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  • v294 年越し蕎麦の前に蕎麦ウンチク

    ■年越し蕎麦の前に蕎麦ウンチク

    そばがき
    2016年11月23日

    289号で、蕎麦にハマってきた割には蕎麦の“かおり”だとか“うまみ”だとかが全く分からないことを書きましたが、読者から「それはある意味正常である」とのメールが来たのです。
    蕎麦の香りはむしろざる蕎麦のような冷たい系より、普通にかけ蕎麦の方が香りが感じやすく、さらにかおりを楽しむのであれば「そばがき」であると。

    そばがきってなんじゃ。

    で、調べてみるとそば粉で作った団子のような食べ物。じゃあ食べてみようと、11月23日、いつも美味しい津別の道の駅「あいおい」の蕎麦屋さんへと行ったのです。
    ありました。

    「期間限定 そばがき 五百円」

    期間限定、というのは何と、ジャスト新蕎麦の時期だったのです。とことんそばのかおりに包まれるなら、この時期なのだと。しかも安い。

    「そばがきふたつ」(2人で行った)
    「へい」とは言いませんでした、おばちゃんだったので。(笑)
    ただ、ちょっと嬉しそうに見えました。そしてこんなことを言いました。

    「ここの職人さん、若いのに、そばがき作るの上手いんですよ」
    「へー」
    「この時期はホントに食べごろですよ」
    「ほー」
    「私のおじいちゃんが大好物だったんですよ。
    「へー」
    お勧め感満載でした。

    で、出てきました。

    そばがき
    ジャーン!! 左上がそばがき。温かいお湯に浸かっています。
    右上に薬味。左からワサビ、ショウガ、ウメ
    手前の器にそばつゆを入れてそばがきを崩しつつ、それにつけて食べます。

    とりあえず何も付けずにひと口。パクッ、あ、蕎麦のかおりってこれか。パクッ、おー、蕎麦だねぇ、パクッ、蕎麦だねぇ。パクッ、美味いかな、まあもちろんマズくはないけど、まあ美味いけど、困ったな。蕎麦食べてる感じじゃないな。
    で、「おーワサビいいねー、おー、ウメもいいねー」などと半分くらい食べたところで「腹にたまる感じ」がしまして、いや美味いんですよ、でも腹がパンパンになってきた。
    パクッ、モグモグ、あー、蕎麦の味がするよ。
    パクッ、モグモグ、蕎麦だわ。これは蕎麦だわ。いやー、かおりってこれかー。

    そばがき
    質感分かりますね

    最後のひと口まで蕎麦の味が続きました。すごいっ。
    で、連れはこれを大層気に入り、「また食べたい」とずっと言っています。
    私は、「でも蕎麦は麺状のものがいいな」と思うのでした。

    しかし、読者のメールによれば、そもそも蕎麦というのはこのそばがきのことを言い、麺状になったのは江戸時代あたりからで、のどごしを楽しむために細く切ったのだと、ウンチクを垂れていたのでした。

    ついでに蕎麦を調べたら、高知県で9000年以上前の遺跡から蕎麦の栽培がされていた可能性があるという情報がありました。蕎麦史的には8000年以上の間「蕎麦と言えばそばがき」であって、麺状になったのはこの200~300年程のことなのですね。

    年越し蕎麦を食べる前に、9000年の蕎麦史をちょっぴり思い起こせば、きっと、蕎麦のかおりも倍増するのではないでしょうか。

    いいえ絶対にそんなことはありません。
    さよーなら。

    あ、この後、津別から帰宅する道を気まぐれで変えてみたところ、また面白い風景に出会ってしまったのです。それは次号で。


  • v289 蕎麦と温泉と高齢化

    ■蕎麦と温泉と高齢化

    蕎麦
    去年の10/4撮影 弟子屈町の川湯温泉周辺で適当に入った蕎麦屋さんの蕎麦。 この日はメロンとポテサラが付いていた(日替わり)。店のヨコはなんと蕎麦畑。
    「摩周そば道楽」ここも美味かったなぁ~

    50を過ぎて随分年月が経ちました。
    最近、昔はあまり好きでもなかった「温泉」と「蕎麦」に目覚めたような気がするのです。根拠はないけれど、高齢化すると「温泉好き」や「蕎麦好き」が増えるような気がしませんか。客観的に自分、もう高齢者なのかも知れぬ。(口調も高齢化)

