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  • v217 グスベリジャム/北見発見:電話番号の覚え方

    ■グスベリでジャムを作る

    グスベリの実
    グスベリの実

    北海道にはグスベリという1m程の低木があります。子どもの頃(40年程前)、よくその実をつまんで食べていました。ただそれはとにかく酸っぱかったという記憶だけで、決して美味しいものではありませんでした。

    そのグスベリが、なんと我が家の敷地の2か所にワッサーと生えています。でも酸っぱいイメージから、去年は口にしませんでした。

    グスベリの木

    グスベリというのは北海道の方言だそうで、正確には「グースベリー」と言うらしく、東北辺りでは「スグリ」と言うのだそうです。「西洋スグリ」あるいは「グースベリー」と言うのが正しいようです。

    豆知識みたいなつまらん話になりました。

    さて、酸っぱいイメージしかなかったこいつを、今年、何気なくつまんでみると酸っぱい中に結構甘みがあり、何とも美味いような気がしたのでした。酸味が美味い年頃になったのですね。
    「これは何とかしたい」

    どういう食べ方があるのか調べてみると、ジャムぐらいしかありません。肉にかけるソースにも出来るようですが、そのために肉を買ってくると、当然「肉を食べた感」だけが残り、グスベリはどこへ行った的な感じになりそうなので、やはりジャムを作ってみることにしました。

    グスベリの実
    たくさん実が付いています。(8/13)

    実の色は最初は青く(緑ですが「青い」という言い方をします)、だんだんぶどうのような色になってきます。青い時の味が超酸っぱいのですが、その時点で摘んでジャムにしても美味いらしいです。

    それから、こいつには触るとスゴく痛いトゲがいっぱい生えています。だから鳥すらもこの実を食べに来ないほどで、とにかく手を突っ込んで採るのが大変でした。

    「いててっ!!」
    「いててっ!!」
    「いっ!!」
    「いててっ!!」
    「いてててっ!!」
    「いててっ!!」
    「いててっ!!」
    「いててててっ!!」
    「いててっ!!」(この9行無駄かも)

    そうこうしているうちに、何だが面倒になってきたので、思い切って枝をグッとつかんで、実をこそげ落とすように手前に引っ張ってみました。するとまったくトゲに刺さらず、一気に実を採ることに成功したのです。
    「こうすれば良いのか、ふふふ」
    プロの技を会得した気分でした。

    グスベリの実
    右は採った実、左は枝やヒゲみたいなのを取り除いた実。気が遠くなる手作業。

    調子に乗って採りまくったら3.6kgにもなってしまったのでした。小さい木なのですが、すごくたくさん実をつけることがわかります。去年まで放ったらかしていたのが、もったいなかったような気分です。
    さっそくジャム作りに入ります。調べたら3つの作り方があったので、3通り試してみました。

    グスベリの実
    まず水洗い。青いヤツも結構ありました。

    グスベリが3.6kgもあるので、何かと計算しやすいように、まず900gを取り分けました。そのグスベリに600mlのリンゴ果汁100%のジュースで煮詰めていきます。

    グスベリをリンゴジュースで煮込む
    北海道余市の美味しい贅沢なリンゴジュースです。

    アクを取りながらグツグツコトコト煮詰めていきます。どんどん煮詰めます。暑いです。ひたすらグツグツコトコトグツグツコトコト煮詰めます。

    グツグツ…
    コトコト…
    グツグツ…
    コトコト…
    グツグツ…
    コトコト…(長い時間がかかっている様子)

    「いい感じ」にドロドロなったので火を止め、冷まして、仕上げにレモン汁を大さじ1杯加えて完成です。

    簡単でしたが、大変でした。

    リンゴペクチンがセシウムを体外に排出させる、素晴らしいジャムです。(えぇー)
    それは本当ですけど、えーと、砂糖を使わないところが健康的です。

    逆に、砂糖を使っていないからか、酸味が強烈でした。
    うわーっ、すっぺーっ、ていうくらいの酸味です。ある意味、美味い。
    これぞ大人の味。ということで星みっつです。★★★

    続きまして、第2のジャム製法。
    900gのグスベリを沸騰したお湯にサッと通します。サッと通すと言っても900gも入れるとお湯がシューンとしてしまって、再沸騰を待っていたら結構時間がかかり、ちょっと熱を入れ過ぎたかも知れないと感じました。
    だから再沸騰する前にザル上げてしまいました。
    それからひたすら「こす」のです。

