• v160 ムシクイ乱入/愉快な札幌89-やっつけ仕事

    ■ムシクイ乱入

    ムシクイ
    野鳥乱舞

    8月6日、水曜日、最高気温29.9度の真夏の札幌。その夜、東京では絶対に考えられない“寒いくらいの涼しい風”が窓から吹き込んでおりました。やはり北海道の場合、昼間がどんなに暑くても、夜になるときっちり冷え込んでくれるのでホッとします。

    まさに自然の冷房です。北海道では昼間でも冷房は我慢すべきだと思うこの頃です。(最近、電気店のチラシにエアコンが目立ちます。それがまた温暖化を生むというのに)

    我が家はマンションの10階に位置し、ほとんどの窓は網戸にしている中で、いくつかの窓は全開にし、猫が窓から飛び出さないように金属の格子をぶら下げています。

    その格子の5センチ程度の隙間から、何か塊のようなものが飛び込んできました。急に何かが飛び出してくると、咄嗟に何か恐ろしいものを想像し、身構えてしまうものです。私はそれはでっかい蛾(ガ)ではないかと一瞬思いました。

    バタバタバタバタバタバタバタバタバタ
    「うひはーっ!!」

    テーブルの下に入り、それからバタバタ音を立てて天井の方へ飛び、壁を伝うコードに止まりました。恐る恐る見てみると、それはスズメのような鳥でした。

    「小鳥だ」

    昔、北海道のド田舎に暮らしていた頃、窓からはよくクワガタムシが飛んできたものですが、さすがに鳥は初めてです。しかもこの鳥、近寄って見るとちょっと変わった、あまりなじみのない鳥でした。

    ふと足元を見ると、我が家の仲の悪い2匹の猫が仲良く興奮状態で鳥に近寄ってきていました。明らかに獲物を狙っています。

    「うわー、猫が鳥を食っちゃうよ」

    ってんで、早いところ鳥を外に逃がしてやらなければと思いました。と同時に、こりゃいい研究所通信のネタじゃないかと思い、猫を制止しながらカメラを持ちバシバシと撮りまくりました。ちょうど鳥の時計の前を飛ぶ見事な鳥の姿を捉えることができました。グッジョブ。(写真)

    窓を開けて外へ出そうとしましたが、鳥は焦っていて、壁を伝うように逃げるためなかなか外へ出せませんでした。仕方なく追いつめて手でつかみ外へ逃がしたのでした。手でつかんだ感じでは、本当に小さくて手のひらで作る空間にスッポリ収まるほどでした。

    オレンジ色の嘴(くちばし)や黄色いラインがキレイで、さすが札幌は大都市にもかかわらず、町のど真ん中にこんな野鳥がいるんだなと嬉しくなりました。

    リスもクマもキツネも野鳥もいっぱいいる都市は珍しいんじゃないでしょうか。クマはいっぱいはいないと思いますが、いっぱいは…。

    んなわけで、撮った写真を参考にネットで調べてみたところ、それはスズメ目の、ウグイス科の、「ムシクイ」という名のつく鳥のような感じでした。キバラムシクイ、コメボソムシクイ、センダイムシクイ、エゾムシクイ、メボソムシクイ、キマユムシクイ、カラフトムシクイ、モリムシクイ、ヤナギムシクイなど、似て非なるものが嫌がらせのようにたくさん存在します。

    嘴のオレンジ色、目の部分のライン、腹の黄色い斑点から考えると、多分「キバラムシクイ」だろう、と思ったら、「日本国内では珍しい鳥」であり「日本での記録は2回」という説明があり、そんな珍し過ぎる鳥であるはずもなく、やっぱり違うのかな、とか、もうホントに鳥の種類は多過ぎて微妙過ぎて分かりません。

    というか、「ムシクイ」って、鳥ならほぼ全部虫は食うと思うので、ムシクイって名前はいかがなものかと思うのでした。カワイイ鳥なのに「虫食い」て…。

     

