■陸別足寄オンネトー津別
2018年9月2日(日)。
さようなら。
2018年9月2日(日)。
さようなら。
「天からのプレゼント?」何言うとんの、もう。特に偉いこと何もしとらんし、茹でたトウキビを半分に割って相手に少ない方を渡すなどという極悪なことをしてて何で神様的な人がプレゼントくれるんですか。ねぇ。
それは、その日、しばらく行ってなかった丸瀬布(まるせっぷ)の高原へ、気まぐれで行った時のことです。8月26日の日曜日。天気は曇りがちな適温。コンビニのセイコーマートで弁当を買って、途中の生田原(いくたはら)の誰もいない寂びれた公園で早めの昼ご飯を食べました。たまたま陽がさしてのどかな気分。
ここのところの悪天候で、公園の地面はびしょびしょでした。
さて、目的地の大平高原(たいへいこうげん)は、我が家から約100km。車でのんびり2時間です。以前鹿の群れに会った道から行きました。
この日は何も出てきませんでした。先週は畑の作物を食い荒らす鹿ちゃんにハラハラしましたが、まあ、そうそう出くわすものではありません。
昼に温泉「山彦の湯」でひとっ風呂(2時間!!)浴びて、いよいよ高原へ向かいます。360度何もないただただ広大な風景(牧場です)が広がっています。(最初の写真がその途中の風景。一部に陽が差して美しい)
そして霧のような雨が降り、晴れたり曇ったりで不思議な色になっていました。
しばらく走ると広い空間に出ました。
「あれ? 虹? 角度的に、随分低いな」
「虹っぽいが、えーと、あれが右端とすると・・・」
低い角度で左方向に伸びてます。
「するってぇと、左の方にあるんじゃないか」
ほーらあったあった、薄いなぁ。
わかりますかね、虹が低くかかっています。
「薄いなぁ、濃くなるのを待とう」
別になんの用事もないし、ボケッと待つことにしました。贅沢な時間です。
「ちょっと濃くなったかも」(たった1分ほど)
でも繋がってないのです。もうちょっと待とう。
しかし10分ほどで薄くなり、このまま消えそうなので、帰ることにしました。虹を背に車を10メートルほど走らせつつ、ただ、こんな機会があるだろうか? いや、あるはずがない、と・・・
未練がましく振り返ると、またなんとなく濃くなって来た感じがして引き返し、もう少し待つことにしました。それから少しずつ濃くなって来たのです。約30分後・・・
おー、来たんじゃないのー!! これー、いいんじゃないのー!!
来たーーーーっ!! 繋がったしーっ!! なんか手前に来てるしーっ!!
「すげーわ」
この時、背中の方で野生の何かがギャーと叫ぶ声がし、思わず振り向きました。遠くからの声で、どこに何がいるのかわかりません。なんだろうと思う間も無く、手前に目に飛び込んできた黒い塊に気づき、思わず「あっ」と叫んでしまいました。
そいつは私が生まれて初めて見る野生のヤツでした。冬にはやたらと足跡はあるのに姿を見せないヤツです。
ヤツらは警戒心が強く、ほんっとに姿を見ることができないのです。そいつが目の前にいるではありませんか。
おー、野ウサギじゃー、初めて見たー、ウヒョーッ!!
虹が満開です。虹も撮らなきゃ消えちゃうよ、いや、ウサギを撮らなきゃ逃げちゃうよ、きゃー、困ったぞこりゃー。
距離にして30メートルほどのところで、車で待っていたカミさんが、「やったー」みたいな叫び声をあげています。虹を見てのことかと思ったら、なんと、ラジオで14時開始のファイターズの試合を中継していて、2回の裏に鶴岡選手が先制の2点タイムリーを放ち(15時10分)、やったーやったー、と叫んでいたのです。
高原での美しい虹、野ウサギ登場、ファイターズ先制タイムリーのトリプル。
なんか倍率的には1000倍、1万倍、2倍くらいで、2000万点ゲットです。1日で2000万点はないわー。(笑)
いや、もっとかなー。1億点かなー。(笑)
それはともかく。
「ウサギー、ウサギがいるー!!」と私が叫びましたが、全く伝わらず、とにかくもうシャッター切りまくり体制に入りました。虹とウサギ。ウサギは逃げませんでした。動くと目立つからなのかもしれません。5メートルくらいまでじわじわ近づき、それ以上は強いストレスをかけてしまうと思って離れました。
何か良い行いでもしたのかな自分。良いプレゼントをもらいました。
この広い空間を独占させてもらいました。
楽しい。(笑)
8月19日(日)、斜里へ向かいました。
斜里岳はいつ来ても見事です。
ついでだから斜里岳に近づいてみようと思いました。カーナビによれば行き止まりになっている細い山道を進みました。途中少し開けてはいましたが、なんか怖い感じでした。道にはキツネのうんこがっ!!
