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  • v076 運転免許証更新/札幌ダジャレ10:鳥羽一郎

    ■運転免許更新

    雪の札幌

    車の運転をすると、人を轢き殺して一生を棒に振る妄想にかられるので、出来る限り運転をしない私ですが、さすがに北海道という土地では車が必要だと感じることは多いです。

    東京の地下鉄に慣れてしまうと札幌と言えども不便に感じます。目的地に対し、駅まで歩く距離、駅から歩く距離が長く感じ、地下鉄に積極的に乗る気になれません。待ち時間も微妙に長く、いろんな面で時間的なロスを感じます。
    バス停はあちこちにありますので、主要な交通機関はバスということになりますが、バスはよほど土地に慣れないとわからないものです。しかもバスは大抵1路線1時間に2本程度で、待っている間にカップヌードルが10個くらいできあがります(同時に作れば3分か…)。
    どっちにしてもタイムロスは避けられません。どうせタイムロスが大きいのならと、結局は私の場合は自転車をフル活用するわけです。

    その自転車も冬になると使えません。今年、街で初の積雪が記録された日に、たまたま自転車に乗っていたのですが、チェーンが固まってしまいました。よしもと新喜劇の内場勝則の「いーーーーっ!!」みたくなりました。松尾伴内の「ええっ!!!!」みたくなりました。

    バスについては、冬場に長時間突っ立っていると凍死してしまうので、気ままな「ぶらり散歩」もままなりません。バスに乗ればメガネが曇って、カップヌードルの湯気かっ、みたいな状態がこれまた長く続きますし(曇ったままずっと付けていると結構恥ずかしい)、メガネを拭くにも手袋を脱いで(こちらでは「脱ぐ」と言います)、重装備の中、拭くものを取り出して、揺れているバスで拭くのはなかなかに面倒な作業です。仕方なしにメガネは外して手に持っていたりします。

    市町村間の移動となると、もともと採算が合わない路線が多かった北海道は、国鉄民営化によって、鉄道網がズタズタになりました。バスも本数が少ない。自転車ではほぼ無理。となれば車しかないのです。

    運転はしたくなくても免許の必要性は感じます。そんなわけで先月、行ってきました、5年ぶりの免許更新。(やっと本題に)

    さて、免許更新の際、講習を受けさせられたり、ビデオを見せられたりします。それがこの札幌では、やはりこの地方特有の「雪道に関するお話」が中心となっていて、これはこれでなかなか面白いものでした。
    昔小学校の時に無理矢理見せられた「飛び出してきた子どもを跳ねて生涯を棒に振るという精神的恐怖を植え付ける情緒的なストーリー」とは違い、統計や科学的な実験映像に終始していて、面白いくらいでした。

    道路の半分を凍結させてブレーキを踏んだ時の車のスピンの様子とか、雪で視界がいかに悪くなるかといった映像など…。

    何よりも感心したのが教官の話術でした。警察特有の「威圧感のあるベテラン刑事風の顔」なのですが、とても丁寧で優しい口調で話し出します。

    「みなさんは優良ドライバー、素晴らしいことです」
    「事故起こしたらね、下手したら3日も4日もつらい講習を受けないといけんのです」
    「北海道の死亡事故の9割以上は、見通しの良い直線道路での正面衝突なんですよ」

    そして時々しゃべり方がマギー司郎になります。

    「こないだ事故のあったあそこね、うまい漬け物が売ってんですよ」
    「あ、親戚の店の宣伝じゃないからね」
    「そういや、みなさんの中にね、免許もらって住所確認するのはいいんだけど…」
    「確認しながら部屋から出て行く時にドアに頭ぶつける人いるんだよね」

    こんな話で油断をさせておいて、ラスト5分はみのもんた。

    「今まで話したことは全部忘れてもらって結構です。漬け物の話も」
    「今日はこれだけ覚えて帰ってちょーだい」
    「夜のコンビニ周辺の事故が多発してます。コンビニに来る人の動きはこう…」
    「ここが死角になって、ほとんどドライバーから見えません」
    「みなさんのような優良ドライバーの事故も多い、気をつけてくださいね」

    まあ、優良ドライバーというのは、暗に普段車に乗らない人が多く含まれるわけで、それには触れずに「優良」の心をくすぐり、仕舞いに釘を刺すところなんざ、憎い構成でありました。そして見事なエンディング。