    ■第89回 愉快な札幌大発見:やっつけ仕事

    「公園の名前どうしましょうかね」
    「うーん、木や花の名前は方々にありますしね」
    「何てことのない公園だし」
    「子どもが遊ぶわけでしょ」
    「ああ」
    「じゃ、チビッコでいいか」
    「それがあったか」
    「文句の付けようもないしね」
    「そうですね、チビッコでいきましょ」

    みたいな、なんか、やっつけでつけた名前に思えるんですが。違ってたらすいません。

    チビッコ公園


  • v159 花火大会/愉快な札幌88-しらたきマン

    ■花火大会

    イカ花火
    イカ花火炸裂

    夏の風物詩のひとつでもある花火大会。というか寒いので火花を見てきました。(笑)

    豊平川沿いで毎週のように行われる花火大会。鑑賞する場所としてはやはり河川敷だとか、川にかかっている橋が良いのですが、人が多過ぎると気が散ってしまいます。

    人混みはイヤだなと思いつつ、河川敷へ向かいながらその近所の中島公園に自転車を止めたところ、公園の中は意外にも人はまばらでした。花火もよく見えそうでしたので、池の淵ギリギリの芝生で見ることにしました。花火開始の40分前でした。

    近くで三脚にカメラをセットしていた人がいたので、確かにこの場所はいいポイントだと確信。人も少なくてラッキー感満載でした。贅沢に花火を楽しめそうでした。

    開始20分前くらいになって、後ろを振り向いてみると、5メートルくらいの芝生のスペースにポツンポツンと人は増えていました。

    10分前くらいになって、子だくさんの家族がやってきて、すぐ近くのほぼ真後ろに陣取ったのでした。これが運命というものなのでしょう。笑いの神様が舞い降りてきてくれますね毎度。

    花火が始まりました。

    ドーン、ドーン。バシャバシャ。カモが大きな音に驚いて水辺で焦りまくって溺れそうになっていました。出だし好調です。
    低い花火はちょっとだけ木の影になるのですが、まずまず良く見え、満足できる場所でした。

    ドーン、ドーン。

    「ワー、キャー」と真後ろで子どもたちが騒ぎます。
    「たーまやーっ!!」とそのお母さん。
    お母さんが「たーまやー」って言うんだ、とちょっとびっくり。

    「たーまやーっ!!」と子どもAも真似て叫びます。(男の子)

    ドーンドーン。

    「わー、流れ星だー、流れ星ぃー」と子どもB(男の子)
    「えー、ほんとー?」と子どもC(女の子)
    (子ども何人いるのか分かりませんでした。赤ちゃんもいたような気配が…)

    花火がドーンとなった後に、火花が1本だけ長くなびいたのです。それを流れ星と言っていたのでした。

    「願い事を言ったらいいんだよ」とAかB。

    ドーン。

    「永遠に生きられますように、永遠に生きられますように、 永遠に生きられ…」
    『おいおい…』(私の心の声)

    ドーン。

    「お小遣いが1万円になりますように、 お小遣いが1万円になりま…」
    『おいおいおい…』

    ドーン。

    「お小遣いが2万円になりますように、 お小遣いが2万円になりま…」
    『おいおいおいおい…』

    やがてこのお小遣いの金額は20万円くらいに膨れ上がっていきました。(苦笑)

    それから子どもたちが池の近くにまで来て、走ったりはしゃいだりしたので、お母さんがやめなさい、気をつけなさいと叱り、「川に落ちるでしょ!!」と言いました。
    『池だよ』(私の心の声)

