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  • v086 あるラーメン屋での出来事/愉快な札幌16:ばーさん

    ■あるラーメン屋での出来事

    選手
    今札幌ではノルディック世界選手権が開催されています。
    出場の選手(ポーランドチーム)が近所で走り込みをしていました(記事とは無関係)

    あるラーメン屋に入りました。安くてとても美味しいとの評判で、なるほど確かに、そのラーメンは美味かったのです。

    北海道の店は大抵そうであるように、この店も入口のイメージと違って奥行きのある広い店でした。テーブル席を背に、カウンターに座りました。

    カウンターでラーメンを食べていると、背後で「ピノキオ」の物語を朗読している女の人の優しい声が聞こえてきました。とてもうまい朗読だったので、おそらくテレビからの音であろうと思いました。

    うまいうまいとラーメンを食べていると、滑らかな朗読とは別に、テレビのニュースを読む男性アナウンサーの声が聞こえてきました。
    『おやっ、テレビが2台あるのか?』(そんなわけはない)
    と思いつつ、黙々とラーメンをすすっていました。

    やがてピノキオの朗読が一瞬途切れ、キャッキャと喜ぶ赤ちゃんの声がしました。ありゃ? と思いました。ひょっとしたら後ろのテーブル席で母親が赤ちゃんにピノキオの本を朗読しているのではないだろうか…。

    『いや、ここはラーメン屋であって、それはあり得ないだろう』
    『しかし妙に声が生音っぽいなぁ』

    ああ気になる、と思いつつも、耳ダンボにしながら、うまいラーメンを食べていました。もし本物の親子が後ろにいて、母親が朗読しているとしても、振り返って見るのはいかがなものか…。ズルズル。ああうまい。朗読もうまい。ああ気になる。

    読み聞かせているということは食後なのか、あるいは食べる目的で来たわけではないのか。しかしラーメン屋に子どもをあやしに絵本を持って来るだろうか。ああ、気になるよ。

    そのうちに後ろからの朗読は聞こえなくなりました。客の出入りする音が聞こえました。親子は出て行ったのか。気になりつつも振り向くことなくラーメンを食べる私でした。

    それから、テレビの台数すらチェックすることなく、店を出ました。

    やはり状況的には、母親が子どもに読み聞かせをしていたのでしょう。それを聞いている時は不思議とゆっくりした時間の流れを感じました。もしそれがテレビからの音であれば、なんてことのない時間であったろうなと思います。

    また、ラーメン屋という商売のエリアに妙な生活感が入り込み、気になりつつも、心も妙になごんでしまったわけであります。この何とも言えない感覚、分かってもらえるでしょうか。そしてここが人口約200万の大都市であるという不思議さも。

    耳に意識をとられた分、ラーメンの記憶があいまいになってしまったので、味を確認しに、もう一度食べに行こうと思っております。ひょっとすると、そこに絵本が常備されているのかも知れませんし…。

     

    ■第16回 愉快な札幌大発見:ばーさん

    スナック

    我が家から歩いて1時間くらいかかるであろう遠い場所にありました。たまたま通りかかって発見したものです。
    「 バー・さん」だと思うのですが、「婆さん」のダジャレですね。力の抜けた書体といい、いい味出してます。
    手前のスナック「あ・そ・こ」ってのもいかがなものかと。きっと「おい、今日はあそこへ行こうぜ。あ・そ・こ!」などと言ってもらいたいのでしょうね。


  • v085 目印はクリーニング屋/愉快な札幌15:ティファニー

    ■目印はクリーニング屋

    近所のクリーニング屋
    近所のクリーニング屋の脇を通り過ぎるタクシー

    札幌の路地を歩いていると、やけにクリーニング屋さんと床屋さんが目につきます。床屋さんは昔ながらの小さなところが多く、クリーニング店も、おばちゃんと犬が切り盛りしているような小さい店が目立ちます。

    札幌市はこの4年間で、6000軒の中小・零細業者が倒産したそうです。いわゆる商店街にあった、洋服や靴、文房具、家電、食品などの店が次々に閉店し、地方の新たな問題ともいえる“シャッター通り”が今も拡大しているところです。スーパーや大型店の出現が直接の引き金となっていると思われます。