    グスベリを漉す
    すりこぎだけじゃなくヘラなども使ってこしました。手が疲れます。

    荒めのザルが良いようです。ひたすらゴリゴリゴリゴリやりました。

    ゴリゴリゴリゴリ…
    グチャグチャグチャグチャ…
    ゴリゴリゴリゴリ…
    グチャグチャグチャグチャ…
    ゴリゴリゴリゴリ…
    グチャグチャグチャグチャ…
    ゴリゴリゴリゴリ…
    グチャグチャグチャグチャ…
    ゴリゴリゴリゴリ…(大変な感じを表しています)

    するとグスベリのジュースみたいな感じになりました。

    グスベリを漉す
    カスも美味そうでしたが捨てました!!

    これに300g(グスベリ900gに対して3分の1)のグラニュー糖(砂糖でもOK)を豆乳。豆乳じゃなく投入。(おやじギャグ炸裂中)

    グラニュー糖を足す

    やはり酸味が強いので、甘みをたっぷり加える感じです。そしてレモン汁を大さじ1杯入れて、完成です。
    ちょっと水っぽいですが、ヨーグルトにピッタリ合いそうで、色鮮やかで、こりゃもう星みっっっつですっ。★★★
    この製法は、大量にカスを捨てるので、とっても贅沢な感じがします。逆に言えばもったいない。

    そして第3の製法は、割と常識的な方法。
    900gのグスベリに、300gのグラニュー糖を加えて、300mlの水で煮込みます。アクを取りながらひたすら煮込みます。グラニュー糖が入っている分、焦げやすいので注意しましょう。私はちゃんと焦がしてしまいました。(ダメじゃん!!)
    「いい感じ」になったら火を止め、あら熱を取り、大さじ1杯のレモン汁を加えて完成です。これが一番甘くなりました。焦がしたので星2つです。★★

    何のことはない、ジャムは、甘みを加えて煮込んでレモン汁入れたら出来るのです。やってみたら出来ました、というところです。

    味はどれも「独特の酸味があって、サッパリとして美味い」です。

    さて、残りの900gは、第1の製法、リンゴジュースで作りました。
    なぜかって?

    リンゴジュースが余っていたからさ。

    グスベリのジャム
    100円均一で瓶を買って来て、熱湯で消毒してから瓶詰めしました。
    Aはアップル、こしたB、普通に作ったC。ひとつはAとCを混ぜてみました。(8/14)

    ところで、なぜレモン汁を入れるのかご存知ですか。
    それは果実に含まれるペクチンを固めるためなんですよ。煮込んで冷ましただけではジャムっぽくならないのです。レモンは必須です。
    またくだらない豆知識が炸裂してしまいました。

    なーんてね。これ書きながら調べただけの知ったかぶりでした。
    それでは、みなさんも美味しいジャムを作ってくださいね。さようなら。
    (料理番組かっ!!)

     

    ■北見発見伝:電話番号の覚え方

    いつも気になっていたヤツです。たまたまカメラを傍らに置いて運転していた時に信号待ちになり、目の前にそれがあったので撮影出来ました。

    金星タクシー

    「兄さんの兄さんサンキュー」って…。

    「兄さんの兄さんサンキュー」って!!

    これ、手動で電話交換をしていた大昔、2339(兄さんサンキュー)の番号だったところに、後から局番の「23」が付いて、こうなったんだとか。
    タクシーではなく電話で呼ぶハイヤーだけに、覚えてほしい感は出ていますね。

    余談になりますが、以前家から電話したら、すごいことになりました。

    「もしもし、ハイヤーですか」
    「はい、ご利用ですね」
    「はい」
    「お待ちくださいね」ガチャッ!!

