですよね。だからこうしましょう。

    食わなきゃ分からない味。いやー、美味かったわ。(なんじゃろ)

    さぁ、そして来ましたよ、鹿肉の刺身!!

    鹿肉
    背ロースです。“さし”が入ってます

    もう馬過ぎ。

     

    馬じゃねーし。

     

    シカ過ぎ。いや美味過ぎ。

     

    しょうが醤油で食べました。
    これ東京の良いとこで食べたら何万円もしそうです。
    部位は「背骨の脇あたり」とか言ってました。今度シカが倒れていたらその背骨沿いの肉を切り取って、て、できんわ。無理無理。

    そして酒がすすむのなんので、だんだん記憶が飛ぶエリアに入ってきました。

     

    NG写真
    なんかこんなピンボケの写真が
    NG写真
    何を撮ったのか
    NG写真
    なんだこれは
    NG写真
    駅か
    NG写真
    駅の中の横断歩道橋の上から
    NG写真
    汽車が来てます
    NG写真
    汽車のドアか?
    NG写真
    根性で写真撮ってます。温度差でレンズがあきらかに曇っている

    翌日、写真を見てびっくりでした。汽車に乗った記憶もなく。
    二日酔いながらも、良い酒だったので気分は悪くありませんでした。しかし異常に疲れていて、ぐったりとして、この通信を書くまでの気力が戻るまでに3日かかったのです。
    実は鹿肉を食べた日とその前日、雪かきに次ぐ雪かきでクタクタだったのでした。

    それはともかく、そのグッタリしていた月曜日の午前、駅から電話が来ました。
    「携帯電話を落としませんでしたか」
    「あっ」
    「どんなヤツか言ってもらえますか」
    「白い2つ折り、今時ピッチ使ってます」
    「携帯の番号は」
    「えー、070の・・・」
    「どうやらあなたのものですね」
    「はい、すいません」
    「一応、個人情報になりますが、拝見させてもらいました」
    「全然オーケーです」
    「それで“自宅”というリストに電話してみた次第です」
    「ああ、本当にすいません」
    「こちらこそ、リストを見てすいません」
    「いえいえ面倒かけてすいません」
    「ほんと、個人情報、すいません」
    「いえいえ面倒かけてすいません」
    「ほんと、個人情報、すいません」
    「すいません」
    「すいません」

    と最後は両者、すいませんの嵐となっていました。
    飲んだら忘れ物落とし物に注意しませう。


  • v233 「雪と氷と肉の祭典2013」を開催

    ■「雪と氷と肉の祭典2013」を開催

    庭で焼肉
    デジャヴのようなこの光景は!!

    連日氷点下20度を下回り、最高気温が氷点下7度前後の厳しい寒さが続いています。

    3か月前に開催した「収穫祭」のあと、「どうせやるならめちゃくちゃ寒い時期」にもやろうという話になっていました。
    条件的には申し分なく、新年会を兼ねて1月13日の日曜日に開催することにしました。

    すると、なんということでしょう、前日までの厳しい寒さは少しゆるみ、朝の気温が氷点下14度といつもより6度以上も暖かくなってしまいました。

    気温氷点下4度
    正午開始。なんと氷点下4度という暖かさ

    極寒の地で、焼いた肉をつまんだとたんカチカチに凍り、付けようとしたタレもカチカチに凍っている面白い図を思い描いていただけに、残念な寒さとなりました。

    寒中肉祭り
    予想以上に暖かく、残念な表情を見せる全メンバー

    よく「雪が降ると暖かい」と言われます。晴れて放射冷却になる方が寒いからなのです。この日はくもり。寒さはゆるく、やがて雪がチラホラ降ってきて、肉に降り積もっていきました。

    焼肉
    これがホントの霜降り肉(ギャグはさむい)
    焼肉
    これは何だ

    寒い中で飲む酒はやはり「焼酎のお湯割り」。それと日本酒の燗(かん)。
    なんだかんだ氷点下ですから、あたたかいヤツがノドを通ってハラワタに沁みわたると、幸せな気分満開になります。
    「皮膚ヒンヤリの内蔵ポカポカ」であります。