    「ハイ、きっかり30分。ドアに気をつけて」

    ベテラン刑事風の人相と話の巧みさに、面白い映画を一本観てきたような、得した気分になった免許更新でした。

     

    ■札幌のダジャレ的世界の発見 第10回・鮭トバ・イチロー

    札幌にいると、小さな店から公共機関に至るまで、やけに“ダジャレもの”を目にすることが多いので始めたこの企画。もう10回目を迎えました。
    今回は札幌というわけでもないんですが、道東の白糠(しらぬか)町で製造している「鮭トバ」の商品ネーミング。「鮭トバ」とは、鮭の身を干した酒の肴に最適の食べ物です。

    「鮭とばイチロー」

    鳥羽一郎のダジャレと思われます。とは言っても、私は鳥羽一郎をよく知りません。それから何でカタカナでイチローなのか分かりません。あのイチローであるならば、なぜ野球?
    もしこの商品が全国展開されているとしたら、北海道のダジャレのセンスも輸出していることになり、身も凍る思いです。

    鮭トバの作り方を調べてみたら、1日濃いめの塩水につけて、日陰で干しただけの食べ物のようです。(こんなに簡単に作れるのだろうか…)

    ついでに「鳥羽一郎」も調べてみました。
    三重県鳥羽市、漁師の家に生まれる。荒波にもまれ潮風に鍛えられ育つ。歌手を夢見る。10代は心身を鍛えるため遠洋漁船の船員を5年間勤め、船上で船村徹氏の作品「なみだ船」などを愛唱。弟(演歌歌手の山川豊)は先に歌手を目指して上京。弟に触発され27歳の時にカツオを片手に上京。(マジか)
    船村徹氏の弟子となり、3年間修行。芸名は出身地に因む。「兄弟船」でデビュー。
    船村徹って誰? カツオは左手に持っていたのか? マイクが右か?

    鮭とばイチローと茶~ぶー
    寝起きの茶~ぶーです。「鮭という魚」だけに「酒の肴」に最適です。
    (座布団1000枚没収?)

  • v063 車を運転することについて/猫看護

    ■車を運転することについて

    高速バス
    またまた高速バスに乗り実家へ

    この連休は実家のある北見へ、今年7回目の帰省をしました。脳やら血やら心臓やら、すっかりガタのきた両親と、ガタのきた家、ガタガタの庭。どんな人にも物にもガタはきますからしょうがないんですが、ただ見ているただけというのもつらい。何か自分にできそうなことはないだろうか、と考えました。

    自分にできそうなことで、これだけはイヤでしなかったことがありました。車の運転です。しかし、この先必ず必要とされるに違いない。人間を運ぶくらいのことはイヤでもやろう、と思いました。大げさではなく、決死の思いで。

    それは遠い昔。小学校で見せられたビデオ(当時は映写機だったかも知れない)が衝撃的で、すっかり運転恐怖症となりました。――ある普通の青年が子どもを轢き殺してしまいます。何てことをしてしまったのだと、その被害家族へ泣きながら謝罪をする青年の姿が映し出されます。「息子を返せっ」と泣きながら叫ぶ母親、見舞いの花もたたき落とされ、罵声を浴び、修羅場と化します。重く物悲しいBGM。うなだれる青年の周囲は暗闇となり、スポットライトの中で精神的にもがき苦しむ様が描かれます。その後の労働はその償いをするための労働であり、賃金はほとんど相手の補償に回されるのでした。事故を起こしたばっかりに重たい十字架を背負い、好きなこともできず一生を棒に振る、という超リアルホラーストーリーであります。

    おかげで車には絶対に乗りたくないと思うのでした。文部省だか交通省だか警視庁だか知りませんが、よくもまああんなザラザラしたものを小さい時分に見せてくれたものだと…。

    しかしながら、北海道は車社会。車がないと不便でしょうがありません。免許はいずれ必要となることが予想されました。それでもあのホラーイメージが頭から離れません。
    高校の時に、排気ガスをまき散らす自動車がなんとなく許せず、私は自動車が電気化するまでは免許はとらないつもりでした。これは車を嫌がる気持ちがあったからなのか、もともとエコ(地球環境保護)の非常に高い意識が心を支配していたからなのかは自分でもわかりません。後者かな。(微笑)

