• v047 人はなぜ踊り、踊らされるのか…

    ■人はなぜ踊り、踊らされるのか…

    YOSAKOIソーラン祭り
    おばさんの群れ。
    あ、いや、昨年の「YOSAKOIソーラン祭り」のユニークな出場チームのひとつ。

    札幌で最大のお祭り「YOSAKOIソーラン祭り」が6月7日から4日間開催されます。昨年の引越して間もない今頃、「ヨサコイ」など何のことやらさっぱりわかりませんでした。

    あの「雪まつり」よりも大規模だという話を聞いた時は正直驚いたものです。私が北海道を離れてから10年近く経った時に、それは細々と開始されたようです。今年で15回目を迎えます。

    とにかくド派手に行われているのですが、札幌に来るまでまったく知りませんでした。(ま、私は踊りが苦手ですから、興味もなく、東京では知る機会に恵まれなかったのでしょう)

    この祭りは、 何と言いますか、50人とか100人のチームが、ソーラン節のフレーズを織り込んだ曲に合わせて踊りまくるわけです。大通公園や広場、路上など市内20か所以上で。そして審査によって優秀なチームが表彰されるのです。

    人間が大集団で踊りまくるってこと自体が活気を感じるので、やはりなかなか見応えがあります。昨年は、道内の老若男女のほか、道外や台湾チームも含め、計334チームが参加し、観客動員は約214万人にも達した(過去最高)とのことでした。とにかく大勢が踊り、見物者がどっさりやってくるわけです。

    盆踊りを彷彿とさせる“やぐら”で、ロックなお兄ちゃんたちがギャンギャンドンドンとソーラン節を演奏し、そのやぐらのまわりを市民が飛び込みで踊る、踊り(祭り)好きにはたまらないコーナーもありました。

    チーム参加者の意気込みには凄いものがあります。テレビでもあちこちで放送されますし、優勝したり賞をもらうと翌年まで、いろんなイベントに引っ張りだことなり、とても充実した年が送れるのだそうです。賞をもらわなくても、次の祭りを楽しみにずっと練習を重ねるわけですから、みなさん踊りが好きなんですね…。というか仲間ができたり、絆が深まったりするのもイイのでありましょう。村おこしにも一役かっているらしいです。

    YOSAKOIソーラン祭り

    YOSAKOIソーラン祭り
    これも昨年撮った写真です。いろんな場所で、大舞台で、昼も夜も踊ります。 おばさんよりは若い人が多いです。 

    ところで なぜヨサコイなのかというと、それは北海道大学のある学生(愛知出身らしい)が、在学中に高知のよさこい祭りを見て感動し、北海道にもこんな祭りができないかというところからスタートしたからだそうです。

    踊りのルールは「鳴子を持って踊る」「ソーラン節のフレーズを入れる」の2つ。高知のヨサコイ祭りに、北海道の「ソーラン節」を曲に織り込むことで独自のカラーとなったわけです。この、曲に織り込むって作業がまたひと苦労すると思われ、つまり、曲のアレンジや作曲ができる人が必要になります。中途半端な気持ちではできそうもないですよね。

    曲も振り付けもオリジナルで競います。振り付けはパレード用とステージ用、静止型パレード用の3種類を用意せねばならず、1演舞4分30秒以内、パレードは100メートル前進する、というなかなか厳格なルールが定められています。大変なエネルギーです。

    札幌に住んでいたら、下手をするとどこぞのチームに誘われる可能性があります。
    「きみーっ、運動神経良さそうだねっ。どう、踊ってみない?」と。

    こんな言葉に踊らされてはいけません。(座布団取れっ)


  • v046 気になる言葉

    ■気になる言葉

    スープカレー
    これはめっちゃうまいスープカレー屋「キャンディ・スパイス」のチキンカレー。
    チキンは、皮はパリパリで中はジューすぃー。
    水は札幌から約2時間かけて羊蹄山まで汲みにいくそうです。
    さすがに値段もやや高めなのでなかなか行けません。昨年11月に撮影。

    札幌に来て1年を過ぎた今でも、どうしても馴染めない、非常に違和感のある言葉づかいがあります。それはあらゆる接客の時に必ずと言っていいほど使われるものです。
    北海道弁、と言うのとは違う、標準語っぽい妙な使い方です。