いやー、この先は怖いですよね。引き返しました。
ついでにしばらく閉鎖されていた津別峠に寄り、美しい屈斜路湖を眺めて清々しい気分になり、その足で以前見た「トンビの群れ」を期待して、津別の裏道へ向かいました。
なんか道の真ん中に茶色の塊が見えました。こんな感じ。
車の中から慌てて写真を撮りました。うーん。この状況、どうなっちゃうの。
鹿はトコトコっと道路脇の鹿よけの柵のある畑の中へ入って行きました。柵の途切れているところから簡単に入っていきましたが、ここ以外からは出られないような気がしました。
あららら、畑入ったよ。
おやおやこれは、鹿にしてみればテンション上がりまくりなのか?
食ってるもん。
これ、関係者に見つかったらぶっ殺されるんじゃね?
やばいなー。早く逃げてくれよ。
・
この日はまたやたらとキツネが出てきたのです。
あー、犬っぽいヤツがいるなぁ。
子どものキツネっぽい。
まあまあの距離から、車の中から望遠で撮ってます。ゆっくりゆっくり進みながら。
車はほとんど来ないので、ゆっくりゆっくり音も静かに近づいていけます。
近寄ると逃げて行きます。
そしてまた少し行くと・・・
こいつもまた子狐っぽい。
そしてまたしばらくすると別の3匹目・・・
路肩へ逃げ込み、こちらを見ているところをゲット。
やけに多いな。午後3時半頃です。
あららまた出てきたよ、4匹目。
しばらく走り、トンビがいないので同じ道を引き返しました。
また行きで見たやつかな、キツネを発見、ゆーーっくり接近。1番の至近距離で写真が撮れました。
しかしまぁなんですねぇ。これから氷点下20度の冬がやってくるわけですが、よく生きていけるなぁ。つらいなぁ、オイ。
そして、さっきの現行犯の鹿が、鹿よけの柵を越えられず畑の中でオロオロしていないことを祈りました。その現場が近づいてきます。いませんように。いたらぶっ殺されちゃうかも。大丈夫かな。
いませんように、いませんように。
なんと、なんと・・・
いませんでした。
ほっ。
おしまい。
「至近距離のオオワシの写真が撮れなかった」
「至近距離をトンビが飛び立ったその迫力を写真に撮れなかった」
目には焼き付いている。
それらのリベンジに、5月4日に猛禽類(特にオオワシ)を狙ってサロマ湖へ行きました。
網走周辺にはいるのです、オオワシが。
GW後半。雨が続く予報の中で、一番マシな日に、あまり期待はせずに出かけました。
湖の近くまで行った時、100mくらい先の電柱にいきなりオオワシ風味のヤツが止まっていました。(上の写真)
「おー、でかいぞこれは、オオワシじゃんっ」(あとで写真見たらトンビっぽい)
「ウォッホホーーーィ!!」(オオワシじゃなかったのに大喜び)
それから湖が見えた時に、風景写真を撮っていたらトンビかワシが、風景に飛び込んできました。
「きゃっほーーっ!! 美しい〜っ!!」
それから湖畔の方へ行くと湿地帯があり、網走国定公園の鳥獣保護区の看板があり、何気なく風景を眺めたら、ツルような形の大型の鳥がたくさん立っています。よく見るとアオサギ。あっちこっちにいるのです。
そしてカモやらカモメからカラスやら、鳥の楽園のようなエリアになっていたのでした。そしてすぐにオオワシ発見。
ん、オジロワシ? 細かいことは気にするな。
今回は「オオワシが出てこないかな」と言って出かけてオオワシに接触できて(ということにして)満足でした。
しかし鳥は少し近づくだけで逃げてしまうし、あまりストレスをかけてもいけないので、遠くから望遠でしか捉えることしかできません。三脚はないので手ブレもするし、解像度も足りない。
しかしまあ大型の鳥は見ていて飽きません。飛んだらでかくて「すげーなー」と心を鷲掴みにされます。ワシなだけに。