    高校卒業後は東京へ行ったので、もう一生車とは縁がないものだと思ったものです。しかし25歳くらいの時に免許を取るための時間が発生しました。失業して一旦実家へ帰った時のことです。特にやることもなく、家でぼーっとしていました。その時親に「ヒマだったら免許でも取りに行け」と言われ、将来何かの役に立つこともあるだろうと、普通免許を取得したのです。
    北海道での免許取得は本当にラクです。路上へ出ても対向車が来ませんでしたし、信号機は2~3か所でしたし、教習員はとなりのシートで寝息をたてていました。おおらかですね。

    それはともかく、運転をしていると、もしここで子どもが飛び出して来たら絶対に止まれない、などと考えてしまいます。そして一生を棒に振るのでイヤだなと思うのです。もう洗脳ですねこれは。

    ところが若かりし頃のある日、後続車にピッタリ着かれ、追い越しを掛けられた時、カチンという音が鳴ってスイッチが入ったことがわかりました。自分が【一生を棒に振る < 何となく競いたくなる】というとても危険なドライバーに変身してしまうことがわかったのです。

    『やっぱり車には乗ってはいかん』と強く思うのでした。だから私には運転をするということに対して、かなり強力なストッパーがかかっているのです。

    さて、長くなってしまいましたが、そういう絶対に運転をしたくない気持ちを押し殺して、実家の車を借りて、近所をぐるぐる練習をしたのです。10年ぶりくらいの運転です。そういえば昔、東京で運転した時に、あまりの方向音痴でいつまでも目的地に着けなかったっけな、とか、一通を豪快に逆走したっけな、とか、青梅街道をまっすぐ乗ってたのに最後は行き止まりだったっけな、とか、夜にライトをつけ忘れて走ったっけな、とか、あり得ない体験が数々思い出されるのでした。
    練習した近所といえば、それはそれはのどかな場所で、道路に人はほとんどいませんでしたし、車もほとんど通りませんでした。それでも誰かが飛び出してくるような、すごくイヤな感覚はずっとつきまとうのでした。

    車の運転、かえって迷惑だろうか…。

     

    ■その後の猫看護報告

    猫のミュウ
    異様に大きな右目と、まだ縫合の糸を取ることができない左目。
    その顔は「ラピュタ」に出てくるロボット兵のようです。

    みゅうちゃん(メス)を預かったのは確か8月7日。かれこれ5~6週間になります。当初は両目が見えず、眼球の腫れがひどいために両目のまぶたを縫っていました。現在のところ、抜糸できたのは右目だけですが、どうやら両目が見える可能性が高まってきました。左目の抜糸はおそらく近々です。

    抜糸できた右目はまあまあきれいになってきたのですが、まだ眼圧が高いようで、異様に大きく見えます。片目が大きくて、片目が縫合してあって小さく見えるので、天空の城ラピュタの「ロボット兵」みたいになってます。

    食欲は旺盛で、450グラムだった体重は950グラムに膨張。いや成長。胸の奇形と、前足の湾曲があるものの、運動能力も高まり、50センチくらいの高さのところにはジャンプして乗ることができます。しっぽを振って走るので犬みたいです。

    カラーを外しても自分で目を傷つける様子がないので、先週半ばからカラーなしで、我が研究所に放し飼いしています。ケージが寝床とトイレで、ケージのドアは開けっ放し。眠い時やトイレの時は自宅に帰るように自分からケージに入ります。ネコは賢い動物です。


  • v062 航空機貸し切り状態/猫看護

    ■航空機貸し切り状態

    紋別空港
    飛行機から降りるこの人は…

    前回チラッと書いたびっくりしたことについて…。
    クイズに答えてしまったばっかりに行くこととなった紋別。航空券の引き換え“目録”を譲り受けたので、電話で予約を入れました。うっかりしてたのは、目録の最後の方に書かれていた注意事項を見落としていたことでした。

    【他人への譲渡はご遠慮ください】

    イベントでチケットや目録をもらう時に、住所・氏名等を記録するため、譲り受けたことがバレてしまいます。一瞬イヤな予感がしたものの、ここは北海道。非常におおらかであります。そのくらいの禁止事項はあってないようなもの。

    「譲ってもらったんですが、実は、私ガリンコ号のチケットを当ててしまいまして」
    「ええ…」
    「たまたま航空券を知人が当てまして」
    「ええ…」
    「どうせ行かないので、と譲り受けたんです」
    「え、…、いいですよほんなら」

