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  • 研究所通信v516 回顧録 黒曜石

    遠軽町白滝にある「埋蔵文化財センター」に展示されている黒曜石

    黒曜石(こくようせき)って知っていますか。なんか鋭利に割れる硬い黒い石です。
    昔々、鉄道の敷石に時々混ざっている黒曜石を集めたもんです。列車が近づくと危険なので、線路のレールに時々耳を当て、列車が近づく音を感知すると逃げる、ということしていました。線路で遊ぶと大人に怒られますから。実際耳を当てて音がして振り返ったら列車が見えていて焦って逃げたことがありました。良い子は真似をしてはいけません。
    田舎では線路自体がなくなり真似のしようもないですけどね。

    北海道は世界でも数少ない黒曜石の産地らしく(今まで知らなかった)、この「白滝」と、私の産地である「置戸」、それから十勝が主なところです。そういえば昔「十勝石」と呼んでいました。

    世界で見ると太平洋岸(オーストラリアにはない)、地中海周りと、エチオピア・ケニアあたりにしかないみたいなんです。いったいいつできたんだいっ、ていうと、このセンターにもいろいろ資料が展示されてますが、ネットでは・・・
    「約3万8千年前の旧石器時代にはすでに黒曜石が石器の材料として使われていました。それ以前の各地の火山活動が活発だった太古の昔に形成されたもの」
    だそうです。太鼓の昔て。

    北海道の真ん中周辺にありますねぇ
    まあなんかこんな感じの説明もありました

    とにかく珍しいし、遠軽的には「これはいいぞ」と、文化財センターまで作ってみんなに来てもらおうと必死です。ここの入場料は大人320円と安めで、尚且つ、写真を撮ってもいいですかと聞いた返事が

    「どんどん撮ってください。そして宣伝してください」

    と、もう財政破綻した北見市に遠軽の爪の垢を飲ませてあげたいくらい頑張っています。

    2024年8月11日は曇りでした。人っこ一人いません。このあたりは人は少ないです。
    入場者は自分たち以外は1人か2人。
    綺麗な設備です
    頑張って作った感が満載
    美しいです

    なんかこのヴィーナス像、これ黒曜石に見えないなぁ。なんだろう忘れたよ。あっこの左の感じはこれを想起させますね。

    違うかっ!(笑)(知る人ぞ知る)

    壁にもたくさんの黒曜石が。
    採掘した時のメモ的なものが細かく書かれていました。意味はわかりませんでしたが、頑張った感に溢れています。

    その前にひとつ大事なことを書くのを忘れていました。ここの「北海道白滝遺跡群出土品」は2023年6月に「国宝」に指定されました。(最初に書かんかいっ)
    日本では遺物としては最古の国宝だそうです。だからもう石器作りなどの体験学習も企画していたり、採取場所である山の中への見学ツアーを毎年やったりしています。
    ツアーでは地元食材を使ったレストランで食事をしたり、グルメ層も取り込もうと必死です。

    実はこのセンターに最初に行ったのは2023年10月15日でした。国宝に指定された3〜4か月後です。話題になったので行きました。この時(2024.8.11)は2回目です。
    それで、2024年7月15日に置戸が近いので黒曜石探索の旅に出かけました。調べてみるとピンポイントでこのあたりだということがわかり、行ってみました。それはある峠から林道に入り、多分どこかから歩きで探す場所。途中、鹿が走っていたり、蝶が地面に群がっていたり、水たまりにビビったりしながら進みました。

    車が走れる道路脇には全然見つかりませんでした。車を降りて道なき道を草をかき分け奥へ奥へと進まなければ見つからなさそうでした。最近はクマちゃんがすごい活躍をしているのでやめようと思いました。今後も行かないと思います。・・・知らんけど。


  • v070 札幌軟石/札幌ダジャレ5:来たら

    ■札幌軟石

    硬石山
    札幌市南区、石山緑地公園から見た「硬石山」
    我が家から自転車で1時間

    札幌の時計台は有名ですが、実はその写真と現実のギャップは大きく、「札幌3大がっかり」のひとつに数えられています。

    時計台の周辺はビルに囲まれているせいか、その存在感が妙に薄く感じられ、「あれ、こんなんだったの?」とがっかりします。しかし、写真も修正などはなく、うまい具合に空や木の枝が入るピンポイントから撮られております。現地には時計台を撮るための台が設置されていて、その絶妙さ加減がひとつの見どころとなっています。

