• タグ別アーカイブ: 景観
  • v088 手稲山 その1/愉快な札幌18:ダジャレハウス

    ■手稲(ていね)山 その1

    手稲山はもう見えない…。

    ちょうど2年前札幌に引越してきた時、我が家の窓からは「手稲山」(ていねやま)が見えておりました。手稲山の頂上には、おそらく地上波の全テレビ局の電波塔があり、にょきにょき生えているのが肉眼でも確認できました。(上の写真には拡大したものを付けましたが、はっきり見えました)

    それからちょうど1年後に、手稲山の電波塔を隠すように、でかいマンションがにょっきりと生えてしまいました。それがあの耐震偽装をしていたAPAマンションの建物だったのですが、生えてきたタイミングが実にナイスだったのです。

    街の景観・美観を損ねる高層ビルをむやみに建てさせないために、札幌市が建物の高さの制限を検討していた時期で、テレビでもその話題は取り上げられ、明らかに景観を壊す高層ビルへの不快感を示していました。

    制限が決まる前に、滑り込むようにしてAPAマンションが建ったのです。実に分かりやすいナイスなタイミング。焦って建てた印象は拭えません。それからすぐに、他のもっと高いマンションですが、建設計画が却下されるなど、大きな建物が明らかに建てにくくなったのです。住民の声もあるでしょうし、周囲の雰囲気や、景観にも気を配らないといけなくなったんです。

    APAマンションが連日スクスクと伸びて、それが生え切ってしまった時にはこう思いました。

    「えーーっ! 邪魔くさーっ! でかすぎーっ! 山見えんしーっ!」

    窓から見えた広々とした空間が台無しになってしまいました。ウチのビルもでかいっちゃーでかいのですが、4車線の広い道路の脇で、35年前からあるわけですし、建った当時の事情が違うわけで、だからウチはまあ許してもらえると思うんです。

    APAという会社については、たまたま悪しき噂が流れていたので知っていたのですが、まさかすぐ近くに建設していた物件がそれとは知りませんでした。

    その直後に耐震偽装が発覚し、ニュースになりました。それはずっと前から指摘されていた京都の2物件でした。ウチの近くににょっきり生えたマンションについてはまだよくわかりませんが、あれもとっても怪しいと思う。

    APAの女社長がみのもんたと仲が良く、それ以前に大問題になっていた耐震偽装問題とまったく同じ構図なのに、みのもんたにはズバッと非難されるどころかホロッと同情され、逆に被害者だなどと擁護されたり、APAの社長のダンナが安倍晋三の「安晋会」の副会長だからなのか、何か圧力があってなのか、マスコミも非常に消極的で、事が大きくならないように情報操作されている、といった話もあります。詳細を知ればまた怒りが込み上げるような内容なのですが、この研究所通信のカラーに合わないのでやめときます。(結構書いてるじゃん)

    で、その見えなくなった手稲山の向こう側にはスキー場がありまして、ちょっとしたイベントをやっていることを小耳に挟みました。ウチの窓から見えた(今は見えない)手稲山はとても遠くに見え、あそこまで行くにはちょっとした小旅行になるなぁ、なんて思っていたのです。

    でもその手稲山も札幌市手稲区なんです。市内なんです。調べてみれば電車でわずか6駅。JRで15分程度で行ってしまうんです。(札幌駅までが少し遠かったりしますが)
    だからちょっと足を運んでみました。そうしたら、そこにあったのはスリルとサスペンスとメルヘンと感動の世界だったのです。つづく。

     

    ■第18回 愉快な札幌大発見:ダジャレハウス

    我が家から歩いて1時間くらいかかるであろう遠い場所にあった数々のダジャレの店名や変な名前の店(前回・前々回参照)は、実はひとつの建物にあったのでした。
    「ばー・さん」(婆さん)
    「愛真祥」(会いましょう)
    「おかえり菜々」(おかえりなさい)
    「あ・そ・こ」
    と、これを発見した時は、4週は持つなぁ、なんて思いましたけど、3週で終わりですね。(しかも今回は手抜き?)


