v028 貝と言えばツブですが…

■貝と言えばツブですが…

つぶ貝

ホタテ、カキ、赤貝、ミル貝、トリ貝、アワビ…。酒のつまみには最高ですね。
北海道に来てから、貝と言えばツブ貝が主流となりました。店ではよく突き出しに出てくるくらいポピュラーで、スーパーでも目立ちます。

で、このツブ貝の刺身が思いのほかうまいのです。コリコリ具合が絶妙で、ひょっとするとアワビ以上にうまい。(個人差あり)
有名なのは稚内近くの(かなり北)オホーツク側にある猿払(さるふつ)というところのツブ貝です。偶然、ある飲み屋でその猿払産のものを口にできました。あまりに美味しかったので、なくならないように、少しずつ少しずつ食べたのでした…。(貧)

ある日、スーパーで生きているツブ貝が1個168円の特売だったので3個衝動買いしてしまいました。(通常は1個700円くらいで売っていたりします)

『買ったはいいが、どうやってさばくのだろう』

刺身と言っても少し湯通しするのではないだろうか。できればその方が生き物を直接殺した感じが半減するのでありがたい。巻き貝なので生きたまま引きずり出すのは酷ってもんだし、動いているものを切り刻むのはできれば避けたい。が、それはあまりにも非現実的でありました。

ネットでさばき方を発見して思わず笑ってしまいました。
1 ハンマーで殻を叩き割る(大笑い)
2 身を引きずり出す(笑い)
3 不要な部分を取り除く(内臓を切り取る)(微笑)
4 唾液腺(アブラ・毒)を手で取り除く(汗)
5 生きたまま食べやすい大きさに切る(笑い)

ぐにゃぐにゃと生きている状態で切り刻むこととなりました。3個も。
以前、生きている毛ガニを買った時も目をつぶりながら熱湯に投入しましたが、今回もまた人は殺生によって生きていることを実感するのでした。何を今さらという感じでもありますが、長年、生き物に手をかけてこなかったので、逆におかしな感覚が支配してしまったのでしょう。

ツブ貝をひとつ左手に取ります。右手にハンマーを持ち、コツコツを叩くと殻は簡単に砕けていきます。殻が割れていくと、貝の身が膨張するようにせり出してきます。

『なんまんだぶなんまんだぶ…』

やがて身がすべて取れるので、内蔵部分や唾液腺を手でちぎったり包丁で切ったりします。 まだ生きて動いているツブ貝をスパスパっと切ってしまいます。そうやってひとつ殺り、ふたつ殺り、三つ目に差し掛かる頃にはもう慣れてきて、すっかり料理人の気分となっているのでした。
味はもう最高。日本酒ですっかりご機嫌な食事となりました。


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