    例えば 、カレー屋さんでカレーを頼みます。

    「チキンカレーの激辛お願いします」
    「はい。チキンカレーでよろしかったですか」
    「…はい」
    「あとはよろしかったですか」
    「…んじゃ、チャイをください」
    「チャイでよろしかったですか」
    「…はい 」
    「繰り返します。チキンカレーの激辛とチャイ、でよろしかったですか」
    「…はい」

    そして店を出る時も…

    「1050円になります。2000円からでよろしかったですか」
    「あ、ちょっと待って50円あるかな…。あ、ないや、すいません」
    「はい。950円のおつりでよろしかったですか」
    「…はい。ごちそうさまでした。あ、このマッチもらっていいですか」
    「あ、ひとつでよろしかったですか」

    とまあ、どこでも例外なくこんな感じです。文字にすると少し違和感が減りますが、その場にいると『えー、何で過去形なわけ?』みたいな感覚になるのです。
    来た当初は、店員の言葉遣いの教育がなってないんじゃないかと思ったくらいで、日本語の乱れに心を悩ませたものです。(半分くらいウソ)

    北海道にお越しの際は、是非、店での言葉遣いにご注目ください。
    「…でよろしかったですか」
    の現場に遭遇した時、少し混乱しながらも『これかー』と思うはずです。聞けば聞くほど違和感が増してきますよ。

    他にもこんな言葉遣いがあります。
    【ドアが風で閉まらさった】
    【ロープが腕に巻からさる】
    【櫛が通らず髪が引っ張らさる】
    【熱で卵が焼からさる】

    いやー、思わずいろいろと書からさってしまいました。(笑)


  • v045 高速バスと高速道路

    ■高速バスと高速道路

    長距離高速バスの運転席
    長距離高速バスの運転席

    北海道名物のひとつである「直線道路」は、ところによってはまるで滑走路のようです。15年ほど前に帰省した時、普段ほとんど乗らない車を運転することになりました。その道は交通量がほとんどなく、ところどころに長い直線があります。周囲は畑やら荒れ地やらで、広くて圧迫感がないのでスピード感が麻痺してついつい制限速度(60km/h)を越えてしまいます。

    それでも久々の運転ですし、軽自動車なので100km/hを出すと車体が振動し、ちょっと気持ち悪いため80km/hくらいで走っていました。(ギリギリセーフですかね)

    その時のこと、うしろにポツンと見えていた乗用車がみるみるうちに近づいて、あっという間に私の車を抜き去っていきました。一瞬でしたがその車の助手席には“ネギや大根が入った買い物袋”が見え、その奥で運転していた人が普通のオバサンだったのです。それはまたあっという間に点になり視界から消えました。

    「えーっ、おいおいおばさんかよっ、何だよ今のスピードはよーっ」

    日常の買い物の帰りだったんでしょう。自転車のカゴに買い物袋を入れて帰るような感覚で、時速120キロを軽く越えるようなスピードで抜いていったわけです。おばさんターボ。買い物ドリフト。シケインで80キロ。みたいな。

    そう言えば昔(30年くらい前か)、高速道路は北海道には必要がない、という話をしていたような記憶があります。なぜなら一般道が高速道路と変わらないからでした。完全に違法ですが、それを捕まえる警察はせこい、程度に思っていました。

    先週また高速バスを利用しました。(昨日ですけど)
    たまたまうしろに座った2人のサラリーマン(上司と部下)客のおしゃべりが聞こえてきました。

    「何時間かかるんだ」
    「5時間半ですかね」
    「んー、まあ、早いよな」
    「そうですね、高速が出来たのはやっぱ大きいですよ」
    「ビールでも飲んで寝ていくか」(カシュッという音2つ)
    「トイレも付いてますよ」
    「悪くないなぁ、ガッハッハッ」(ガッハッハッ、は脚色)

    そうなんです。高速道路は非常に重宝がられているんです。時速120キロも140キロも出して走るのは飽くまで個人の乗用車であり、バスという公共の交通車両はどうやっても交通ルールは守らねばならないわけです。それを時速60キロ程度でちんたら走っていては長距離バスを利用する気にはなれません。

    JR鉄道が次々と赤字線を切り捨て、客の多い幹線を中心に快適さを売りにしているために運賃が安くならない中、この高速バスはJRよりも格段に安く、スピードもほとんど変わらないか、むしろ早く目的地に到着します。(雪の日はちょっと厳しいですが)

