• v080 セントラルヒーティングの正体/札幌ダジャレ12:ホルモン

    ■セントラルヒーティングの正体

    管理人のおじさん
    管理人のおじさんがビルの暖房を入れる瞬間

    私の住むマンションの暖房システムはセントラルヒーティングです。セントラルヒーティングと言うと、かつて石炭ストーブで過ごしていた私には、とてつもなくカッコイイイメージがありました。

    黙っていても暖かい空気が勝手に部屋を暖めてくれて、まるで召使いが「旦那様、温度はいかがでやんしょ?」と、手揉みしながらボイラー技士が働いてくれているような、「いやー、何か悪いねいつも」なんて思っちゃったりなんかしたりしなかったり…。

    それはただの妄想であるわけですが、引越してきた初日に、そのセントラルヒーティングというシステムの過酷さに気付かされたのです。いや、このビルに限ったものなのかも知れませんが、とっても過酷なのです。

    ★過酷その1
    わがセントラルヒーティングは、朝6時に開始されます。それはまるで工事現場のようなガッチャーン!! ガッチャーン!! ドカーン!! ドカーン!! という大きな金属音で始まるのです。部屋中に響くので本当にびっくりします。ボイラー室で何かをやっている音が、ダクトを通して反響しながらビル中を駆け回っているようなイメージです。
    うちは最上階の10階なので、きっとボイラー室は、音の大きさから考えて、すぐ近くの屋上なんだろうと思っていました。
    『いったいどんな作業をしているのであろうか』
    とずっと不思議に思っていました。

    ★過酷その2
    暖かい空気が常時出てくるわけではないこともちょっと不思議でした。冷えてくると、ガッチャーン!! ガッチャーン!! ドカーン!! ドカーン!! という音がして、暖房が開始されるのです。つまり一度暖かい空気を循環させて、しばらく余熱で過ごしたあと、再びあの爆音が響くのです。1日に5回ほどこの音を聞くことになります。24時間常に暖かい空気が出てくるものとばかり思っていましたが、間違いでした。
    暖かい空気はバルブの開閉によって流量を調節できます。基本的には、建物が古いとはいえしっかり寒冷地仕様なので、日中は寒いと感じることはあまりありません。

    ★過酷その3
    逆に暑い時があります。バルブを閉めても熱が伝わってくるので、窓を開けて自然の冷たい空気を混ぜて冷やすしかありません。(大して過酷ではないな)

    ★過酷その4
    セントラルヒーティングは夜10時前後で終了します。そうです。最高気温がマイナスの日が連日続く北海道の冬で、暖房は12時前には完全に終わり、深夜はじわじわと寒くなってきます。いくら寒冷地仕様でも、「愉快なまでに寒い夜」に、暖房なしでは寒いに決まってます。これはつまり、12時を過ぎたら寝ろ、というメッセージが込められているに違いありません。

    そんなわけで、一度、このセントラルヒーティングの仕組みがどうなっているのかを知りたいと思っていました。それでこの土曜日に、管理室のおじさんに思い切って声をかけてみました。

    「すいません、ちょっとまた変な相談があるんですが」
    「な、なに」
    「暖房の仕組みを知りたいので暖めるところを見せてもらえませんか」
    「えっ…」
    「いやあの、スゴい音がするので、どんな作業をしているのか見てみたくてですね」
    「えっ、そんな音してるの? そりゃ、まあ、…いいよ」
    「無理言ってすいません、興味がありまして」

    そして、それからいよいよ2時間後にボイラー室へ連れていってもらったのです。そこは屋上ではなく、何と地下でした。関係者以外立入禁止のボイラー室へと足を踏み入れます。管理人のおじさんがボイラーの火を強め、確かめながら、簡単な説明をしました。

    「これさ、こことここのバルブを開けて…」
    「水蒸気が回っていくのさ、これでね」
    「ハイこれだけさ」

    暖かい空気が循環しているのではなくて、熱い水蒸気を循環させているのでした。
    何か重たい切り替えスイッチをギギギと押したり引いたり、ポンプを何人かで奴隷のように動かしたり、熱いボイラーの重たい蓋を開けたり閉めたりする光景は、そこにはありませんでした。(どんなマンションだ)

