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  • v061 オホーツクで海釣り/猫看護

    ■オホーツクで海釣り

    海釣り用のリール

    7月のイベントで、クイズに答えてしまったばっかりに、オホーツク海沿岸の紋別市から「ペアで行く流氷砕氷船“ガリンコ号”無料乗車券」が大当たりした話を以前書きました。流氷がない時期は、カレイ釣りの観光船として利用されています。私は泳げないので海が嫌いで、しかものんびりとした釣りは苦手。交通費自前となると、行く気も半々というところでした。

    しかし何と言う偶然。この研究所通信を見た札幌の数少ない知人の一人からこんな話がありました。
    「同じイベントで、うちの母が紋別市までのペアの往復航空券を当てたので良かったら使ってください」と。
    これは凄いことです。札幌市民180万人中数人程度の知り合いが、たまたまイベントに居合わせ、クイズで手を挙げ、たまたま指名され、見事に正解し、10人のうち1人に当たる航空券を当てているわけです。ウチにしても同じくたまたま10分の2の確率で釣り船が当たったわけで、これはざっと計算すると795億分の1の偶然であります。(数字はややウソ)

    それならば行かねばなりません。
    さて、何よりもびっくりしたのは航空機のことなのですが、それは次回に持ち越して、今回は釣りのことを書きます。

    紋別の天気は晴れ(前日まで雨でした)、23度前後の涼しい気候。
    現地の受付へ行くとこんなことを言われました。
    「乗り物酔いする方ですか。実は今日は少しうねりがありまして…」
    「酒で鍛えてますから…」
    「こーんな感じで結構凄いですよ。本当に大丈夫ですか」
    「酔い止めの薬って酒(アルコール)じゃないんですか」と私。
    「それはもっとひどいことになりますよ」
    「ゲロっ。薬ください」(300円の液体飲み薬を服用)

    釣り船客は12名くらいいました。外海に出るとうねりで船が上下します。ザッパーンと波しぶきがかかります。でも、すごく心地よく、薬のおかげなのかまったく酔うことはありませんでした。1人気持ち悪いと言ってぐったりしている以外はみな大丈夫そうでした。

    皆さん気合いの入った格好でした。私は初めての海釣りで、おおよそ釣りに来た格好とはかけ離れ、片手にはカメラ、船の手すりにがっちり捕まり素人丸出しです。リールも初めて使います。私の連れも同様海釣りは初めてです。

    船は水深41メートルのところに停泊。いよいよ釣り開始です。釣り糸には40グラムのおもりと、針が2つ付いていました。エサは気持ちわるっぽい長い虫で、塩づけのような形で冷凍されてシャリシャリしていました。
    カレイは海底を這うように生息しているのでしょう、釣り糸を海に入れ、リールを解放しておもりが海底に届くまで待ちます。41メートルは深いです。一番心配だったのは釣り竿を落としたらどうしようということで、とにかく竿は必要以上に力を入れて持っていました。素人ですねー。

    で、釣れたのかどうか全然感覚がわからず、時々重くなるので引き上げてみました。リールを巻き上げます。41メートル分。結構大変。いない。また41メートル落とす。41メートル巻き上げる。いない。41メートル落とす、41メートル巻き上げ…あーもうめんどくさいっ。

    そんな時に、隣で連れが大きめのカレイと小さいカジカをいっぺんに釣り上げました。
    「釣れると楽しいね」と、うきうきしています。
    「そうやね。釣れればね」(どんより)と私。

    見かねた漁師風の添乗員が、私のところに来てマンツーマン指導をしてくれました。その15分後くらいに、急に糸が重たくなりました。
    「あれっ、何かに引っ掛かったのかな、重いっ」
    でもリールは巻き上がるので、何かが釣れたようでした。力の強いカレイかも知れない。ナメタカレイ、というカレイなので、釣り上がったら
    「人をなめたカレイだ」と言おうと思っていたら、やけに立派な太い魚が2匹もぶら下がってきました。添乗員が叫びました。