    で、40秒くらいで来てびっくりしました。
    ウチの電話番号が登録されているようで、自動表示されるのか、名前や住所を言う前に「ご利用ですね」と確認されて、電話は切られたのでした。そしてたまたますぐ近くを流していた車が来たというわけです。
    早いハイヤーの兄さんサンキュー。(おじさんだったけど)


  • v216 ヤマベ、イチゴ、昆虫、ちゃめ

    ■ヤマベ、イチゴ、そして…

    渓流釣り(筆者の妻)
    渓流釣り(筆者のカミさん)

    その後はいろいろな祭りがあったり、車で速度超過で警察に捕まったり、36年ぶりの友達に会ったりしましたが、ハヤシ君のことを書いても誰も知りませんし、他に特別なこともなく、今回もまた、畑とか魚とか、そんな話です。(笑)

    8月6日、川に魚を釣りに行きました。と言っても、行って間もなく雷光がピカピカしてきたので、13匹のヤマベと1匹のアメマスが釣れたところで引き返してきました。
    その後、ものすごい雨が降り、畑がまた水浸しになり、トウキビが15本全部倒れてしまったり、撒いたばかりのホウレンソウの畝(うね)が崩れて、種が流されてしまったり、散々でした。

    というか、つまらん話ばっかりで申し訳ないです。

    一応、毎日ルッコラのサラダや、コリアンダーや春菊やミツバやシソなども生でサラダで食べたりしている話や、キュウリやナスが採れて美味しいっていうつまらない話、イチゴも出来て毎日のように食べていたというつまらない話、ズッキーニの花が咲いてもうすぐ実が付きそうだっていうクソつまらない話、などを写真を交えて書こうかと思っていたのですが、今書いた以上に発展した話などないので、別の話題にしましょう。

    その前に一応、ヤマベの写真。

    ヤマベ
    こんな模様

    それと美味しかったイチゴ。色味的にキレイなので写真載せます。
    野良イチゴで、庭のあちこちで勝手に実が付いたのでした。買って来た苗のイチゴはほとんど食べられませんでした。自然に放置してあるイチゴやニンニクは非常に強いです。

    イチゴ
    先月中頃あたりまで2週間くらい毎日採れました(7/9)

    さて、こうなったら虫の話にしましょう。(魚や野菜の話とさほど変わりませんが)
    ま、野菜の話よりはきっとインパクトがありますから。

    去年はナミアゲハの幼虫が、山椒の木に大量に居着いて、葉っぱを食べ尽くしてしまい、山椒の木は今年、死んでしまいました。
    そうしたら、その周りに生えているミツバに、キアゲハの幼虫がいたのです。

    キアゲハの幼虫
    キレイですね。え、キモい?(7/13)

    ナミアゲハの幼虫に比べると、より派手で不思議な感じがします。神秘的ですらありますね。これがアゲハになるんですからね。

    キアゲハの幼虫
    (昨年の写真)ナミアゲハの幼虫もキレイですね。え、キモい?

    それよりも今年は去年に比べると、ワケの分からない虫がいるのです。今年は葉もの野菜を多くして支柱を減らし、畑にクモの巣が作られにくい構造にしたのです。クモの巣が少ないせいかどうかは分かりませんが、なぜかテントウ虫が増殖しているのです。
    それもいろんな種類のテントウ虫。

    テントウ虫。
    テントウ虫。

    他にもやたらと小さいテントウ虫とかいるんですが、写真には撮っていません。
    毛虫やイモムシ系もいろいろ存在しております。中でも不思議なヤツはこれ。

    へんな毛虫
    ギャー!! へんな毛虫

    多分「蛾」になるんでしょうね。しかしまあ不思議な形をしています。

    さてさて、ところで、よく見かけるのは「ダンゴムシ」です。いっぱいいます。気持ち悪いので殺してしまいたいのですが、殺すのもちょっとアレでできません。
    ところがダンゴムシのフンは土壌を良くするらしく、居てもらった方が植物には良いので、そもそも殺してはいけないのでした。無駄に生きている生物などいないのであります。

    さて、さっきから「ダンゴムシダンゴムシ」と書いていますが、うちにいるヤツは「ワラジムシ」だと言うことが最近分かりました。まずはご覧ください。

    ワラジムシ
    キモすぎるので生々しさを弱める画像処理をしました。

    大抵は集団でいるので本当にキモキモです。実は「ダンゴムシ」も「ワラジムシ」も同じ形らしいです。こいつがなぜ「ワラジムシ」なのかと言うと、丸まらないのです。

    突っついたりした時にクルーンと丸まって団子のようになるのが「ダンゴムシ」で、突っついてもアタフタと動き回るだけのヤツは「ワラジムシ」というのだそうです。

    木の枝や割り箸で突っついてみたら、ウチのヤツらは確実に「ワラジムシ」でした。
    昔からダンゴムシと言ってきたので、ちょっと違和感があります。やはりワラジよりはダンゴの方が言いやすいです。(どうでもいい)