    「あのー、ドカンドカンっていうのは」
    「そんな音するのかい。住んだことないから分かんないわ」
    「スゴいですよ、ドッカンドッカンと」
    「多分それは…」

    多分それは水蒸気が、ダクトのコーナーに当たって出る音だろうということでした。何となく納得できないけど、特別何もしてないのだからきっとそうなんでしょう。
    そしてただ計器を見ている管理人のおじさんを見て、あの凄まじい音のことを知らないってことには納得するのでした。

    わがセントラルヒーティングの謎は解けたような、解けてないような…。

     

    ■札幌のダジャレ的世界の発見 第12回・歩留門(ホルモン)

    焼肉屋

    公的機関をはじめとして、やたらとダジャレが目につく札幌。いろいろと発見し次第、報告いたします。

    さて、上の写真。札幌駅から西へ歩いて10分くらいのところで発見した飲食店です。
    「サッポロ・歩留門」と書かれているのでホルモンだから焼き肉屋さんかなんかだと思われます。これはダジャレなのかなぁ、ちょっと違うかなあ。どうでもいいか。
    この「夜露死苦」的なノリの店名はたまに見かけるような気がします。

    面白いのはその下にも「昼飯屋・どんドン丼」とありまして、安田大サーカスみたいなオチで~す。で、このすぐ近くに中華料理屋さんがありまして、店名は「口福」(こうふく)。「幸福」にかけたダジャレになってます。

    まるでダジャレストリートでした。
    困ったものです。


  • v079 木の水を飲む/札幌ダジャレ11:いえやす

    ■木の水を飲む

    白樺樹液ドリンク
    植えたら生えてきたアボカド(左)と白樺樹液ドリンク“森の雫”(右)

    昨年、「森の雫(しずく)」という“白樺の樹液100%”のドリンクを発見しました。100%って言ったって少しくらい何か入れてるのではないかと、ラベルを見ると確かに白樺樹液のみの表示でした。ホントに樹液だけのようです。

    体に良いとか、何か効能があるとか、そういうことも書かれていません。要は木から出た水を飲むというだけのことなんだなと理解しました。

    それだけなのに、これはもう話のタネに飲むしかないと思いました。でも180mlで300円もします。2本買うとフルボトルのワイン1本とちょっとしたつまみも買えるほどの額になります。(ワインもつまみも安すぎるやろっ)
    札幌のテレビ塔から飛び降りるつもりで2本えいやっと買おうとしましたが、やっぱりもったいないので1本にしました。

    ラベルに書かれている栄養成分表示(180mlあたり)はこうなっています。

    ・熱量    4kcal
    ・たん白質  0.1g
    ・脂質    0g
    ・炭水化物  0.8g
    ・ナトリウム 0g
    ・カルシウム 5mg
    ・カリウム  4mg
    ・リン    2mg
    ・亜鉛    0.2mg

    たん白質って微生物とかじゃないよなぁ、脂質とナトリウムは0なら書かなくてもいいのに、ヘルシーって言いたいのかな、カリウムってことは利尿作用があるなぁ、まあ水だから別に利尿作用はどうでもいいか、などなど思うところはいろいろありましたが、多分人体に影響する量ではなさそうです。

    それで、さっそく飲もうと思ったのですが、これが何だかもったいなくてなかなか飲めずに年を越してしまいました。この際だから飲む前にネットで効能を調べてみました。とりあえず300円分の価値を求めて。

    まず、白樺の樹液が採れるのは残雪が残る4月に限定されるらしく、しかも腐敗しやすいため冷えた容器で集めるのだそうで、非常に稀少価値が高い、とありました。うーん。そんなに無理せんでもいいのに…。
    で、やはりというか、もっともらしい“効能”を発見しました。これが意外にすごい。

    ・身体や内蔵の活性化
    ・抗ストレス
    ・利尿
    ・便秘
    ・痛風
    ・リューマチ
    ・関節炎

    などに効くそうです。人差し指に少しツバをつけて、まゆげに塗ってみたくなる効能ですが、まあこんなに良いものなら300円も出して買って良かったと思いました。

    そして、ある二日酔いの朝、ただの水のようにゴクゴクと飲んでしまいましたとさ。何かちょっと“味”がしました。

     