    「フグだ。2本もついてるぞ。いやー、こりゃ、マフグだな」

    そりゃーもう、結構立派なフグを一度に2匹ですから、UFOキャッチャーでアンパンマンとショクパンマンを同時に取った時より嬉しいと思いました。

    ところがです。あちこちでフグが上がり始めました。
    「フグだ。フグだ」
    「こっちもフグだ」
    「フグの大群が来てる」
    「ありゃー、またフグだ、こりゃひどい」

    そう、「ひどい」状況でした。カレイを釣りに来て違うものが釣れるのは「外道」というらしく、いいことではないらしいのです。しかもフグは免許がなければ調理できないため、個人が持ち帰れるものではないのです。 下手すると毒で死にます。

    結局、約1時間強の釣りでの戦利品はカレイ2匹、小さいカジカ4匹のみでした。他の客も全体としてはフグばかり釣れて、肝心のカレイは少なかったようでした。
    しかしフグが釣れるのはめったにないようで、女性添乗員に聞いてみたところ「私は初めてです。こんなことはありません」と言っていました。

    私としては、あの手応えはなかなか気分が良く、釣りにはこうやってハマっていくんだろうなと思うのでした。

    ガリンコ号で釣り
    流氷を砕いて進むガリンコ号。夏場はカレイ釣りの観光船(左上)
    釣り糸をたれる連れ(右上)
    戦利品(左下)、釣れた2匹のフグ(右下)

     

    ■その後の猫看護報告

    猫のミュウ
    右目は良くなってきています。ボールなどのおもちゃで遊ぶようになりました。

    預かってから1か月経過、また劇的な変化がありました。 部屋の中を走るようになりました。はっきりと目は見えていないようですが、光を感知しているので、動いているものがわかる状態。右目はだんだん澄んできました。

    ただ左目の腫れが引かず、眼圧が高い。場合によっては破裂することもあり、脳もやられる場合もあるとのこと。一応「みゅう」に関してはまだその心配はないとのことですが、場合によっては眼球を萎縮させるとのこと。それは完全に左目をあきらめることを意味します。そうならないように、薬を飲ませ、点眼を続けています。

    紋別へ行った土日は飼い主さんへ戻しました。まだ平日手をかけられないので、もうしばらく預かることになりました。


  • v039 何とかならんのか牛乳

    ■何とかならんのか牛乳

    牛乳をどうぞ
    こんなコマーシャルよく見ますよね。(北海道だけ?) 牛乳生産者は、営業努力を全くしてないわけではないと思うのですが…

    北海道で、絞りたての牛乳が1000トン、余って捨てられた、とのニュースが流れていました。2週間くらい前だったと思います。1000mlパック100万本分ですよっ。フルーチェが何杯食えるんでしょうか。 ヽ(`ロ´メ) ムカッ

    そしてまたこの金曜日だったか、900トンの牛乳が捨てられた、というニュースが流れました。いったいどれだけの牛乳が捨てられているのか、全体図が見えません。

    とにかくもう「もったいない」ったらないです。

    捨てるのであればと、今、スーパーで1000mlのパックを買うと200mlの牛乳がタダでついてくるようになりました。その前は、とにかく来たお客さんにタダで配っていたのがニュースになっていました。結局は酪農家の負担になるというのに、消費者としては儲かったと喜びます。

    原因は消費者の牛乳離れだそうですが、酪農業者の営業努力の欠落ということで、生産者側の自己責任だと言われるのが今の日本の姿なんですね。テレビでもそんなこと言ってました。でも調べてみたらびっくりしました。

    今年の1月の国会で、小泉首相が「攻めの農政を進める」と話し、国として100万トンの牛乳の生産“増”の計画を指示しているのです。わずか2か月ほど前の話です。

    政府方針が「増加」の方針を出したために、酪農家は増産体制をとり、2~3年先には5割も増加を目指したところもあったそうです。(生き物ですから急に生産を増減できません。とりあえず乳牛を増やしたという段階です)

