v214 北海道のタケノコ

■北海道のタケノコ

北海道のタケノコ
北海道のタケノコ

北海道に生まれた私がスクスクと育っていた40年ほど前、これ(上の写真)がタケノコという食べ物で、何の疑問も持っておりませんでした。なぜなら、周辺のすべての人々がこれをタケノコと呼んでいたからです。

そうして30年ほど前に東京でこれを目にしたのです。

タケノコ

「なんだこの気持ち悪いものは」
これを初めて見た時は、タケノコが放射能によって遺伝子異常を起こし、肥大化したバケモノかと思ったものです。(ジョークにならない昨今)
どう見ても可愛くないし、でかいし、竹の「子」ではないし、かと言って竹の「親」にも見えないので、当時はそのバケモノのことを「竹の中学生」と呼んでいたものです。

北海道のタケノコは、俗に「根曲がり竹」(ネマガリダケ)と言うらしいです。
他にも「姫タケ」「笹タケ」とも言われているらしいです。調べてみると、正式名称は多分「千島笹」(チシマザサ)。

なんと「竹」ではなく「笹」なのでした。正式にはタケノコではなくササノコですね。知りませんでした。
しかし北海道全域で「タケノコ」と言えば、間違いなくネマガリダケのことです。そしてみんなこれをタケノコだと思っているので、本物のタケノコを見ると気持ちが悪くなるのです。間違いありません。

ネマガリダケは、根元からたくさんの「稈」(かん)(ミキというかクキというか)が放射状に出て、弓状に上に曲がっていくのですが、その若いヤツをへし折って採取します。

タケノコの採れる場所

こういう笹ヤブの中に・・・

タケノコの採れる場所

こんなふうに生えているのを・・・

タケノコを採る

こうやってねじったり、根元を折って採ります。

タケノコを採る

こうやって入るため、何人かで行くとほぼ完璧にお互いの姿を見失います。非常に歩きにくく、下手をすると笹の葉で顔や指を切ったりします。そしてここはクマが出るので、鈴を付ける人も多いのです。
多分、都会の生活をしていると、こんな恐ろしい場所には入れないかも知れません。私は東京の生活が長かった分、この数年間は森や林の虫が怖くて入れませんでした。やっと最近、畑やら山菜採りで慣れてきたのです。

今回行ったところは北見から車で約150km離れた山々の頂上付近。(下の地図の右下が北見、左上が現場)6月19日。
滝上(たきのうえ)というところで、私はこの近辺の濁川(にごりかわ)という町に、小学生の頃住んでいました。

地図

おそらくこの現場、数10km四方の広大な面積にネマガリダケが生えていて、人が入れるのは極々一部です。その極々一部でも、採っても採っても次々に生えてくるので、採り切れないほどあります。
うーん、これで日本の食料危機は解決ですね。クマや毛虫やクモに襲われますけど。

タケノコ

こうして次々にゲットしました。

タケノコ10kg

家に帰って量ってみると全部で10kgありました。(歓喜)
数本、魚焼きグリルで直に焼きまして、皮を剥くと美味そうになります。

タケノコ

これにマヨネーズ、一味マヨ、梅塩、味噌を付けて食べてみました。全部美味。

それからこういう山菜の類いはすぐ悪くなってしまうので、とにかく茹でます。茹でて皮を剥いて、水に付けておくと長持ちしますが、せいぜい1週間かそこらかな。塩水ならもっと長持ち。
皮が膨大で、半分くらいになりました。
それでも余るので近所に配りました。イナカのご近所付き合いは大事です。

ところで、山へ行く途中こんなことがありました。

キツネ
あっ、キツネ!!
キツネ
車に向かってくる!!
キツネ
魚をくわえている!!

このキツネは2週間前(まだタケノコが生えていなかった時)にもいました。車に向かってくるということは、エサをあげてる人がいるのでしょう。この時は魚を加えていたので、自力で捕まえたのかと思いましたが、よく見ると2匹、不自然なくわえ方をしているので、釣り客が与えた可能性があります。

とにかく自然の中で、寄ってくるキツネにはちょっと感動しますが、食べ物を与えるのは動物にも良くないし、あげなければ可哀想に感じるしで、複雑な気持ちになります。本当はエサをあげてはいけないと思うのです。夜に車に轢かれることも考えてしまいます。

それに多分、食べるものはこの自然の中にたくさんあるはずなので。キツネくん、ズボラしちゃいかんよ。


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