★プチ情報 ここは佐呂間町のキムアネップ岬というところで、遊歩道があり、しかもキャンプ場(6〜9月)もあります。
てなワケでいろいろな鳥の写真はどれもバチッとは撮れませんでしたが、楽しい時間でした。
(返す返すも、オオワシの至近距離通過は確率が超低い)
・
それから調子に乗って
「鹿の写真が撮りたい」
と、以前鹿の群れに出会った興部(おこっぺ)方面へ向かいました。北へ100km。雄武町のあたりで山道へ入ったのです。放牧地の脇の砂利道でした。黒毛牛がいました。仔牛もいて、広い空間でのびのびと生きています。
先があるのか不安な林道のような砂利道に入り、車で5分くらい走った頃に、平坦な牧場が広がり、いきなり2頭の鹿を発見しました。こちらに気づいて広い牧草地を走っていました。
「こりゃえーわっ!!」 カシャ!!
距離にして100〜150mくらいか。
砂利道を車でソロリソロリとゆっくり威嚇しないように車を進めていくと、10頭くらいの群れが見えました。
「やったー」
実は5〜6回はこの辺りに行ってますが、短時間のピンポイントではなかなか鹿に出会うことはありません。過去に1回だけです。
しかしま、この日は、ちょ、ヤバイくらい、鷲も鹿も、想念で出てきたようなもんです。いやー、願いを言葉にすると、実現しちゃう、これヤバすぎますね。次こそUFOですかね。
テンションは上がりまくり、よーしもうちょっと何かいないかなーと、移動しました。
一旦、幹線道路である国道に出ました。街があり小学校があるため、道路は40km/h制限です。
道路標識は目に入ってます。ただ、少々上り坂で、50km/hくらいのスピードで走りました。そして下り坂になり、山へ入る道を探しながら走らせていました。ノロノロ運転になりそうなので、特に後続車がいないことを確認しつつ、おしゃべりしつつ、脇道を探しました。
40km/hて、マジ止まってるようなスピードですから、小学校近いって言ってもGW休みで子供一人もいませんし、道路脇に人もいませんし、そんなに狭い道でもない北海道の幹線の舗装道路ですから、スピードメーター見てないと60km/hくらい出てしまいますよ。(そもそも40km/hで走ってる車なんて見たことないよ、ぶっちゃけ)
でも脇道を探していたこともあり、スピード出している感覚もないワケですよ。
ただ「あ、あっちか」と目指す脇道を発見して、5,6秒アクセルは踏んだと思いますよ。その10秒くらい。
道を前方に探してる時に、後ろに付かれたんですね、ほんの200mの間に、フラッシャー付きの白黒の車に。全く気づかなかった。
思わず聞いてしまいましたから。「なんかあったんですか?」と。 スピードオーバーした感覚がないので。
そしたら、「上り坂では50km/hくらいだったね、下りで63出てたからさ、それはもうダメさ」・・・・と言う。
て言うか、「付いてきてたんなら50km/h超えた時に止めろよ、捕まえるなら」と思うのです。罰金の額が違いますからね。罰金上がるの待って捕まえたのかな違うかな。優秀ですな。
て言うか、暴走してるワケじゃなし、もっと悪質なヤツを捕まえなさいよー!! その5分くらい前には後ろにピッタリ付いて、ガンガン抜いてった車がいたよ。「なんだよもう、どんだけ急いでるんだよ。たまごのセールに間に合わんのかな」なんて言ってたくらい、こちらは速度を守ってたんすよ。
道に立って「スピート制限守ってねー」とか注意をしてくだせーぇよ。
交通安全を願うなら未然に防ぎなさいよ。こっそり測るなんて、ポリシー悪質ですからーーーっ!! ポリなだけに。
我慢を重ねて節約した努力がぶっ飛び、ゴールド免許も解消、何より捕まってしまったという、「トリ」プルショックで抜け殻のようになって帰路に着きました。