    ワラジ
    ワラジ
    ダンゴ
    ダンゴ(やっぱこっちの方が良い)

    最後に、最近の「ちゃめ君」の写真です。こいつは他の猫を見るとやたらとでかい声で威嚇するので、最近は「ちんぴら」と呼んでいます。

    ちゃめ
    事務所の窓辺でまどろんでいます。
    ちんぴら
    すぐ威嚇する「ちんぴら顔」のちゃめです。

    目が金色なので一応、金運猫、ということにしています。
    金運無さそうな感じですけど。


  • v215 ワラビ大紀行

    ■ワラビ大紀行 その1

    ワラビ
    ワラビ

    ここのところ畑とか、スギナとか、チューリップとか、タケノコとか、ダニとか、ダンゴムシとか、キツネとか、シカとか、クマとか、もうそんな話ばっかりになってきましたが、他に話題もないので我慢してください。(笑)

    地図
    シブノツナイはこのへん

    ワラビを採ってきました。

    シブノツナイ
    クリックで別窓で拡大

    ここ湧別町、サロマ湖の隣のオホーツク海沿いに、竪穴住居跡の遺跡(北見から車で70~80kmの場所)があります。遺跡ということで開発も出来ず、観光にしては寂しく、ほとんど放ったらかしにされているように見えます。

    で、ここだけの話、どうせこのホームページは閑古鳥鳴いてますし、ここで取り上げても大して影響はないだろうということで、書いちゃいます。

    シブノツナイ
    向こう側は海

    あちこち、くぼんでいるところが竪穴住居跡です。遺跡ですよ。縄文時代の。オホーツク文化も眠る重要文化財なため、穴を埋めたり掘ったりしてはいけないし、何か出土したものを持って帰ってはいけないのです。

    とにかく手つかずなので草ぼうぼうですが、歩けます。え、入っていいのかって? 車で中には普通に入れるし、降りて歩けます。そもそも看板は見ての通り敷地内です。歩いてもいーんです。

    で、ここは約14haの指定遺跡(竪穴515個)なのですが、遺跡自体はもっといろんなものが100km以上、知床の海岸沿いまでずっとあるんだそうで、遺跡の分布はおそるべき広さです。これはごく一部なのです。

    ホントにもう広くて気持ちいいです。地平線の真ん中から右側の少し谷になったところに人がいますね、ほとんど見えませんけど。ワラビを探してて気づいたら“ツレ”が豆粒みたいになっていたのでした。

    シブノツナイ
    人がいるのが分かりますか(クリックで拡大)

    この日は6月5日、残念ながらまだワラビは出ていませんでした。それから2週間…

    ワラビ
    ワラビがワラワラと(6/19)

    6月19日にはこのようにワラビが一面に生えていました。このどこまでも続く野原中に、ワラビが生えているんですよっ!! うぉーーきゃほっほっほーーーいっ!! ってなりますよっ!! テンション上がりまくりです。秘密の楽園っすよ。

    あー、教えたくねぇ~!!(笑)

    タケノコ採りは迷子になる可能性がありますが、ここのワラビは高齢のおばあちゃんでも大丈夫。テンション上がってポックリ逝くかもしれませんが。

    虫も少なくて快適です。ただ旬は一瞬。タイミングが合わないと、食べごろを逃してしまいます。

    タケノコとワラビ
    採り過ぎだろっ

    そしてこの日は、タケノコ採りの帰りに立ち寄ったので、こんな写真が撮れました。右側の緑の山がワラビです。家族になって間もない「ちゃめ君」はあきれています。

    でもワラビはほんの一角で採っただけです。気が遠くなるほど生えているのでした。
    食べ切れないので近所に配りました。イナカのご近所付き合いは大事です。

     

    ■ワラビ大紀行 その2

    6月12日、置戸(おけと)という地へ行きました。私が生まれた時に住んでいた所です。置戸と言っても広いのです。山が深いですし。
    その深い山へワラビを採りに行きました。勝山というところの先の山奥。