    しかし牛乳の消費は実際には激減中で、今年の3月に、生産者団体が全道で1万トンの減産調整をしなくてはならないという結果に達してしまいました。牛の乳を水道の蛇口のようにキュッとしめるわけにもいかず、剰余分が産業廃棄物として捨てられることになっていったのです。

    それだけじゃなく、休ませるしかなくなってしまった乳牛を多数処分することになり、酪農家は本当に泣きまくっています。
    チーズやバターに加工してもすでに限界で、何とっ、加工された製品を酪農家が買い取る事態になっているのだそうです。
    そしてついにというか、スキムミルクにして世界の飢餓に苦しむ人々へ寄付する形も取り始めました。

    ただ生産していればいいと「あぐらをかいていた酪農家」の苦悩ははかり知れません。
    (生産者側の見通しの甘さはありますが、何と言うかこういう言い方になる国になってしまったのですね。増産を指示した国の責任は問われませんし)

    さて、我が家では「牛乳を久々に飲む」ことを決め、朝、起きがけに冷たいヤツをゴクゴクと飲みました。これが実にうまいのです。北海道で売られている牛乳は実際に「内地」のものより数段モノがいいそうで、それもテレビの特集でやっておりました。
    どのくらい違うのか。
    「内地」(岐阜だったかな)で評判のいいフランスで修行を積んだお菓子職人が、20年も前に北海道のパック牛乳に惚れ込み、以来ずっとこの牛乳で何か出来ないかを考えていたようで、最近、ついに札幌でアイスクリームバーを開業するに至ったのです。職人の話では、やはりおいしさが違うので、牛乳のおいしさを最大限に引き出すために、お菓子ではなくアイスクリームを作ることにしたと言っていました。
    内地に自分の店を複数持っていたのですが、経営権を他人に譲り、わざわざ北海道でアイスを作るためにやってきたというのです。そのくらいうまいのです。
    そしてその店は不況の札幌の中でも盛況で、姉妹店を出すという計画もあるようなのです。

    で、その本当にうまい牛乳をゴクゴク飲んでほどなく、トイレを往復する私でした。急に飲むと腹が壊れますね。なんでかなー、うまいのになー。

    でも飲みますよ、牛乳。
    日本一の、いや世界一うまいかも知れない北海道の酪農を崩壊させることが一番もったいないですからね。そうでしょ。


  • v034 難解なテレビチャンネル

    ■難解なテレビチャンネル

    手稲山
    「マウンテントップ式」テレビアンテナが林立する手稲山

    札幌に来てちょうど1年(3月5日)になりましたが、北海道のテレビ局の名前がどれもよく似ていて、いまだに覚えられません。
    『何でおんなじような名前にするのかなぁ』と思います。

    北海道の地方局が「テレビ北海道」TVH
    テレビ朝日系は「北海道テレビ」HTB
    毎日テレビ系は「北海道放送」HBC
    フジテレビ系は「北海道文化放送」UHB
    読売テレビ系は「札幌テレビ」STV
    それとNHK総合、NHK教育

    テレビ北海道、北海道テレビ、北海道放送、北海道文化放送がよく似ていますね。
    そしてHTB、HBC、UHBがよく似ています。

    これとチャンネルがまた妙に覚えにくいのです。
    アンテナの関係で、VHFが1から12チャンネル、UHFが13から62チャンネルとなっているのだそうで、上で書いた局の順で17、35、1、27、5、3、12チャンネルという具合です。ひどい数字のチョイスだと思いませんか。素数か、みたいな。
    だいたいUHFって何よって感じで、またUHBとUHFが似ていてごっちゃごちゃ。

    UHFのチャンネルは数字が13~62と大きいのでリモコンにその数字がなく、普通のテレビの12のチャンネルのどこかに対応させるしかありません。

    空いているチャンネルならどこに当ててもいいみたいですが、6チャンネルと9チャンネルは、すでにテレビショッピングの番組が取得しているらしく、空いているのは2、4、7、8、10、11のチャンネル。

