• v040 鳥の話

    ■鳥の話

    カモメ

    旭川でスズメが600羽とか800羽とか、謎の大量死が見つかり全国的に話題となっています。原因はわからず、とにかく不気味なまま推移しています。東京でもハトが、秋田ではカラスが謎の大量死を遂げているとのことで、気持ち悪いですね。

    札幌はと言うと、「北海道の調査」によれば、スズメの姿が見られないと報告されています。これも気持ち悪い話です。

    気持ちの悪くない鳥の話をします。

    日常生活で鳥は意外に気にかかる存在です。まずはカラス。我が家はビルの10階で、周囲は3~5階建てが多く、たくさんのビルの屋上が見えます。屋上と言っても人が上がれるものではなく、ただの平らなコンクリートです。
    その中に1棟、雪解け水の逃げ場がなく、プールのようになっているビルがあります。ここがカラスの遊び場になっていて、3℃くらいの寒い日でもバチャバチャと水浴びをしているのです。やつらは寒くないらしいです。

    カラス
    水がたまっているビルの屋上部分ではカラスがいつも大喜び

    そのすぐ近くが公園になっていまして、一角がハトのたまり場になっています。
    誰かが定期的にエサをあげています。

    このカラスとハトの中に、一度トンビがやってきて、カラスに襲いかかっているのを見ました。ところがこのトンビがカラスの集団による猛反撃を受け、黒い塊となって遠くまで追われていったのです。
    実際には「威嚇」なのですが、まるでカラスの集団にボコボコにされているように見えました。カラスの団結力に感動してしまいました。

    さて、さらに我が家の窓から時々見えるのは、白くてでかい鳥、カモメです。最初に見た時は我が目を疑いました。

    「なんでカモメやねん。どこに海があるねん」(なぜか関西弁)

    海までは20kmほどあります。おそらく「でかい石狩川」の支流「そこそこでかい豊平川」がうちから1キロ程度のところを流れているので、海から川をさかのぼってきているのでしょう。それにしても異様な感じがあります。

    これに加えてスズメも確かにいたんです。そう言えば最近見てないような気が…。
    ((;゚▽゚)ガクガクブルブル

    まあ、“とり”あえず、カラスとハトとトンビとカモメが、うちの窓からたくさん見えますので、風景に飽きるということはありません。
    夜になれば、となりのビルの居酒屋で焼き鳥三昧です。


  • v039 何とかならんのか牛乳

    ■何とかならんのか牛乳

    牛乳をどうぞ
    こんなコマーシャルよく見ますよね。(北海道だけ?) 牛乳生産者は、営業努力を全くしてないわけではないと思うのですが…

    北海道で、絞りたての牛乳が1000トン、余って捨てられた、とのニュースが流れていました。2週間くらい前だったと思います。1000mlパック100万本分ですよっ。フルーチェが何杯食えるんでしょうか。 ヽ(`ロ´メ) ムカッ

    そしてまたこの金曜日だったか、900トンの牛乳が捨てられた、というニュースが流れました。いったいどれだけの牛乳が捨てられているのか、全体図が見えません。

    とにかくもう「もったいない」ったらないです。

    捨てるのであればと、今、スーパーで1000mlのパックを買うと200mlの牛乳がタダでついてくるようになりました。その前は、とにかく来たお客さんにタダで配っていたのがニュースになっていました。結局は酪農家の負担になるというのに、消費者としては儲かったと喜びます。

    原因は消費者の牛乳離れだそうですが、酪農業者の営業努力の欠落ということで、生産者側の自己責任だと言われるのが今の日本の姿なんですね。テレビでもそんなこと言ってました。でも調べてみたらびっくりしました。

    今年の1月の国会で、小泉首相が「攻めの農政を進める」と話し、国として100万トンの牛乳の生産“増”の計画を指示しているのです。わずか2か月ほど前の話です。

    政府方針が「増加」の方針を出したために、酪農家は増産体制をとり、2~3年先には5割も増加を目指したところもあったそうです。(生き物ですから急に生産を増減できません。とりあえず乳牛を増やしたという段階です)

    しかし牛乳の消費は実際には激減中で、今年の3月に、生産者団体が全道で1万トンの減産調整をしなくてはならないという結果に達してしまいました。牛の乳を水道の蛇口のようにキュッとしめるわけにもいかず、剰余分が産業廃棄物として捨てられることになっていったのです。