    置戸の山奥
    こんなところですよ

    「もう帰ろうよ」というような場所です。クマも多いし。
    右側が道路のようになっていますが、ここにはかつて鉄道が敷かれていたのです。その両脇にコゴミやワラビが生えています。

    伸びたコゴミ
    コゴミは伸び切っていました。もう食えません。
    鉄橋跡
    小さな鉄橋跡。山菜採りの人が橋に乗って落ちるとマズいので、橋は撤去されたそうです。
    ワラビ
    水が良いのか、ワラビはでかくて元気。このワラビは育ち過ぎ。
    ワラビ
    ワラビゲット。出たての、先がまだクルンとまとまってるヤツが食べごろ。
    ヤチブキ
    さらに奥地にはヤチブキもたくさんありました。画面ほぼ真ん中あたり。

    何か怖くないですか、こんな場所。実際、怖いです。こんなところに高齢者が山菜を求めて採りに来るわけです。すごいですね。魚もたくさんいるので釣り客も多いのです。

    カラスアゲハの群れ
    カラスアゲハかな

    移動中、道路にカラスアゲハが固まっていたので、車を止めて写真を撮りました。人のいるところではあまり見かけなくなりましたね。

    大量のコゴミ
    大量のコゴミ(シダ植物)

    さらに山奥へ行くと、コゴミがこんなにすごい状況に。もう食べられませんが、食べごろを狙って来れば、絶対に食い切れないくらいのコゴミが採れます。天ぷらにしたり、茹でるだけでも美味しいコゴミ、毎年5月中旬、みなさんもいかがですか。ヤマベ(6月いっぱいは禁漁)やニジマスもいますよ。

    誰だ今「イヤだ」って言ったの。


  • v214 北海道のタケノコ

    ■北海道のタケノコ

    北海道のタケノコ
    北海道のタケノコ

    北海道に生まれた私がスクスクと育っていた40年ほど前、これ(上の写真)がタケノコという食べ物で、何の疑問も持っておりませんでした。なぜなら、周辺のすべての人々がこれをタケノコと呼んでいたからです。

    そうして30年ほど前に東京でこれを目にしたのです。

    タケノコ

    「なんだこの気持ち悪いものは」
    これを初めて見た時は、タケノコが放射能によって遺伝子異常を起こし、肥大化したバケモノかと思ったものです。(ジョークにならない昨今)
    どう見ても可愛くないし、でかいし、竹の「子」ではないし、かと言って竹の「親」にも見えないので、当時はそのバケモノのことを「竹の中学生」と呼んでいたものです。

    北海道のタケノコは、俗に「根曲がり竹」(ネマガリダケ)と言うらしいです。
    他にも「姫タケ」「笹タケ」とも言われているらしいです。調べてみると、正式名称は多分「千島笹」(チシマザサ)。

    なんと「竹」ではなく「笹」なのでした。正式にはタケノコではなくササノコですね。知りませんでした。
    しかし北海道全域で「タケノコ」と言えば、間違いなくネマガリダケのことです。そしてみんなこれをタケノコだと思っているので、本物のタケノコを見ると気持ちが悪くなるのです。間違いありません。

    ネマガリダケは、根元からたくさんの「稈」(かん)(ミキというかクキというか)が放射状に出て、弓状に上に曲がっていくのですが、その若いヤツをへし折って採取します。

    タケノコの採れる場所

    こういう笹ヤブの中に・・・

    タケノコの採れる場所

    こんなふうに生えているのを・・・

    タケノコを採る

    こうやってねじったり、根元を折って採ります。

    タケノコを採る

    こうやって入るため、何人かで行くとほぼ完璧にお互いの姿を見失います。非常に歩きにくく、下手をすると笹の葉で顔や指を切ったりします。そしてここはクマが出るので、鈴を付ける人も多いのです。
    多分、都会の生活をしていると、こんな恐ろしい場所には入れないかも知れません。私は東京の生活が長かった分、この数年間は森や林の虫が怖くて入れませんでした。やっと最近、畑やら山菜採りで慣れてきたのです。

    今回行ったところは北見から車で約150km離れた山々の頂上付近。(下の地図の右下が北見、左上が現場)6月19日。
    滝上(たきのうえ)というところで、私はこの近辺の濁川(にごりかわ)という町に、小学生の頃住んでいました。