    やがて、ちょっと面白い形の花火があがり始めました。

    ドーン。

    「わー、タコだタコーっ!!」

    ドーン。

    「キャー、イカーっ!! イカーっ!!」

    ドーン。

    「UFOだーUFOだー」

    ドーン。

    「イカだーっ!!」

    ドーン。

    「タコだーっ!!」

    ドーン。

    「UFOーっ!!」

    ドーン。

    「イカーっ!!」

    ドーン。

    「タコーっ!!」

    ドーンドーン。

    「タコー、UFOーっ!!」

    ドーンドーン。

    「イカー、タコー!!」

    『もうええわっ』

    てなもんで、気が散って大変でした。
    そんなわけでとっても賑やかに花火大会は終わったのでした。
    楽しかったです。(ピキッ)

     

    ■第88回 愉快な札幌大発見:しらたきマン

    先週の日曜日に、辺鄙(へんぴ)な場所にありながら人気のあるカレー屋さんへ行きました。そこのメニューは1種類しかなく、3人なら「3つ」と頼めば良いシステムでした。開店と同時に入ったのですが、、本当に辺鄙なところなのにすでに並んでいる客も5人ばかりいました。ほとんど女性ばかり、車で来ていました。

    味はうまかったです。(味の解説終わり)

    というか私はひどい二日酔いだったもので、二日酔いにはなかなか効果的な食事でした。
    で、まずサラダが出てきました。レタスの他、いろいろと入っていまして、そのうちの「しらたき」をうっかりこぼしてしまいました。

    そのしらたきは偶然にも歩行者のようになったのです。

    しらたきマン

    すごいでしょ?
    …。

    終わり。


  • v158 狸祭り・ナイトバーゲン/愉快な札幌87-小便するな

    ■狸祭り(たぬきまつり)・ナイトバーゲン

    狸祭り

    毎年、大通公園で開催される「さっぽろ夏まつり」(7/21~8/20)は今年で55回目。みんなでビールを飲みまくり、盆踊り踊りまくり、あとバザールとか、花火大会とか、スキーのサマージャンプ大会とか、全部この夏まつりに含まれてるっぽい感じであります。

    それに合わせて、札幌の1kmに及ぶ長ーい商店街の「狸小路」で「狸祭り」が開催されていて、これもやはり今年で55回目だそうです。

    その狸祭りの中でも、今年は7月26日の「土曜日の夕方から夜にかけて行われるナイトバーゲン」ってのがありまして、この「ナイトバーゲン」が毎年毎年大変なにぎわいになるイベントなのです。(↑写真がそれです)

    各店で軒先にテーブルを出して、飲んだり食べたり安売りをしたりして活気づくのです。(vol.107でもちょっと書きました)

    狸小路にあるロシア料理屋さんへ、たまたま何日か前に行ったところ、次の土曜日に店の前で焼き肉をやるから来ないかとお誘いがあったので、行くことにしました。それがナイトバーゲンの日でした。

    その日のルールは、会費が1000円で手ぶらでもいいけれど、飲みたい酒や食べたい肉があれば勝手に買ってきて飲み食いしてもいいということでした。実際に行ってみると他のお客さんが持ってきたビールやら焼酎やら泡盛やら濁り酒やらでいっぱいになっていて、初対面だというのにすぐ打ち解けて、ややオーバーペースの酒盛りとなって行きました。

    ロシア料理屋の店長
    この人形がロシア料理屋の店長さんにそっくりなんです。

    実はその翌日、朝からサクランボ狩りへ行く予定がありました。ただまあ、ナイトバーゲンの方は、せいぜい10時かそこらでお開きなので、余裕で大丈夫だと考えていました。

    店の前のテーブルには10人くらいのお客さんがいました。私は黒ビールから濁り酒、それから延々と泡盛を飲んでいたようです。どのくらい飲んだのか覚えていないのですが、帰ってから写真を見るとこんなおそろしい光景が。

    オヤジたち
    オヤジたちが肩を組んで、こんなことになっていました。
    私が写真を撮っているのでここにはいませんが、
    私も肩を組んでいたような記憶がうっすらと…