ということで、最後は「トリしまられてしまった」という、トリの日でした。
今年の1月20日(土)。オホーツク海へ車を走らせていました。
山中のかなり高所の長い陸橋の上、前には大型トラック。前方が見えにくい、高所、雪道の怖い道路です。
スピードは出せません。時速40kmほど。ゆっくりと流れる景色。
そこに、前のトラックの陰から、橋の左の欄干に何か大きな塊が見えました。距離にして20mくらい。人間の子供くらいの茶色の塊。下は谷底であり、それが何か生き物であるように思え、頭の中は一瞬真っ白になりました。茶色の巨大な物体が橋の欄干に乗っかっている。バランスを崩せば落ちる。いや、彫像かもしれない。オブジェか。一体なんだろう。
それは異様に大きなワシでした。おそらくオオワシ。
まるでトトロのように丸々としていていました。それにゆっくりと近づき、車の横まで来て、私は横目でチラチラ見ながら「うわーうわー」と叫びまくるのでした。それはスローモーションのように至近距離を通り過ぎて行きました。
前方のでかいトラックが通り過ぎても、そのでかい猛禽類は悠々と橋の欄干で休んでいたのです。
そして数秒後に、「しまったーーっ!! 」と思いました。
「撮れなかったーっ!!」と叫んでいました。
カメラは常にハンドルの前のスペースに、滑り止めシートの上に置いてあり、いつでも瞬時にシャッターが切れるように準備してあるのです。ちょっと危ないようですが、もう何度も何度もシャッターを切って慣れているので、車の走行がヨレヨレになることはありません。
でも瞬時に判断してシャッターに手を伸ばすことはできなかったと思います。衝撃が大き過ぎた。状況を認識した時にはすでに遅かった。この2度とないチャンスを逃した悔しさは、何日経ってもずっと続いていました。
・
3月31日、遠軽から安国に向かう裏道を通っていた時、あれから2か月も経っているのに、
「オオワシの件は悔しかったなぁ、なんか出てこないかな」とつぶやいて運転していました。
「キツネでも鹿でも、リスでもハクビシンでもなんでもいいからさー」
なんて言っていた直後、視界の右、何かでかいものが地面から飛び立ち、車の前を横切りました。トンビでした。
トンビはどこにでもいて珍しくもないですが、車のフロントガラスから2メートルくらいの至近距離を、1メートルくらいのものがバッサバッサと通過するその姿は迫力いっぱいで、「うわー、すげー、うわー、かっこええー」と叫んでしまうのでした。
そして数秒後に、「しまったーーっ!! 」と思いました。
「撮れなかったーっ!!」と叫んでいました。
デジャヴ。
・
4月21日、阿寒国立公園の山の道、「何か飛び出して来たら大変だからゆっくり走る」とか言ってた時に、道の右脇からふさふさの綺麗なキツネが現れ、トコトコトコと車の前を横切りました。近かったので、もちろんブレーキをかけます。その時、後ろに車が接近していて、イヤな感じだったのです。シャッターに手を伸ばしたくても後続車が気になって出来ませんでした。
「撮れなかったーっ!!」と叫んでいました。
撮れなかったデジャヴ。
でもキツネは頻繁に出てくるため価値は暴落しており、ショックはありませんでした。
・
同日。「もうこうなったら鹿とかリスとかエゾモモンガとかクマゲラとか出てこないかなー」と言ってしばらくすると、今度は左脇から鹿が現れました。
「おー、本当に出てくるか。すごいなシカし、鹿だけに」
とか言いつつ、なんか言ったら出てくるなぁ、と思い、「願えば叶う宗教」のような気分になったのでした。そして、期待を込めてこう言いました。
「UFOとか出てこないかなー」
続く。