    ■札幌のダジャレ的世界の発見 第11回・家安(いえやす)

    不動産屋

    これは不動産屋の名前で、家を安く売るので「家安」なんでしょうね。なんでかは知りませんが、徳川家康にかけたダジャレではないでしょうか。

    「鳴かぬなら、鳴くまで待とう、ほととぎす」の徳川家康。客が来なくても、来るまでじっと待ちますよっていう、気の長い不動産屋さんと見受けられます。

    また1600年の関ヶ原の戦いでは、家康(東軍)の、戦闘前の“根回し”と“人心掌握”が功を奏し、石田三成(豊臣軍=西軍)の人望のなさも手伝って、西軍は結束できず、東軍へ寝返る者が続出。あっちゅう間に家康が勝利したとか言われております。
    「家安」には人の心を掴む、説得力のようなものがある、ということなのでしょうか。

    1603年、家康は“征夷大将軍”となります。
    やはり「家安」にも誠意がある、ということなんでしょうか。営業マンが羽賀研二に似ているとでも言いたいのでしょうか。

    困ったものです。


  • v078 年末年始

    ■年末年始

    猫の手
    ネコの手

    これを書いているのは年末です。ネコの手も借りたい時であります。テレビを見たり、昼寝をしたり、風呂に入ったり、酒を飲んだりと、忙しすぎるこの頃であります。(どこがっ)

    1月1日(本日・月曜日)は、朝8時にバスに乗り、6時間かけて実家へ帰省します。道中、あまりに長いので、多分寝ていくつもりですが、バス内で映画が流されるために、それを観ないとなりません。寝る間も惜しんで映画を観るつもりです。
    忙しい年末年始です。

    映画と言えば、2004年の作品で、岩波ホールで見た邦画「父と暮らせば」に胸を打たれて以来、あまり胸を打たれていません。時々乗る長距離バスの中ぐらいでしか映画を見ないからです。人から「これを観ろ」と言われると、DVDを借りてきて観るくらいのことはしますが、なかなか感動に打ち震えることはありません。

    だから年々「父と暮らせば」が引き立ってきます。自分にとって意味のある作品だったので、少し書きます。
    舞台は広島。1945年8月、15~20万人がほぼ即死したと言われる原爆投下で、映画では、父が死に娘は生き残った、そういう設定で進んでいきます。内容と言えば、死んだ父があの世から現れて、娘と普通に会話し、普通に日常が流れていく、極端に言えばそれだけです。残虐シーンゼロ、娘の恋愛ものです。派手さはなく、一見退屈な映画です。

    映画を観ていると、父がオバケであることで、本当はこの日常が失われた日常であることにふと気付いてしまいます。死んだ人と会話なんて普通できないんですから。その普通の会話がじわじわじわじわと、何だかよくわからない切ない感覚となって押し寄せてくるんです。音楽を使って涙を誘うようこともせず、淡々と進行する中でじわっとくるんです。

    非戦のメッセージも伝わってくるし、ああ、ちゃんと意味のある映画だなぁ、映画はこうでなくちゃなぁ、とか思ってしまう私でした。

    さて2007年最初の通信ですが、おめでたい元旦ですが、こんなことを言います。
    私は日本国憲法を変えないで欲しい、と。(もちろん前文と9条です)
    私は日本国憲法を変えないで欲しい、と。(つい2回続けてみました)

    戦争はただもう悲惨です。あの戦争の反省があって受け入れたのが、「戦争を二度と起こさないために」武力を放棄し、平和を希求すると謳った日本国憲法です。それが「改訂(とても改正なんて言えない)」されようとしているようです。私は憲法前文と9条をねじ曲げてはいけないと思っています。消し去っても行けないと。
    国是として「武力を放棄する」なんて、カッコいいと私は思っています。小さい頃から世界に誇れるスゴい憲法だと思ってきました。

    他国が怖いから武器を持つのではなく、むしろ手ぶらの国に攻め込む卑劣さを国際社会に訴えたら、それは強力なストッパーにできると思うのです。いったい誰が手ぶらの者へ暴力を振るうことに賛成できるでしょうか。