    こちらの電気屋さんがしてくれた設定は、北海道文化放送(フジテレビ系)の27を7チャンネルに、北海道テレビ(テレビ朝日系)の35を10チャンネルに、テレビ北海道の17を4チャンネルにしてくれました。「普通こうだから」ということで落ち着きました。

    で、リモコンで「7」を押すと、画面右上に「27」と出るのです。
    「うあぁぁぁ」です。

    東京で慣れてしまったチャンネル構成は完璧に忘れた方がいいのですが、10チャンネルの朝日だけ同じなので、つられてフジは8チャンネルみたいな感覚に戻ったり、ローカル局のテレビ北海道のつもりで見ていたら実はNHK教育で、なんとなく感じが似ていて違和感がなくてごっちゃになったり、1年経ってもまだどこが毎日なのか朝日なのかサクッとわからない状態です。

    しかもHTBとHBCがまだ頭の中で整理されていません。フジテレビがなんで「U」なのか意味もわかりません。

    何とかならんのか、と思いますが、どうにもなりません。

    余談。
    ところで、札幌のテレビ塔は有名ですが、現在テレビ塔としての機能は持っていないようです。テレビ塔からの放送開始は1956年、NHKが最初だったようで、それから6年後の1962年(私が生まれた年)には、高い山の頂上から送信する「マウンテントップ式」に切り替わりました。
    これは当時日本で初めての試みで業界の注目を集めていたそうです。広い北海道では「マウンテントップ式」が広域に無理なく送信できるということで、今では札幌の「手稲山(ていねやま)」に各局のテレビアンテナが林立し、肉眼で確認することができます。(わかりにくいですが、写真にアンテナ群が写っています)

    写真は9月に我が家の窓から撮影したものですが、 現在は高層マンションが建ってしまい完全に遮られ見えなくなってしまいました。悲しい…。


  • v029 コクホくんとコクホちゃんは笑っているけれど…

    ■コクホくんとコクホちゃんは笑っているけれど…

    コクホくんとコクホちゃん

    今回はややお堅い話。
    昨年、日本国内で国保料が払えずに治療を行えず、命を落とした方が20名近くいたそうです。てことは、命にまで関わらなくとも、病院へ行けずにケガや病気をこじらせてしまった人は相当数いると思われます。

    実は、昨年引越したばかりの3月、札幌市役所から国民健康保険の納付書が届いた時、あまりの高額に両方の目玉が飛び出してしまいました。(ホラーですね)
    確実に何かの間違いであろうと思い、市役所へ乗り込んだのです。

    私 :「あのーすいません、国保料が間違ってるんですよ。こんなわけないですよね」
    職員:「はいっ? あ、えーとですねぇ…」
    私 :「東京から引越してきたんですが、2倍以上ですもんねこれ」
    職員:「え、そうですねぇ…」
    私 :「ね。というか実質3倍近いですよね。計算違いでしょ?」
    職員:「んー、この計算式ですから…、合ってるんですよ、これで」
    私 :「え、うそ!」(また目玉が…)
    職員:「すいません、合ってます」
    私 :「え、うそ。え、うそ。え、うそ…」(壊)

    目玉に続いてよだれも出てしまいました。
    気を取り直し、あまりにも東京との開きが大きいのでその理由を聞いてみました。

    まず、 東京には大金持ちがたくさんいて全体の底上げができているのに対し、札幌には大金持ちがほとんどいないため、みんなで多めに出し合うしかないのだという説明でした。(貧乏人が多いので税収が少ないということだ…)
    それから、札幌に優秀な医療機関が集中しているために、重い病気の人や難病患者が北海道や東北の広範な地方から集まり、そういう医療費を札幌市民が負担する構図になっているのだというのです。本当なのか? 何と言う現実。

    困ったなぁ。

    ほぼ1年間納付してきて、本当に重税感があります。苦しんでいる人が大勢いるだろうことは簡単に想像がつきます。同時に、東京の国保料って安かったんだなと妙に感心するのでした。