    それだけじゃなく、休ませるしかなくなってしまった乳牛を多数処分することになり、酪農家は本当に泣きまくっています。
    チーズやバターに加工してもすでに限界で、何とっ、加工された製品を酪農家が買い取る事態になっているのだそうです。
    そしてついにというか、スキムミルクにして世界の飢餓に苦しむ人々へ寄付する形も取り始めました。

    ただ生産していればいいと「あぐらをかいていた酪農家」の苦悩ははかり知れません。
    (生産者側の見通しの甘さはありますが、何と言うかこういう言い方になる国になってしまったのですね。増産を指示した国の責任は問われませんし)

    さて、我が家では「牛乳を久々に飲む」ことを決め、朝、起きがけに冷たいヤツをゴクゴクと飲みました。これが実にうまいのです。北海道で売られている牛乳は実際に「内地」のものより数段モノがいいそうで、それもテレビの特集でやっておりました。
    どのくらい違うのか。
    「内地」(岐阜だったかな)で評判のいいフランスで修行を積んだお菓子職人が、20年も前に北海道のパック牛乳に惚れ込み、以来ずっとこの牛乳で何か出来ないかを考えていたようで、最近、ついに札幌でアイスクリームバーを開業するに至ったのです。職人の話では、やはりおいしさが違うので、牛乳のおいしさを最大限に引き出すために、お菓子ではなくアイスクリームを作ることにしたと言っていました。
    内地に自分の店を複数持っていたのですが、経営権を他人に譲り、わざわざ北海道でアイスを作るためにやってきたというのです。そのくらいうまいのです。
    そしてその店は不況の札幌の中でも盛況で、姉妹店を出すという計画もあるようなのです。

    で、その本当にうまい牛乳をゴクゴク飲んでほどなく、トイレを往復する私でした。急に飲むと腹が壊れますね。なんでかなー、うまいのになー。

    でも飲みますよ、牛乳。
    日本一の、いや世界一うまいかも知れない北海道の酪農を崩壊させることが一番もったいないですからね。そうでしょ。


  • v038 なまずし

    ■なまずし

    特急車内モニタ
    札幌と実家のある北見を結ぶ「汽車」と「バス」には共に車内にモニターがあり、映画を観たり、眠ったりして移動します。窓の外には時々、野生の鹿などが見られます。
    5時間ほどかかりますがそれほど苦痛はありません。

    北海道だけかなと思いますが、にぎり寿司のことを「生寿司」(なまずし)と言います。生まれてから高卒までの18年間、にぎり寿司の正式名称を「なまずし」だと思って生きていました。

    東京に出てからしばらくは寿司そのものが食える状況ではなかったので、幸い「なまずし」という言葉を使う機会がありませんでした。そうしてしばらく暮らしていると、周りで「なまずし」という言葉を使っていないことにぼんやりと気付いてきます。そしてなぜか「なまずし」という言葉を口にしなくなりました。

    10年もすると、「昔、にぎり寿司のことを“なまずし”と言っていたような気がするが、気のせいだったろうか…」と、そう言っていたことすら忘れかけていました。本当です。「確か“なまずし”って言ってたような…」という感覚です。

    さて、実は今、母が入院しています。もう2か月になります。1か月間は集中治療室に入っていました。脳の働きを薬で止め、心臓を止め、人工呼吸器で生きていました。

    人間の親指くらいの大きな腫瘍が脳内にできていることを偶然検査で発見し、大事が起こる前に取り去る手術をしたのです。手術は13時間かかり成功しました。ところがやはり腫瘍が想像以上に大きかったので傷が大きく、脳が腫れて脳全体を圧迫し始めました。まさに想定外。それで緊急に脳の働きを止め、休ませる、という措置をとったというのです。

    それから、徐々に回復してきました。意識が戻ってからは、まず左半身が動かず、薬が効いているせいか、目の前の人が誰かもわからず、言葉もしゃべれない状態が続きました。それから少ししゃべれるようになり、少しずつ記憶が戻ってきました。体はもう筋肉が落ちてガリガリなんですが、冷たく動かなかった左半身も動き始めました。リハビリがうまくできそうなのでひと安心です。

    さて、かろうじて言葉が出るようになったころの話。目線はまだ宙をさまよっている感じで、元に戻らないんじゃないのかと心配になっている時、突然こう言いました。

    「はらへった」

    おもろいこと言うじゃないですか。まあ、チューブからの栄養剤だけで生きていたわけですから、何か食べたいという気持ちはわかりました。でもおもろすぎる。そこで私は「何が食べたい?」と聞いてみました。すると即答でこう言いました。

