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  • v090 イルミネーション電車/愉快な札幌20:親不孝

    ■イルミネーション電車

    イルミネーション電車

    路面電車はJR札幌駅の南側を、ちょっと縦長に、山手線みたいに大きくぐるりと回っています。が、なぜかちょっとの距離を残してつながっていません。

    「何かあったんすか?」

    といいたくなるような、視力検査の「右上が開いてるマーク」っぽい路線の形です。しかもJRからも微妙に遠くて、位置的に中途半端。8.4kmを約45分かけてガタンゴトンとゆっくり走り、電車の降り口ではその狭さも手伝って、よく支払いの客で人だかりとなっています。動いた、と思ったら信号待ちだったりして舌打ちもしばしば。

    そんな遅くて不便でイライラが募る市電ですが、これは「風情」(ふぜい)と言って、現代社会の効率至上主義の対極にある、一種のあじわい世界なのであります。さまざまなことが些細なことのように感じられる空間、と思えばこれもまた人間社会には必要不可欠な存在と言えましょう。イライラしてはいけませんね。いけませんよイライラは。舌打ちなどもってのほかです。

    そのノスタルジックな市電をデコレーションして走らせようとしている人たちがいることを知ったのは、1月のあるテレビの特集ででした。
    去年の4月に開校したばかりの“札幌市立大学”のデザイン学部の学生が飾り付けをしていました。山と森と動物をモチーフに、250メートル・1万数千個の発光ダイオードを電車のボディにはり巡らし、点滅させるのです。
    目的は市民や観光客を楽しませよう、新しい風物詩にしよう、というもので、札幌市と企業と大学生と市民とが、ボランティア作業協力で実現にこぎつけたんだそうです。冬の期間(1月中旬から2か月ほど)、雪の季節に光の電車を走らせることから“”と名付けていました。

    それは確かに一度見てみたいと思っていましたから、路面電車の通りを歩くときはずっと気にしていました。しかし、それは1両だけなのでそう簡単ではありせんでした。黒い猫が前を横切る確率より低いかも、です。

    ある日図書館へ行くために路面電車を利用することになりました。まだ明るい夕方、ちょうど電車が来ていて、猛然とダッシュして乗り込んだその電車がそれでした。乗ってしばらくしてから気付きました。
    車内にも仕掛けがありましたが、やはり夜にならないと効果はありません。

    ずっと見たいと思っていた電車は、まず内側から息を切らして見ることになりました。でもやっぱりこれは外側から見てナンボです。で、降りた後に見たのですが、明るいとパッとしません。汚いくらいです。(んなこたーない)
    ラッキーなんだかアンラッキーなんだか。

    イルミネーション電車
    こんな感じです。パッとしません。

    その後やっと一度だけ、夜に見ることができました。やはり住んでいると1回くらいは遭遇するもんなんですね。それはやっぱりそれなりに綺麗でした。ちょうどカメラも持っていて、あわてて撮りましたっ。ばっちり撮ったー、と思ったら、シャッタースピードが遅過ぎて、超手ブレで見るも無惨な写真となってしまいました。
    なんだかものすごく速い電車に思えたくらい、一瞬で通り過ぎていきました。

    イルミネーション電車
    夜に走ってる電車は撮れねぇです。

    イルミネーションも良いのですが、ループにするのが先じゃないかなぁ、なんて、つい効率優先の風情のない考えが頭をヨギルのでした。

     

    ■第20回 愉快な札幌大発見:「親不孝」を逆さまにして「親孝行」

    親孝行

    我が家から遠い場所にある居酒屋です。「親不孝」を逆さまにして「おやこうこう」と読ませているわけですが、何と言うか、ものすごくしつこいくらいに看板があり、「もういいよ」って思わせてくれます。まだ入ったことはありません。
    できるものなら「まずい」って文字を逆さまに…。