    「ほんなら」とは言わなかったのですが、まあ、実にあっさりOKしてもらいました。びっくりしたのはまだこの後のこと。

    まず飛行機の予約の際に軽いめまいを感じます。【新千歳←→オホーツク紋別】は1日1便ずつしか飛んでいないとのこと。したがって飛行機の飛ぶ時間にすべてを合わせねばなりませんでした。
    だから初日、午前中に紋別に着き、バスで町へ出てメシを食い、タクシーで埠頭へ行き、速攻で船に乗って釣りをして、ホテルまではバスもタクシーもないので泣きながら3キロ歩き、途中で土産を買い、その店の人が親切にも車でホテルに送ってくれてどうにかホテルにチェックイン。外出してうまそうな飲み屋で一杯。翌日二日酔いで午前10時に帰路についたのです。
    これはまあ余談に過ぎません。

    出発の時に話を戻します。千歳で見た「北海道エアシステム」(JALグループ)の飛行機にまた軽いめまいを感じました。
    1日1便しか飛んでない便ですから、いくらなんでも100人程度は乗れる小型ジェット機だろうと思って空港へ行ったのです。新千歳空港の本当の端っこに申し訳程度に搭乗口があり、外にはとても小さいプロペラ機(サーブ340Bという機種らしい)が止まっていました。

    あのYS11より小型、超小型のプロペラ機で、36人程度しか乗れません。そして土曜日だというのに乗客は9名。重量バランスを考慮し、後ろの席から詰めて行くため、機内の前4分の3は空席となります。ほとんど貸し切り状態でした。自分より前にいた客は2人です。それしか見えないんですから人間が。飛行機小さいのに。
    まだびっくりするところじゃないです。

    いつもは飛行機に乗ると、燃料に引火して爆発したり、羽根が折れたり、飛行機同士が衝突することをつい考えてしまいます。念の力で実現してしまう可能性があり、できるだけ何も考えないようにしているのですが、この超小型プロペラ機には恐怖を感じませんでした。
    理由は自分でもよく分かりませんが、多分、上昇角度が緩い、小さいのでポキッと折れにくい、いざという時ジェット機よりは融通がききそう、飛行時間が40分程度と短い、などの理由が考えられます。飛行高度も速度もジェット機の半分程度で、景色もよく見え非常に楽しかったのでした。飛行機で恐怖を感じなかったのは私には珍しいことです。

    オホーツク紋別空港に着いてからバスに乗るのですが、飛行機に乗っていた他の7名は自家用車などを利用したと思われ、バスは我々2名の貸し切りになりました。もう飛行機もバスも貸し切り同然です。

    帰りのバスは4人、飛行機は日曜日だというのに7人。やはり貸し切り気分を味わえるのでした。そういうわけで、この路線お勧めです、みなさん乗ってみてください。
    えー、月や日によって料金が大きく変化するのですが、この9月の場合、通常片道17,600円だそうです。たけぇっ。(貸し切りなら安い? 航空会社は確実に赤字っぽいが…)

    さて、びっくりしたのは上の写真を撮った時のことです。(写真を見てください)
    これは帰りの飛行場の展望台から撮ったものですが、到着したばかりの飛行機から人が降りて来たところです。照れながらタラップを降りる若者がいます。そしてお辞儀をするフライトアテンダントと数名のスタッフ。
    あの客、さぞかし気持ちのいい体験であったろうと思いました。だって乗っていた乗客は1人だったんですから。
    思わず「自家用機かよっ」と叫んでいました。スタッフ付き自家用機ですよね。なんてぜいたく。飛行場がなくならないか心配です。

    機内
    サーブ340Bの機内(左) オホーツクのスペル「OKHOTSK」はツングース語だとか何とか。(左)
    紋別の町ですれ違った人のほとんどはロシア人と思われる外国人ばかりでした。
    観光客とは思えない外国人…。看板などもロシア語が目につきました。

     

    ■その後の猫看護報告

    右目は白濁がとれてきてどんどんきれいになってきました。左目はまだ抜糸できてませんが、腫れが引いてきました。おそらく潰さなくて済みそうです。
    ネコキック、ネコパンチ、ロックオンからネコダッシュ、と、まあネコっぽい行動はできるようになりました。イスの上から床にジャンプして驚かせてもくれます。
    撫でるとキューキュー言って喜びます。とりあえずは良かったなと思うのでした。

    ただ、目を完治させないと気にして引っ掻いて傷をつけてしまうため、目を離す時は「カラー」で保護するのですが、カラーをすると自分でエサを食べたり水を飲むことが難しくなります。
    しかもエサはカリカリを砕いて水で溶いたものをスプーンでやらないと食べてくれなかったり、水も半分強制的に飲ませないと飲まないところがあり、まだ放ったらかしにはできません。