    温泉は露天が必須です。
    温(ぬる)めのお湯に浸かって、外気に触れて、ゆるゆるダラダラしてるのがいい。厳冬の頭寒足熱もなかなかのものです。
    北海道の温泉は有名なところでも客でギュウギュウなところはほとんどないです。2時間も入っていれば必ず長い貸し切り状態を楽しめます。広い露天の浴槽で、プカプカと浮かび、ぐうたらできます。やっぱりお年寄りになっちゃったんですかねぇ。しみじみ。

    さてさて。
    問題は蕎麦なのです。本題は蕎麦に関する悩みです。

    なぜか蕎麦を食べたいと思う事が増えました。
    蕎麦は美味いと思います。何て言うか、あのボソボソした麺。(笑)
    麺の太さの違いからくる食感。一流の職人は、太さをわざと変えるとか言いますよね。知らんけど。
    ということは超正確にカットできる麺職人の麺は美味しさ半減なわけですよ。でもどんなに正確に切っても同じものは2つとないのがこの世の定理であるからして、機械で切っても美味いわけですが、人が切ればもっと美味い…どうでもいい話になった。

    本題へ行く前に、ここ数年で美味しかったなぁと思ったトップ3を発表します。全部が1位です。ひとつは「置戸町勝山の細い蕎麦屋“ほたる”」。やっぱり珍しいような気がする。あの細さ。そして「“三国峠カフェ”のぶっとい蕎麦」。それから「津別町の道の駅の蕎麦屋“相生物産館”」さん。
    麺の太さが極細、極太、普通、ということで自分のトップ3です。これからまた発見すると思うので暫定です。

     

    蕎麦
    置戸町勝山の細い蕎麦
    自然と畑以外何もない小さな町の気さくな蕎麦屋
    蕎麦
    三国峠の太い蕎麦
    水道も無い大雪山系の峠の奇跡の休憩所で、カレーもうまい
    蕎麦
    スタンダードな津別の蕎麦(11月3日撮影)
    道の駅なのにこの本格的な蕎麦屋はなんだっ、とみな口を揃えるのです

    さて本題に入ります。
    実は、蕎麦のうまみというものが、よく分からんとです。(えーっ!!)

    えーっ、何言ってんの、ってなもんですが、よく「すすると蕎麦の香りふわっとする」と言いますよね。その「蕎麦の香り」とやらがよく分からんのです。蕎麦本来のうまみを味わうために、まずは、つゆに付けずにそのままひと口すする、などということを聞きます。

    最近、仁頃の幻の蕎麦屋(文末に写真あり)で、試しにそれやってみました。
    「ずるずる。んー。こりゃいい歯ごたえ。美味いっ」
    しかし、つゆも付けずに自分は何をもって美味いと言っているのか…。
    『蕎麦の香り? 香りって何だっ。分からんぞ』
    『これ、本当にふわっと香っているのか?』
    『本格的でありながら、やっぱり香りなど感じないっ』
    つゆに付けずに食べ続ければ、けっして美味いものではない。そうでしょう。麺だけ食べ続けるなんてちょっと考えられない。

    腰があるとか、のどごしがいいとか、それは分かるのですが、でも香りってなんだろう。ふわっと香る? いえいえ、決してそんなことはありませんよ。ね。(不安)
    蕎麦の麺の特徴といえば「ボソボソしている」ところ。「ボソボソ」と言ってしまうと美味そうに感じないし、ツルツルかな、いやツルツルじゃねーわっ。
    ボソボソはのどごしに通じるのかな。

    どの店も、穫れたての蕎麦の実を石臼やらで挽いて、10割とか手打ちとか、こだわり抜いて作っています。
    本格的な蕎麦のうまみとは何だ。色かっ、色がうまみかっ、違うかっ!!
    香りなのか、本当に香りがうまみなのかっ、その香りとやらは分かんぞっ。
    乾麺の蕎麦を自宅で作ったものと、本格的な店の蕎麦では確かに味わいは全然違うような気がする。気がするだけなのかっ。
    職人の風貌かっ。あの雰囲気に飲まれているのかっ。