    レンタンストーブで燗酒
    初めてレンタンストーブを使ってみました

    レンタンストーブには驚きました。レンタンに火がつきやすく、火力は思ったより強く、お手軽で便利でした。世の中便利になったなぁと思うのでした。(逆ですね。昔からのものは便利です。カセットコンロストーブは使い物にならず、世界はどんどん劣化しているように感じる今日この頃)

    水がすぐに沸いて、どんどん蒸発していくため、雪を突っ込んでみたりしました。

    燗酒
    でも、すぐ沸く

    トックリは、前日にわざわざリサイクルショップへ行き、1本20円で購入。特別な美しさや価値はないんですが、「普通な感じ」っていうんでしょうかねぇ。
    「これでお燗の準備はOK。バッチリ」という気分でした。

    さて、ところが衝撃的事実。このトックリの中に入っている液体はというと、極上の地酒ではなく、低質な日本酒でもありません。

    トックリの中は水ですよ、水。

    このトックリで沸いたお湯で焼酎を割ります。こうすることで、「焼酎のうまみが格段に増す」ということは絶対にありません。(キッパリ)

    これはただ単に、日本酒を持参すると言っていたメンバーが
    「あ、日本酒忘れた」
    のひとことで、せっかく用意したトックリに水を注ぐことになったのです。
    もったいないから使うという貧乏性。

    温かいお湯割りは程よくアルコールを体内に循環させ、他愛もない話に花が咲き、住宅地に笑い声が広がりました。
    そして垂れる鼻水。

    しかし時間の経過と共に体感温度に変化が出てきました。
    徐々に冷え込みを感じては温度計をチェック。
    「氷点下5度」
    「あれ、大したことないな」

    クソつまらない話にはじける笑い。
    徐々に冷え込みを感じては温度計をチェック。
    「氷点下5度」
    「おかしいな、寒いような気がするが」

    どうでもいい話に透き通るような高音の笑い声。近所迷惑。
    徐々に冷え込みを感じては温度計をチェック。
    「氷点下5度」
    「ホントに?」

    『やっぱ寒いのでは』的なメンバーの顔。
    氷点下5度に3時間もいると寒いのですね。やっぱ。

    それでもしっかりベロベロに仕上がったメンバーの一人が、路肩に積み上がった雪の壁に突き刺さりながら千鳥足で去って行きました。
    翌日にメールが来たことで、凍死してないことが分かり安心しました。

    極寒の飲酒は危険かも知れません。よい子は真似するのはやめましょう。


  • v229 りんごの気持ち

    ■りんごの気持ち

    りんご
    真っ赤なりんご(10/20)

    知っていますか? 北の果て、極寒の地・北見にりんご園があることを。私は知りませんでした。それが北海道新聞の記事になっていたことから発覚。しかも我が家からかなり近いこともわかりました。
    それだったら行くしかない。

    リンゴ園への道
    りんご園までの道はこんな感じ。(後日撮影。11/10)

    車で走っているとエゾリスが砂利道を横切って行きました。リス・キツネ・シカの方が人より多い道路。「観光果樹園」と書かれた看板が見え、その先にりんご園はありました。我が家から5~6分程度。

    「うーん、近い」

    その日は天気も良く、新聞に載った翌日の土曜日ということもあって、人間がたくさん来ていました。車が15台くらい、30人前後。
    そりゃもうお祭り騒ぎですよ。村人総出ですよ。テレビも無ぇ電気も無ぇ大自然の中、人間だらけですよ。でも果樹園は広くて、みんな木の陰になって数人しかいないみたいになってますけどね、見た目には。

    リンゴの木
    ひとつの木に100個くらいなってます。人、いたんですが、見えませんね。(10/20)