    第20回の節目の割には愉快でも大発見でもないですね。すいません。


  • v089 手稲山 その2/愉快な札幌19:手稲区

    ■手稲(ていね)山 その2

    手稲山頂上からの夜景
    手稲山頂上からの夜景は格別。

    いろんな事に耳ダンボになっているカミさんが、手稲山でちょっとしたイベントをやっている情報をゲット。そこが意外に近い事から2人で足を運んでみました。

    JR札幌駅からわずか15分、そしてバス30分で、手稲の一番上のスキー場に到着。ここからロープウェーで頂上へ行くのですが、そのイベントとは、手稲山の頂上からスープをすすりながら夜景を観る、というものでした。ロープウェイ往復料金込みで1200円ポッキリ。

    「山頂夜景ツアーのチケットください」
    「はい。あ、あのー、あのですね」
    「はい」
    「今天気が悪くてガスがかかってるんで、夜景見えないと思うんですよ」
    「えっ、あ、でも、いいですよ(せっかく来たんだし)」
    「そうですか、晴れるといいんですがね。でもむずかしいかなぁ」

    そしてチケットを渡されるとこんなセリフがっ

    「ちょっと待ってください。ロープウェイ持ってきますから」

    広い待合室に石油ストーブが焚かれていて、自分たち以外は他に誰もいません。ロープウェイ持ってくるってどういうことなのか分かりますか?
    それは出発時間関係なしに、客が来たら乗っけるみたいなアバウトな運行で、ロープウェイを貸し切り状態で乗れちゃったわけです。しかし天候が悪く、添乗員のお兄さんがいろいろと話しかけてきました。

    「ちょっと揺れますけど、大丈夫ですから」
    「わかりますよ。危険だったら添乗員のお兄さんがいませんよね」
    「そうですね。うーんでも今日は本当に天候が悪いので夜景は難しいですね」
    「貸し切りのロープウェイに乗れただけでも満足ですよ」
    「上に行ったら雪上車も貸し切りですよ、ははは」
    「ほほー、雪上車にも乗れるんですかぁ、嬉しいなぁ」

    ロープウェイから
    ロープウェイから撮影。風も吹き荒れ、楽しい。上に着くと、雪上車が待っていました。夜景のポイントまで乗せてくれるのです。
    雪上車
    かっこええーっ!! ベンツのエンジンだそうです 。(画像は少し明るくしてあります)

    さて、夜景のポイントと言っても、そこはスキーのリフトの降り口でした。夜間スキーは山の中腹あたりから下なので、スキー客はいません。一軒、山小屋的な喫茶店(?)があり、そこでスープの引換券を渡せば中でスープが飲めるようになっていました。

    雪上車は我々2人を降ろし去っていきました。小屋の中は暖かそうで、入ってしまったら外に出るのが億劫になると思い、30分ばかり吹雪の中をうろついていました。吹雪ですよ、吹雪。まわりに見えたのは、にょきにょきと生えているテレビの巨大な電波塔群くらいなものでした。
    もう寒くて暗くてろくに景色も見えず、雪山遭難みたいな感じになっていました。

    「これ、ツアーなのか?」(楽しいけど)

    ところが、強い風のせいでモヤが吹き飛び始め、じわじわと晴れて来たのです。徐々に街の灯りが見えてきて、ついにスーッと晴れてくれたのです。これがなかなかの絶景。下る時に聞いてみたところ、何と、岩見沢の灯りまで見えていたのです。もっといい時にはあの夕張まで見えてしまうそうです。(気になる人は地図で調べてね)

    まあしかし寒い。限界を感じ小屋に入りました。中はほとんどろうそくの灯りだけでとても暗かったのですが、なぜこんなに暗いのかはすぐに理解できました。夜景方向に向いている窓が、宇宙船の司令室みたいにワイドで、外の風景がよく見える作りになっていました。つまり夜景を見やすくするために、部屋が外より明るくならないようにしていたのです。

    中は意外に広く、奥の方にカウンターがあり、ボトルが見えました。一応ここが酒も置いているバーのようなところであるのだなと理解しました。真ん中には石油ストーブがあり暖をとれました。実に静かで、いい雰囲気でした。歩くと板がギシギシ鳴ります。

    あとは暖かいスープを頼むだけです。そのうち注文をとりに来るだろうと、窓辺に座り、夜景を眺めておりました。

    ところが店員は来ません。いつまでたっても来ません。テーブルの上にはメニューが置いてありましたが、ろうそくの小さい灯りだけなので、暗くて文字が見えにくい状態でした。暗い部屋に目が慣れてきた頃に、メニューの端に小さく書かれていた注意書きが見えてきました。