    なぜ高齢化すると、蕎麦を食べたくなるのかっ。

    ひょっとして、胃にもたれないからか。カロリーが低いからか。
    お年寄りは代謝が低まっているから低カロリーが美味く感じるのかっ。
    店構え、職人の風貌、色、器、視覚効果が生み出す旨味なのかっ。
    感じない香りとは何なのかっ。
    悩みは尽きないのでありました。

    ある説では、日本人だから、ではないかと。
    なぜなら外国人が高齢化したからといって蕎麦を食べたいとは思わないのではないか。温泉にしても、シャワーの文化であるし、蕎麦好きも温泉好きも日本人のDNAに組み込まれている先天的なものではないだろうか、という説。
    まことしやかではある。

    そばの香りもよく分かっていないのに、美味い蕎麦屋さんのランク付けさえしてしまう私なのでした。おしまい。

    仁頃の蕎麦屋「美里」
    仁頃の蕎麦屋「美里」 こちらは仁頃の蕎麦屋さん「美里」。ここも1位だわ。(笑) 3月中旬から10月は日曜日のみ、11月から3月上旬が土日のみ、 しかも11時から14時のピンポイント。平日は全部休み!! 5月と9月が農繁期のため休み。
    仁頃の蕎麦
    というほとんど開いてない幻の蕎麦屋さんの蕎麦。(盛りそば600円)
    そば打ち講習会もやっているらしい。
    11月5日撮影。

  • v287 置戸町勝山の蕎麦屋さん

    ■置戸町勝山の蕎麦屋さん

    置戸町勝山の手打ち蕎麦屋ほたる
    10/30 手打ち蕎麦屋「ほたる」

    読者から指令が来ました。置戸町勝山(おけとちょうかつやま)に人気の蕎麦屋さんが出来たらしいので、食べてきなさい、と。
    「食べるリポートも悪くはないので行ってみよう」
    北見駅から西へ40km。置戸と言えば自分の出生地であります。
    勝山は置戸の町からさらに7~8kmあり、人口220人だとか。
    自然しか無い贅沢なところだけど、いい店ができたのなら頑張ってもらいたいなぁ、ということで出かけました。

    置戸勝山間
    置戸から勝山まで、こんな風景の中を進むのだっ

    特に何もないので、いよいよ勝山の町に入ります。

    置戸町勝山
    少し家がある
    置戸町勝山
    ちょっと町っぽい

    特に店らしい店もなく、人の気配もなし。
    蕎麦屋らしからぬコンクリート壁の建物がその蕎麦屋さんでした。最初の写真がその外観です。では入ってみましょう。ガラガラ・・・。
    ガラガラではありませんでした。カウンターにお客さんが3人ほどいました。それより広さにちょっと驚きました。

    置戸町勝山の手打ち蕎麦屋ほたる
    ひっ、ひろいっ!! 右にカウンターがある

    こんなに広ければ100人入っても大丈夫っ!!(この町の人口の半分かよっ)
    ていうか詰めれば全員入れるかも。
    店主のオヤジさんがこだわりの職人風でありながら、人の良さがにじみ出ている。(おべんちゃらではない)。とても気さくな感じ。接しやすい。

    真中の座敷に座り、メニューを見て少し悩んでいたら、店主が
    「悩むほどないっしょ」と言いかけて、あ、どぞどぞ、とちょっと引く。

    確かに盛り、かけ、かしわ、カレーくらい。
    で、盛りそばを注文。
    「海苔は邪魔だから乗せてませんのでっ」
    「あ、はい」
    海苔はモサモサして食べにくいだろうということで乗せないそうです。
    そしてそれは「板」に乗って出てきました。

    盛りそば(板そば)
    じゃーん。おーっ

    これがですねっ、すごい細麺なんですよ。自分が好みの細麺。ラーメンも細麺が好きなのです。繊細な感じがいいです。アップ。

    盛りそば(板そば)

    「あ、写真撮っていいですか」と聞きました。
    「どうぞどうぞ。なんぼでもっ」
    ま、しかしシャッター音は結構気になりますから、数枚でやめときました。(笑)
    メニューすら撮ってないのでした。リポーター失格。ていうかそもそも知らない人と話すのは苦手で積極的に聞かないので、最初からリポーターとしては失格です。