    そういうなかで、床屋さんとクリーニング屋さんは、大型店の影響を受けにくかった、と考えられます。まだこの先どうなるかは分かりませんが、今のところ、街には数多く残っています。

    10日ほど前、私の妻が献血センターからお呼びがあって出かけました。困っている人の血液の白血球の型と合っていたために(なかなかピッタリってのはないんだそうで)、タクシーの送迎とお菓子支給で呼ばれたのです。

    妻はたっぷり血小板を抜かれ、おいしいジュースとお菓子を手みやげに、タクシーで帰ってきました。タクシーの中では、こんなやり取りがあったのだそうです。

    「その通りをまっすぐ行ってですね…」
    「…あ、そのクリーニング屋の角を左に折れてください」
    「ハイ、クリーニング屋さんね…」
    「…であのクリーニング屋の手前の道を右」
    「あ、あのクリーニング屋さんね…」
    「で、クリーニング屋がありますから」
    「クリーニング屋ね」
    「クリーニング屋さんを通り過ぎた先で降ろしてください」
    「クリーニング屋の先ね」

    そうです、我が家の西側200メートル圏には少なくとも5軒のクリーニング屋さんがあるんです。でもクリーニングに出すような服を持っていないので、うちはあまり貢献できてはいないのです。

     

    ■第15回 愉快な札幌大発見:茶ふぁにー(ティファニー)

    喫茶店

    うちのすぐ近所にある喫茶店です。ここの前を通過すると、若干、力が抜けるような気はします。ほぼ丸2年間、まだ一度も入ったことはありません。イヤだとか、店名が嫌いとか、そんな理由ではないのですが、何となくです。

    今度てぃふぁにーで朝食を食べてみようかと思います。


  • v078 年末年始

    ■年末年始

    猫の手
    ネコの手

    これを書いているのは年末です。ネコの手も借りたい時であります。テレビを見たり、昼寝をしたり、風呂に入ったり、酒を飲んだりと、忙しすぎるこの頃であります。(どこがっ)

    1月1日(本日・月曜日)は、朝8時にバスに乗り、6時間かけて実家へ帰省します。道中、あまりに長いので、多分寝ていくつもりですが、バス内で映画が流されるために、それを観ないとなりません。寝る間も惜しんで映画を観るつもりです。
    忙しい年末年始です。

    映画と言えば、2004年の作品で、岩波ホールで見た邦画「父と暮らせば」に胸を打たれて以来、あまり胸を打たれていません。時々乗る長距離バスの中ぐらいでしか映画を見ないからです。人から「これを観ろ」と言われると、DVDを借りてきて観るくらいのことはしますが、なかなか感動に打ち震えることはありません。

    だから年々「父と暮らせば」が引き立ってきます。自分にとって意味のある作品だったので、少し書きます。
    舞台は広島。1945年8月、15~20万人がほぼ即死したと言われる原爆投下で、映画では、父が死に娘は生き残った、そういう設定で進んでいきます。内容と言えば、死んだ父があの世から現れて、娘と普通に会話し、普通に日常が流れていく、極端に言えばそれだけです。残虐シーンゼロ、娘の恋愛ものです。派手さはなく、一見退屈な映画です。

    映画を観ていると、父がオバケであることで、本当はこの日常が失われた日常であることにふと気付いてしまいます。死んだ人と会話なんて普通できないんですから。その普通の会話がじわじわじわじわと、何だかよくわからない切ない感覚となって押し寄せてくるんです。音楽を使って涙を誘うようこともせず、淡々と進行する中でじわっとくるんです。

    非戦のメッセージも伝わってくるし、ああ、ちゃんと意味のある映画だなぁ、映画はこうでなくちゃなぁ、とか思ってしまう私でした。

    さて2007年最初の通信ですが、おめでたい元旦ですが、こんなことを言います。
    私は日本国憲法を変えないで欲しい、と。(もちろん前文と9条です)
    私は日本国憲法を変えないで欲しい、と。(つい2回続けてみました)