    「なになに、注文はカウンターでお願いします、だって」
    「こっちから頼みにいくのかっ。見えないっちゅうの」

    スープは5種類もあり、私は「エンドウ豆のグリーンスープ」を選びました。もう、味はうまいに決まってるので説明しません。
    そして外はどんどんどんどん街の灯りが鮮やかに見えてくるのでした。

    普段の行いが良いと、こんなご褒美に預かってしまうのですね。(ベタなオチだなぁ)
    (このイベントはもう終了しています)

     

    ■第19回 愉快な札幌大発見:手稲区役所ホームページ

    さすがは札幌市、と思いました。私の求めていたものがそこにはありました。市(区)をあげてダジャレをかましています。
    こちらのトップ。 ←クリックっ


  • v084 記念切手とコレクター魂/愉快な札幌15:可哀想

    ■記念切手とコレクター魂

    雪まつり記念切手
    昨年の雪まつり記念切手

    カレーを食べようと外に出た土曜日。天気が良いこともあって、カレーついでに雪まつりの会場へ足を運びました。観光客でいっぱいでした。台湾や韓国からの観光客が意外に多いため、逆に日本人が日本人に見えず、ほとんどが外国人ではないかと思えてしまうのでした。

    前を歩いていた小さな女の子が、父親と思われる男性に手を引かれ、大きな声で泣きながら歩いていました。
    「うわぁああああん!!!! ◎×★※◎×★※っ!!!!!」
    何を叫んでいるのかが聞き取りにくかったので、外国の人かなと思ったら
    「おがぁちゃあああんっ。ひーんっ!! うう、おがぁちゃぁあああん!!!」
    日本人でした。

    子どもの目から涙がしたたり、日向の雪像からは解けた水がポタポタとしたたっていました。(何大喜利みたいなこと書いてるんだか…)

    会場には例年、郵便局が出店し、「雪まつり記念切手」を売り出しています。昨年、80円切手が5枚で1セットのものがあったので、1セットは「使う」ために、さらに2セットをまさに記念に買いました。(写真)
    ところが今年は1000円前後するセットが3種類という過酷さ。

    『買うなら各2セットは必要だな、3種類か…』
    『うげげ、6000円じゃーーーんっ!!』
    『全部はダメだ。どれかひとつにしよう。んーと…』
    『いやーそれはいかん、中途半端だ。安易な妥協だ』
    『こういうものは全部揃ってこそ真の価値が…よーし…』
    『あ、カネ足りないじゃーんっ!!』

    で、結局、今年は買いませんでした。

    記念切手と言えば、昨年、封書に使う目的で数種類買いました。ところが記念切手ってぇやつは「使う」段になると、躊躇してしまうんです。

    『ああああ、やっぱり使うのはもったいねぇぇぇ』と。

    使えないなら集める、となれば、記念切手はとても集め切れないほど頻繁に発行されていて、地域限定の切手もあり、チェックが面倒な上に生活を圧迫するので趣味としては精神衛生上とても悪いです。ましてやコレクター魂というのはやっかいで、切手なら「シート」が完璧な形となるわけで、2シートずつ欲しくなったりします。小さな傷がついたら、一級品が二級品以下に落ちて価値が下がるから神経まですり減らします。

    ある私の知り合いが時々手紙をくれるのですが、いつもその封書に貼ってある切手は1970年前後の記念切手ばかりで、その思い切った使いっぷりに驚いています。ほとんどが10円か15円切手。大変貴重な切手に見えます。私なら貼る度にクラクラして倒れてしまいそうです。10円切手なら、1回に8枚貼ることになるので、一度の手紙で8回倒れることになるわけです。
    いや、切手に水を付けては倒れ、貼っては倒れるので16回倒れると思われます。(この1文いらんかも)

    物理的精神的に疲弊する切手の収集はできそうもありません。
    雪まつり記念切手から、思ったこと、でした。

     