    で、店主が他のお客さんと話をしていて、丸聞こえだったので、それを書きます。(笑)
    ある時、わざわざ函館から10時間かけてきてくれたお客さんがいたんだそうです。それで店主が言いました。
    「なんだか悪くてさぁ」
    「なんでさ」と客。
    「だって、10時間かけて食べにくるほどのものかい?」
    「うまいよ」
    「あ、いやいや、自分では美味いと思っているんだよ。でもさ、10時間だよ」
    「自分では美味いと思っているんだよ。でも10時間だよ」
    2回言いました。(笑)

    美味いと思いますよ。10割蕎麦。手打ち。細麺。文句無いです。
    三国峠のぶっとい蕎麦も美味かったけど、この細い麺も美味い。
    10時間かけて来てもらっていいと思います。

    それから東京からも客が来たことがあるらしく、あらかじめ蕎麦は食べるところを決めて旅をする人で、最初からここに来るつもりで来てくれたんだとか。
    「3杯食ってくれた。はははは」

    さりげに自慢になってますが(笑)、なかなかやるじゃありませんか。こんなに何もないところに、蕎麦目的で来てくれるなんて。
    「温泉(ゆうゆ)がさ、やっと来春から再開するんだよ」と店主。
    「そうらしいな」と客。
    「風呂代はは100円でも200円でも良いからさ、そしたら」
    「いっぱい来てくれたらさ、いろいろさ」
    「蕎麦食べてもらうとか」と客。
    なんか活気づけることを考えた方がいいな、という話。
    「(温泉は)誰が管理するか知らんけど、大丈夫かなぁ」と店主が案じていました。
    頑張ってほしいなと。

    そうだよなと思いました。以上、私から聞いてはいませんが、リポートとします。(笑)
    盛りそばは750円でした。定休:月曜・火曜。11時30分~14時30分とピンポイントの営業時間です。

    置戸町勝山
    外に出てカシャっ

    小さい町です。
    すぐに畑と山。そこにまたあのチンダル現象が出没。光芒とも言う。

    置戸町勝山
    店からちょっと歩くと畑。そして、わかりますかね。放射状の太陽光

    しばらく待っていたら、さらに素晴らしいチンダル現象がっ。

    置戸町勝山
    おーっ、美しい

    他にはなにもない。・・・こともない。
    実は、すぐ近くに「鹿の子沢」(かのこざわ)いうのがありまして・・・

    置戸町勝山
    鹿の子沢入り口にある案内板(クリックで拡大)

    虹の滝、三本桂(全国巨木100選のひとつ)、忍び岩、こうもり岩、飛竜の滝、雲突岩、糸ひき滝、屏風岩、不動岩、展望台と、みどころいっぱいですよ。
    来年春に再オープンする温泉「ゆうゆ」に入って、「ほたる」で蕎麦を食べて、鹿の子沢で雲突岩などを見る勝山の旅を、誰か自費でどうぞ。
    おしまい。


  • v272 紅葉/スタンプ新作

    ■紅葉

    牛の人形、アズマイファーム
    うっしっし

    「そうだ、写真を撮りに行こう」
    ということで10月10日の土曜日、然別湖(しかりべつこ)と大雪山系の銀泉台(ぎんせんだい)を目指しました。

    然別湖の紅葉とは。
    「大雪山国立公園の南端、北海道一標高の高い湖。ダケカンバの黄色をはじめ、赤やオレンジ色に色づく紅葉は、針葉樹の緑と混ざり合って大変美しい」
    とのこと。

    そして銀泉台は大雪山系の紅葉の名所。らしい。
    紅葉とともに新蕎麦の季節でもあり、昼にあの蕎麦を食べに三国峠にも寄ろうと。

    ぶっかけそば
    この蕎麦(7/11)

    この蕎麦、新蕎麦の季節ならさらに美味いに違いなく。

    青い丸が出発点(北見)、赤い丸が然別湖
    行きは緑のルートで、約160km
    帰りは紫のコースで、三国峠(小さい黒い丸のところ)で昼に新蕎麦を食べ
    銀泉台(大きい黒丸のところ)で大雪の絶景と紅葉を楽しむ予定

    行って帰ってくるだけで350kmくらいあるので、朝5時半に出発。行程の9割は山の中。
    車を走らせていると、やけに木がボキボキ折れているのが見えました。根こそぎ倒れている木もチラホラ。1週間ほど前の爆弾低気圧、2日前の低気圧の強風の影響のようです。