    今、自分がひと言も意思表示をしなかったら、後悔すると思ったので、ここに書いておこうと思いました。何となくモノが言える今のうちに。


  • v077 北海道は米どころ

    ■北海道は米どころ

    地下鉄のドア広告
    地下鉄のドアにも「北海道米を食べよう」のポスターが。
    左がプロ野球・ファイターズバージョン、右がサッカー・コンサドーレバージョン。

    昔、北海道で美味い米を作るのは不可能と言われていました。それが今、大変なことになっております。北海道米が美味いのです。ただでさえ、海の幸・山の幸に恵まれ美味いものだらけなのに、米まで美味くなってどうするんでしょうか。

    いや美味いと言っても、ひょっとすると空気のせいかも知れないし、思い込みかも知れない。人間の感覚は信用できませんからね? そうでしょう。だいたいバーミヤンのラーメンが一番うまいなんて言ってる私ですし。むしろ本当はマズいのかも知れない。

    などと思われるのもシャクなので、ここはひとつ、米の美味さについて科学的に説明しましょう。本当に美味い米が北海道でできているんです。

    硬くてパサパサした米は、アミロースという成分が多いのだそうです。気温が低いとアミロースが増え、いわゆるマズくなるそうです。北海道で美味しい米ができないというのはそういう理由があったのですね。しかし品種改良を重ねることで、寒冷地でもアミロースを減らすことに成功したようなのです。

    アミロースの含有値は、標準米で20%前後、美味しいと言われるコシヒカリは17%。この3%の差で劇的に味や食感が変わるわけです。そして北海道米の中でも特に美味いと言われる「おぼろづき」という新品種は、コシヒカリよりも3%も低い脅威の14%っ!! なるほど美味いわけだっ!!

    ちなみに昔の北海道米のアミロース含有値は24%前後だったそうで、それはあのパサパサしたインディカ米とほとんど変わらない数値です。やっぱり昔は日本の常用米としてはマズかったんですね。毎日ピラフならまあ良かったんでしょうが…。

    実はちょっとずるい書き方をしてしまいました。北海道米は、「ななつぼし」とか「ほしのゆめ」とか「きらら397」とかが主流です。だいたい平均的には19.5~20.5%なんだそうです。数値的には「おぼろづき」が特別に美味いということになります。他はまあ標準的ってことになってしまいますが、それでも「ななつぼし」などは食べてみると、

    「おやおや、美味しい米ですな」

    なんて言ってしまうくらいでして、何かちょっと美味さの裏事情があるんじゃないかと思えてしまうのです。で、こんなことが言われています。

    稲が育つ夏場の“昼夜の温度差”が大きいと美味しくなる。

    特に注目すべきは夜の気温で、夜中が暑いと米が濁り、出荷できない米になるんだそうです。ここのところの地球温暖化で、北海道は昼の気温が程良く高くなったために、涼しい夜との温度差が、米作りにピッタリの条件になったと思われます。

    地球温暖化万歳っ!! (バチ当たり?)
    地球温暖化万歳っ!! (反エコ?)
    地球温暖化万歳っ!! (この1行いらんかも)

    それから水が冷たい方が美味しい米が穫れるそうです。ぬるま湯にどっぷり浸かるモノはダメになるってことですかね。(耳が痛いっ)
    アミロースの値は標準的ですが、冷たい水から与えられた“根性”みたいなものがひと味加わっているのではないかと、思ったり思わなかったり…。

    あと、内地に比べ凶悪な害虫にさらされる度合いが低いため、農薬も少なく済み、安全性も“高め”であるようです。

    もう言うことナッシングの北海道米です。

    最近放送されたローカルテレビの特集によると、北海道米に切り替えている飲食店が多くなってきているようです。ある寿司屋のオヤジがこうも言っております。

    「コシヒカリが一番美味いというのは思い込みだっ」
    「まったく引けを取らないどころか、こっちの方が美味い」
    「北海道米だから使うんじゃない、美味いから北海道米を使うんだっ」

    まあ、ローカルだし、微笑ましい報道ということで許してやってください。
    でも、最近では全国放送で北海道米の美味さについて取り上げる番組も出てきました。
    全国チェーンの外食産業が、値段も安く美味しい北海道米に目をつけているようで、もう切り替えが始まっているといいます。

