v333 アイヌ文化フェス その1

■アイヌ文化フェスティバル

アイヌ

6月16日(日)、網走市のオホーツク・文化センターで「アイヌ文化フェスティバル」をやるよ、のチラシを見ました。

「ご来場の皆様に先着でアイヌ伝統楽器「ムックリ」をプレゼント」と書いてありました。
楽器がタダでもらえちゃうなんてね。行く気がムックリと起きました。

ただ、それほど強い興味もなく、その日は久々に晴れたし、早朝から畑へ向かいました。菊芋を新たに9か所にぶっ込んだ日です。EM培養液を撒きまくって、4時間ばかり作業をして、筋肉が悲鳴をあげて終了。その時間が、文化フェスティバル開始の1時間半前。網走までは45km、車で1時間。せっかくだから行ってみることにしました。

会場へ行くと280台は止められる駐車場がほぼいっぱいで、2か所空いていてかろうじてセーフ。何でこんなに来てるのと素直に思った次第です。さてはムックリ狙いか。(笑)

開演10分前、ステージ会場への入り口でエコバッグを渡されました。中には公演のパンフと「国立アイヌ民族博物館2020年4月オープン」のリーフレットと「ムックリ」が入っていました。

アイヌ
「イランカラプテ」はアイヌ語で「こんにちは」。

「ムックリゲット」

ゲットしてから「ムックリって何?」というくらいよく知らないのでした。
さて、まずは開催の挨拶。公益財団法人アイヌ民族何ちゃらの理事長など、が5〜10分ほど挨拶し、早速「基調講演」と題する篠田謙一博士による「DNAが明らかにする日本列島集団の成立史」の公演が始まりました。

完全に学術的な講演で、実はこれが一番興味深かったのです。

「日本人はどこからきたのか、アイヌ民族は、とやる前に、どうしても人類の成り立ちからやらないといけません」
「ここ20〜30年で飛躍的に発展したDNA解析ですが、多くのサンプルを解析することにより・・・」
「染色体のXとYの、男性(父)を決定づけるY染色体、そして女性(母)を追跡できるミトコンドリアDNAが・・・」
「コピーされる時に起こるエラーが0.02%ほどあり、このUCCACCCGAUCC・・・といった配置を調査し、遺伝情報を比較することにより・・・」

うーん、ぐー、はっ、・・・ぐーぐー。(眠りをこらえているが寝てしまう)

「人類の発生は約20万年前のアフリカと推定され、6万年から7万年前にアフリカを出て3つの原人が・・・」
「もう現代人とほとんど変わらないわけです・・・」

んー、かくっ、ぐー、はっ、ぷるぷる、んー、ぐーぐー。

いやいや、これね、すごく面白いのです。なんで寝るのかって? 考えてもみてください。早起きし、早朝から4時間びっちり畑仕事をやり、筋肉が悲鳴をあげ、コンビニ弁当で腹を満たし、1時間運転し、照明を落とした暗い会場でDNA解析の原理を15分聞いてみたらわかります、誰でも寝ますから。

しかしですね、これ1時間強講演してましたが、よく頑張って聞いたんです。面白かったから。
でも肝心なところを聞き逃すなど、あんまりここで適当なことは書けませんが、「DNA解析と調査によって、縄文人が進化して弥生人になったという過去の定説は完全にくつがえった」と言ってました。日本は単一民族とは言い切れない、実はもっと複雑だと。

断片的記憶では、利尻島の縦穴式住居跡で発掘された人のDNAだったかな、興味深いことに、世界の中に類似のものがなく、特殊な位置に存在、日本に入ってきた以外のこの同種の人種は世界のどこかで滅んだのではないか・・・、とか。

オホーツク海沿岸には、オホーツク人と呼ばれる人種の文化圏というか、遺跡がかなり広いエリアにあり、これがアイヌ文化とは別物で人種的にも謎が多いのです。そして消えてしまった。ちゃんと調べるとこれは深いです。多分。

ここで一旦脇道に逸れます。

「DNA・・・成立史」の公演を聞いてから10日後の6月26日、私が個人的にブックマークしてある「英語の翻訳家」のサイトの読み物を久々に見てみたところ、実にまあ類似の、非常に興味深いお話がありました。6月7日のものでした。

それはアメリカとスイスの学者の発表で、10万種以上の生物種のDNAと、アメリカ政府の遺伝子データバンクにある500万以上のDNAの断片を、徹底的に調査した結果、ダーウィンの進化論を科学的に完全に否定してしまうものだった、という内容でした。DNA解析により、進化論が成り立たなくなったというお話。

今いる生物の9割は少なくとも10〜20万年前には、ほぼ同時に全て新種として発生し、現在までどの生物も進化してきてはいないんだそうです。そういえば人間も発生したとされる時期から変わってないと講演で言っていました。
「生物種には非常に明確な遺伝的境界があり、2つの間に位置する中間種は何もなかった」
進化の過程とされる中間種は存在していないという衝撃。

読み進みながら呟きました。「おいマジかよ」と。キリンの首が長くなったじゃん、あれはどういうことなの?
試しに調べると、その中間種の化石は出ていないそうです。科学的な裏付けはないのでした。

いや断定はできないか、ちゃんと調べないとわからんなー。
でもこんな研究所通信ごときが、マジメに語ってもしょうがないわ。疲れるからこんなところで終わらそう。

一応、元記事はAFP通信社(Associated Press)という、世界的な通信網を持つアメリカの大手通信社の特報記事でした。そして衝撃というか笑撃というか、これ海外では報じられてはいるものの、日本ではほとんど報じられていないんですね。(日本のAFPが、要旨を日本語翻訳されていますが、大変な発見であることがわかりにくかった)
科学雑誌すら取り上げていないようです。根本的なことだから結構大事だと思うんですが、翻訳家も「定説を動かさない力」が強く働いているのかな、てなことを呟いておりました。なんとなくこの国は非科学的な方向へ向かっているなと感じるのでした。

さて脇道から元の道に戻ります。
アイヌ文化フェスティバルは長い公演のあと、20分ほどの休憩となり、ほぼ最前列の席からほぼ真ん中の席へ移動しました。ちょっとした勘が働いたのです。楽器の演奏が始まりました。

トンコリの演奏
DNAの講演の時は写真を撮っていいのかわからず、この時になってあちこちでシャッター音がしたため、安心して撮りました。だから講演の写真はありません。いくつか資料で撮っておきたかった・・・。

トンコリっていう楽器らしいです。
続く。


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