    倒木
    これは小さい木ですが、こんな感じででかい木もたくさん倒れていました

    人によっては特に何もない、私にとっては美しい自然だらけの道を120km程走った頃、水力発電所からの高圧線と紅葉のコラボな風景を撮影。

    紅葉と電線
    電線だらけで面白い

    然別湖の北にある糠平(ぬかびら)でひと休み。然別湖までは20km強、道がくねっているので峠なのかもしれませんが、もうちょっとです。
    8時、糠平を出発。するとすぐに…
    「ええええ、またこいつかいっ!!」

    道路閉鎖

    どこへ行っても出くわす「道路閉鎖」。今回は雨ですか。。。口も閉鎖。
    こりゃどうしようかと迷い、せっかくだから回り込んででも行くことに。
    えーと、約70kmもある。(汗)

    紅葉
    閉鎖のゲート近くの紅葉。あまり赤くない

    とにかく広い北海道。

    風景
    道路閉鎖のおかげで見れた風景

    とにかく広い北海道。

    風景
    道路閉鎖のおかげで見れた風景、上士幌町かな。鹿追町かな。

    とにかく広い北海道。

    風景
    道路閉鎖のおかげで見れた風景。
    町が一望できる。多分、上士幌(かみしほろ)町

    そして然別湖に到着。9時20分。真っ先に足湯を発見し、浸かりながら湖面を眺める。

    風景
    光の反射がきれいだったので、紅葉には目が行かず、湖面ばかり見ていました

    湖には手漕ぎボートに乗る人が。

     

    然別湖、手漕ぎボート
    有料の手漕ぎボート。かなり広い範囲で遊べそう。

    この時、「大変美しい」と言われる紅葉に目が向いていませんでした。キラキラする湖面に気をとられ、この後の行程が長いので時間に気をとられ、ヒルメシの新蕎麦が気になり…。
    足湯に浸かって湖を見たら満足してしまいました。だから紅葉を狙った写真は無し。

    ここから100km強の三国峠へあの新蕎麦を食うために向かいます。9時45分。ちょっと早いようで全然早くない。本当にあっという間に時間が経ってしまいますから。

    案の定、車を走らせていたらガソリンがピンチ。ここまでの道でスタンドがあったかどうかの記憶がなく、遠回りでもやむを得ないと、近くの南の町へ向かいました。鹿追(しかおい)という町。

    さっそくスタンドを発見。

    ガソリンスタンド
    ストリートビューからキャプチャした現地の画像。当日は晴れ。
    左にガソリンスタンドを発見。右にヤマザキYショップ(コンビニ系)が。

    スタンドは営業中。ところが人がいない。呼び出しブザーがあり、押した。

    誰も来ない。
    何も起きない。
    鳥が鳴いています。
    輝く太陽の光。
    心地よい微風。
    のどか。

    ふー。

    もう一度ブザーを押すかどうか迷い、
    「だれもいないが、そのうち来るだろう」と、待ちました。

    1~2分で、向かいのコンビニから、そのコンビニの制服を着た店員が走ってきました。
    「申し訳ありません」
    「ええっ・・・」(えー、そっちから現れるの?)
    すると直後に
    「ああーごめんなさいね、えへへ」と言ってスタンドの中からオヤジが登場。
    「いやーどうもすいませんね」と給油しながらしきりに謝るオヤジ。
    『ひょっとして居眠りしてた?』(私の心の声)
    「あのー、今ね、この先の4つ目の信号の先の左側で「そば祭り」をやっているんですよ。人がいっぱい来てて、駐車場がいっぱいかもしれませんけどね。良かったら食べていってはどうですか」

    居眠りのお詫びに情報をくれたのかな、と思いつつも、「そば祭り」とはまた、これから蕎麦を食べようと思っていた時に、素晴らしいタイミングでそのイベント情報をゲットできて、これは「祭り」へ行けという神の啓示なのだな、ということで、

    はい、三国峠の蕎麦、消えたっ。(笑)

    4つめの信号を目指しました。
    車を走らせながら思うのでした。
    「信号の数より、距離を言ってほしかったな」
    走っても信号がない。4つ目の信号って100キロ先だったりして。(汗)