    1か月の予定で預かったネコでしたが、この状態で返すと、また悪化する可能性が高いのでもう2~3週間は様子を見ることになりました。

    飼い主さんも2日おきくらいに来ては病院へ連れて行ったり、必要なものをいろいろ持って来てくれたり、必死になっています。平日、日中仕事で世話が出来ないもどかしさが伝わってきます。

    猫のミュウ
    たらこグッズの群れが現れた。みゅうはとまどっている。
    猫のミュウ
    スライムが現れた。みゅうの攻撃。ピロリっ、0ポイントのダメージ!!
    猫のミュウ
    人間の手が現れた。 ガブ。人間を倒した。経験値を獲得。 右目は新しい点眼薬により劇的に改善。もっと早くこの薬を出せよっと思いました。

     


  • v045 高速バスと高速道路

    ■高速バスと高速道路

    長距離高速バスの運転席
    長距離高速バスの運転席

    北海道名物のひとつである「直線道路」は、ところによってはまるで滑走路のようです。15年ほど前に帰省した時、普段ほとんど乗らない車を運転することになりました。その道は交通量がほとんどなく、ところどころに長い直線があります。周囲は畑やら荒れ地やらで、広くて圧迫感がないのでスピード感が麻痺してついつい制限速度(60km/h)を越えてしまいます。

    それでも久々の運転ですし、軽自動車なので100km/hを出すと車体が振動し、ちょっと気持ち悪いため80km/hくらいで走っていました。(ギリギリセーフですかね)

    その時のこと、うしろにポツンと見えていた乗用車がみるみるうちに近づいて、あっという間に私の車を抜き去っていきました。一瞬でしたがその車の助手席には“ネギや大根が入った買い物袋”が見え、その奥で運転していた人が普通のオバサンだったのです。それはまたあっという間に点になり視界から消えました。

    「えーっ、おいおいおばさんかよっ、何だよ今のスピードはよーっ」

    日常の買い物の帰りだったんでしょう。自転車のカゴに買い物袋を入れて帰るような感覚で、時速120キロを軽く越えるようなスピードで抜いていったわけです。おばさんターボ。買い物ドリフト。シケインで80キロ。みたいな。

    そう言えば昔(30年くらい前か)、高速道路は北海道には必要がない、という話をしていたような記憶があります。なぜなら一般道が高速道路と変わらないからでした。完全に違法ですが、それを捕まえる警察はせこい、程度に思っていました。

    先週また高速バスを利用しました。(昨日ですけど)
    たまたまうしろに座った2人のサラリーマン(上司と部下)客のおしゃべりが聞こえてきました。

    「何時間かかるんだ」
    「5時間半ですかね」
    「んー、まあ、早いよな」
    「そうですね、高速が出来たのはやっぱ大きいですよ」
    「ビールでも飲んで寝ていくか」(カシュッという音2つ)
    「トイレも付いてますよ」
    「悪くないなぁ、ガッハッハッ」(ガッハッハッ、は脚色)

    そうなんです。高速道路は非常に重宝がられているんです。時速120キロも140キロも出して走るのは飽くまで個人の乗用車であり、バスという公共の交通車両はどうやっても交通ルールは守らねばならないわけです。それを時速60キロ程度でちんたら走っていては長距離バスを利用する気にはなれません。

    JR鉄道が次々と赤字線を切り捨て、客の多い幹線を中心に快適さを売りにしているために運賃が安くならない中、この高速バスはJRよりも格段に安く、スピードもほとんど変わらないか、むしろ早く目的地に到着します。(雪の日はちょっと厳しいですが)

    北海道において高速道路の需要はかなり高いものであることを実感しています。

    ・・・

    余計な話。

    将来高速料金を無料にすると言われていた時期がありましたね。でも道路公団は赤字体質で、なおかつ天下りの退職金などに大金が消えていき、けしからんということで道路公団は「民営化」されてしまいました。しかし道路公団は赤字ではなかったようです。

    毎年1兆円の黒字があり、将来「一斉無料解放」するための積立金が13兆円もたまっていたそうです。

    難しい話なので平易に書きますが、もともと国からの50兆円ばかりの高速道路建設の借入金があり、これを返済するための積立をしていて、30~40年後に相殺する形で「全国の高速道路を一斉無料解放する予定」であったようです。この毎年積み立てていたお金が「赤字」であると解釈されたわけです。