    そしてやはりうっすらと記憶しているのは、これは歌を歌っているところのはずなのです。いわゆる30年くらい前に流行ったフォークとかニューミュージックとか、連れによると南こうせつとか合唱していたらしいです。それ以上は怖くて聞いてません。

    さて、何時に帰ったのかも記憶が無いまま、朝が来ました。サクランボ狩りへ行くため、朝8時台のバスに乗りました。目的地は結構遠いんです。

    バスに乗ってしばらくするとだんだん気持が悪くなってきました。「まずいぞ」と思いつつ、必死に気持悪さと闘いました。もう少しで目的地というところで、気持悪さが全開になりました。あまり美しくないお話になりますが、まあ、周りに迷惑をかけずに済みましたが、ここに新しい言葉が誕生したのです。

    着ゲロ。

     

    ■第87回 愉快な札幌大発見:小便するな

    割と近所なのですが、立ち小便のしやすそうなところにこんな看板が。かなり昔に取り付けたような印象です。

    小便するな

    神社の鳥居に昔のハサミのイラストが書かれています。多分鳥居は神聖な場所に小便したらバチが当たるぞ、という意味であろうと思われ、ハサミはその悪い○◎○◎をちょん切るぞ、という意味であろうと思われます。うーん怖くて出来ません。


  • v157 三角山/愉快な札幌86-ずぼら

    ■三角山

    山道
    山歩きしました。

    札幌の西区に、標高311メートルのおむすびのような綺麗な三角形の山があり、子どもやお年寄りにも楽しめる登山コースがあります。

    それはもうほとんど散歩気分で、買い物帰りにネギを抱えた主婦がつっかけで気分転換に登れてしまうような山であります。(いや、もうちょっと険しいかな)

    どうです、これ。

    三角山にあった看板

    つまり、4~5年前には、犬連れて登ってる人がそれなりにいたってことであります。

    そんな軟弱なコースなのに、となりの大倉山(スキーのジャンプ台のある山です)から、その登りの大半を片道のリフト代250円を払って登り(高所恐怖症なのでそれなりに怖い)、となりの三角山までほぼ尾根伝いに歩くという、根性のカケラもないようなことをやってしまいました。

    それでもそれなりのアップダウンがあります。一応、草木でいっぱいの森でありまして、歩いているとクマちゃんが出てきそうな気分になってくるのでした。

    時々すれ違う人のほとんどは確かに私よりもずっと高齢の方ばかりで、まあ300メートルですからお手軽な登山道であるのですが、決して軽装ではなく、ちゃんと腰にはクマ除けの鈴をつけていたりしました。

    そういえば昔、山を歩く時には鈴など音の出るものをつけて歩けと習いました。学校でも家でも教わったと思います。
    とにかくクマちゃんと出会い頭にバッタリ、というパターンが最も危険なわけで、事前に音を出すことで、クマちゃんが恐い人間から遠ざかるというわけです。

    で 、みんな鈴つけて歩いてるってことはクマ出るんかな、と思うわけです。

    だからと言って、鈴がないからと言って、「♪おかーをこーえーゆこうよー」と歌う人が1名いると、それはもう選曲から何から恥ずかしいからやめて欲しいと思うわけです。

    20分くらいで頂上に着き、まあまあ素晴らしい眺めの中でおにぎりを食べ、来た反対側へ下っていきました。

    三角山から見える三角の山と札幌の町
    三角山頂上から見える三角の山は円山かな、多分。
    意外に視界は狭いです。冬は木の葉が落ちて視界が広くなるそうです。

    山歩きは登りより下りの方が足に負担がかかります。なんと、右足にヒザの持病の痛みが出てきました。下りになってからはなぜかすれ違う人がいません。草ボウボウの中を歩き、道が本当に道なのか怪しくなって来て、ものすごく不安になってきました。