    借金大国、高齢化社会では減税の期待は薄く、これからはもっと負担が大きくなるのは確実。しかしこれって仕方ないで済むことなのだろうか…。直接人命にかかわることなのに…。
    待てよ、大企業が空前の利益を上げている中で、その大企業や大金持ちの税金が優遇され過ぎているのではないか。んー、でも札幌市の説明を考えれば、取れるところから取ったとしても税収が増えるのはケタ違いの大金持ちが集まる東京だけであって、地方はダメダメではないか。

    所得の低い者が大きな負担をするしくみって何なのさ。
    詐欺で蔓延している世の中、まるで地方が国の詐欺にあっているような感覚だ。 構造的に希望が持てないのだから。高額の国保料を支払う度にそう思ふ。

    でも医療って地方自治なのだろうか。これじゃ「国民」保険じゃなくて、「市民」保険とか「町民」保険、「村民」保険じゃないか。納得いかないなー。医療の地域格差をなくしていくのが国のやることじゃないのだろうか。だって人間には格差がないのだから。そんな理想はもうこの国にはないのかな。

    地方は酷だゼイ。(ムカムカプン)
    でも東京にいた時にはあまり考えもしなかったな。ボソッ。


  • v028 貝と言えばツブですが…

    ■貝と言えばツブですが…

    つぶ貝

    ホタテ、カキ、赤貝、ミル貝、トリ貝、アワビ…。酒のつまみには最高ですね。
    北海道に来てから、貝と言えばツブ貝が主流となりました。店ではよく突き出しに出てくるくらいポピュラーで、スーパーでも目立ちます。

    で、このツブ貝の刺身が思いのほかうまいのです。コリコリ具合が絶妙で、ひょっとするとアワビ以上にうまい。(個人差あり)
    有名なのは稚内近くの(かなり北)オホーツク側にある猿払(さるふつ)というところのツブ貝です。偶然、ある飲み屋でその猿払産のものを口にできました。あまりに美味しかったので、なくならないように、少しずつ少しずつ食べたのでした…。(貧)

    ある日、スーパーで生きているツブ貝が1個168円の特売だったので3個衝動買いしてしまいました。(通常は1個700円くらいで売っていたりします)

    『買ったはいいが、どうやってさばくのだろう』

    刺身と言っても少し湯通しするのではないだろうか。できればその方が生き物を直接殺した感じが半減するのでありがたい。巻き貝なので生きたまま引きずり出すのは酷ってもんだし、動いているものを切り刻むのはできれば避けたい。が、それはあまりにも非現実的でありました。

    ネットでさばき方を発見して思わず笑ってしまいました。
    1 ハンマーで殻を叩き割る(大笑い)
    2 身を引きずり出す(笑い)
    3 不要な部分を取り除く(内臓を切り取る)(微笑)
    4 唾液腺(アブラ・毒)を手で取り除く(汗)
    5 生きたまま食べやすい大きさに切る(笑い)

    ぐにゃぐにゃと生きている状態で切り刻むこととなりました。3個も。
    以前、生きている毛ガニを買った時も目をつぶりながら熱湯に投入しましたが、今回もまた人は殺生によって生きていることを実感するのでした。何を今さらという感じでもありますが、長年、生き物に手をかけてこなかったので、逆におかしな感覚が支配してしまったのでしょう。

    ツブ貝をひとつ左手に取ります。右手にハンマーを持ち、コツコツを叩くと殻は簡単に砕けていきます。殻が割れていくと、貝の身が膨張するようにせり出してきます。

    『なんまんだぶなんまんだぶ…』

    やがて身がすべて取れるので、内蔵部分や唾液腺を手でちぎったり包丁で切ったりします。 まだ生きて動いているツブ貝をスパスパっと切ってしまいます。そうやってひとつ殺り、ふたつ殺り、三つ目に差し掛かる頃にはもう慣れてきて、すっかり料理人の気分となっているのでした。
    味はもう最高。日本酒ですっかりご機嫌な食事となりました。