    民営化などしなくても、天下りなどをやめさせ、無駄な使い方をやめさせれば、もっと早く無料化できたと思われます。

    民営化で少しは料金は安くなるかも知れません。サービスも良くなるでしょう。しかし無料化されることは「永久に」なくなりました。毎年の黒字の1兆円は株主に配当される。そこに外資の影がつきまといます。郵政も同じく黒字でした。その株主が気になります。どうでもいいことかも知れませんが、個人的にはムカつく話なので書いておきます。

    気になる方は勝手に調べてください。


  • v030 札幌市の苦悩

    ■札幌市の苦悩

    除雪

    今年は例年よりも雪が多くて、札幌市が除雪に大変苦労していると、連日のようにニュースになっています。問題は2つあり、ひとつは財源不足、もうひとつは雪の捨て場所です。

    通常は10センチの積雪で除雪車が出動するらしいのですが、財源不足のため出動回数を減らさねばなりません。しかしそれが原因で事故が多発したら取り返しがつきません。とりあえず特定の地域で出動基準を15センチにして影響がどのくらい出るか実験中です。

    歩道が両側にある場合、除雪は片側だけにしたり、お金のかかるロードヒーティングの何か所かを節約のため止めたりと、苦肉の策で財政難を乗り切ろうとしています。

    しかし節約の涙ぐましい努力も、例年以上の大量の積雪によって、大自然にあざ笑われている格好になっています。
    除雪した雪は路肩に高々と積み上げられ、うちの近所では車道と歩道の間に高さ3メートルくらいの雪の壁ができています。交差点は視界が悪くなり、事故の原因になるので、その雪を時々トラックで郊外へ運び出さねばなりません。

    雪を積んだトラックが渋滞して除雪効率が非常に悪いと報じられてもいます。雪は昼夜関係なく降るので、業者の方が徹夜で作業することが多く、その苦労の割には「除雪がなってない」と住民から苦情が寄せられる始末で、いくつかの業者はやめてしまったりしているそうです。また多くの重機が老朽化していて、金銭的にも割りが合わない現実もあります。そんな中で雪の捨て場は早くもいっぱいになりかけています。いったいどうなるのだろう…。

    他国の雪の多い都市ではどんな対策をしているのか、ということに関して、テレビの報道番組が面白い情報を流していました。
    意外ですが、カナダやロシア、中国、ヨーロッパなどの主要都市の降雪量はせいぜい年間2mにも満たないくらいのものなんだそうです。札幌の平均年間降雪量は6m30cmで、これは世界に例を見ない豪雪の100万人都市だったのです(もうすぐ200万人)。つまり、いいアイディアをマネしようにもマネる都市が世界にはありません。お金もなく頭を抱える札幌市…。

    除雪の問題は、ビルや家屋が立ち並ぶ広範なエリアに、雪を捨てるスペースがないということに尽きます。(もともと道路が広く作られているのは雪対策だと思われますが、想定外の雪が降るとお手上げ状態)
    4年前に大変なことが起こっていました。今年、その大変なことが再現されてしまうかも知れないというので、警戒されています。
    大変なことというのは、なんと真冬の洪水。 ((;゚Д゚)

    河川に雪を投げ捨てることは条例で禁止されていますが、捨てる場所がないために、やむを得ず捨てている住民がかなりいます。この川への投棄が大問題なのです。
    川の表面は凍っていて、捨てられた雪が氷の上に積み上がっていきます。真冬でも暖かい日は、気温が3度、5度と上がります。たまたま天候が悪いと雪ではなく雨になります。雨で増水するだけでなく、暖かな気温で雪が解け水量が倍増し、さらにさらに、河川に氷がある分だけかさ上げされ、水位が上がりやすくなるわけです。
    焼酎のロックを頼むと、焼酎が少ないのに氷のせいで溢れんばかりになっているのと同じですね。(てへっ)

    雪の捨て場所がいっぱいになってしまうと、もう手の打ちようがありません。積雪を電気エネルギーに変える発明でもすればみんなから感謝され、自分は大金持ちとなり、市の税収アップに貢献でき、ひいては北海道の景気までも底上げできるのですが、それができたら苦労はしないですね。

    実は真冬よりは春先の河川増水の方が危険です。都市部とは言え、自然とともに生きていることを実感するのでした。