    戦争はただもう悲惨です。あの戦争の反省があって受け入れたのが、「戦争を二度と起こさないために」武力を放棄し、平和を希求すると謳った日本国憲法です。それが「改訂(とても改正なんて言えない)」されようとしているようです。私は憲法前文と9条をねじ曲げてはいけないと思っています。消し去っても行けないと。
    国是として「武力を放棄する」なんて、カッコいいと私は思っています。小さい頃から世界に誇れるスゴい憲法だと思ってきました。

    他国が怖いから武器を持つのではなく、むしろ手ぶらの国に攻め込む卑劣さを国際社会に訴えたら、それは強力なストッパーにできると思うのです。いったい誰が手ぶらの者へ暴力を振るうことに賛成できるでしょうか。

    今、自分がひと言も意思表示をしなかったら、後悔すると思ったので、ここに書いておこうと思いました。何となくモノが言える今のうちに。


  • v050 サマータイム

    ■サマータイム

    花と蝶
    大通公園はいま、花と緑でいっぱいなんです。

    札幌市は6月21日 から8月11日まで、札幌商工会議所などが実施する「北海道サマータイム導入実験」に参加する。参加団体・企業は670。昨年の542を大幅に上回る。
    (北海道新聞より)

    サマータイムの実施は今年で3年目なのだそうです。2004年は31日間、2005年は42日間、そして今年は52日間になりました。サマータイムと言われても去年はピンと来なかったのですが、その実施の趣旨がだんだんわかってきました。

    北海道は高緯度にあるので、夏の日中時間が東京と比べて約1時間長くなっています。それを利用して、日本の標準時間から1~2時間時計を早めてみると、いろいろといいことがあるようなのです。

    政治的な話では、まず、北海道を国内外にアピールでき、道民が国内固有の制度で生活することで、道民意識の高揚に資する、なんていうことらしいです。自分たちだけ違うものを持っている喜びとでもいいますか…。ま、でもこの部分ははっきり言ってどうでもいいと思います。企画を通すこじつけみたいなもんで。

    実利的なことでは(こっちが本音)、まず、勤務時間を1時間早めると、まだ明るいうちに仕事が終わるため、レジャー施設やイベント、飲食店などへ繰り出しやすくなり、それなりの経済効果が見込めるようです。新たなビジネスチャンスも生まれます。
    実際には、参加企業が“タイムセール”で割引価格にしたり、文化講演やスポーツ教室を開くなどしています。
    さらには省エネ効果(会社の電力使用量が減る)とか、明るいので帰宅ラッシュ時の交通事故が減る、とか言われています。交通事故死日本一を長年続けていた北海道でしたが、去年は見事に他県にその座を譲りました。ちょっとは効果があるのかも知れません。

    心理的な事ですが、北海道は冬が長いので夏場を有効に楽しもうという感じがハッキリわかります。町中花で飾られているのは嬉しいものです。暖かい太陽の光に当たる機会が増えるというのは、そう悪いことではないです。そういう意味でサマータイムはいいかも、と思うのでした。道民意識の高揚とは違うものです。

    P.S.
    えー、このサマータイム。標準時間を1時間早めているわけですが、時計の針は日本時間のままです。単に始業時間を早めているのです。9時始業の会社は8時の出勤となります。
    「えー、なんかつらそう。起きれねーじゃん」
    と思ってしまったのは私です。


  • v049 北海道ニュース一週間

    ■北海道ニュース一週間

    札幌の地域限定硬貨
    札幌で地域限定硬貨発売

    地方のニュースは案外面白いものです。血が通っているというか、身近な感じがします。新聞とテレビから抜き出してみます。ちょっと雰囲気が伝わると思います。

    ● 6月19日(月)
    ★夕張市、倒産。国に対し、財政再建団体指定を申請。累積赤字500億円。

    ―いきなり重いニュースですねぇ。再建まで50年以上かかると言われています。これで夕張市の行政サービスの低下は確実で、市民の負担が耐え難いものになり、地域の崩壊もあり得ます。老人や障害者など、弱い立場の人ほど苦しむことになります。

    ★山菜採り男性 クマに襲われる?【新ひだか】
    16日から行方不明になっていた男性が、 メナシベツ川の川岸で遺体で発見された。ズボンとセーターが木の枝に引っ掛かっており、ズボンにはヒグマのつめで破られたとみられる跡が残っていた。この地区では毎年クマの出没が相次いでいる。