    「北見にこんなりんご園があったとは!!」
    新聞で見るのと違って、実際に見ると「ああ本当だったんだな」と実感するのでした。

    その日は新聞で話題になっていた「紅つがる」と、他にいろいろある中から適当に「旭」というりんごの2種類を買って帰りました。
    紅つがるはすぐ売れてしまうそうで、買った時には残りわずかでした。それはそれで、りんごが特別好きでもない私(好きじゃないんかいっ!!)にもまあまあ美味しいと感じたりんごでした。まあまあですよ。
    ところが、「旭」の方が柔らかくて、梨のような、いや梨とは全然違うなぁ、何だろう、ネットで調べると「フカフカした食感」とあり、なるほど確かに「フカフカしてるといえばそんな気もする」という感じの食感で、私にはとびきり美味しかったのです。

    というのも、私はどちらかと言うと果物は全般に「食べるのが面倒で嫌い」なのです(嫌いなんかいっ!!)。種が残ったり、皮が残ったり、芯が残ったり、汁が垂れたり、食べていてイライラするのです。いくら美味くてもメロンだってスイカだってグレープフルーツだって自分から進んで食べませんよ。

    しかしこのりんご、「めんどくささ」より「食感」が勝ってしまって、その日から「毎日りんごを1個ずつ食べている」くらいなのです。

    味というよりは、やはり「食感」が良いからなんです。
    「何だかものすごく食べやすくて、小腹がすいたときにジャストフィット」
    「味だって酸味もあってりんごっぽいし、甘すぎずジャストフィット」

    かつてない「りんごが食いたい状態」が続き、もう販売も最後かという日曜日に、3度目の足を運びました。

    リンゴの直売所
    りんご直売所(11/10)

    どんよりとしてるのは天気のせいですよ。

    リンゴ
    こんな感じで売っていて、試食もさせてくれます。

    私はいわゆる「少し傷んでいる外品(撥ね品)・5kg600円の旭」を10kg買いました。その時にちょいと、地方発送をしているか聞いてみたところ、びっくりする応えが返ってきたのです。

    「地方発送してますよ」
    「そうですか、それだったら旭を4kgくらい送っちゃおうかな」
    「あのですね」
    「はい」
    「実はこの前、あるお客様が送った先の内地(道外)の人から電話がありましてね」
    「はい」
    「ものすごい怒られたんですよ」
    「えっ!」
    「おまえのところはこんなボケたりんごを売ってるのかって」
    「ええっ!!」
    「こんな悪くなりかけのヤツ送ってきやがって、と怒られて」
    「えええっ!!!」
    「そういう品種だと言っても分かってもらえなくて・・・」
    「なるほど」
    「とにかくすごい剣幕で20分くらい延々と怒られました」
    「ええええええっ!!!!!!」
    「だから、そのへんのこと分かっていない人にはですね、あらかじめ・・・」
    「ええ、それは言いますけど、美味しいのに何でですかね」
    「従来のりんごじゃないと受け付けない人がいるのかも知れませんね」

    「じゃあ4kg旭の発送をお願いします」
    「内地ですか」(ビクビク)
    「はい。親戚なので言っておきますよ」
    「ええあの、ちゃんと伝えていただくと助かります」(ビクビク)
    「トラウマになってますね」(笑)

    この会話、こんなふうに聞こえました。

    「じゃあ4kg旭の発送をお願いします」
    「内地ですか」(マジかよ、クレームきたらヤベーわ)
    「はい。親戚なので言っておきますよ」
    「ええあの、ちゃんと伝えていただくと助かります」(旭じゃないヤツにしてくれよ)
    「トラウマになってますね」(笑)

    あ、これは想像です。

    ところで、旭以外にも「つがる」「レッドゴールド」「王林」を食べてみたのですが、やはり私はこう思いました。
    「食べるの面倒だなー。堅いし、途中で飽きるわ」
    普通のりんご。普通の人はこれが普通なので、旭は普通じゃないのかも知れません。
    売り手は難しいですね。

    りんごは何にも言わないけれど、りんごの気持ちは良く分かる。
    「ぜいたく言ってんじゃないよ」

    ちなみに、旭は英語名が「マッキントッシュ」なんだそうです。
    そうか、普通じゃない方か。うちもマックだしそういうことか。