  • v044 絶叫マシン

    ■絶叫マシン

    札幌

    様々な問題を次々に起こすドンキと言えば、あれですね。
    ドンキーコングでもない、びっくりドンキーでもない、そう、ドンキホーテですね。六本木のビルの屋上に絶叫マシンを作ろうとして、住民の反対にあって撤去した事件は記憶に新しいです。

    さて、札幌ススキノにあるビルの屋上にでっかい観覧車ができました。絶叫マシンのような騒音はないものの、夜中にカラフルなネオンがチッカチッカしてるのを見ると、やってることはドンキとあまり変わらないと思うのですが、苦情が出たという話も聞かず、テレビでも否定的な意見はなく、むしろみんな喜んでいるようです。

    札幌に高層マンションが乱立していることから、景観や日照権やビル風などが問題となり、札幌市によって建物の高さ制限がなされたのは最近の話です。碁盤の目にきっちり区画整理された都市ですから、特に景観には敏感なのだなと思っていました。そこに現れたチッカチッカの観覧車。

    うちのマンションから見えるんです。昨年から建築されていくアーチ状のものを日々見ておりました。何だろうと思いながら。それがだんだん観覧車だということがわかってきて思ったものです。
    「ドンキじゃないのか。ありゃあ問題になるぞ」と。

    ところが何の障害もなくあっという間に出来てしまいました。(5月3日営業開始)
    そして市や市民に簡単に受け入れられてしまいました。不況の札幌(北海道)において経済効果が見込めると踏んだのか、景観を壊していないと判断したのかは分かりません。

    できてしまったものはしょうがない。

    実は私はかなりの高所恐怖症なため、観覧車には乗りたいとは思わないのですが、高いところが恐くないという人が「話題作りに」と誘うのでシブシブ乗ってみることにしました。と言ってもやはり恐さで景色を楽しめるとは思えません。そこで多少の「恐怖を緩和するお薬」を飲んでから乗ることにしました。

    5月9日の夜、米だけでできた透明の液体で、子供には理解しにくい味のする「お薬」を飲み、気を大きくして現場へ向かいました。

    それは、「NORUBESA」(ノルベサ=乗るべさ)と言う決して面白くないただのダジャレでつけた名前のビルに、「NORIA」(ノリア)と言うダジャレにもなってない名前の観覧車。

    このNORUBESAビルは地上7階、地下1階の娯楽の複合施設になっています。屋上に設置された観覧車は地上78mの高さ(東京タワーの下の展望台が150m)に到達します。昼間は天気がよければ石狩湾が見えるとのこと。(距離にして10kmちょいですが…)

    観覧車にはちょっとした話題作りのための細工がありまして、32台のゴンドラのうちひとつだけ色が違っています。31台は赤、No.007の1台だけが黄色の「幸せを呼ぶゴンドラ」(ラッキーイエローワゴン)と呼ばれています。幸せの黄色い何ちゃらからのシャレと、ラッキーセブンとを掛けているのでしょう。もう妙なダジャレだらけでどうにもなりません。

    一周約10分。1人600円とちょっと高い。
    いい具合に 「お薬」が効いてご機嫌で乗り込みました。ゴンドラの色がどうだったかは記憶がありません。

    観覧車が一周して戻ってきた時、私は真っ白な灰になっていました。乗って間もなく「お薬」がサーッと切れていきました。それから恐怖のあまり床に座ってイスの部分に伏せていたので風景は観てません。

    観覧車
    手前下の人は、床に伏せるようにして手すりを握りしめ、
    ピクリとも動かない高所恐怖症患者。

    声を出すと揺れるので静かにしておりました。それでも回っているので少し揺れます。そのたびにひたすら心の中で絶叫しておりました。そしていっしょに乗った“高いところが恐くない人”が激しく揺らしませんようにと祈るのでした。

    静かな静かな絶叫マシンに住民の苦情はなさそうです。