    ―かなり前のことですが、クマが民家に入り、冷蔵庫を開けて食べ物を物色し、何かを食べて、冷蔵庫を閉めて帰ったというニュースもありました。こういうニュースはなんとなくほのぼのしますが、人間が殺されてしまうとやっぱり悲惨です。結局また熊も殺されてしまいますし。

    ●6月20日(火)
    ★あすからサマータイム 札幌市は区役所初参加
    札幌市は21日から8月11日まで、「北海道サマータイム導入実験」に参加する。参加団体・企業は670。昨年の542を大幅に上回る。

    ―サマータイムというのは、勤務時間を1時間早めて、飲食店や娯楽施設に行きましょう、というもの。景気対策のひとつ。

    ●6月21日(水)
    ★クラークコイン今日から発売
    札幌市内の特定の店舗約2000店でのみ使える地域限定硬貨を発行。

    ―1枚950円で買え、1000円の買い物ができる。おつりが出ないことになっているので、1000円以上の買い物が増えると見込んだ、これも経済効果を狙った工夫のようです。12月20日まで使用可能。記念に取っておくという人も少なくなさそう。

    ★夏至の日のこの日は“キャンドルナイト”

    ― 夏至の日の夜に、電気を消してろうそくを灯すイベント。大通公園ではコンサートも開かれ、いろんな店で省エネやエコをテーマにイベントが催される。カナダが発祥とか。テレビ塔の電気も消されました。残念なことにこの日は雨、ろうそくの火が消え…。

    ★天気予報の放送地点で、キャスターがカモメに威嚇され逃げる

    ―放送地点の近くにカモメの卵があったようで、放送直前にキャスターがカモメに小突き回されて、放送地点を変更するハプニングがあったと伝えていました。笑った。

    ★地域の経済・太陽光発電が好調【北見】
    日本有数の日照率を誇る北見。環境意識の高まりや原油高を追い風に、太陽光発電ビジネスが活発化している。旭川から北への売り込みを図る。

    ―雪がパネルを覆っても発電量があまり変わらない事が実証され、勢いづいているとのこと。発電して余った分は電力会社に売ることができるので、コスト的にもおトク感が出てきているそうです。

    ●6月22日(木)
    ★人間ばん馬【置戸】
    馬ではなく人間がレースをし、その1・2着を当てる。この「人馬券」は、会場の露店で食べ物などを200円分買うと1枚もらえ、予想を書いて投票箱へ入れる。もう30年も続いている。商品は第一回が日本酒10本だったが、現在では現金50万円に。(当選人数で分配?)。

    ―ただ来場者数が増えてくれないそうで(1万2000~1万3000人)、集客性を重視すれば伝統が失われる、と悩んでいるそうです。

    ★札幌でコンビニ強盗相次ぐ
    1件はサンクスで、20~30代の男、5万円を奪い逃走中。もう1件はローソン、44歳男、9万円を奪う、生活費が足りなかったという。

    ―数万円を奪うために強盗や殺人があちこちで起きています。日本ってかなり不幸な国になっていると感じます。

    ★おさんぽ自然観察会【北見】
    北見の野付牛(のっけうし)公園を散策し、自然を観察する会が今年も「おさんぽ自然観察会」を開催。

    ―専門家と歩き、植物の名前などが覚えられると大好評。この公園はそれほど大きくないんですが…。

    ●6月24日(土)
    ★明日、積丹(しゃこたん)「味覚祭り」
    ウニやエビ、ツブなど旬の海の幸が並ぶ第1回積丹ソーラン味覚祭りが開かれる。道警音楽隊のコンサート、歌謡ショー、花火大会も行われる。1万人の人出が見込まれ、小雨なら決行する。

    ―「積丹ソーラン味覚祭り」ってーネーミングが気になりました。

    ●6月25日(日)
    ★サッポロビール博物館で「夏のビール教室」始まる
    サッポロビールの歴史、おいしい飲み方を館長が直伝。博物館の見学後、6種類のビールを飲み比べする。
    参加費1000円。

    ―楽しい記事です。

    ざっと一週間でした。