    と思っていたら、1~2kmで町の風味になって来て、先の方に信号機が見えました。4つはありそうでホッとしました。10時半、そば祭りに到着。

    鹿追そばまつり
    道路閉鎖のおかげで「鹿追そばまつり」に飛び込み。確かにすごい人の数。

    そして蕎麦を食う。

    賭場、オショロコマ天
    蕎麦と具は別々に買うシステム。蕎麦は500円。
    冷たい蕎麦にゴボウの天ぷら(120円)を乗せ、魚は「オショロコマ」。
    オショロコマ天は1匹400円と高く、ひとつを2人で分けた。
    オショロコマはちょっともちもちしてて美味かった。

    オショロコマって何? 高いけれど珍しいので思い切って食べてみたのでした。蕎麦はもちろん新蕎麦の十割、手打ち。もちろんまいう。

    腹が満ちたところで、大雪山系へ向かいます。11時15分。

    実は今回、一番期待しているのは「銀泉台」の紅葉なのです。
    それは下の地図で言うと大きい黒丸のところ、脇道の奥にあります。

    地図
    ピンクの丸が「そば祭り」の鹿追町
    小さい黒丸のあたりが三国峠、大きい黒丸が銀泉台

    ピンクの丸から大きい黒い丸(銀泉台)まで、約130キロ。
    写真を撮りながら、ゆっくり急ぎます。

    風景
    道路閉鎖のおかげで見れた風景

    とにかく広い北海道。こんな不思議なものもありました。

    風景
    道路閉鎖のおかげで見れた風景(橋梁)

    こんなものも。

    第三音更川橋梁
    道路閉鎖のおかげで見れた風景(第三音更川橋梁)

    白樺だらけの道。

    風景
    なんてことないのですが

    三国峠を越えて、銀泉台までもう少し。

    風景
    なんだかすごい

    そしてついに午後2時、
    「銀泉台のーーーーーー」
    「入り口までーーーーーーー」
    「きたーーーーーーーーーーーっ!!」
    からの

    道路閉鎖
    あっ

    道路閉鎖で閉口。

    通行止
    冬期?

    またまた道路閉鎖。もう冬っすか。2日前(10月8日)から通行止め。
    しょぼーーん。

    ただ、もう紅葉は終わったのかも知れません。標高高いし。
    このあと、15km先の「高原温泉」の温泉に浸かり(この日が今期最後の営業でした)、写真を撮りながらの帰路。

    風景
    もうね、これね、たまらんです

    石北峠。

    風景
    写真で伝わるかな、ぞわぞわする風景。

    とにかく広い北海道。

    風景
    すげーんす

    というわけで、帰宅したのは午後6時。10時間半463kmの旅でした。疲れますた。
    本当に疲れますたが、感動しますた。

     

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    「そんなバナナ」は40個揃えるのが大変でしたが、あと40個くらいは作れそうな気がします。あとはもうとにかく猫好きの方に使っていただければ嬉しいなと思います。


  • v270 大雪高原温泉と三国峠

    ■大雪高原温泉と三国峠

    山火事注意々
    しぶい風化の仕方

    8月16日(日)、津別峠で雲海を見て感動したあと、時間もたっぷりあるし、石北峠へ向かいました。高原温泉という夏の間しか入れない温泉があるらしく、行ってみることにしました。津別峠から石北峠まで120km。

    天気は曇り。

    「ねむれー、ねむれー、わっはっはっ」
    前日の寝不足から睡魔が襲ってきました。
    「これはいかん・・・」
    途中で休みをとり、後部座席で横になったら、夢を見るほどにグーグー寝て、ハッと起きたら10分程度でした。これですっかり目も覚めて、ひたすら運転。

    これ以外に、ここに書くほどの話は何もありません。
    やがて石北峠に到達。さらに進み、帯広方面へ向かう道へ曲がります。

    三国峠へ
    風景は良いんですよねぇ。ここに来ると圧倒されます。これは7/11に撮影

    この道の左側にダムがあり、でかいダム湖があります。この道を進み、トンネルを抜け、まっすく行くと三国峠があり、その100km先が帯広。
    目的地へは三国峠の手前、「高原温泉」と書かれた標識があり、右に入る細い砂利道を進みます。

    高原温泉へ
    こんな道ばっかりですねー

    いつものことながらクマちゃんが出そうなとっても不安な道路。

    高原温泉へ
    川と平行

    時々「路肩弱し」と書かれた標識と、土嚢が積まれた路肩。

    高原温泉へ
    細い砂利道5~6km来たかなぁ。ふたまた。

    左の林道は「おなじみの閉鎖」。(「層雲峡本流林道」と書かれている)