    北海道において高速道路の需要はかなり高いものであることを実感しています。

    ・・・

    余計な話。

    将来高速料金を無料にすると言われていた時期がありましたね。でも道路公団は赤字体質で、なおかつ天下りの退職金などに大金が消えていき、けしからんということで道路公団は「民営化」されてしまいました。しかし道路公団は赤字ではなかったようです。

    毎年1兆円の黒字があり、将来「一斉無料解放」するための積立金が13兆円もたまっていたそうです。

    難しい話なので平易に書きますが、もともと国からの50兆円ばかりの高速道路建設の借入金があり、これを返済するための積立をしていて、30~40年後に相殺する形で「全国の高速道路を一斉無料解放する予定」であったようです。この毎年積み立てていたお金が「赤字」であると解釈されたわけです。

    民営化などしなくても、天下りなどをやめさせ、無駄な使い方をやめさせれば、もっと早く無料化できたと思われます。

    民営化で少しは料金は安くなるかも知れません。サービスも良くなるでしょう。しかし無料化されることは「永久に」なくなりました。毎年の黒字の1兆円は株主に配当される。そこに外資の影がつきまといます。郵政も同じく黒字でした。その株主が気になります。どうでもいいことかも知れませんが、個人的にはムカつく話なので書いておきます。

    気になる方は勝手に調べてください。


  • v044 絶叫マシン

    ■絶叫マシン

    札幌

    様々な問題を次々に起こすドンキと言えば、あれですね。
    ドンキーコングでもない、びっくりドンキーでもない、そう、ドンキホーテですね。六本木のビルの屋上に絶叫マシンを作ろうとして、住民の反対にあって撤去した事件は記憶に新しいです。

    さて、札幌ススキノにあるビルの屋上にでっかい観覧車ができました。絶叫マシンのような騒音はないものの、夜中にカラフルなネオンがチッカチッカしてるのを見ると、やってることはドンキとあまり変わらないと思うのですが、苦情が出たという話も聞かず、テレビでも否定的な意見はなく、むしろみんな喜んでいるようです。

    札幌に高層マンションが乱立していることから、景観や日照権やビル風などが問題となり、札幌市によって建物の高さ制限がなされたのは最近の話です。碁盤の目にきっちり区画整理された都市ですから、特に景観には敏感なのだなと思っていました。そこに現れたチッカチッカの観覧車。

    うちのマンションから見えるんです。昨年から建築されていくアーチ状のものを日々見ておりました。何だろうと思いながら。それがだんだん観覧車だということがわかってきて思ったものです。
    「ドンキじゃないのか。ありゃあ問題になるぞ」と。

    ところが何の障害もなくあっという間に出来てしまいました。(5月3日営業開始)
    そして市や市民に簡単に受け入れられてしまいました。不況の札幌(北海道)において経済効果が見込めると踏んだのか、景観を壊していないと判断したのかは分かりません。

    できてしまったものはしょうがない。

    実は私はかなりの高所恐怖症なため、観覧車には乗りたいとは思わないのですが、高いところが恐くないという人が「話題作りに」と誘うのでシブシブ乗ってみることにしました。と言ってもやはり恐さで景色を楽しめるとは思えません。そこで多少の「恐怖を緩和するお薬」を飲んでから乗ることにしました。

    5月9日の夜、米だけでできた透明の液体で、子供には理解しにくい味のする「お薬」を飲み、気を大きくして現場へ向かいました。

    それは、「NORUBESA」(ノルベサ=乗るべさ)と言う決して面白くないただのダジャレでつけた名前のビルに、「NORIA」(ノリア)と言うダジャレにもなってない名前の観覧車。

    このNORUBESAビルは地上7階、地下1階の娯楽の複合施設になっています。屋上に設置された観覧車は地上78mの高さ(東京タワーの下の展望台が150m)に到達します。昼間は天気がよければ石狩湾が見えるとのこと。(距離にして10kmちょいですが…)

    観覧車にはちょっとした話題作りのための細工がありまして、32台のゴンドラのうちひとつだけ色が違っています。31台は赤、No.007の1台だけが黄色の「幸せを呼ぶゴンドラ」(ラッキーイエローワゴン)と呼ばれています。幸せの黄色い何ちゃらからのシャレと、ラッキーセブンとを掛けているのでしょう。もう妙なダジャレだらけでどうにもなりません。