    地図

    おそらくこの現場、数10km四方の広大な面積にネマガリダケが生えていて、人が入れるのは極々一部です。その極々一部でも、採っても採っても次々に生えてくるので、採り切れないほどあります。
    うーん、これで日本の食料危機は解決ですね。クマや毛虫やクモに襲われますけど。

    タケノコ

    こうして次々にゲットしました。

    タケノコ10kg

    家に帰って量ってみると全部で10kgありました。(歓喜)
    数本、魚焼きグリルで直に焼きまして、皮を剥くと美味そうになります。

    タケノコ

    これにマヨネーズ、一味マヨ、梅塩、味噌を付けて食べてみました。全部美味。

    それからこういう山菜の類いはすぐ悪くなってしまうので、とにかく茹でます。茹でて皮を剥いて、水に付けておくと長持ちしますが、せいぜい1週間かそこらかな。塩水ならもっと長持ち。
    皮が膨大で、半分くらいになりました。
    それでも余るので近所に配りました。イナカのご近所付き合いは大事です。

    ところで、山へ行く途中こんなことがありました。

    キツネ
    あっ、キツネ!!
    キツネ
    車に向かってくる!!
    キツネ
    魚をくわえている!!

    このキツネは2週間前(まだタケノコが生えていなかった時)にもいました。車に向かってくるということは、エサをあげてる人がいるのでしょう。この時は魚を加えていたので、自力で捕まえたのかと思いましたが、よく見ると2匹、不自然なくわえ方をしているので、釣り客が与えた可能性があります。

    とにかく自然の中で、寄ってくるキツネにはちょっと感動しますが、食べ物を与えるのは動物にも良くないし、あげなければ可哀想に感じるしで、複雑な気持ちになります。本当はエサをあげてはいけないと思うのです。夜に車に轢かれることも考えてしまいます。

    それに多分、食べるものはこの自然の中にたくさんあるはずなので。キツネくん、ズボラしちゃいかんよ。


  • v213 通りがかりの風景

    ■通りがかりの風景

    虹の風景
    6月5日の風景 上湧別のあたり

    6月5日、2種類の山菜を採るために360kmもの道のりを移動し、帰ってきました。今年はやはり寒いのか、結果的に目的の山菜はどれも時期が早く、採ることはできませんでした。しかし、その場所が素晴らしかったので、再度、チャレンジする予定です。

    それは次以降の号でやりますが、今回、その道のりで通過した「ついで」に見た風景をお届けします。

    以前(40年ほど昔)に住んでいた滝上町というところで「芝ざくらまつり」をやっていました。単に通過しただけですが、写真を1枚だけ撮りました。山一面が芝桜でピンク色になります。
    近くの「道の駅」でトイレ休憩をとり、そこで売っていた芝ざくらソフトクリーム(300円)を食べたのでした。芝ざくらのエキス入りということで、ピンクな味でした。食べたい方は来年、この時期に行って食べて下さい。きめ細かくて美味いピンクですよ。

    滝上町の芝ざくらまつり

    それから上湧別というところの「チューリップフェア」。

    上湧別のチューリップフェア
    上湧別のチューリップフェア

    話には聞いていたのですが、なんか規模が思っていたより大きく、周辺に何もない分、広大に感じました。実はこの写真は、会場の外から撮ったものです。時間も取れず。

    その周辺にいろいろな店がありました。
    「チューリップまんじゅう」
    「チューリップ大福」
    「チューリップケーキ」
    「チューリップボトル・清酒男山」
    など、愉快な食べ物、愉快な飲み物が多々ありましたが、中でも気になったのがこれ。

    上湧別のチューリップフェア
    チューリップの粉末が入っています

    チューリップを粉末にしている人の姿を想像すると何か苦労してそうで、食べてあげなければと思うのでした。
    でもすいません、食べませんでした。きっと美味しいので、来年のこの時期に是非、食べたい方は食べに行って下さいね。(放り投げかっ)

    それと、湧別の「シブノツナイ竪穴住居跡」。ここはまた追って記事にしたいと思っています。とりあえずそこにあった木。

    木

    そこに咲いていたエゾエンゴサクという花。これは結構どこでも咲いているみたいです。札幌でも良く見かけました。

    エゾエンゴサク

    やっぱ北海道の風景は、じんわりと、美しいなぁと思います。