    道に迷ったかも。クマちゃんが出るかも。足が動かなくなるかも。

    たかだか300メートルのちっさい山で、こんなに不安になるとは思っていませんでした。無事下に着いた時にはヒザはガクガク。翌日には左ヒザまで痛みだし、4~5日ダメージを引きずりました。

    運動不足は深刻かもしれません。ヒザに負担のない、溺死しないスポーツってないですかねぇ。

     

    ■第86回 愉快な札幌大発見:ずぼら・てまひま

    今回は合わせ技です。

    てまひま
    ずぼら

    「ずぼら」という店がありました。その斜め向かいには「てまひま」という真逆の意味の店がありました。どっちが繁盛するんでしょうか。


  • v156 大人げない/愉快な札幌85-ネタ切れ

    ■大人げない

    札幌
    イベント盛りだくさんの四番街まつり

    夏になるとほとんど毎週どこかで祭りをやっているんじゃないかと思えるほど、いろんな祭りが開催されています。

    今回は昨年まで行ったことのなかった「四番街まつり」に足を運びました。言ってみれば札幌で一番賑わってるところで、土日に渡って飲んだり食べたり遊んだり、今後のさらなる繁盛を願って神輿を担いだりするお祭りです。
    …多分。

    この祭りのために作られたチラシには、無料でわたあめやポップコーンがもらえたり、射的や金魚すくいなど、無料で遊べるチケットが6枚もついていまして、無料なので何かやってみることにしました。

    まず、あまり難しくない「千本釣り」というのをやりました。これは束ねられた紐があって、適当に1本を選び引っ張ると、紐の先に吊るしてある賞品がもらえるというものです。しかしその約半分には「はずれ」と書かれた紙が吊るしてあります。

    並んでいるのはほとんどが子連れの家族か、友達同士で来ている小学生でした。ここに働き盛りの40代の夫婦が並んだわけです。異色であります。

    遠くから見ていると、やはり半分の人はその確率通りはずれを引いていました。前の家族は子どもが3人で、3人のうち2人がはずれ。一番小さい坊主がはずれを引いてガッカリしている様子がちょっと可哀想でした。

    自分たちの番になり、2本選んだ紐を引っ張ると、それは両方ともアタリで、ひとつはちょっといい感じのおもちゃでした。後ろから子どもの声がしました。

    「あー、二人とも当ててるよ」

    しょーがねーだろっ、当たっちゃったんだからっ!! と思いつつ、ハズレを引いた子どもを横目に、大人げなく喜びながら立ち去りました。というか、ハズレを引いた子どもにあげようかとも思いましたが、それもまた何だか傲慢な気がして、しかもこれはそのモノが主体ではなく、当たる感覚を享受するものであり、モノをあげたところでその坊主は本当の喜びを味わえないのであります。(理屈っぺーっ)

    当たっちまった賞品
    水鉄砲のおもちゃと、変なお菓子が当たった。

    それから過去に一度もやったことのなかった「射的」の列に並びました。とにかくもうほとんど子どもばかり並んでおりました。そこにちゃっかり大人が2人並んだのです。異色であります。

    30センチくらいの長い銃身の先にコルクの弾を詰め、空気の圧力で飛ばします。一人3発打つことができます。何段かの棚にいろいろとチープな賞品が並べてあり、それを狙います。

    通常は倒したり落としたりするともらえるところ、今回はゆるいルールのようで、当てさえすればもらえるみたいでした。しかし見ていると当たるのは1~2発で、倒したり落としたりは出来ていませんでしたから、難しいのかなと思って見ていました。

    さて、自分たちの番。まずは連れが打ち、やはり2発外して1発を当てました。ひとつ賞品をゲットしました。次に私。初めてとは言えただ当てるだけでもらっちゃうのは大人げない気がしました。