    「なまずし」

    またまたおもろいことを。いや、でもそうなんですよ。今でこそ100円だったりしますが、昔、食べたいものといえば、私も「なまずし」でしたし、やっぱり高級品でありました。100円じゃなく高級な寿司を食わせてやりますよ。

    しかし母がグルメに目覚めてなくて良かった。
    「フォアグラのなんとか」とか「キャビアのなんたら」なんて言われたら…。
    でもそんときは私はきっとこう答えるでしょう。

    「なまずしにしなさい」と。


  • v037 ラストジャンプ・原田雅彦

    ■ラストジャンプ・原田雅彦

    大倉山ジャンプ場

    「ふぅぬぁくぅいぃ~~、ふぅぬぁくぅいぃ~~」

    長野オリンピック、ジャンプの団体。原田雅彦の1本目は雪で滑走スピードが落ち、風がやむ不運が重なって79.5mの大失敗ジャンプ(他の選手ではこれほどは飛べなかったという見方もあり、私もそう思った)。日本は2位に落ち、次の船木和喜も距離が伸びず4位に転落。
    悪天候の中2本目。1本目の失敗、ついでにリレハンメルでの失敗が思い出され、大きなプレッシャーがかかる中で飛んだあの原田の137mの大ジャンプ。直後、アンカーの船木に祈るように、泣きながら声を送った。

    「ふぅぬぁくぅいぃ~~、ふぅぬぁくぅいぃ~~」

    私が冬季五輪の中で最も感動したシーン。なぜか本当にこのシーンだけは思い出すだけで涙腺が緩んでしまいます。
    その原田雅彦が引退を発表し、先日、大倉山で最後のジャンプを飛ぶというので行ってまいりました。ナイトジャンプです。ナイターですよ、泣いたー。(いや、わしゃ泣いとらん)

    入場料1000円。安いじゃありませんか。
    この日行われたのは「伊藤杯」というラージヒル、今シーズン最後の大会。

    出場選手は90人。原田選手の1本目は90番目です。で、名簿を見てびっくりでした。船木和喜、高橋大斗、宮平秀治、伊藤謙司郎、葛西紀明、伊藤大貴、岡部孝信といったビッグネームがズラリとならんでいます。

    いやーもーこれで1000円じゃジャンパーが可哀想と思ったくらいです。思わず財布の小銭382円をカンパしました。(会場ではカンパを呼びかけていまして、額に関係なく「ノルッキー」* というキャラクターの缶バッジがもらえるのです。すいません、バッジが欲しかったんです)

    この大会とは別に、原田選手のラストジャンプが用意されていました。今回で引退する選手は5人いて、あの宮平選手も含まれていました。(知ってる人は知っている)

    会場は熱気に包まれていましたが、マジで寒かったです。ここのところ気温が緩み、もう春の気配がありましたので、「ももひき」も「ババシャツ」も脱いでいたのです。それでも夜は冷え込みますし、やはり侮れないのです。もう寒くて寒くて、あまりにも寒いのでいろんなところ(レストランやらショップやら資料館やら休憩所と書かれた大型テントやら)で暖をとっては外へ出て観戦しました。

    最初の方は高校生や大学生が飛ぶのですが、50m、60mくらいのものなんです。やはり130mも飛んでくる連中ってのはすごい才能の持ち主なのです。

    で、この学生たちが飛ぶ前に、ひとことコメントが読み上げられていまして、「引退する先輩、ご苦労様でした」とか「まだ始めたばっかりで怖いです」とか、ほのぼの感たっぷりで、テレビ中継とはひと味違いました。

    会場の応援も部活の仲間だったり、知り合いだったりなんでしょう、熱心でやっぱりこれもほのぼのしておりました。

    さて、ぶるぶる震えながら見た原田選手の1本目、100mには届かなかったものの23位。どうにか2本目を飛べる順位。
    そして、がたがた震えながら見た原田選手の2本目は、頑張ってくれました、111m。

    さらにさらに、感動のラストジャンプ。
    大ジャンプではありませんでしたが、みんなこれを見に来ていたわけです。見たというだけでもう満足満足でした。ラストジャンプのあとは報道陣に囲まれてインタビューを受け、会場のスクリーンに映し出されておりました。音声は聞こえませんでした。とは言え、音声などどうでもよく、涙目の原田雅彦が映っているだけで良かったのでした。