    一周約10分。1人600円とちょっと高い。
    いい具合に 「お薬」が効いてご機嫌で乗り込みました。ゴンドラの色がどうだったかは記憶がありません。

    観覧車が一周して戻ってきた時、私は真っ白な灰になっていました。乗って間もなく「お薬」がサーッと切れていきました。それから恐怖のあまり床に座ってイスの部分に伏せていたので風景は観てません。

    観覧車
    手前下の人は、床に伏せるようにして手すりを握りしめ、
    ピクリとも動かない高所恐怖症患者。

    声を出すと揺れるので静かにしておりました。それでも回っているので少し揺れます。そのたびにひたすら心の中で絶叫しておりました。そしていっしょに乗った“高いところが恐くない人”が激しく揺らしませんようにと祈るのでした。

    静かな静かな絶叫マシンに住民の苦情はなさそうです。


  • v043 春の楽しみ、ふき

    ■春の楽しみ、ふき

    北見・富里ダム
    北見・富里ダム。バンガローがいくつかあります。キャンプもできます。
    ただし水とトイレくらいしかないです。

    前回つくしの話題でしたが、今回は「ふきのとう」の話です。本当は、順番的には「ふきのとう」の方が「つくし」よりずっと先に生えます。順番が逆になったのは場所が違うからです。

    写真は北見市郊外の上仁頃(かみにころ)の奥、富里ダムの周辺です。
    5月5日でしたが、まだ雪が残り、氷が張っていました。北見は寒いです。今年は特に寒かったようで、札幌ではつくしが生えていましたが、北見では影も形もなく、まだ、ふきのとうが育ちつつある頃でした。しかし成長が早くて、一気に出てきます。

    ふきのとう狩り
    黄緑色の葉っぱがふきのとうです。一面に生えていました

    ふきのとうは独特の苦みがあり、お子様は食べると泣くか死にます。(ウソかも)
    大人にはそれなりのうまみが感じられ、春の楽しみのひとつとなっています。飲み屋さんでよく天ぷらで出てきたりします。

    しかしこのふきのとうの「旬」が非常に短い。
    雪がとけてすぐくらいの時期で、土から頭が少し出たつぼみのものが香りが強くうまいのです。成長して花(?)が咲いてしまうとあまり良くありません。本当にすぐ成長しますので、つぼみのふきのとうは貴重なものです。

    またしても収穫し、食べます。

    ↑開いているのは採りません。   またまた大漁にゲットです。↑

     

    さて、このふきのとうは天ぷらにしたり、つぼみごとも細切れにして油で炒めて砂糖とミソであえたり(フキミソ)すると、いい酒の肴になったりします。

    さてさて、このふきのとうは「ふきの親」であります。ふきのとうは成長しても「ふき」にはならず、ふきのとうの生えている根のところから、あの「ふき」が生えてきます。

    ↑ふきのとうの根元からふきが生えます。 ふきは茎だけを採取し、葉は捨てます。↑

     

    まだふきはほとんどなく、あっても出たばかりで小さいものでした。しかし、この時期の、この小さなふきがまたうまーーいのです。
    葉っぱは捨てていくので、ふきを採ったあとの現場は、さしずめ「ふきのとうの子だけ大量虐殺した現場」のようになります。人間は何てひどいことをしやがる、みたいになります。でも気にせず収穫し、感謝しながらおいしく食べましょう。

    ↑まだ時期が早いのでこれしか採れませんでした。 茹でてから皮をむきます。↑

     

    このさっと茹でて皮をむいた「ふき」を水にさらし、ミソをつけて2時間くらい置くといわゆるミソ漬けになります。シャキシャキしてうまいです。ふきには薬効もあるらしいですよ。科学的な根拠は怪しいものですが。
    みそ汁の具にしてもおいしいです。あまりに茎の赤いものはマズいですよ。

    ↑忍び寄る白い影。 皮をむくとこんな感じになります。↑

     

    ↑ミソにつけて置きます。 適当な大きさに切って食べます。↑

     

    ふきのとうも、ふきも、ミソとの相性が抜群です。この春はぜひお試しください。ってあんた内地じゃもう30度だってよっ。
    次はそろそろ桜の季節ですね。ってもう散ってる頃ね。日本ってほんっっとに縦に長いですね。