    北海道では今、米に拘わらず、農作物全般に「地産地消」の意図があるように思えます。景気が最悪と言われる北海道で、本当ならバンバン輸出して外貨を稼ごう(北海道は国かっ)としても良いのに、自国のモノを自国で消費(北海道は国かっ)することを最近テレビなどで強く押し出しています。
    自給自足という考え方なら、こんなに正しい国のあり方もない(北海道は国かっ)。まあ単純に安い輸入品に産業を潰されないための策なのかも知れませんが。

    そういえば、輸出品については(北海道は国かっ)、付加価値の高い、儲かるものに重点を置き始めた感じです。八十九はそのひとつです。

    ま、どこの米でもいいですけど、主食はやっぱり米がいいと思う私でした。

     

    ■特別企画 最高級道産米をプレゼントっ!!

    米
    こんなパッケージです。
    「米」という漢字は、八十八もの手間をかけ大切に作る、ということから
    「八」「十」「八」で構成されています。
    「八十九」はそれより一段美味しいという意味でつけたそうです。
    (でもあんまり美味しそうなネーミングではないな、と…)
    ダジャレとはちょっと違うから、まあいいかな。

    というわけで、今回はプレゼント企画です。

    「そんなに美味しいのかい? 是非食べて見たいもんだね」
    とお思いの皆様に朗報です。
    新品種「おぼろづき」の「八十九」というブランド米を、以下の条件で輸出致します。(ウチは国かっ)

    メールのタイトルに「八十九希望」と書いて、下の文章(赤い2行の文)をメールに“コピー・ペースト”して送ってください。たった2合だけ、米「八十九」をお送りします。2合だけですよ。写真のようなパッケージじゃないですからね、一応。
    送り先の住所もお忘れなく。
    締切は12月28日。お正月は、豪華な米でお過ごしください。

    私は、今度会う時、飲み代をおごらせていただきますので
    どうか米を少し分けてください 。


  • v076 運転免許証更新/札幌ダジャレ10:鳥羽一郎

    ■運転免許更新

    雪の札幌

    車の運転をすると、人を轢き殺して一生を棒に振る妄想にかられるので、出来る限り運転をしない私ですが、さすがに北海道という土地では車が必要だと感じることは多いです。

    東京の地下鉄に慣れてしまうと札幌と言えども不便に感じます。目的地に対し、駅まで歩く距離、駅から歩く距離が長く感じ、地下鉄に積極的に乗る気になれません。待ち時間も微妙に長く、いろんな面で時間的なロスを感じます。
    バス停はあちこちにありますので、主要な交通機関はバスということになりますが、バスはよほど土地に慣れないとわからないものです。しかもバスは大抵1路線1時間に2本程度で、待っている間にカップヌードルが10個くらいできあがります(同時に作れば3分か…)。
    どっちにしてもタイムロスは避けられません。どうせタイムロスが大きいのならと、結局は私の場合は自転車をフル活用するわけです。

    その自転車も冬になると使えません。今年、街で初の積雪が記録された日に、たまたま自転車に乗っていたのですが、チェーンが固まってしまいました。よしもと新喜劇の内場勝則の「いーーーーっ!!」みたくなりました。松尾伴内の「ええっ!!!!」みたくなりました。

    バスについては、冬場に長時間突っ立っていると凍死してしまうので、気ままな「ぶらり散歩」もままなりません。バスに乗ればメガネが曇って、カップヌードルの湯気かっ、みたいな状態がこれまた長く続きますし(曇ったままずっと付けていると結構恥ずかしい)、メガネを拭くにも手袋を脱いで(こちらでは「脱ぐ」と言います)、重装備の中、拭くものを取り出して、揺れているバスで拭くのはなかなかに面倒な作業です。仕方なしにメガネは外して手に持っていたりします。

    市町村間の移動となると、もともと採算が合わない路線が多かった北海道は、国鉄民営化によって、鉄道網がズタズタになりました。バスも本数が少ない。自転車ではほぼ無理。となれば車しかないのです。

    運転はしたくなくても免許の必要性は感じます。そんなわけで先月、行ってきました、5年ぶりの免許更新。(やっと本題に)