    ホットな心と寒い現実。感動どころではない寒さにとっとと帰ってきた私でした。
    いや良かったですよ、本当に。

    ノルッキーバッジ
    これがカンパによってもらえたノルッキーバッジ(直径35mm)。  「ノルッキー」とは、来年行われる「FISノルディックスキー世界選手権札幌大会」のキャラクターです。このキャラクター、妙に気に入っております。

  • v036 地元球団づくし

    ■地元球団づくし

    ファイターズ

    野球の世界一を決めようというワールド・ペースボール・クラシック(WBC)がまあまあ注目を浴び、日本対韓国の試合(準決勝)が行われている時、北海道のラジオではそれを放送せず、何と北海道日本ハムファイターズのオープン戦がオンエアされておりました。(微笑)

    それはさておき。

    「よく当たるんですよ、北海道日本ハムファイターズのペアチケット」
    と、嬉しそうに話す私なのでした。(自分にインタビューかよっ)
    写真のチケット1は開幕戦の内野指定席チケットで、東急ストアのキャンペーン「500円以上の買い物レシートを貼ってハガキで応募」ってやつですが、2通出したらひとつが運良く当たってしまいました。

    チケット2は北海道新聞のキャンペーンのFAX応募で当たりました。何と、読者じゃなくても応募できる寛容さ。これは今回初めて応募したのですが、開幕2連戦どちらにでも行ける自由席券が当たりました。

    ペア観戦チケットはもう5回もゲットしています。(無料観戦ばかりで申し訳ない…)

    とにかくこちらでは、テレビのプロ野球の話題は「地元球団」ということでファイターズ一色。他球団の話はほとんどしません。(本当にすごいですよ)
    町のあちこちで選手の写真やポスターが見られますし、みなさん応援しています。お土産屋さんでもキタキツネやマリモと並ぶ北海道名物と化しています。

    研究所通信vol.1で書きましたが、去年の夏、サッポロビールの「冷嬢」という発泡酒に貼られているシールを48缶分応募用紙に貼って、2度応募しました。それで「Tシャツ1」と「Tシャツ2」をゲットしました。ファイターズの四番・小笠原選手のイラストが入っています。とにかく48缶飲めば「必ずもらえる」というので、96缶飲んだわけです。げっぷ。

    そんなわけでファイターズは地元密着で頑張っています。

    ところで、我が家から歩いて10分強のところに、安くておいしい「讃岐うどんやさん」があります。「つるりん」という頭に残る名前なので、冬道を歩いている時などに「つるりん」と滑りそうになるとその都度思い出す店です。ここの店がすごいんです。

    うどん屋
    まあ、↑こんな感じでして、うどんも冷めやらぬ熱気であります。うどんも本当にうまいです。(宣伝)

    この店の“看板娘”は、「島田」の大ファンということで、おお、随分渋いですなー、と思っていました。

    『あれぇ? 島田ってもうとっくに引退してたよなぁ』

    日ハムの島田と言えば、かつてあの落合選手と8厘差の首位打者争いをした名選手。盗塁も通算351個の俊足。パ・リーグゆえに目立たなかったものの、知る人ぞ知る玄人好みの選手です。そうなのです。私は、かつての巧打者「島田誠選手」を思い浮かべていたのです。ふるっ!!
    また一緒にいた妻は、日ハムに入団し横浜に移籍して優勝(1998年・日本一)に大きく貢献した「島田直也投手」を思い浮かべておりました。面食い!?
    (どうもマニアックな話ですいません。ついてきてくださいよー)
    私は 「渋いですねー」と言いかけやめました。いくらなんでも島田誠の世代ではないと思ったので…。調べてからにしようと…。

    危うく恥をかくところでした。別の島田がいたのです。しかも今年からコーチ、去年引退したばかりでした。私はその島田の選手時代の記憶がありません。成績は平凡ながら、勝負強い打者だったようです。(日ハム戦は東京ドームに何度も行ってたのに…)
    まあどちらにしても渋いところには変わりはなかったのですが、まぎらわしい話でした。(普通なら小笠原か新庄のファンだろうと思ってしまうミーハーな自分。まさか島田一輝とはピンポイントにも程がある…) (^^;;)

    そんなわけで札幌は年中「ファイターズ」の話題に囲まれています。
    あれっ、ついて来てますか? 最後までお願いしますよ。

    ファイターズは今年優勝し、秋には美酒に浸る計画ですが、それにはWBCの“少し目が悪い審判”の力が必要かも知れません。ウソです。ジョークです。(そんなんじゃ優勝しても酒がマズくなりますからね)