    「当てるだけでいいんですか?」
    「お祭りだからね、いいよ」
    「あのー、厳しいルールでいいですよ。倒すか落とすかで」
    「そうかい。じゃあ大人ルールでやりますか(笑)。倒すか落とすかして、1つ倒しただけなら賞品は無し、2つ倒せば賞品はその中の1つ、3つなら2つあげます。それもお渡しする賞品は私が選びますからね」
    「あ、はい」『うーん複雑なルールだなぁ。まあいいや』
    「どうぞっ」

    私はとてもチープなおもちゃの指輪セットを狙いました。先にやったどこかのお母さんが取っていて、ちょっと羨ましく思ったからです。その指輪セットはまだ5~6個ありました。そのうちの中段の一つを狙いました。

    パーン バシッ ボトッ

    お見事っ!! 狙い通り指輪セットを倒し、しかも棚から落としました。
    「おー、すげー、さすが大人は違うっ」
    と後ろから子どもの声がしました。一応ガッツポーズをして喜んでみせました。しかし、大人ルールなのでこれではまだもらえません。少なくとももう一つ倒さなければなりません。上段に置いてある同じ指輪セットを狙いました。

    パーン バシッ ボトッ

    これまたお見事!! 狙い通り指輪セットを倒し、しかも棚から落としました。
    「おー」「すごーい」という歓声。
    「おにいさん、悪い人だねぇ」と店の人。
    一応私は「やったー」と声に出しました。これで一つはゲットです。そして最後の1発。下段にあった同じ指輪セットを狙います。

    パーン バシッ バタッ

    エクセレント!! 狙い通り指輪セットを倒しました。
    「おーすげー」「大人げねぇ」(子どもの声)
    『えーっ?』(うーん、大人げなかったかなぁ)
    「おにいさん、大人げないなーははは。じゃ2つね。えーと、こっちで選ぶよ。あ、全部同じやつか…(汗)」
    何だか大人げない大人買いみたいな感じになってしまいました。

    指輪セット
    見事にこの指輪セットを棚から落としたのです。
    ロマンチックなリングでプリンセス気分に、と書かれています。

    珍しく何をやってもうまく行き過ぎてしまうので、かえって子どもたちを悲しくさせているような気がして、無料券を使って何かやるのはやめることにしました。

    ぶらぶらと歩いていたら面白いものを発見しました。それは似顔絵コーナー。
    2人の女性が座っています。面白いのは、そのうちの一人が「紙粘土で作る立体似顔絵」を作っていたのでした。しかも無料。私は普通の似顔絵と立体似顔絵の両方お願いしたのでした。

    普通の似顔絵には“少女漫画の主人公風”に、立体似顔絵には“二枚目風”にと頼みました。結果からいえばその意図は全然汲んでくれてませんでしたが、普通の似顔絵の方はとても気に入りました。私の想像をはるかに超えた似顔絵で楽しくなりました。
    立体の方は、メガネが作りにくいようで、変になってすいません、と謝られてしまいました。いえいえ、メガネが変とかいう問題ではないですよ。できた似顔絵が変なのかな、ってそれまあ似てるのかな、できれば似てないと言ってほしいかな。

    立体似顔絵作成中
    こうやって作ってくれました
    立体似顔絵
    ふふふ、二枚目風って頼んだのに…。完成です(笑っちゃダメよ)

    連れが誰かに似てると言ってからこう言いました。あ、そうそう、南海キャンディーズの山ちゃんだっ。(えーっ?)
    というかこうやって写真にすると鳳啓介(おおとりけいすけ)っぽくない?

    ちょい複雑な気分。でもまあ、この立体似顔絵はアイディアとして面白いし、決してイヤな思いもありません。気に入りました。普通の似顔絵の方も気に入ったので、プロフィールの画像に使用しました。良かったら見てください。

     

    ■第85回 愉快な札幌大発見:ネタ切れ

    ネタ切れですが、最近、ちょっとした山道を歩いていたら、こんな顔を見つけました。

    顔

    いやー、顔ですねぇ、顔。札幌と関係ないですが…。