    ■第15回 愉快な札幌大発見:ちょっと可哀想に見えた

    カー用品キャラ

    カー用品屋さんのキャラクターが、路肩で雪に浸かっていました。心無しか表情がさえない気がしました。これでも今年の雪は少なく、ビリビリと冷え込む日はほとんどありません。ひょっとすると温暖化で喜んでいる顔なのかも…。そういえば綿に包まれて暖かそうに見えなくもないし、顔色は良い。
    ダジャレではないですが、少し気になったので。


  • v082 エンジェル再び/愉快な札幌14:いいとも

    ■エンジェル再び

    ティッシュ
    昨年ゲットした「ネピア賞」ティッシュ1年分

    新雪の上に仰向けで大の字になり、両手両足をバタバタと動かして作る「スノーエンジェル」。北欧からやってきた一種の遊びなんだそうですが、大の大人は酒を飲んだ時くらいしかこんなバカな事はしません。
    しかし、コンテストとなれば話は別、ということで昨年、シラフで雪の上でバタバタして撮影、フォトコンテストに応募して、見事、賞をゲットしたのでした。(賞品写真:ティッシュ1年分)
    おそらく応募者は「子ども」をネタにしたものが大半であろうと思われ、私が賞をとったことで、子どもの笑顔がひとつかき消されてしまったに違いありません。

    去年のエンジェルの出来は全然良くなかったのですが、ビルの屋上で札幌の風景をバックに、日本ハムファイターズ・小笠原選手の口ひげをあしらいバットを持たせ、札幌や地元球団を強調するという姑息な手で 栄光をつかみました。(栄光かよっ)

    子どもの笑顔と引き換えに、あれがどれだけ昨年ウチの生活をラクにしたことか…。

    だから今年も大人げなくトライします。「第二回「北海道Snow Angelキャンペーン・フォトコンテスト」。

    しかし今年は雪が少なく、さっぱりチャンスがありません。なにせ「雪まつり」の雪が足りないために、5トントラック6000台分の雪を郊外から運び入れているくらいですから…。

    しかしそこはさすがに私、生活物資がかかると勘も良く働きます。昨年の12月25日(月)、一度だけ“どか雪”が降ったことがありました。平日でしたが、『しめしめどっさり降りおったな』と思いつつ朝の7時に家を出発。バスで町外れの、夏場はまるごと公園になっている山のふもとへと出かけました。

    実は、今年のスノーエンジェルをどうするかということを、去年の4月頃から考えていまして、ひとつの絵を思い描いていたのです。広大なスペースの真ん中に小さくポツンとスノーエンジェルを作るのですが、歩いて行く時に足跡がつきますね。その跡が、天使がふわふわっと舞い上がって行くようなイメージにしたかったのです。それを撮るためには山の斜面を利用するしかありませんでした。

    広く白い雪のキャンバスに一度しかトライできない中で、それはまずまず悪くない出来でした。爽やかな朝日が、エンジェルの跡に陰影をつけてくれました。しかし、計算違いがありました。かなり離れた位置から撮ると、斜面の角度が浅すぎて(可能なら真上から撮りたいくらい)、何だか分からないものになってしまったのです。木に登って撮るにしてもかなり上まで上がらないと見えません。
    それであれば…、と考えて、ある意味とってもヤケクソな反則技を繰り出してみたのです。

    「んっ、いいぞこれはっ!! 完全に反則だが面白い。これは1等(ビール72缶)は無理だが、ちょうど特別賞に値する賞が狙えそうだ。しめしめ」

    ということで、今年の賞を確認したところ、「ペアグラス」、「絵本」、「サイバー鳴子〈踊りで使う〉」、「グラスセット」と、生活の足しになるものが全然ないのでした。テンション下がるわー。それでも子どもの笑顔をかき消しに行きます。ふははははは。
    (それにしても去年の賞品は豪華だった。1等のビールも240缶だったのに…)

    というわけで、その反則写真をここに掲載します。

    雪山

    大の字で手足をバタバタ、なんてルールは無視です。雪をこいで巨大な人型を作りました。うーん、やっぱりダメかな…。

     

    ■第14回 愉快な札幌大発見:飲み屋さん

    笑っていいかな?

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