    時計台には200円払うと入館できます。中に入ると、札幌の歴史が何枚ものパネルになって展示されているのですが、札幌という町は何回も「大火」で町が燃えていることがわかりました。

    2~3回、大火災を経験したなら、4回5回と同じ過ちを繰り返すのはもうアホだと思うのですが、1892年の大火で市街地の5分の1を消失したのを皮切りに、7回も8回も「大火」の惨劇に遭っていることがわかりました。

    さて、大火で苦しむ前から、建築資材にとても手頃な「石」が札幌にあることに注目されていました。軽くて柔らな加工しやすい石で、「札幌軟石」と呼ばれています。石ですから何と言っても火に強いわけで、建築に最適の、天の恵みとも言うべき石が存在していたことになります。(それなのに大火は何度も起きました。木造家屋の方が多かったのでしょう)

    その石は約3万3000年前の大昔に、支笏カルデラができたという大火山帯の大噴火で、大規模な大火砕流が40km離れた現札幌南部まで大々的に流れてきて、その大高温の大火砕流に軽石や火山灰が大規模に溶け込んで出来たのだそうで、「溶結凝灰岩」(ようけつぎょうかいがん)と呼ばれています。
    この地域のものは「支笏湖噴火溶結凝灰岩」(しこつこふんかようけつぎょうかいがん)と言うのだそうです。

    「札幌軟石」はこの「支笏湖噴火溶結凝灰岩」の俗称というわけです。いちいち「しこつこふんかようけつぎょうかいがんが…」とは言いにくいので俗称になったのでしょう。

    今私が住んでいるマンションは「石山通り」という大きな通りに面しています。あの札幌軟石がこの通りから運ばれたのが由来になっています。最初は1876年、夏場は馬車で、冬はソリで石材を運んだそうです。1909年、馬車鉄道が開通、その鉄道が現在の路面電車の基礎になっているんだそうです。(ここ、試験に出ませんので忘れて結構です)

    現在は石の建築物はいろいろ規制ができて、ほとんど使われなくなりました。なので、古い建物に札幌軟石を見ることができるのですが、どれもとても落ち着いたいい感じの建物です。

    札幌軟石の石切り場の跡地を利用した芸術的な公園があることがわかり、行ってみました。「石山緑地公園」といいます。その公園はとても良かったので、次回お見せしたいと思います。

    札幌軟石仕様の建物
    札幌軟石仕様の建物。ケーキ屋さん
    札幌軟石仕様の建物
    札幌軟石仕様の建物。大通公園西の端にある「札幌市資料館」

     

    ■札幌のダジャレ的世界の発見 第5回・コンサートホール「kitara」

    kitara

    今回は建物の名称です。札幌の中央区、中島公園内にあります。1997年、なんと道内初の音楽専用施設として開館。こんなに重厚で立派なのに「来たらいいしょ」の「来たら」だと思われます。で、調べてみるとそれだけではありませんでした。 こんな説明が。

    ギリシャ神話の音楽神アポロンが奏でた竪琴「キターラ」に由来。キターラの音色は「調和」を表現していた。また、「来たら?」をかけたとも言われている。

    音楽神アポロンの竪琴「キターラ」については、私は「後付け」ではないかと疑っています。ネーミングの会議の様子を想像してみました。

    「“観にきたら”“聴きにきたら”の“きたら”って良くないですかね」
    「ちょっと軽くないか」
    「気楽にどうぞっていうことで」
    「何か気になるな、何かないかな、こう、それっぽい…」
    「北海道の“きた”にもかかってますよ」
    「“ら”はどうすんだ“ら”は」
    「細かいなー」
    「あっ、これどうです。ギリシャ神話のですね」
    「なに、キターラとな」
    「何かインテリジェンスを感じるな。いいな」
    「ウンチクは大事ですよね」
    「ウンチクか」
    「ウンチクです」

    ちょっと尻すぼみ…。