    高原温泉へ
    閉鎖

    右へ行く・・・

    高原温泉へ
    さらに狭くなるのか。がってんでー

    何か出そうだな・・・

    高原温泉へ
    はい、わかりましたぁ。気をつけます。

    路肩弱し。30km/h制限。

    高原温泉へ
    どんどん進みます

    急にすごい雨が降ってきました。

    高原温泉へ
    山の天気なのかなぁ

    何か見えた。

    高原温泉へ
    車がいっぱい見える

    確かに対向車は2台ほど来ました。こんな山奥に来る物好きがいるんだろうかと思いましたが、なんと・・・

    大雪高原温泉
    車は約30台。予想以上に人が来ていました。

    なんだかんだ幹線道路から10kmくらいありますし、冬季閉鎖はうなずけます。
    夏だけの短い営業期間で、お盆の時期だから人も多く来るようです。本州ナンバーも多く、秘境の温泉的な存在になっているのかも知れませんね。

    建物は思っていたよりも大きくキレイでした。掘っ建て小屋のようなイメージでいたので、自分的には秘境感は薄れたのでした。

    肝心の温泉はと言うと、コレが意外に良くて、多分お湯の白い濁りのせいか、なんとなく効用がありそうな気分になり、風景も良く、温度も低めで非常に気に入りました。露天風呂では雨に降られましたが、止むまで入ってました。
    内風呂にはマーライオンのようにクマの口からお湯をゲロゲロしてました。(笑)

    風呂場の写真はないので、廊下にあったクマちゃんの写真を載せます。

    大雪高原温泉
    がおー。入湯料は700円だよ。

    さて、なんか山奥の温泉に入ったっていうだけなので、メシも食ったという話も付け加えましょう。実は、7月11日に三国峠に来たのです。その時に「高原温泉」の標識を見たのがきっかけでこの日ここまで来たワケですが、その三国峠での食事が良かったのです。

    三国峠
    三国峠からの眺め。樹海がスゴい。(2015.7.11撮影)

    ここに「三国峠Cafe」という食事処があります。

    三国峠Cafe
    店はこれ1軒です。

    店はこれ1軒なのに、競争しなくても売れるのに、私の味覚によるとここの食べ物がハンパなく美味かったんです。前回食べたのはソバ。

    ぶっかけそば
    これね、値段忘れた。800円だったかなぁ。(7/11)

    このソバね、蕎麦粉は地元(ここらへん)、ソバなのにコシがあって、いやすごく太いんですよ、うどんの細いヤツっていうか。あ、太いんだか細いんだか分からないですね。
    太いんですよ。ガッツリ。他でこんな太いソバは「手打ちで太くなっちゃった」っていう1~2本すげー太いのがあるその1~2本ぐらいのもので、ここのは「全部太くなっちゃったわー」っていう、違う、太く作ったソバなのですよ。こりゃ峠の食事処のレベルじゃねーわっ、ていう美味さ。ここは蕎麦屋かっ、みたいに本格的。
    新蕎麦の時期は狙い目ですよ。
    で、今回はカレー。

    三国峠のカレー
    フライドポテトがカリッカリしてて、サラダもハーブ使ってる…(1100円)

    このウインナー5種のカレーは子供心をくすぐりますよね。たまたま近くに子連れ客が来て、子ども「コレ食べたーい」みたいにじーーっと見られて、もじもじしてました。こっちももじもじしながら食べました。
    しかしまー、カイエンペッパーで辛さを自分で上げられるし、こりゃ峠のカレーじゃねーわ。種類もあってカレー専門店かっ、みたいな。
    この周辺30kmは山と森で、他に店がないのに、ここまでやりますか。

    普段小食なので、コレ食べたら腹がパンパンになりました。
    ブログ発見。三国峠Cafe

    三国峠のコーヒー
    器も凝ってますよ

    そして自家焙煎のハンドドリップコーヒーですよ。コーヒー専門店かっ、みたいな。
    エチオピア・モカとグァテマラをチョイス。各500円。
    500円のコーヒーなんて贅沢は何年ぶりだろう。

    そして帰りの石北峠は、土砂崩れ・崖崩れが心配になるほどのスコールのような雨で、家に着いたらヘトヘトで、2日間死んだように寝てました。(2日間はウソ)