    さて、免許更新の際、講習を受けさせられたり、ビデオを見せられたりします。それがこの札幌では、やはりこの地方特有の「雪道に関するお話」が中心となっていて、これはこれでなかなか面白いものでした。
    昔小学校の時に無理矢理見せられた「飛び出してきた子どもを跳ねて生涯を棒に振るという精神的恐怖を植え付ける情緒的なストーリー」とは違い、統計や科学的な実験映像に終始していて、面白いくらいでした。

    道路の半分を凍結させてブレーキを踏んだ時の車のスピンの様子とか、雪で視界がいかに悪くなるかといった映像など…。

    何よりも感心したのが教官の話術でした。警察特有の「威圧感のあるベテラン刑事風の顔」なのですが、とても丁寧で優しい口調で話し出します。

    「みなさんは優良ドライバー、素晴らしいことです」
    「事故起こしたらね、下手したら3日も4日もつらい講習を受けないといけんのです」
    「北海道の死亡事故の9割以上は、見通しの良い直線道路での正面衝突なんですよ」

    そして時々しゃべり方がマギー司郎になります。

    「こないだ事故のあったあそこね、うまい漬け物が売ってんですよ」
    「あ、親戚の店の宣伝じゃないからね」
    「そういや、みなさんの中にね、免許もらって住所確認するのはいいんだけど…」
    「確認しながら部屋から出て行く時にドアに頭ぶつける人いるんだよね」

    こんな話で油断をさせておいて、ラスト5分はみのもんた。

    「今まで話したことは全部忘れてもらって結構です。漬け物の話も」
    「今日はこれだけ覚えて帰ってちょーだい」
    「夜のコンビニ周辺の事故が多発してます。コンビニに来る人の動きはこう…」
    「ここが死角になって、ほとんどドライバーから見えません」
    「みなさんのような優良ドライバーの事故も多い、気をつけてくださいね」

    まあ、優良ドライバーというのは、暗に普段車に乗らない人が多く含まれるわけで、それには触れずに「優良」の心をくすぐり、仕舞いに釘を刺すところなんざ、憎い構成でありました。そして見事なエンディング。

    「ハイ、きっかり30分。ドアに気をつけて」

    ベテラン刑事風の人相と話の巧みさに、面白い映画を一本観てきたような、得した気分になった免許更新でした。

     

    ■札幌のダジャレ的世界の発見 第10回・鮭トバ・イチロー

    札幌にいると、小さな店から公共機関に至るまで、やけに“ダジャレもの”を目にすることが多いので始めたこの企画。もう10回目を迎えました。
    今回は札幌というわけでもないんですが、道東の白糠(しらぬか)町で製造している「鮭トバ」の商品ネーミング。「鮭トバ」とは、鮭の身を干した酒の肴に最適の食べ物です。

    「鮭とばイチロー」

    鳥羽一郎のダジャレと思われます。とは言っても、私は鳥羽一郎をよく知りません。それから何でカタカナでイチローなのか分かりません。あのイチローであるならば、なぜ野球?
    もしこの商品が全国展開されているとしたら、北海道のダジャレのセンスも輸出していることになり、身も凍る思いです。

    鮭トバの作り方を調べてみたら、1日濃いめの塩水につけて、日陰で干しただけの食べ物のようです。(こんなに簡単に作れるのだろうか…)

    ついでに「鳥羽一郎」も調べてみました。
    三重県鳥羽市、漁師の家に生まれる。荒波にもまれ潮風に鍛えられ育つ。歌手を夢見る。10代は心身を鍛えるため遠洋漁船の船員を5年間勤め、船上で船村徹氏の作品「なみだ船」などを愛唱。弟(演歌歌手の山川豊)は先に歌手を目指して上京。弟に触発され27歳の時にカツオを片手に上京。(マジか)
    船村徹氏の弟子となり、3年間修行。芸名は出身地に因む。「兄弟船」でデビュー。
    船村徹って誰? カツオは左手に持っていたのか? マイクが右か?

    鮭とばイチローと茶~ぶー
    寝起きの茶~ぶーです。「鮭という魚」だけに「酒の肴」に最適です。
    (座布団1000枚没収?)